<7月1日>(月)
〇本日発表された日経&テレ東の世論調査では、岸田内閣の支持率は前月比▲3pの25%となりました。不支持率は67%(±0p)である。
〇たぶん官邸はこの調査をとっても気にしていたはずである。日経の調査は「2度聞き」(強いて言えば・・・と聞いてくれる)なので、他よりも高めに出る、というのはさておいて、調査時期が6月28〜30日と他社と比べて一番遅いからである。つまり「定額減税」の効果を見るには、この調査が一番適しているからだ。
〇ところが、定額減税は効果が見られなかったばかりか、今回の日経調査は通常国会の終わり際にバタバタと決めた「電気ガス料金の補助」についてまで、意見を聞いてくれている。その回答は、「有効だと思う25%」「有効だと思わない68%」とあいなった。いかんですねえ。完全に岸田首相は裏目っている感じです。定額減税に関しても、きわめて冷たい反応しかありません。
〇この調子でいくと、来週8日に出るNHKや時事通信の調査も似たような感じでしょう。やっぱり普通の政治家が、ポピュリストのまねごとをしちゃいかんのです。ここまで約3年、通算で1000日を超えた岸田内閣ですが、一番の悪手が定額減税だったのではないでしょうか。それ以外のことで言えば、かなり威張れる成果を挙げていると思うのですけどねえ。
〇ということで、アメリカはバイデン降ろし、日本では岸田おろし。どっちかは生き残るような気がしますけど、さて、どっちでしょうねえ。
<7月2日>(火)
〇本日は四国スミリン会さんに呼んでいただいて高松市へ。四国地域における住友林業さんのお取引先企業の会である。住宅や建材業界は割と昔からなじみがあるのだが、おそらくは円安で困っておられるはず。ということで、本日の講演会は「もしトラ」話から始めて、「シン・産業政策」、そして為替の話へとつないでみる。
〇そういえば本日は、神田財務官の置き土産とも言うべき「国際収支懇談会」の報告書が出たんですな。あとでしっかり読みましょう。たぶん円安対策のポイントは、「対内直接投資を増やすこと」と「国内の電力供給を強めること」(再エネと原発)、あとは海外に滞留している日本のおカネを、どうやって還流させるかに尽きるのだと思います。
〇向こうに着いてから聞いて驚いたのだが、東京から光吉敏郎社長が来るとのこと。実は光吉さんは日本ニュージーランド経済審会議の事務方同士で、若い頃から何度も一緒にニュージーランドで仕事した間柄である。お互いが課長代理くらいからの知り合いだが、30年近くたったらなんと向こうは社長さんである。
〇こちらは2010年のタウランガ会議に出たのを最後に、NZにはずっとご無沙汰しているのだが、光吉さんによればタウランガには今度、8階建ての木造市庁舎が建つのだそうだ。しかもその材料が、NZで植林されているラジアタパインと聞いて感動する。なるほど、今の木造建築ブームというのは隈研吾さんだけではないのですな。
〇わが国においても、木材の輸入量は貿易品目としてはかならずしも多くはないのだが、それでも2020年のウッドショック以降は国産材の使用が広がっている。変な話だが、スギ花粉問題を解決するためにも、国産のスギを切って建材として使い、代わりに花粉が出ないスギを植えていく、みたいなリサイクルをやっていくことが望ましい。
〇などと、この業界における最新情勢を伺う。あんまり感心したので、帰りの途中で双日建材のS君に電話をして、「住林さんの会合はレベルが違うぞ」などとお節介なことを言ってしまう。まあ、本当のことなんでしょうがない。
〇懇親会の立食パーティーでは、遠慮なく飲み食いさせていただいたのであるが、帰りに高松空港に着いたらANA便の到着が遅れている。この空港は梅雨の季節は霧が出るので、ときどきこうなるのである。これは仕方あるまい、ということを口実に、空港内のお店でさぬきうどんを注文する。また太ってしまうけど、高松に来たらやっぱりこれがないとねえ。
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編集者敬白
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by Kanbei (Tatsuhiko
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