●かんべえの不規則発言



2020年9月 






<9月15日>(火)

〇菅新総裁の人事は地味ですね〜。派閥均衡型だし、平均年齢高いし、何というか「華」がない。オヤジとジジイばっかし。というか、「見てくれ」などはまったく考えていないご様子。「いいんだ、俺はとにかく仕事がしたいんだ」ということなのかもしれません。

〇この感じだと、近い解散もなさそうですね。この可能性がある!と気が付いたときは瞬間、嬉しかったのですけど。


10月2日(金) 臨時国会召集。菅首相所信表明

10月5日(月) 衆院代表質問

10月6日(火) 参院代表質問

10月7〜8日 解散

10月17日(土) 中曽根元首相政府・自民党合同葬

10月20日(火) 衆院選公示

11月1日(日) 投開票・大阪都構想の住民投票


〇このシナリオで行くと、優れている点がいくつもあります。

(1)ちゃんと所信表明と代表質問を行って、「菅内閣」を打ち出したうえで解散。

(2)中曽根大勲位の葬儀も選挙期間から外れる

(3)「大阪都構想」もアシストして維新もハッピー

(4)アメリカ大統領選挙の前に全部片付く

(5)感染者数も10月に向けて減少傾向


〇まあ、それもこれも新内閣に対する世論調査の支持率を見てからでしょう。この週末から連休にかけての反応が興味深いところです。


<9月16日>(水)

〇いやー、ここまでくるといっそスガスガしい。女性を入れなきゃとか、若手を増やしたいとか、変に「人気取り」や「マスコミ受け」を意識していないのが、かえってフレッシュな組閣に思えます。そんなことより当選同期の友情を大事にしたい。これって団塊世代ならではの感覚でしょうか。

(故・星野仙一が、何かというと田淵幸一と山本浩二とつるんでいたことを思い出します。そうそう、同じ東北出身で法政大学卒の生島ヒロシさんのパーティーにも来てました)。

〇見事なまでに派閥均衡人事でありますが、いちいち派閥の領袖に許可を取ったりはせずに、全部自分で一本釣りして決めているのでしょう。自分の考え通り、実務家タイプをずらりと並べている。7年8カ月も官房長官をやると、こういう好き勝手ができてしまうのですね。

(岸信夫防衛相と平沢勝栄復興相に関しては、「ご依頼」もしくは「プッシュ」があったやもしれません)。

〇個々の人事に関しては、「畏るべし、菅義偉内閣」という考察が示唆に富みます。――「菅新総理の任期は原則来年9月までですが、この閣僚配置は、短期的な布陣ではなく、コロナ禍対策をはじめとする足下の諸課題を解決すると同時に規制改革をはじめとする長期的な改革にも取り組む意欲を見せる菅義偉色が色濃く反映された布陣だと思います」

(しかしまあ、解散を恐れて野党が群れるこの時期に、敢えて無所属ですか。Kさん、頑張りますねえ。「我一人」という覚悟があるからこそ、傾聴すべき評論だと感じました)。

〇菅さんは政治家にしては口数が少なく、人の意見に耳を傾ける。心地良いことを言ってくれる人の意見は朝にパパっと聞き、嫌なことを言ってくれる人の意見は夜に時間をかけて聞く。けれども、それらに影響を受けることは少ない。自分が決めた通りに行動する。閣僚に問題が生じたら、即刻更迭してしまうでしょう。たぶん馬謖を斬るときに、涙は見せないタイプだと思います。

(これに比べると、安倍さんは情にもろい人だったなあ、という気がいたします。そのおかげで「チーム安倍」が長持ちしたという面もあるのですが)。

〇ということで、当溜池通信としては「ハードボイルド内閣」と命名しましょう。総理以下、いかにも多情多恨なタイプが多そうに見えるじゃないですか。


<9月17日>(木)

〇以前から何度も書いている話ですが、アメリカの政治家は「石を投げれば団塊に当たる」。ビル・クリントン(1946年)、ジョージ・W・ブッシュ(1946年)、ヒラリー・クリントン(1947年)、ドナルド・J・トランプ(1946年)と多士済々であります。実に大統領3人、合計16年がこれに該当してしまいます。

〇ところが日本では、団塊世代の政治家が少ないのであります。しかも過去に首相になったのは、鳩山由紀夫(1947年)と菅直人(1946年)というから、戦後の歴代首相におけるブービーとブービーメーカー(どっちがどっちでも可)なので、ほとんど忘れられた存在であったのです。今回、菅義偉(1948年)が首相になりましたが、果たしてこのジンクスは打ち破れるでしょうか。

〇団塊世代の政治家は、ほかにはこんなところが目立ちます。数は多いんですよ。ただし、何というか「残念なタイプ」が目立つのですよね。仙谷さんや鳩山邦夫さんのように早世された方も目立ちます。



阿部知子(1948年)

甘利 明(1949年)

井上義久(1947年)

猪瀬直樹(1946年)

大島理森(1946年)

鴨下一郎(1949年)

河村たかし(1948年)

穀田恵二(1947年)

鈴木宗男(1948年)

仙谷由人(1946年)

中村喜四郎(1949年)

鳩山邦夫(1948年)

舛添要一(1948年)

山本幸三(1948年)



〇ちなみに菅首相を支える顔ぶれの中には、山口泰明選挙対策委員長(1948年)、林幹雄幹事長代理(1947年)といった顔ぶれが入っています。まあ、菅さんの場合、前2人のパフォーマンスが悪すぎるので、それを下回ることだけはないと思います。頑張ってほしいです。


<9月18日>(金)

〇安倍前首相の辞任会見から今日で3週間。そして今日には「菅新内閣の支持率は7割前後」ということですから、なんとも早い変化でありました。

〇ふっと思い出しましたが、9月12日の日経プラス10サタデー「ニュースの疑問」に出演した際、日経論説委員の坂本英二さんが番組冒頭でこんなことを言ったんですよね。


「石破がつき 岸田がつきし天下餅 座りしままに食うは菅長官」


〇で、番組が終わった後は、関係者間でしばし織田〜豊臣〜徳川に関する雑談が続いたのです。そしたら最後にこんな一言が飛び出した。


「この後、大坂冬の陣、春の陣があるかもしれないね」


〇つまり天下を取った家康は、念には念を入れて豊臣家をつぶしに行く。この場合で行くと、菅首相が安倍退治を図ることになる。いやあ、永田町であれば、いかにもあり得る話です。というか、どこの会社でも、会長と社長の間ではよくよくあることですわな。政治の世界はいかにも業が深いです。


<9月19日>(土)

〇大阪経済大学の講義で大阪へ。シルバーウィークの始まりだけあって、今朝の東京駅は結構混んでました。迷った挙句、グランスタで弁当を買います。海鮮丼にしました。

〇ああ、とっても久しぶりの東海道新幹線、そして大阪である。と言っても見かけ上は、そんなに変わっているわけではない。タクシーの運転手さんと話すと、「万博なんてどうでもいいですわあ」とのこと。

〇北浜キャンパスに行って、約3時間の授業をして、まっすぐ新大阪駅に戻るだけである。ホントはいろいろ立ち寄りたいのだけれども。

〇新大阪の駅で「ぼてじゅう」で肉玉を注文し、551の豚まんを買って帰る。新幹線の中ではずっと竜王戦挑戦者決定戦第3局を見ていた。家に着いた頃になって、羽生さんが丸山九段を下して挑戦権獲得。ああ、ホッとした。

〇豊島竜王との七番勝負。これは楽しみですな。オバゼキ先生はきっと豊島応援団だと思いますが、当方は羽生応援団です。いざ尋常に勝負。






***月初に戻る






編集者敬白





●不規則発言のバックナンバー

2020 2019 18 17 16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99
  19年12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月
  19年11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月
  19年10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月
20年9月 19年9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月  
20年8月 19年8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月  
20年7月 19年7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月  
20年6月 19年6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月  
20年5月 19年5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月  
20年4月 19年4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月  
20年3月 19年3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月  
20年2月 19年2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月  
20年1月 19年1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月  

溜池通信トップページへ

by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)