●かんべえの不規則発言



2018年11月 







<11月1日>(木)

○広島からの客人が訪れて、こんなことを言うのである。

「いやもう、かつては札仙広福と言ってましたが、最近は福岡にはかないません。あらゆる指標で負けています」

「そんなこと言って、今夜の試合は負けられないじゃないですか」

「いや、それは別です。ちゃんと勝って、2勝2敗にして広島に戻らないと・・・」

○今年の広島は西日本豪雨の被害を浴びて、マツダさんも貿易戦争がちょっと心配なんだけど、とにかくカープが強い。そうそう、サンフレッチェもいいところにいる。

○今年の日本シリーズ、「西日本シリーズ」などと言われていますけど、中身の締まったいい試合をしていますな。ついつい今宵は11時過ぎまで見てしまいましたがな。しかしホークスはホントに地元で負けませんなあ。やっぱり福岡市が最強なのか・・・。この週末は広島の反撃を見たいものであります。


<11月2日>(金)

○今朝の日経新聞に、アーサー・クローバー氏が出ていました。先月、彼が訪日した際に収録したのでしょう。米中新冷戦のことを取り上げていて、アメリカと中国の両方を均等に観察している数少ない論者だと思います。

○実は10月16日に当方が取材した内容は、明日の東洋経済オンラインで登場する予定です。中国研究家の津上俊哉さんとペアで質問しておりますので、たぶんこっちの方が面白いと思います。ご期待を乞う。

○もう一点、この問題について掘り下げているのが、今週月曜日の日経「核心」の記事、「米国、技術を関所で死守」というもの。CFIUSと輸出管理法を、「入り鉄砲に出女」と評したのは流石の滝田洋一編集委員です。

○てなことで、米中新冷戦に関するネタは当分、尽きそうにありません。めでたいのやら、めでたくないのやら。


<11月3日>(土)

○仕事が大分片付いたので、ゆっくり朝寝、ついでに昼寝。いやあ、我ながら寝るねる。

○木曜日は仕事しながら見ていた日本シリーズ、今宵はゆっくりとビール飲みながら見物。ソフトバンクホークス、強し。あの広島カープがまったく歯が立たない。いや、もちろんこれは西武ライオンズとのクライマックスシリーズを苦しみながら勝ち抜いたことで、勢いがついているのであって、そこを簡単に勝たせてしまったセ・リーグとの差があるのかもしれない。とはいえ、このチームはホントに隙がない。

○特にキャッチャー甲斐の強肩はすごかった。子どものころから野球を見てきて、あんなに早い二塁送球は見たことがない。ゴルゴ13は0.17秒で銃を抜くことになっているが、甲斐捕手の投球は1.7秒なのだそうだ。いや、いいものを見させてもらった。MVPはまったく納得である。こんな風に守備を楽しめる野球は面白い。剛速球やホームランの数を競う野球は、所詮それまでのこと。

○ということで、「西日本シリーズ」に大満足なのであった。どうにもパ・リーグの方が強いのである。やはりこれは指名代打制の効果なのであろうか。


<11月4日>(日)

○今日は町内会の秋季掃除。ドブさらいはなくて、草むしりが中心なので春よりは楽である。新しく越してきた人も加わって楽しい集団作業。またの名を同調圧力とも言うが、その効力たるや絶大である。あっという間に草が刈られて町内がキレイになる。

○ご近所で建設されていたアパートで、工事が中断されていることが判明。いったい何があったのやら。だからアパマン経営なんて、気やすく手を出すものじゃないですよ。若者が減る国でワンルーム作って、誰が借りてくれるのか。などとブツブツ言いながら草むしり。

○午後からはご苦労さん会で芋煮会。昼間からワインを飲んでへべれけになる。どれくらい酔ったかというと、せっかくアルゼンチン共和国杯(G2)でパフォーマプロミスが勝ったというのに、馬券を買ってあげられなかったくらいである。単勝4.8倍であったか。無念である。


<11月5日>(月)

○今朝はモーサテへ。明日に控えた米中間選挙についてお話しする。本日のところは「上院は共和党+下院は民主党=ねじれ議会」という予想で決め打ちしております。もっともそうはならない確率だってあるわけで、外れるかもしれません。2年前がそうだったもんなあ。大勢判明の水曜午後にはどんなことになっていますやら。

○今日のニュースで面白かったのは、「モーサテジャーナル」で、「アマゾンの第2本社は、バージニア州クリスタルシティーが最有力」との情報。これはまことに納得でありまして、ワシントンDCに直結していて、地下鉄が通っていて、すぐ近くにレーガン空港があって、ペンタゴンにも近い。なおかつ、オフィスや住居スペースも足りている。

○これはもうAI時代の地政学といえましょう。AI時代には、企業はなるべくデータに近い場所に居る方がいい。そうだとすると、首都に近い方がいい。AI時代は一極集中を加速するんじゃないだろうか。

○さて、今週は中間選挙ウィークの始まりである。今週は「ゆうがたサテライト」にも出ますし、「朝まで生テレビ」にも登場しますぞ。ということで、まとめて3日分更新でした。


<11月6日>(火)

○いよいよ中間選挙の当日を迎えました。本日の日本時間午後8時から、既に投票は始まっております。明日の夕方には大勢は判明していることでしょう。

○実を言いますと、アメリカの選挙予測における3大機関ともいうべき「クックポリティカルレポート」「サバトのクリスタルボール」「ファイブサーティエイト」の3つが、すべて同じ結果を示しているのです。すなわち「下院は民主党が取るけれども、上院は共和党がキープする」

○それって昨日のモーサテで不肖かんべえが語ったのと同じ予想なんですが、こうなるとむしろ怖くなってくる。2年前の大統領選挙と同じく、全員が揃って間違えるんじゃないかと・・・・。今日になって、ポリティコさんも同じ予想を書いているじゃありませんか。それじゃあ、ますます不安になってまいります。

○さらに今週のThe Economist誌です。今週のカバーストーリーは、"America Divided --Why the Mid-terms matter"という記事です。アメリカは分裂してしまっている。だから今回の中間選挙では、せめて民主党が下院を取ってくれ。それは共和党にとってもいいことなんだ!という心の叫びのような内容になっています。

○そりゃあ、そうですわな。共和党が上下両院ともにキープしてしまったら、ますますトランプさんが増長して誰も止められなくなってしまう。共和党内に逆らう人が居なくなるのです。そしてそれ以上に、民主党の自信喪失が深刻になりそうです。だってこの状況で勝てなかったら、2020年はどうするのか。最終盤に来て、今までは党内若手に遠慮していたオバマ前大統領が、「もう見てられない」とばかりに全面に出てきている。民主党の人材難は深刻です。

○たまたま今日読んだ『リベラル再生宣言』(マーク・リラ/早川書房)が面白かった。これは良心的なリベラル派による「おいおいおい、このままじゃいかんぞ!」という警告の書である。リベラルの敵はトランプではなく、内部にあり。簡単に言ってしまうと、ここ数十年のリベラル派がいかに「意識高い系」で「上から目線」で、内部に壁を作っては自滅してきたかというお話である。特にアイデンティティ・ポリティクスに救いはない、という指摘はまったく同感です。

○できれば明日は皆の予想通りの結果になって、胸をなでおろしたいところであります。共和党が下院も取っちゃったら事態は深刻で、ブルーウェイブはどこへ行ったんだ!責任者出てこい!全員でこの本(The Once and Future Liberal --After Identity Politics")を読んで反省しなさいっ!ということになってしまうのではないか。

○どうでもいいことなんですが、この本の解説はちょっとひどいと思う。解説者が自分のことばかり書いて、かるーく全体の要旨をまとめて、「最後に、マーク・リラについて簡単に紹介しておこう」と著者の説明は9行で済ませている。おいおい、せめて前著の『難破する精神』との関連くらいちょこっと述べてくださいよ。簡単に入手できるんだからさあ。

○とまあ、日本とアメリカのリベラル派がどうなろうが、ワシ的にはどうだっていいことなのでありますけどね。さて、明日はどんな結果になるのでしょう。


<11月7日>(水)

○昨日は世紀の中間選挙の直前、「もしも『ねじれ』なかったらどうしよう!」と焦ったのでありますが、めでたく選挙結果はねじれることになりました。選挙結果は下記の通りです。

下院:民主党219議席、共和党193議席、未定23議席。民主党が過半数の218を超えましたので、多数派となることが確定しました。慶賀に絶えず。民主党議員の中には、「初のソマリア人女性」(Ilhan Omar=ミネソタ第5区)、「初のイスラム教徒女性」(Rasida Tlaib=ミシガン州13区)、「史上最年少の女性議員」(Alexandria Ocasio-Cortez=ニューヨーク州第14区)、「史上初のレズビアン・ネイティブ・アメリカン」(Sharice Davids=カンザス州第3区)、「史上初のゲイ男性」(Chris Pappas=ニューハンプシャー州第1区)、「初のネイティブ・アメリカン女性」(Deb Haaland=ニューメキシコ州第1区)などの初物尽くしが入っています。アメリカならではの多様性といえましょう。

上院:共和党が52議席、民主党が45議席、中間派が2議席(バーモント州のバーニー・サンダースとメイン州のアンガス・キング。いずれも民主党と共同会派)という結果になりました。残り3議席はフロリダ州、モンタナ州、アリゾナ州で、3つとも共和党になる可能性が大。結果として共和党55対民主党45議席となり、共和党が4つも議席を伸ばすことになる。以前から何度も言っております通り、トランプ政権にとって今回の中間選挙は、「上院さえ負けなければ後はかすり傷」であります。そういう意味では、トランプ大統領が"Tremendous success tonight. Thank you to all!"とツィートしたのもむべなるかなでしょう。

知事:民主党がメイン州、ミシガン州、ウィスコンシン州、カンザス州、イリノイ州、ニューメキシコ州、ネバダ州と民主党が7つも議席を伸ばしました。とはいえ、共和党は2020年選挙を考えると死活的に重要なフロリダ州、オハイオ州の知事をゲットしています。この勝負、どちらが勝ったかは微妙なところでしょう。これで知事さんは共和党が25州、民主党が22州、残りの3つはコネチカット州(たぶん民主党)と、ジョージア州とアラスカ州(たぶん共和党)ということになります。

○以下は今回の中間選挙に対する若干の私見であります。

(1)ブルーウェーブは「さざ波」に終わった。ツナミは起きなかった。民主党陣営としては、「スター誕生」とはいかなかった。誰にヒーローインタビューをしたらいいのか分からない。強いて言えば、テキサス州上院選でテッド・クルーズを3p差に追い詰めたベト・ラルーク前下院議員が殊勲賞でしょう。今後の彼にどんなポストを与えるべきか、民主党はここは知恵を絞らなければなりません。

(2)トランプさんはやっぱり強かった。選挙戦の最終盤で乗りこんでいったフロリダ州、インディアナ州、ミズーリ州などで、共和党はこぞっていい成績を収めている。これは共和党の現職議員全体が、大統領に対して頭が上がらなくなることを意味しています。せいぜい、ユタ州で勝ち上がったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事くらいでしょうかねえ、大統領に逆らう覇気がある人と言えば。

(3)テイラー・スウィフト効果は限定的だった。これはCNNの出口調査を見ると、若者(18歳から29歳)が全体に占める比率は13%に過ぎなかった。逆に50歳以上の比率は56%にも達する。日本と同じで、若者は投票しないのである。その若者は3人に2人が民主党に投票して、高齢者はほぼ半々の結果に終わったのだが、結果としてみると共和党を利したということになる。マイノリティの投票率も、高くはなかった。白人が72%で非白人は28%。これじゃあ民主党は伸びませんわなあ。ちなみにテイラー・スウィフトさんの地元はどうだったかというと、テネシー州ナッシュビルの地元下院議員は再選されたけど、上院議員も知事も共和党となりました。やっぱりテネシー州は保守的なのであります。

(4)何が共和党を利したかと言うと、やっぱり景気が良かったことが大きい。これもCNNの出口調査では、「景気はどうですか?」(Condition of national economy)という問いに対して、Good 68%、Poor 31%なのである。やっぱりアメリカ経済は景気がいいのである。これじゃあ野党は伸びませんわなあ。とにかく景気が善かったら、「現在の高関税政策はいかがなものか!」という批判は起きにくい。

(5)景気が良い、ということは、本来は副次的な争点であるところの銃規制や信仰の問題がクローズアップされる契機となったのだろう。さらに言えば、教育差や年収の差も選挙結果に大きく影響していることが窺える。トランプ政権は「高収入で低学歴な人々」と相性がいいらしい。

○こうしてみると、新しい芽はちょっとずつ育っているような気がする。それでも全体として言えばトランプさんの勝利。この辺がとりあえずの総括と言うことになります。


<11月8日>(木)

○考えてみたら今年の中間選挙、最大の事件は「予想が当たったこと」でありましょう。「クックポリティカルレポート」から不肖・当溜池通信まで、「上院は共和党、下院は民主党」という予測がちゃんと当たった。つまり世論調査は再び信用に足る指標となった。2年前はひどかったからなあ。

○それも不思議なことではなくて、この2年間でわれわれは「トランプ大統領」に慣れた。もしくは慣れつつある。CNNの記者をホワイトハウスから「出禁」にしちゃうとか、そんな無茶なこと(ある人たちは「愉快、痛快」と思っているだろう)をしてしまう大統領が居る、という現実にである。

○以前であれば、「トランプ支持」は滅多に口に出せないことであった。世を憚る影の姿であった。今は堂々と口にすることができる。それどころか、支持者たちは近くでトランプ集会があると朝から出かけて行って、何時間でも立ったままで待っている。政治家の話を聞くために行列して待つ、なんてこと、日本で考えられますか? ワシは小泉進次郎の演説会で1時間待ったことがある。まあ、その辺が限界ですわなあ。すごいのはこの人気が、2015年くらいからずっと続いていて飽きられていないということである。

○トランプ氏が政治的天才であることを伝える簡単なデータがある。今回の中間選挙の直前3日間、彼がどこを訪れたかである。

11月3日(土) モンタナ州、フロリダ州

11月4日(日) ジョージア州、テネシー州

11月5日(月) オハイオ州、インディアナ州、ミズーリ州

○7つの州を回って、無駄玉が極端に少ない。上院議員だけで言えば4勝2敗、さらに知事選では4勝0敗。テネシー州、ジョージア州で勝ち、しかもフロリダ州とオハイオ州という2020年向けの重要拠点をゲットしている(未確定部分を含む)。それも結構、僅差の戦いが多い。トランプさんは、「自分が応援に行けば負けない」という感触を得たんじゃないだろうか。

○選挙を応援してもらった側には恩義ができる。これはもう共和党内は大統領に逆らいにくくなった。高揚した気分になるのは無理もないでしょう。


<11月9日>(金)

○今度の中間選挙を民主党側から見ると、「郊外で健闘した」ことが朗報と言える。これが下院での約30議席増に貢献している。以前から、「都市部は民主党、地方は共和党」という図式があったので、郊外で支持を増やすことの意義は大きい。

○よく「アメリカ大統領選挙の動向は『ママ』が決める」と言われる。歴代の選挙においては、「サッカーママ」とか「セキュリティーママ」といった言葉が生み出され、彼女たちがスイングボーターとなってきた。おそらくそういうママさんの多くは郊外に住んでいる。今回の中間選挙では、トランプ大統領の数々のセクハラ発言やカバノー判事承認のことがあったので、彼女らは文字通り「怒れるママさん」になったのではないだろうか。

○CNNの出口調査を見ると、今回投票した女性の59%が民主党、39%が共和党に入れている。これが男性だとそれぞれ48%、51%なので、有意に差が出ている。もっともこの傾向は以前からあって、2016年大統領選挙では女性の54%がヒラリー、42%がトランプに、2012年選挙ではオバマに55%、ロムニーに44%に投票している。単純な比較はできないが、今回の「女性の約6割は民主党」という数字が意味するものは重い。

○逆に民主党にとって惜しかったのは、「スター候補者が紙一重で負けちゃったこと」であろう。テキサス州のベト・オルークだけじゃなくて、フロリダ州知事を目指したアンドリュー・ギラムだとか、ジョージア州知事を目指したステイシー・エイブラムスだとか、勝てば見出しが取れるようなタマはたくさんいたのである。だから、ヒーローインタビューしたくなるような初当選議員が居ない。それがちょっとツライ。

○と思ったら、いつもチェックしているパディーパワーの「2020年の民主党候補」のオッズがこんなことになっている。おお、なんとベト君、いきなり2位浮上!

Sen. Elizabeth Warren (MA) 4/1 (5.0倍) 1949.6.22(69歳)
Rep. Beto O'Rourke (TX) 5/1 (6.0倍) 1972.9.26(46歳)
Fr. VP Joe Biden (DE) 5/1 (6.0倍) 1942.11.20(75歳)
Sen. Kamala Harris (CA) 11/2 (6.5倍) 1964.10.20(54歳)
Sen. Bernie Sanders (VT) 10/1 (11.0倍) 1941.9.8(77歳)
Sen. Amy Klobuchar (MN) 14/1 (15.0倍) 1960.5.25(58歳)


○つい意地悪な気持ちになって、右側に年齢をつけておきました。民主党の有望株は高齢者が多いんだよなあ。でもまあ、こんな形でスター誕生があり得るというのは、アメリカ政治らしくていいところだと思います。

○ところでひとつトリビアをご紹介。テキサス州の下院議員で、上院選に挑戦して敗れたけれども、最後は大統領になった人がいます。それはジョージ・H・W・ブッシュ(お父さんブッシュ)。出馬の際には、テキサス州の大先輩であるリンドン・ジョンソン元大統領のところへ相談に行った、という逸話が残っています。

○1970年、お父さんブッシュはテキサス州の現職上院議員だったロイド・ベンツェンに破れます。その後、共和党全国委員会委員長、国連大使、中国大使(当時はまだ米中連絡事務所長)、CIA長官などの要職を務めます。それで1981年からレーガン政権の副大統領。つまり浪人時代を上手に過ごして大統領への切符を手に入れた。民主党は、ベト君にどんなポストを提供できるのか。気になるところです。


<11月10日>(土)

○今週末に封切られた「ボヘミアン・ラプソディー」をさっそく見てきました。今ではクイーンを語るときに、「伝説のロックバンド」と言われてしまうんですなあ。ワシ的には今でも高校時代に聴き始めて、多くの曲が脳内の海馬に落ちていて、今でも何かの拍子に耳元で止まらなくなってしまう。で、本日は久々にその世界に浸ってまいりました。

○クイーンというバンドは、1970年代の日本市場では「見た目重視」というくくりで、当初はベイシティローラーズやキッスと一緒に「御三家」扱いされていた。今から思えばご冗談のような話だが、その音楽性の高さは変なタブーのない日本ではすぐに認められた。「キラー・クイーン」はカッコ良かったし、「ラブ・オブ・マイライフ」は胸にしみた。「ボヘミアン・ラプソディー」はあまりにも画期的で、初めて聞いたときは何事が起きたかと思った。そして「ウイ・ウィル・ロック・ユー」や「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」を知らない人はいないだろう。

○ファンとしてはいろいろ複雑なところはあって、あの曲もこの曲も(特に初期のもの)取り上げてほしかった、などという思いは残る。それでもこういう記録が残ることは素直にありがたい。最近ではフレディ・マーキュリーは「そっくりさん」やパロディばかりが横行しているんだもの。

○映画を見てしみじみ感じたのだが、1980年代にゲイであることがどれだけ罪深いことであったか、AIDSがどんなに怖い病気であったかなどは、21世紀の今の若い人に説明することは容易じゃないでしょう。そういう意味では、過去を語り伝えていくことは難しい。でもまあ、関心を持ってもらえるだけでもいい。

○いやあ、あいつら、とうとう歴史になってしまったんですねえ。馬券王先生、早く見に、聞きに行ってくださいまし。まあ、それとは別にエリザベス女王杯の方もよろしくお願いします。


<11月12日>(月)

○明日は「二の酉」で、酉の市がにぎわいそうです。それはいいんですが、深夜にハロウインのときの渋谷のような混乱は浅草では起きないですよね。酉の市はご近所のお馴染みさんが中心ですから、グローバルに人を呼び寄せるということはないと思いたい。もっとも今の世の中ですから、誰かがSNSで宣伝しちゃうと人が溢れてしまうのかも。まったく変な世の中であります。

○たまたま今日、お昼に入ったお店にでっかい「浅草、鷲神社」の熊手が置いてあったものだから、つい余計なことを考えてしまったぜ。あれは、どうみても1万円以下ではなかったような。商売繁盛を目指すからには、「今年は小さいのでいいです」と言うわけにはいきません。毎年、規模拡大を目指さなければなりません。

○今年は11月1日(木)、11月13日(火)、そして25日(日)が酉の日となります。今年は「三の酉」もあるのですな。こういう年は火事にご用心、というのは迷信かと思ったら、カリフォルニアですでに起きておりました。くれぐれもご用心を。あ、そういえば今年も「火の用心」をやらなきゃいけないんだな。


<11月13日>(火)

○最近、片山さつき大臣(地方創生担当)と並んで、世間の顰蹙を買っている桜田義孝大臣(五輪担当)は、当柏市の選出であります。

○当選回数は7回と多いですが、自民党にはありがちな地元建設業→市議→県議コースの代議士さんですので、国会での答弁能力に不安があるのは想定の範囲内であります。昔だったら、全然問題はなかったはずなんです。もっとも、蓮舫さんのことを何度も「レンポウさん」と呼んだのはいただけません。彼女は仮にも最大野党の党首だった人なんですから。

○もちろん桜田さん本人はとっても「いい人」でありまして、どれくらいいい人かと言うと、うちの町内会の夏祭りなどには毎年顔を出してくれます。じゃあ、お付き合いだけ欠かさないタイプの人なのかと言うと、過去10年くらいの間に不肖かんべえがいろんな場所で3回以上名刺交換をして、そのたびに「柏市在住です」と言っているのに、毎回フレッシュな反応をしてくれる人です。どう考えても、悪い人じゃありませんよね。ですから、過去には何度もこの人に投票しております。

○それでは、なぜ桜田氏が今回の安倍内閣で大臣に登用されたかと言うと、もちろん派閥の推薦などもあったのでしょうが、たぶんお隣の流山市選出の斎藤健さんが当選3回で農水大臣になってしまったので、千葉県内の「バランス感覚」が働いたのではないかと思います。自民党は究極の日本型組織ですから、こういうのも一概に悪いこととは言えません。かつての民主党でも、この手の情実人事は結構ありましたしね。完全に情実を排してしまうと、それこそ日本共産党みたいな人事になってしまいますから。

○そこで野党は、せっせと大臣いじめに精を出しているようなんですが、そんなことで安倍内閣が倒れるとも考えられず、マスコミに話題を提供して、小さな得点を挙げる一方で、今臨時国会における絶好の暇つぶしになっているんじゃないでしょうか。そういうことを国会論戦だと思っちゃいけないと思うんですけどねえ。

○念のために申し添えますと、もうちょっとマシな選択肢があれば、ワシも有権者としてそっちを選ぶのでありますが。やむなし、でありますな。


<11月14日>(水)

○警戒警報です。2025年の万博開催地は、日本対ロシア、いや大阪対エカテリンブルクが大激戦になっているとのこと。答えは1週間後の11月23日、パリのBIE総会で決まりますが、ここで負けたら、関西経済の一大事であります。呑気に日ロ首脳会談なんてやってる場合じゃありませんがな。ワシが個人的に楽しみにしている大坂夢洲のIR=カジノ施設も建たなくなるかもしれません。

○7-9月期のGDPは予想通りマイナス成長だったし、貿易戦争は気になるし、株価も不安定だし、来年は消費増税があるし、これはますます日本経済が心配になってきましたぞ。その前にとにかく大阪ガンバレ!と申し上げたい。


<11月15日>(木)

○本日は広島市へ。と言っても、日帰りだから、都合8時間も新幹線に乗っていたことになる。さすがに消耗。あんまり広島を楽しむ時間もなかったので、車中のランチはカキフライ弁当にいたしました。

○気になっていたのは、広島のマツダ工場は7月の豪雨災害から復旧しているはずなのに、工場がフル稼働していないんじゃないかと言うこと。普通だったら夏場に生産が止まった分を、取り戻すはずですよね。そうなっていないのは、貿易戦争や自動車関税を恐れてのことなんじゃないか、との推測が成り立ちます。ところが実態は、周辺にある部品工場の復旧が遅れているから、が理由なのだとか。それならそれで納得、であります。

○本日の仕事は建設機械メーカーさんで、ここも来年の計画は強気継続のようでした。やっぱり中国の需要が大きいので、それが昨年くらいから良くなっている。問題はこれから先で、「米中新冷戦」みたいなことになると需要の腰折れが心配になってくる。いや、それはそうでしょう。トランプさん、皆があなたの一挙手一投足を見守っておるのです。

○最近の講演会では、「最近はインバウンドが増えたことを皆で喜んでいるけれども、日本人のアウトバウンドが増えていないのは問題」という話をよく紹介します。日本の経営者は海外出張はするけれども、遊びの旅行をしない。なんだか貧乏性になっているんじゃないですか、という話をすると、ハッとする人がいらっしゃるようです。

○ところが会場には古い友人のK氏が居て、フランスまで行ってボルドーワインを飲み歩いて、昨日帰ったところだという。会社経営をしながらソムリエの資格を取っちゃうような人なんですけど、世の中にはここまでする人もいるのであります。そうですか、『神の雫』はそろそろ最終章に突入するのですか。日頃、インターネットでNZワインを買ってちびちび飲んでいる身には、あまりにも隔絶した世界なのでありました。

○帰りに広島駅の土産物売り場を覗いたら、最近は「もみじまんじゅう」もお洒落になっているんですなあ。つい買っちゃいましたよ。広島カープの日本シリーズは残念でしたが、「あんなに強いチームになってくれて嬉しいよ」との地元の声を聴きました。なにしろ3年連続のセ・リーグ優勝ですからね。バイバイ広島。この次はきっと泊りがけで、と思うのでありました。













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編集者敬白





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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)