●かんべえの不規則発言



2017年6月 







<6月20日>(火)

○東北生産性本部さんの講演会で仙台へ。そういえば3年前にも呼んでいただいた。仙台は福岡や札幌と同様、地元愛の強い都市であります。(このデータを見ると福岡が圧勝ですな)。

○もちろん、野球も強いです。今年は楽天がいいですからね。先日、文化放送で荒木大輔さんの話を聞く機会がありましたけど、「楽天ゴールデンイーグルスは2番から4番まで外国人選手を並べている。あれでは上位打線ではほとんど作戦ができないということ。でも、それをやっちゃうんだから、梨田監督はすごい」とのことでした。

○特に「2番ペゲーロ」はまるで暴力装置のような打者ですわな。あんなのが2人目に出てくるのでは、相手ピッチャーは嫌でしょうなあ。そしてウィーラー、アマダーと続く。12球団一の強力打線であります。

○仙台空港もコンセッションが成功している。先々週に訪ねた広島では、「広島空港も早くやっとけ」みたいな話が起きていましたな。あそこは市街地から遠いので、そのうちリニアが開通した日には、新幹線の方が移動が早くなってしまうぞ、という危機感があるかららしい。

○今年は伊達正宗公の生誕450周年。来月になると七夕祭りも始まります。うむ、あんまり早く帰ってきちゃいかんなあ。


<6月21日>(水)

加藤一二三九段、引退

現役最年長棋士の加藤一二三九段(77歳)は6月20日、第30期竜王戦ランキング戦6組昇級者決定戦(対 野智史四段戦)で負け、現役引退となりました。

加藤九段は第75期順位戦C級2組で降級点が3回となりフリークラスへの降級が決定していました。C級2組で降級点を3回とったフリークラス棋士の定年は60歳のため、加藤九段は2016年度の出場していた残りの棋戦の最終対局日をもって引退となっていました。


藤井聡太四段、28連勝。歴代トップタイ

6月21日(水)に行われた王将戦一次予選、澤田真吾六段−藤井聡太四段戦は99手で藤井聡太四段が勝ちました。藤井聡太四段はこれでデビュー後負けなしの28連勝を達成し、神谷広志八段が昭和62年8月17日に成し遂げた歴代連勝記録の一位に並びました。


○この2つのニュースが1日違いで並ぶなんて、将棋界にとって何とラッキーなことでしょう。方や77歳の引退、方や14歳の28連勝。「AIに勝てなくなったプロ棋士」ということで、ボロボロになっていた昨年がウソのようです。

○もっともデビュー以来28連勝なんてのは、藤井四段がこれから成し遂げるであろういろんな偉業に比べれば、そんなにたいしたことではないようにも思える。名人位や竜王位をとってもらいたいし、羽生さんとのタイトル戦で死闘を演じてほしいし、できれば「藤井定跡」(藤井システムという振り飛車の戦型は、別の藤井九段が作ってしまっている)なんてものも残してもらいたい。それに公式戦では、まだそれほど強い相手と当たっていませんからねえ。

○将棋というゲームは、やはり人間同士が戦ってこそ華なのです。AIに勝てなくなりました、なんてことは忘れて構わない。中学生が大人相手に勝ちまくっている、というそれだけで、皆がこれだけ感動してくれる。ニュースにもなる。いや、やっぱり28連勝はすごい。

○そうかと思うと、「またTVのバラエティ番組に『ひふみん』が出演する!」などといって騒いでもらえるのも感動ものです。あんなにピュアでチャーミングな77歳は、他の世界では滅多に見かけませんものねえ。こんな真似、AIにはできませんから。


<6月22日>(木)

○京都信用金庫さんの講演会で大津へ。お久しぶりのクライアントである。場所は琵琶湖ホテル。お懐かしい会場である。絶景なる琵琶湖の水面をバックに、理事長さんから地方金融のそもそも話を伺う。

○明治政府は欧州の事例に学び、初期のうちから中小企業金融の重要性を自覚していた。経世済民のためには大銀行を作るだけでは足りず、身体で言えば毛細血管を整備しなければならない。そのためにはローカル金融の仕組みを、全国に張り巡らす必要があった。(この辺のことが分かってなくて、無駄な時間を過ごす途上国は少なくないのである)

○そこで全国に信用組合を配置しようとしたが、このときに役だったのが江戸時代に発展した二宮尊徳による報徳会ネットワークであった。至誠に基づいて勤労し、倹約して溜めたお金を他人のために使う。これを推譲と呼ぶ。つまり勤労→貯蓄→蓄積→投資という資本主義のサイクルは、江戸時代に既にこの国には根付いていたのである。

○大津から京都に至る道は、逢坂山を越える。これがなんだかいい感じで、現代ニッポンの風景の中に昔日がそのまま残っているように見える。かつて、ここより東が東国とされていた。百人一首の中で蝉丸が「知るも知らぬも逢坂の関」と詠んだのは、こういう道であったのか。いつの間にかタイムトリップしていたような気分でありました。


<6月23日>(金)

○本日聞いて感動した話。

「オーストラリアにも極右政党がある。が、いまひとつ盛り上がっていない。なぜならば、極右政党が求めるものは、『偉大な過去を取り戻せ』である。かつて偉大だった過去を持たないオーストラリアには、そういう動機が生じにくい」

○オーストラリアの人々に対して失礼な議論かもしれませんが、「偉大な過去を持たない国の幸せ」というのもきっとあるのでしょう。その逆の例はいっぱいありますから。

●中国。偉大な過去があるばっかりに、「150年に及ぶ汚辱の歴史」が気になって仕方がない。そのルサンチマンが経済発展や軍事増強の原動力ともなっているのだが、ときどき「痛い」と思えるときがある。

●中東。エジプトはエジプト文明、トルコはトルコ帝国、イランはペルシャ帝国、アラブはサラセン帝国。みんなが偉大な過去を持っているものだから、トラウマ同士がかち合っていつも大変である。

●日本。安倍・自民党が2012年選挙を戦ったときのスローガンは「日本を、取り戻す」であった。でも滑舌が悪いから、「トリモロス」と聞こえてしまったんだよな。わが国もその程度には、偉大だった過去があったようである。

●アメリカ。トランプ大統領のスローガンは"Make America Great Again."である。「かつては偉大であった」と感じる人がそれだけ多くなったのであろう。ちなみにトランプさんは2020年用に"Keep America Great."というスローガンを登録済みである。


<6月25日>(日)

○昨日の夕方、Biz Streetの放送のために、さあ、そろそろ家を出なくちゃ、と思ったらなんとケータイがない。弱ったな、どこへいったかなと探すけど見当たらず。だいたい「ウィニング競馬」を見終わってからゆるゆると出かける、というのがいつものパターンです。

○しょうがないから持たずに出かけて、落ち着かないままに夜まで過ごす。このままケータイが出てこなかったらどうしましょ、と考え始めると不安は募る。そういえば電話番号のバックアップもとっていなかった。なんとまあ、ワシは心がけの悪い人間であることか。

○今朝になって、おそるおそる昨日のお昼を食べた蕎麦屋に電話してみると、「ああ、携帯ですね」との声。おお、ありがたし。さっそく取りに伺い、今日の分の蕎麦を仕込中の親父さんから、問題のブツを受け取る。丸一日、行方不明だったことになる。

○こういうことで運を使ってしまったので、本日の宝塚記念は勝負を自粛。案の定、馬券王先生が鬱になるような結果でありました。

○今日のお昼はお気に入りの「クアトロ・スタジオーネ」。ちゃんと電話番号はケータイに入っている。いざというときのために、ちゃんとバックアップを取りましょう。

















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編集者敬白





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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)