●かんべえの不規則発言



2025年3月 






<3月2日>(日)

〇この週末は何だか力が入らない。土曜の朝に報じられた、ワシントンの「トランプ劇場」にいささか唖然としてしまったのである。あれではゼレンスキーが気の毒過ぎる。というか、やっぱりトランプ/ヴァンスコンビはとんでもない。

〇そしてそのとんでもないコンビが選ばれたのは、昨年の米大統領選挙という「民意」による。それがどんなに馬鹿げたことであっても、民主主義の結果だと言われればその通りである。その後にどんな愚行が続いても、文句のつけようがない。

〇たまたま土曜朝にアップされた拙稿が下記の通りであった。タイミングがよかったのか、ありがたいことに拙稿にしてはよく読まれている。


●ついにアメリカと欧州の「文化大戦争」が始まった 〜ヴァンス副大統領演説の衝撃度は計り知れない


〇最後の部分で以下のように書いている。いや、ホントにこの国が「関税」の心配ばかりしているのは、どこかピントがずれているんじゃないかと思えてなりません。もっとほかに心配することがあるでしょうが。


ということで、今の世界では信じられないような事態が進行中である。われわれは今まで「欧米」とひとくくりにしていたけれども、「米と欧」が反目し合う時代が始まっている。そんな中で、トランプ大統領がウクライナ戦争への調停工作に着手している。

日本では「トランプ関税」の話ばかりが飛び交っている。所詮はお金で済むことで悩んでいるのだから、思えば贅沢な話かもしれない。いや、「明日はわが身」かもしれないのだけれども


<3月3日>(月)

〇トランプvs.ゼレンスキーの口論を「全部」見て、ああだこうだ、ああすりゃよかったのに、などと細かいことを論評している人が居る。あほか、と言いたい。

〇攻め込まれて、やむなく戦っている国の首脳に対し、自分たちの軍事援助に対する感謝の念が足りない、などと説教するような国だったのか、アメリカは。

〇ホワイトハウスに招かれたら、戦時の宰相であってもスーツを着ていかないとマナーにもとる、というほど格式の高い国だったのか、アメリカは。

〇大統領の機嫌を損ねたから援助を止められても仕方がない、などというくらいトップがお偉い国だったのか、アメリカは。大統領は専制君主ではない。任期が終わればタダの人になる。それがジョージ・ワシントン以来の矜持ではなかったのか。

〇こんな言葉は英語にはないけれども、「義を見てなさざるは勇なきなり」という心意気を持っていたのがアメリカではなかったのか。手ぶらで帰っていくゼレンスキーに対し、「済まない!」と感じるのが本来のアメリカ人ではないのか。

〇それから代償として地下資源を寄こさないと、これ以上は支援を続けられないなんて、どの口が言っているのか。まったくもう情けない。

〇前にも書いたと思うけど、レアアースって別にレアな存在じゃないんです。必要な量がレアなだけで、買えないほど高い値段になったら、ユーザーが代替手段を開発しちゃうまでの哀れな運命なんです。だからレアアースでがっぽり儲ける、なんてことは本来が不可能なんです。

〇そんなこともわかってない人が、アメリカの国益を第一に考えているとは片腹痛い。「MAGA」という掛け声の下で、どんどん卑小になっていく旧・超大国の姿は見るに忍びないものがあります。


<3月4日>(火)

〇驚きましたが、トランプさん、明日からカナダ、メキシコ関税をやっちゃうんですね。USMCAにはちゃんと「安全保障上の問題が生じた際に、関税をかけてもいい」という条項があるので、例のフェンタニルの流入というネタを使って発動するのでしょう。

〇ただし、これをやるとアメリカの自動車会社が最大の被害者になると思います。北米内でサプライチェーンを作っていますから。それも部品がカナダ、米国、メキシコ内で移動するので、下手をすると往復ビンタで関税を課せられてしまう。彼らはトランプ政権に対して思い切りロビイングしたはずなんですが、うまく行かなかったようです。

〇トランプさんは1月31日に対カナダ・メキシコ関税を言い出し、2月4日から25%だと宣告した。ところが2月3日になって、「発動の1か月延長」を宣告した。ああ、こりゃディールが目的なんだな、と多くの人が考えた。しかしそこはトランプさんのことなので、1か月後にどうするかは決めていなかった。その辺は常に出たとこ勝負。そして3月になった時点で、やっぱりゴーサインを出した。

〇なんで予定を変更したのか。3月4日には議会合同演説が行われるので、そこで説明してくれるのでしょう。日本時間では明日の午前11時からになります。一般教書演説が行われるのは火曜日が多いので、日程的には自然な選択です。ただし3月4日というのは昔々の大統領就任式の日程(今は1月20日)でした。それにかこつけて、何か言いたいのかもしれません。

〇ただし関税を上げた結果がどうなるかといえば、アメリカ経済が全身で受け止めることになるでしょう。今日見たらアトランタ連銀の「GDP Now」では、1−3月期GDP成長率が▲2.8%になっていた。ちょっと前まではプラスだったはずなんですが。関税を上げれば消費は落ち込むし、景気が悪くなるのは当然の理というもの。はてさて、どんなことになりますか。迷惑な話ですけど、返り血を浴びるまではこのまま行くのでしょうね。

〇明日は中国では全人代が始まるし、日銀総裁と副総裁の講演会が同時にあったりもする。なかなかに大変な一日になりそうです。不肖かんべえは「WBS」に登場いたします。


<3月5日>(水)

〇今日のトランプ演説はとにかく長かった。日本時間の午前11時15分ごろに始まって、正午を過ぎても終わらないから、「あれっ?これは史上最長を狙っているのでは?」と思ったら、本当に100分もやっていた。お陰で昼飯を食うのが午後1時過ぎになりました。

〇ドナルド・トランプおじいちゃん78歳。最後まで息切れもしないし、滑舌も悪くないし、途中で水も飲まずに完走してしまう。この間、立ったり座ったりしている後方のヴァンス副大統領とジョンソン下院議長が、まるでコメディアンのように見える。

〇それにしてもトランプさん、徹頭徹尾、民主党をコケにしている。民主党側も最初からけんか腰で、途中で退場を命じられたり、プラカードを掲げて抗議したり、途中で帰ってしまったりする。全体のスタンディングオベーションは1回も無し。長年見ているけど、こういうこともめずらしい。

〇あの「小児がんのサバイバーで、警官になるのが夢の13歳の少年」が出てきたときには、「ここぐらいは立って拍手してやれよ、民主党」と思ったけど、ダメだったですなあ。「警官」ってのが気に障ったんでしょうか。

〇それにしてもトランプさんの理屈はとんでもない。「関税を上げたお陰でTSMCが対米投資を決めてくれた。それに比べればCHIPS法なんて馬鹿らしい。わざわざ補助金をつけて工場を作ってもらっている。関税さえ上げれば、彼らは勝手に投資してくれるのに」。おいおい、TSMCのはらわたが煮えくり返っていることに、なぜ気がつかないのか。

〇あいかわらずトランプさんらしいのは、「ゼレンスキーから手紙が来た」と明かしていること。なんだ、やっぱりディールかよ。朝令暮改が多過ぎて、ついていけません。

〇ところでピクテ・ジャパンさんのユーチューブ(前編:米国政治)に登場しました。これ、結構面白いんじゃないかと思います。糸島さんと掛け合いをやってます。


<3月7日>(金)

ピクテ・ジャパンさんのユーチューブ(後編:日本政治)もアップされました。よかったら見てやってくださいまし。

〇こうしてみると、今週は楽な方だと思っていたのだが、WBSには出たし、溜池通信も書いたし、いろいろ大変だったのではないか。よく頑張ったぞ、俺。

〇今月は月末に締め切り日が集中していて、来週は少ない。だったら今のうちに書き溜めておけばいいのであるが、それがなかなかそうはいかない。難しいのである。


<3月9日>(日)

〇「3/11」が近いせいか、今日は町内会の避難訓練。といっても町内の皆さんが公園に顔を出して、名前をチェックするだけ。防災グッズの頒布もあります。

〇驚くべきことに、町内の半分以上の方が顔を見せてくれました。とっても久しぶりの方もいらっしゃったりして、あらためてコロナの日々は長かったのだなあ、と感じる。

〇短い時間に「ご近所ネタ」もずいぶん仕込んでしまった。一昨日の救急車は町内のどの家に来たのかとか、「移動スーパーとくし丸」がなぜわが町に来るようになったのか、など。SNSで流れてくる芸能ネタなどと違って、とってもリアルである。

〇いちばん受けた話はこれ。「班長さんが町内会費(注:年間3600円である)を集めに行ったら、若い人のお宅で『いま、うちに現金がないんですけど・・・』と言われた」とか。そのうち町内会費をPayPayで集めるようになるかもしれませんぞ。

〇何しろ当町内会は古いのである。家も古いし、住んでる人も高齢者が多いし、町内会の体質も基本的に昭和である。最近になって、班長さんへの連絡はLINEでやるようになったけれども、「班長会議、Zoomじゃ駄目ですか?」と言われたら、かなりの衝撃が走るんじゃないだろうか。

〇時代の波はこんな古い町内会にもやってきている。来月は5年ぶりに通常総会を"In person"で実施する予定である。果てさて、ちゃんとできるのであろうか。

〇ウチの町内の桜はまだ全然その気配がないのだが、今年は5年ぶりの観桜会も開催する予定。ちなみに市内の松ヶ崎城址にある河津桜は、もう満開になっています。


<3月10日>(月)

〇本日発表のNHK世論調査、内閣支持率は前月比8p減の36%、不支持率は10p増の45%となりました。急激に悪化しております。2月の支持率44%は、2023年5月、つまりG7広島サミットのときの岸田内閣が46%ですから、ちょっと出来過ぎだったんですよね。2月7日の日米首脳会談直後の「ご祝儀相場」で上振れしたんでしょう。

〇その後の石破首相に、決定的なミスがあったかというとそれほどでもないと思います。高校授業料や高額療養費の問題は、かならずしも大多数の人には関係のない話ですし。むしろ経済情勢の方が大きいのではないですかね。

〇いつもの「悲惨指数」を見ると、直近1月の数値は失業率2.5%+消費者物価4.0%=6.5%と危険水域の6%台になっております。これは選挙があると、与党が大負けするパターンですよね。しかも昨年10月に4.8%、11月に5.4%、12月に6.1%と急上昇しているのがいかにも危うい。

〇特にコメや野菜が高いというのは致命的ですよね。スーパーでお米を見ると、たまに3000円くらいの安いのもあるのですが、袋をよくよく見たら「4キロ入り」となっていたりする。ずるいよねえ。直売所でお米を探すと、実はスーパーよりも高かったりします。

〇ということで農水省は今日から備蓄米の入札を開始。これで値段が下がってくれればいいんですけど。ホントだったら、昨年夏の時点で放出しておけば良かったと思います。見るからに「出し遅れの証文」でありますが、果たしてどういう結果になりますか。

〇今週は3月12日が春闘の集中回答日、14日には連合の第1回集計が公表されます。そっちの方もかなり大事。稼ぎに追いつく貧乏なし、と行きたいところですが。


<3月11日>(火)

〇こういう法則があるんだそうです。


@Gの時代:グリーンスパン→グローバリゼーション→ゴルディロックス

ABの時代:バーナンキ→バックラッシュ→ベア・マーケット

BPの時代:パウエル→パンデミック→ペシミズム


〇いやいや、リーマンショックみたいなことにはならないと思いますよ。でも、アメリカの株式市場(S&P500)はとうとう、昨年11月5日の大統領選挙の水準を割り込んでしまいました。ちなみに同じ期間で見ると、いちばん上がっているのはDAX指数(ドイツ市場)で+18.1%です。トランプ&ヴァンスがせっせと苛めているドイツの株が上がっている。面白いね。

〇日経平均は11月5日終値が3万8474円で、今日の終値が3万6793円。つまり▲4.4%で大負けということになります。石破さんがトランプさんに上手く取り入ったけど、株は下げている。不甲斐ない。でも、これ以上は、あんまり下げないんじゃないですかね。だってPERもPBRも、あまりに低いんだもん。

〇米株を見渡して、特にひどいのがテスラ株です。3月10日に一日で15%も下げて、12月中旬につけた最高値の半値になってしまいました。イーロン・マスクさんの資産のうちかなりの部分はテスラ株ですから、手酷い打撃を受けたことになります。誰ですか?「いい気味だ」とか言っている人は。

〇でも、ワシ的にはちょっといい気分なのである。昨年1年間、ドル定期預金で寝かしていたおカネで、年初に米債券ファンドの投資信託をごそっと買ったので。長期金利低下は大歓迎なのである。ようこそペシミズム。


<3月12日>(水)

〇本日は「グッチーポスト」「峯村健司のインテリジェンスサロン」に出没しました。いやー、面白かった。前半は台湾出張報告、それからJDさんを交えたトランプ話、その後は参加者の皆さんからの質問もからめて、縦横無尽にお話を伺いました。

〇個人的に面白かったのは、峯村さんの仕事ぶりですね。アメリカでも中国でも、いつもしっかりキーパーソンを押さえているのは、あれはどんな秘訣があるんですか?と聞いてみたところ、いえいえ、僕が偉くなると見込んだ人は、だいたいが横道に逸れます、とのこと。それでも人に会いまくって一緒にメシを食っていると、いつの間にか仲良くなった人が出世してくれる、とのことでした。

〇記者魂ここに在り、みたいな話で、感服いたしました。

〇さて、間際のご案内となってしまい恐縮ですが、明日3月13日には北海道大学に参上して講演会をやります。ご近所の方はよろしかったらお出かけくださいまし。

(2025年3月13日)大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部研修事業 

講演会「どうなる?2025年世界と日本」

日時:2025年3月13日(木)16:30-18:30

場所:北海道大学学生交流ステーション111室

講師:吉崎達彦 氏((株)双日総合研究所チーフエコノミスト)

講演の概要:

2025年が始動しましたが、世界各地で頻発している紛争、社会体制の再構築に向けての解決策は見えていません。

我が国でも議論を尽くすべきテーマが山積しています。
そのような環境下、教育に関しても同様で、米国では教育庁の廃止が話題の一つです。
我々が何を認識するべきか、日本と世界が進むべき方向性について独自に解説頂きます。
講演者の斬新な分析が、教育現場にも活かされることを期待します。

お申し込み:下記フォームより3月13日(木)13時までに以下よりお申し込みください。
https://forms.gle/L1mCTYe5G9qpNkUf7
(チラシにあるQRコードからもお申し込みいただけます。)

お問い合わせ先:北海道大学 高等教育推進機構( 国際教育研究部 国際産学協働教育ユニット) 講師 川端千鶴
Email :c.m_kawabata[A]oia.hokudai.ac.jp ([A]は@に置き換えてください)

たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

〇なんで直前までほったらかしにしてたんだ、と言われると面目ないんですが、まあ、いいじゃないか。明日は札幌じゃあ。


<3月13日>(木)

〇ということで、新千歳空港に着陸して札幌に来たのである。どうでもいいことではあるが、今日のANA便はスターウォーズ仕様であって、C-3POによる機内アナウンスがあったり、いろいろ面白かったのである。

〇昨年もやってきた北海道大学を訪れる。今年は道路の雪はやや少なめで、日中はダウンジャケットが要らないくらいの暖かさである。とはいえ、明日には降雪という話もあるので、その辺はまことに北の大地なのである。

〇で、北海道大学にやってきた。あいかわらず、信じられないくらい広いキャンパスである。去年は60人くらいの方がお見えになっていて、今年は多分それよりは少ないだろうなあ〜、と思っていたら70人くらいがご来場であった。ありがたいことである。

〇なおかつ、会場を見渡したら信じられないことに、渡邊頼純先生が目の前にいらっしゃるではないか。慶応大学で名誉教授になられた後は、北海道の藤女子大学学長になられたとは聞いていたのだが、まさかこんなところでお目にかかるとは。

〇その昔、国際会議などで何度も渡邊先生とご一緒する機会がありました。その都度、ネイティブ顔負けの英語で通商問題を議論されていたのが渡邊先生である。北海道にある大学の学長になられたのは聞いていたけれども、藤女子大が北大のすぐ近くにあって、まことに近しい存在であるというのは初めて知りました。

〇しかも中島みゆきが藤女子の卒業生であって、『店の名はライフ』はすぐその辺(自転車屋の隣)にあったんだよ〜などと聞いては、ますます捨て置くことはなりませぬ。なーんだあ、そういうことだったのか。

〇講演会では、まことにたくさんのご質問をいただきました。特に学生さんからの質問が多かったですね。こういう機会を得られるのは、まことにありがたいことであります。そしてその後の懇親会もまたたいそう楽しゅうございました。


<3月14日>(金)

〇一夜明けたら案の定、雪が降っている。だったらとっとと帰ればいいようなものではあるが、まずはゆっくりと朝飯である。だってまたまた、札幌グランドホテルに泊まっておるのだから。

〇今日はかねて課題であった「野外博物館 北海道開拓の村」に行ってきました。明治から昭和初期にかけての北海道各地の建造物を移築・復元・再現している。市街地もあれば農村もあり、「にしん御殿」や養蚕施設などもある。

〇まずはJR快速エアポートで新札幌駅下車。そこからがバス旅となる。もちろん本数は1時間2本程度である。見れば大きなキャリーバッグを抱えた観光客が、ワシ以外にもおるではないか。とはいえ、こんな吹雪の日に野外博物館を見に行こうという酔狂はそんなに多くない。

〇開拓の村では、二時間近く、雪の中を彷徨してまいりました。この開拓の村、『ゴールデンカムイ』のネタ元となっていて、「あっ、あのシーンはこれが原型か」という場所がたくさん見つかってしまう。作者の野田サトル氏は、ここで相当に下調べをしたようである。それだけではなくて、実際に映画の撮影も当地で行われたようである。

〇しかし雪の降る中をひたすら歩き続けたのは結構な消耗で、帰りの飛行機はほとんど寝てました。しかしまあ、北海道開拓者の労苦を知るためには、あんまり天気のいい日に観に行くのもどうかなと感じるところです。


<3月15日>(土)

〇「シーザーよ、3月15日に気をつけろ!」ということで、今日になったらアメリカが政府閉鎖になってるんじゃないかと楽しみにしていたのであります。だって3月14日でCRが切れるから。

〇ところがあっけなく暫定予算案が成立してしまった。これで9月末まで政府閉鎖はありません。共和党はその間、ゆっくりと2026年度予算に向けて減税案その他を協議すればいい。リコンシリエーション法案にどこまで盛り込めるかは分かりませんが、ジョンソン下院議長のハッタリが通じた形である。

〇逆に言えば、上院の民主党シューマー院内総務は勝負を避けた。穏健派議員と共に賛成に転じたのである。政府閉鎖になった時に、「悪いのはホワイトハウスか、民主党か?」となったら分が悪いと思ったのでしょう。

〇ただし下院民主党の進歩派諸氏は怒っている。彼らはイーロン・マスクによる政府支出の大幅削減に対抗するためには、「政府閉鎖、大いに結構」と考えていたのである。こういうときに、共和党議員よりも民主党穏健派議員が怨嗟の対象になるのは、得てしてよくあることである。

〇民主党穏健派は言うだろう。お前ら、ちゃんと考えろ。政府閉鎖になってしまったら、政府機構のどの部分を切るかがトランプ政権に委ねられてしまう。逆に進歩派は言うのである。われわれはトランプに屈するためではなく、抵抗するために選ばれてきたのではなかったか。

〇かくして民主党内部の亀裂はますます深まることになる。とりあえずトランプ大統領は大喜びである。野党が一丸となって与党に対抗すべきところ、野党内部の抗争の方が深まってしまう。よくある話ではあるけれども、トランプさんの快進撃(or暴走)は今しばらく続きそうである。やれやれ、という感じでありますが。


<3月16日>(日)

〇北海道に行っていた際に、「むこじゅんさんのお義父さん」という方にお目にかかりました。ちょうどそのタイミングで、「石破さんが1回生議員に商品券10万円を配っていた」というニュースが流れました。むこじゅんさんはちゃんと返却されたようです。いやはや、油断も隙もない。

〇しかしまあ、なんとタイミングが悪い。おそらくは歴代首相がルーティンでやっていたことで、でなきゃ秘書→秘書で渡すなんてことはないでしょう。昔から永田町は、商品券やビール券がぐるぐる回る変なところでありまして、不肖かんべえもその昔、かなり年季の入った商品券を頂戴したことがあります。ええ、もちろん速攻で新橋の換金ショップに持っていきましたけど。

〇これで石破内閣は、ギリギリ残った貴重な支持率をさらに落とすことになるでしょう。3月15日は確定申告ですからねえ。しかも消費者物価は再度、上昇に転じている。「政治とカネ」問題はまたまた有権者の怒りを呼び覚ますことになりそうだ。

〇難しいのは、これで参議院で野党が予算案に反対した場合、4月2日になれば衆議院で既に成立した予算が自然成立するということです。その場合、高額医療費の引き上げが決まっている予算が成立することになる。いいのか、それで。やっぱりちゃんと3月31日までに修正後の予算を成立させるべきではないのか。

〇今度の件は、たぶん旧清和会による「石破降ろし」の導火線なのでしょう。つまり自民党の党内政局というわけ。彼らが嫌がる夫婦別姓法案を葬り去るためにも、ここは石破さんを辞めさせたいのでありましょう。と言っても、本当にそうなりますか。高市総理・総裁はないと思いますけどねえ。

〇結局は世論の様子見ということになる。世界は風雲急を告げているというのに、ここは生暖かく見守るよりほかにはないようです。


<3月17〜18日>(月〜火)

〇北九州市に伺いまして、「ひびきウインドエナジー株式会社」の洋上風力PJを視察してきました。

〇「風力発電が可能なのは、日本では東北より北に限る」と勝手に思っていたのですが、玄界灘も条件を満たしているらしく、確かに風が強くて寒いのです。この時期は、関東の方が九州北部よりもよっぽど温かいのです。ちゃんとダウンの入ったコートを着ていくべきでした。「風力発電を見る時は暖かい格好で」というのはノウハウ(後知恵)というものであります。

〇なぜ当地で風力発電が可能になったか、と言えば、地元・北九州市が積極的であるから。官営八幡製鉄所に始まり、わが国における工業化の先頭ランナーであった当地には、公害問題に苦しんだ過去があり、環境問題や再エネへの関心が高いのだそうです。公募によって5社によるSPCが組成されたのが「ひびきウインドエナジー」でありまして、今年度内には営業運転を開始するとのこと。

〇小倉方面から、かつて「東洋一」と歌われた若戸大橋を渡り、高塔山公園の展望台に上ると、そこからはかつて「四大工業地帯」の一角と呼ばれた北九州工業地帯が一望できる。後方、南側は八幡区で、足下から北側は若松区。そして海上には既に「ジャケット」と呼ばれる風車の黄色い土台が転々と設置されている。ここに「洋上ウインドファーム」が設置されることになる。最大出力は22万キロワット。

〇後日、海上に浮かぶジャケットにタワーを据え付け、後はプラモデルみたいに羽根を一枚ずつつけていく。この工事ができる船が日本には少なくて、その予定を押さえるのが大変だとのこと。最終的には25本の風車が立つことになるが、陸上にある風車よりも桁違いに大きい。羽根のいちばん高い部分は地上から200mにもなる。

〇民間の事業体が日本で洋上風力をやろうと思ったら、港湾地域でとか(航路上はダメ)、漁業権に配慮してくださいとか、厄介な問題が山ほど出てくる。そこは政府や自治体の協力がないと難しい。しかも海岸線が複雑で、海底が深くて風車を立てるのが困難であったりする。これが英国の場合であれば、既に枯渇した北海油田があり、そこは遠浅で地盤が固いなど、条件がバッチリである。後は漁民さんたちに補償金を払えば一丁上がりで、等間隔で風車をバンバン立てることができる。

〇欧州では風力発電への需要が旺盛であったために、風車も建設ラッシュとなってコストがどんどん下がった。今では製造からファイナンス、保険なども含めたパッケージが完全にできあがっているのだそうだ。ははあ、それでM商事さんは強気になったのか。ところが哀しいかな、この間に日本の風車メーカーは続々と脱落し、今では1社も残っていない。まあ、今のご時勢、「何が何でも日の丸風車を!」とまでは言っていられない。

〇ところで洋上風力のいちばん難しい部分は、発電した電気を海底ケーブルで陸に上げるところらしい。それについては、実は当地には既に廃炉になった石炭火力があり、そこのケーブルをそのまんま使えるとのこと。変電所もすぐ近くにあって、電気を需要地に届けることが容易である。今ではかなり「お疲れ気味」にみえる北九州工業地帯だが、昔の電力系統のインフラは健在なのである。

〇考えてみたら、電気はとっても古い技術なのである。発電手法は何度も入れ替わってきた。若松区の石炭火力は、その昔、筑豊炭田の石炭を使うために国策として作られていた。今度はそのインフラが、風力発電に使われることになる。北九州市もどんどん変化していて、「やっと人口減少が止まったらしい」から、「住みやすさや子育て環境、交通インフラの評価が高い」と言われるようになりつつある。

〇ということで、北九州市はいいですぞ。短い時間でしたが、門司港レトロを楽しめたのはラッキーでした。何しろ鈴木商店が作った町ですからね。かくして本年は年初から、北海道と九州と四国に2回ずつ訪れるという「快挙」を成し遂げました。今日はスターフライヤーだったけど、結果的に6往復のフライトは全部ANAでした。ワシは青組なのだ。


<3月19日>(水)

〇明日はこんなイベントに参加します。


●ソニーフィナンシャルグループ × 日経CNBC
金融経済フォーラム2025〜徹底討論!分断が進む世界をどう生き抜くか〜


13:10〜14:00

第一部「『トランプ2.0』で世界はどう変わる」
【ゲスト】
吉崎達彦(双日経済研究所チーフエコノミスト)
ジョセフ・クラフト(ロールシャッハ・アドバイザリー代表)

【モデレーター】
菅野雅明(ソニーフィナンシャルグループ・チーフエコノミスト


〇今から楽しみにしております。


<3月21日>(金)

〇今週、福田達夫さんとお話ししたという話は、本日号の溜池通信で軽く触れておるのですが、その際に印象に残ったこぼれ話のひとつがこれ。


1970年代の日本の雰囲気を知るためには、小松左京の小説を読み返すといい。『日本沈没』に出てくる日本では、自分たちは「何もない国」という認識だ。だから「日本列島が沈んでしまうのなら、何もしないでこのまま滅べばいいのではないか?」という意見が出てくる。今の日本人は、「この国にはなんでもある」と思っている。50年くらいで、どうしてこんなに変わったんだろう?


〇あの小説が誕生した1973年は、ワシは中学生で、本は富山市立図書館で借りて読んだ。映画はやはり富山市内で封切りで見た。ヒロインはいしだあゆみさんでしたねえ。ヒーローの藤岡弘さんはいまも頑張っていますけど。故・丹波哲郎が演じる山本首相が、「爬虫類の血は冷たかったが、人間の血は暖かい」と大見えを切ったことくらいしか覚えていない。

〇それでも当時の日本の雰囲気はよくわかるのである。要するに高度成長下で、1968年以降はGNPで世界第2位だったし、1970年万博では皆が明るい未来を夢見たけれども、まだ敗戦から日も浅かったし、生活水準もそんなに高くはなかった。だからオイルショックの際は、ああ、この国はこれで一気につぶれるかもしれんなあ、という感覚があった。

〇要は俺たち頑張っているけど、所詮は吹けば飛ぶような国なんだよなあ、という自己認識があった。「坂の上の雲」を仰ぎ見ている時は、そんな感じなんだろう。ところが国運がかなり下り坂になっている今となっては、昔のプライドが変に邪魔をしているようなところがある。インバウンドの観光客の散財に目くじらを立てる必要なんて、ないと思うけどなあ。

〇ということで、暇があったら『日本沈没』にもう一度触れてみたい。と言いつつ、今週末も一杯宿題を抱えている。悪いのはトランプさんなのだが。


<3月22日>(土)

〇今宵で1500回を迎えた「出没!アド街ック天国」、ついつい最後まで見てしまったではないか。30年もやっているんですなあ。確か柏市も2回くらい取り上げてくれたはず。

〇ワシは昔からこの番組の音楽の使い方が好きです。まあ、これは世代的なものなんでしょうかね。誰でも知ってるような曲を流して画面に合わせる、というのは意外と難しいものなんで。

〇そして歴代の「秘書(MC)」のうち、2代目の大江さんが今月いっぱいでテレ東を退社し、4代目の片渕さんがNYに赴任する。現在の5代目中原さんはモーサテとの二刀流がしばらく続くんでしょうね。

〇問題はスポンサーの日産ですなあ。この番組が長く続くためには、そこが一番の不安材料であったりする。頑張ってほしいです。


<3月23日>(日)

〇上海馬券王先生が「面白いぞ」「トランプ時代の今を予見した作品」「是非見てほしい」などというもんだから、忙しいのに行ってきましたですよ。おおたかの森のTOHOシネマズへ。夕方の半端な時間だったんだけど、映画館はほぼ満席。どうしたんだ、この人気は。

〇映画は『教皇選挙』。現題名は『コンクラーベ』(Conclave)なんだから、そのままでもいいようなものだけど、漢字四文字の「教皇選挙」にも独特の威圧感があって悪くない。ちなみにローマ教皇を選ぶコンクラーベは、全世界の枢機卿たちが密室に集まって、大多数が納得するまで何度も投票を繰り返すので、そのまま「根競べ」でもある。

〇で、これが面白いのである。良質な政治ドラマにしてミステリーでもある。そして教皇を目指す枢機卿たちが、揃いも揃ってキャラが立っている。特に庵野秀明監督にそっくりの枢機卿、ワシはアンタが気に入ったぞ。次から次へと問題が発生するので、「コンクラーベ」を主催するローレンス枢機卿の苦悩はどんどん深まるのである。

〇いや、この映画については、何を書いてもネタバレになってしまいそうなので、これ以上は書きたいのに書けないのが悔しい。だが、とにかく面白いので、見終わった後の爽快感がすばらしい。なんでこれがアカデミー作品賞じゃなくて脚色賞だったんだろう?

〇まあ、満席の映画館、ラストの字幕が流れ始めると同時に席を立つ人が少なからずいた様子を見ると、「なんじゃあ!これは?」という反応も少なくなかった様子。不肖かんべえや上海馬券王先生と感性が近い、と思われる方は迷わず観に行かれることをお勧めいたします。


<3月24日>(月)

〇最近の将棋界におけるAI活用について。

〇AIがプロ棋士よりも強くなってしまったのは2015年頃と言われる。その後はどうなったかというと、AIは勝手に研究を深めているから、今ではさらに強くなっているはずである。コンピュータの性能も日進月歩なので、今はどれくらい強くなったのか、哀しいかな人間の力では計り知れなくなっている。

〇かつて囲碁の藤沢秀行と将棋の芹沢博文が、「囲碁or将棋の世界が全部で100あるとして、自分はどの程度知っているか」という問答をして、藤沢が「4か5か」、芹沢が「6」と答えて、後から芹沢が「俺は自信過剰かもしれん」と恥じたそうである。それでは今のAIがどこまで知っているのか、10なのか30なのか、それとも90くらいまで行ってしまったのか。残念なことにわからないのである。

〇こうなると、将棋というゲームはまったく別物になってしまう。2015年以前は、皆が「最善手はわからないものだ」と思って、せっせと自力で「次の一手」を考えていた。それが今では、「この局面における最善手」を知っているAIという先生が存在する。聞けばすぐに教えてくれる。ところがこの先生、「なぜ、この一手が良いのか」を丁寧に教えてはくれない。そこはこっちで考えなければならない。

〇とりあえずこんな世の中になると、「大言壮語する棋士」は絶滅危惧種になっているのだそうだ。昔の升田幸三九段は、将棋に勝った後に「あんたの敗着は第1手の7六歩」などと憎まれ口を叩いたそうだが、確かにAI先生がいる前ではそんなことは言えませんわなあ。藤井聡太七冠も、けっして大口を叩くような人ではありませんからねえ。

〇こういう時代になると、人間はせいぜいAIにいい手を教わるしかない。そこで「この局面は先手良しに見えるけれども、実は後手がわずかに有利」みたいな局面を探し出してきて、実戦でそういう局面に誘導し、「さあ、どうだ?」ということが多くなる。つまり予習で勝つ、みたいな将棋が増えてくる。「将棋は記憶力のゲーム」というわけだ。

〇それでは本当にそういう将棋ばかりになるかというと、意外とそうでもない。例えばAIは振り飛車に対する評価値が低い。飛車を振った瞬間に点数が下がってしまうので、そういう将棋は研究のエアポケットになる。だったら飛車を振って評価値を下げておいて、そこから逆転を狙っていくという作戦も十分に成り立つ。人の行く裏に道あり、というわけである。

〇今の藤井聡太七冠がプロ入りしたのは、ちょうどAIが人間を追い越した直後であった。藤井さんよりも年上の棋士たちは、皆さん、この「コペルニクス的転換」を乗り越えて将棋を差し続けていることになる。逆に藤井さんよりも若い10代の棋士になると、「最初からAIで勉強した」世代となる。こうなるとまったく異次元の思考法というほかはない。

〇今の将棋界には奇妙な現象が起きていて、藤井七冠が強いことだけは分かっているけれども、それ以外の序列付けが難しい。名人戦(順位戦)のA級棋士10人と、竜王戦1組の棋士16人がほとんど重なっていない。見事に佐々木勇気八段だけですな。菅井竜也八段はA級を陥落、渡辺明九段は先日の不戦敗で竜王戦2組に落ちましたので。

〇順位戦はリーグ戦で若い棋士が多く、竜王戦はトーナメント方式でおじさん世代が頑張っている。はてさて、どういうメカニズムでこんな風になっているのか。「やっぱり身体で将棋を覚えた世代はしぶとい」という風に考えると、おじさん世代にとっては励みになるんですけどねえ。

〇ちなみに来週4月3日からは叡王戦の五番勝負が始まる。伊藤匠叡王に対して斎藤慎太郎八段が挑戦する。とっても久しぶりに、藤井さんが登場しないタイトル戦なのである。そして4月9日から始まる名人戦の七番勝負は、藤井名人に対して永瀬拓矢九段が挑戦する、「お前ら、いったい何回目だよ!」というお馴染みの対決である。もちろん、ファンとしてはどちらの棋戦も楽しみなのであります。


<3月25日>(火)

〇このところドイツが覚醒したともっぱらの評判である。株価も上がっているし、メルツ新政権には期待が持てるかもしれない。差し当って、ちゃんと防衛費に予算を割り当てる覚悟はできたようである。後は心配なのが、浮世離れしたエネルギー政策を軌道修正できるかどうか。

〇そしたら、詳しい人からこんな風に言われてしまった。ダメですよ、欧州の人たちは気候変動問題から逃げられませんて。彼らにとってはオランダが海の底に沈むとか、フランスのボルドーワインの品質が下がってしまうということなんだから。日本で言えば、桜が咲かなくなった、みたいなことが起きている。

〇ドイツも変わらないと思います。原発だって再稼働できません。だってドイツの原発用の核燃料、もう作っているところどこにもないし。シーメンスの原子力部門はフランスに買われちゃいました。もう彼らはフランスから電気を買うか、あるいは石炭を焚いて性根を入れてCCSをするくらいしかない。

〇よその国から電気を買うということは、周りの国に食い物にされるということなんです。高い電気代に音を上げて、ドイツの製造業は閉鎖したり、外国に逃げ出したりしている。やっぱり簡単じゃあないみたいです。どこでどう間違えてしまったんでしょうか。










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編集者敬白




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