<9月13日>(水)
〇昨日から今日にかけての内閣改造+自民党役員人事に対する不肖かんべえの公式コメントは以下のとおりです。
●内閣改造「攻めの姿勢」、巧妙な人事 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏
〇その上でもうちょっと踏み込んだことを言わせてもらうならば、「宏池会の闇」みたいなものが垣間見えた人事だったかなあ、という気がいたしました。きわめて直観的な話になりますけど。
〇もうひとつ感じたのは、「安倍内閣の人事は油性ペン、岸田内閣の人事は水性ペン」ということであります。安倍首相というのは、良くも悪くも人情に厚い人でしたから、味方にはとことん優しいし、敵に対してはきわめて容赦ない。たとえば「石破さんだけは許さねえ」みたいなところがあった。そうなると「チーム安倍」内では、猛烈な忠誠心競争や忖度しまくりみたいな事態が起きるので、その結果が「モリカケ」であったのではないかと拝察いたします。
〇その点、岸田さんは極めて融通無碍であって、「石破さんにも会っておこうかなあ〜」みたいな動きをする。あるいは信用できない茂木幹事長を留任させるかどうか、ギリギリまで悩んだりもする。君子の交わりは淡きこと水のごとし、というのが宏池会ですから、人間関係が非常にハイコンテキストなんですねえ。お公家さん集団というのは、そういうところがなかなかにツラかったりする。
〇ついでもって言えば、旧平成研というのはもっと実力主義の集団でしたから、いわば野村証券みたいに「喧嘩に勝ったヤツが偉くなる」。これはこれでスッキリしている。100%リアリズムが横行する世界。弱肉強食、戦国時代でありますから、これはこれで永田町ワールドではある。
〇てなことで、「嫌な渡世だなあ」という気持ちを味わった昨日今日の人事でありました。いやはや何とも。
<9月14日>(木)
〇本日、めでたく「アレ」が実現しました。阪神タイガース、18年ぶりのセ・リーグ優勝であります。いやあ、久しぶり。しかし今年のタイガースは強かったよね。まさか9月になってマジックが点灯してから、11連勝で決めてしまうとは。堂々の強さという感じです。
〇なんで今年のタイガースが強いかと言うと、近年のドラフトが奇跡的に成功しているのですね。こんな感じです。
●2022年 1位 森下翔太(3番打者・外野手)
●2020年 1位 佐藤輝明(5番打者・内野手) 6位 中野拓夢(2番打者、内野手)
●2018年 1位 近本光司(1番打者・外野手) 3位 木浪聖也(8番打者、内野手)
●2016年 1位 大山悠輔(4番打者・内野手)
〇なぜか見事な隔年現象があるのですが、近年のドラフト上位選手がちゃんと育ってチームの主軸になっているのです。阪神タイガースのファンをもう何十年もやってますけど、いつも外人やトレードでやってきた選手が活躍するチームで、これは大阪らしい実力主義の伝統によるものなのだと思うのですが、これだけ生え抜きが多いことはめずらしい。しかしこれだけ選手を内部で育てているからには、この強さはホンモノですな。投手陣もコマが揃っているし、とりあえずクライマックスシリーズは負ける気がしませんな。
〇ということで、「らしくない」今年の阪神ですが、この先の日本シリーズは2003年も2005年も大敗しているので油断がなりません。下手な言葉はなるべく使いたくないですな。「アレ」はもう使ってしまったから、「ナニ」で行きますか。オリックスを倒してナニしちゃおうっかなあ〜てなことで。
<9月16日>(土)
〇本日は日本FP協会さんの「FPフェアin仙台」へ。
〇朝一番で上野駅に行ったら、信じられないくらいごった返している。そうか、「はやぶさ」の指定席が1号車の3席しか空いていなかったのは、なるほど「9月の三連休初日」だったからであったのか。日本列島、暑さもまだまだ続いているが、人々の移動も続いている。
〇今年は仙台に来るのは3回目である。最初は2月で、自分も含めて全員がマスク着用であった。次は5月で、こちらはマスクなしだったが、仙台駅に着いたら97%くらいの人がマスク着用でちょっと焦った。9月の今回はどうだったかというと、マスク着用率は6〜7割といったところか。ほとんど都内と変わらなくなった感じである。なんだか定点観測しているみたいですな。
〇仙台駅の近くにあるAERというビルに会場がある。21階まで上がって周囲を見渡すと、しみじみ仙台は大都会である。今日は100人以上は来ておられましたね。熱心に聞いていただいていたようで、こういうお客さんは大事にしたいです。
〇仙台在住のM氏と合流してランチへ。お勧めの蕎麦屋さんには、なんと「富山の白エビかき揚げせいろ」がありました。いやー、ありがたいです。大きいかき揚げでした。
〇ということで、帰ってきたらちゃんと夕方の「夏の防犯パトロール」の時間に間に合ってしまった。何とも便利なのである。
<9月18日>(月)
〇9月も後半だというのに、なんでこうも暑いのか。普通はこの時期になると台風も来て、「一雨ごとに涼しくなりますねえ」などという麗しい挨拶が交わされるものである。ところが今年の関東地方ではその雨さえもなかなか降らない。結果として暑さは変わらない。
〇その一方で人出は相当なものである。本日、不肖かんべえは久しぶりで中山競馬場に出かけたのであるが、午前9時台からどっとファンが押しかけていたのである。別にG1レースじゃないですよ。月曜日の2場開催で、メインはセントライト記念。3歳牡馬のレースで1〜3着には菊花賞への出走権が得られる。競馬は楽しいんだけど、こんなに汗をかきますかなあ。
〇そういえば、昨日行った近所のショッピングモールも大変な混雑でありました。やはり9月の3連休、日本列島は動いているのですよ。7−9月期のGDPは、どんなことになるのやら。ああ、でもひと雨ほしい。
<9月19日>(火)
〇気の早い話ではあるが、クライマックスシリーズなどはどう転んでも負けないだろうと考えて、ここから先、気になるのは日本シリーズにおける岡田采配なのである。それって1か月くらい先の話だと思うのだが、「ソレ」(日本一の隠語)ができるかどうかは大問題である。特に相手がオリックス・バファローズと考えれば、この「関西ダービー」で勝てるかどうかは天と地ほどの差があると考えねばならない。
〇岡田彰布氏は、たまたま監督に復帰就任1年目に優勝してしまったのだが、これは1985年の吉田義男と全く同じパターンである。あのときも吉田監督は大いにもてはやされたのであるが、翌年にはもう落ち目の三度笠であった。まだ若かりし頃のワシが1986年に大阪に出張したら、タクシーの運転手が「だから吉田があかんねん!」と言っていたので、大阪人の節操のなさには感銘を受けたものである。
〇ということは、岡田監督も2年目にどうなるかは知れたものではない。いくら投手陣が若くて、内野手も外野手もドラフトから育てた生え抜きばかりが揃っていて、たまに採る外国人も活躍する風土ではあるのだが、タイガースファン歴半世紀になんなんとする身からすれば、当然、不安の方が先に来る。だから今年、勝つしかない。やっぱ「ソレ」や。
〇そこで日本シリーズ対策を考えてみるのだが、さしたる名案があるわけではない。打線は今のままで行くしかないし、それでダメならしょうがないのである。当たれば、かなりいい線行くだろう。しかるにそこは、サイコロを振って出たとこ勝負みたいな世界である。
〇おそらく問題は投手起用であろう。第1戦を誰に投げさせるかが問題なのである。防御率から言ったら村上頌樹の一択なのだが、オリックスの初戦は山本由伸であろう。これは正直、打てるような気がしない。いや、打てるときは打ってしまうのである。それこそ佐藤輝明がスカコーン!と打ってくれるかもしれない。しかるにそれは計算が立たないので、「日本シリーズは第2戦が勝負」というセオリーに沿って、村上は第2戦に起用したい。
〇第1戦は青柳晃洋ないしは西勇輝であろう。ここはベテランにお任せで。第3戦は伊藤将司、大竹耕太郎、才木浩人の中から、いちばん調子がいいヤツを。こうやって考えていくと、なんだか勝てそうな気がしてくる。いやね、これぞ「取らぬ狸の皮算用」というやつで、でも「トラたぬ」は阪神ファンの常なのである。ああ、こんな妄想を1か月くらいも楽しめるのであるから、今年はなんて恵まれているんだろう。
〇いや、ラグビーのW杯も応援しなきゃいけないとは思っているのだけれども、ついついこっちが先に来てしまう。だって18年ぶりなんだもん。
<9月20日>(水)
〇本日の産経新聞正論欄に寄稿しました。
●日韓互いの国益にかなう緊密化
〇「韓国嫌い」の人たちがなんていうのか、ちょっと怖いような、楽しみなような。
〇でも、日韓は「トランプ復活」にも備えなければならない。NYの国連総会では、ゼレンスキー大統領もそのことを恐れているような感じですね。当たり前か。
<9月22日>(金)
〇今週はオリックス・バファローズがパ・リーグ優勝を決めました。阪神と同様に2位に10ゲーム以上差をつけておりますが、それでもクライマックス・シリーズは行われる。2位と3位のチームにとっては、エクストラのゲームがあるから球団の実入りが増えるから、一度始めてしまったら美味しくてなかなか止められない制度である。
〇とはいえ、日本シリーズが始まるのが10月28日と考えると、あまりにも間が空きすぎる。野球界はこんなことでいいのでしょうか。トラキチ仲間には「DeNAはちょっと怖いです」という声もあったりして、言われてみると急に不安になったりもする。まあ、順当に「阪神タイガース対オリックスバファローズ」の「兵庫県ダービー」がみられることを希望します。
〇ところでオリックスには苦難の歴史がある。これを読むと、しみじみと往時が思い出されてくる。いろいろあったよねえ。ワシなんかいまだに、「あれ?オリックスってブルーウェーブだっけ、それともブレーブスだっけ?」などと思うことがあるもん。
●阪神優勝より穏やか 「オリックス優勝」の納得背景
〇これはシンクタンク業界の黒歴史かもしれませんが、「三和総研が誕生したときに、最初の仕事は『球団を買うとこんなに儲かります』というレポートを書くことだった」。もっともブレーブスを買収した後の宮内さんは、「球団経営なんて、ちっとも儲かりません!」とご立腹モードでしたが。
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編集者敬白
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by Kanbei (Tatsuhiko
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