●かんべえの不規則発言



2018年9月 







<9月17日>(月)

○この3連休、前半は安室奈美恵さんの引退で、後半は樹木希林さんが亡くなったことでしたね。お二人とも非常に長い期間にわたって活躍されていたので、お別れは残念です。

○結果として平成がどんどん遠くなるというか、「すべての世代が知っているスター」というものが、どんどん残り少なくなっていきますね。これが平成の次の年号になると、歌手でも俳優でも「すべての世代が知っていて、その人の行動にシンパシーを寄せる」ことは非常に稀有なことになってしまうことでしょう。

○だってさあ、「今、どんな歌やドラマがヒットしているか」って、聞かれてもあたしゃ知らないもん。歌番組は減ったし、ドラマも見てないし。カラオケにも滅多に行かないし、若い俳優は顔覚えられないし。って、こちらがオヤジなだけですけど。

○一方でインターネットの世の中は、すべてのヒットを一本化してしまって、「ロングテール」なんぞを無意味化してしまう。結果として小粒なヒットを頻発させることになり、人気者が長生きしにくくなっていく。罪作りな世の中だと思います。スポーツ界なんかは別として、誰もが知っているようなスーパースターはあと何人存命なんでしょう?


<9月18日>(火)

○昔お世話になったT先輩から召集がかかった。従って、今宵は国際開発センターの理事会が終わるや否や、昨日同様のにわか雨が降りしきる中を、品川から渋谷の会合場所へと急いだのである。

○何が原因だったかと言うと、T先輩はこのたび得度をした。浄土真宗のお坊さんになったのである。この辺が妙な世界なのだが、お坊さんというものは、たまたまお寺の家系に生まれれば簡単になれてしまう。お坊さんは一族郎党で仲良しなのである。ゆえに不肖かんべえは一応、富山における真宗のお寺の末裔なので、たぶん一念発起して申請すれば、おそらく比較的容易にお坊さんになれてしまうのではないかと思う。

○ところがお寺とはまったく縁のない人がお坊さんになろうとすると、そこは勉強しなければならなかったり、修業しなければならなかったりする。T先輩はこの手の不条理に遭うと燃えるタイプなので、ついつい本気になって数年を費やし、とうとうこのたび宿願を果たしたという次第である。

○そのために下界との接触を一切断って、過酷な修行に挑んだのであるが、すべての工程を終えて10数日ぶりに現実社会に戻って来て見たら、自分ところの子会社が作った映画がなぜか大ヒットしていた。その名を「カメラを止めるな!」という。口コミでヒットする、という世にも珍しいサクセスストーリーである。思わず得度のお蔭ではないかなどと思ってしまうが、ご本人によればかかる現世利益は、浄土真宗が忌み嫌うものである。

○当方としては、いやいや、良かったよかった、この映画、気になっていたけれども見てなかったのだ。本日、招待券を頂戴したので、これから見ることにいたします。とりあえずご馳走様でした。

○ちなみにこのT先輩と言うのは、かつて日商岩井を辞めてパチプロになったTさんのことであり(当欄の2000年7月24日にその間の経緯が書いてある)、その後、いろんなIT会社で活躍して今日に至っている。いやはや、不思議な会でありました。それにしても、なぜこう昔の知り合いに会うと若返った気持ちになるのでしょうか。そういうご利益については、阿弥陀様も咎めるようなことはないと思います。


<9月19日>(水)

○ジェトロ神戸さんのセミナーで神戸のポートピアホテルへ。神戸は雰囲気がいいし、お客さんの感度もいいので好きなんですよねえ。数えてみたら今年でなんと4度目であった。「4回とも聞きにきました」という人が複数いたのには驚きました。ご贔屓いただきまして深謝申し上げます。

○たまには神戸空港を使ってみよう、と思い立って今日の帰りはモノレールに乗って神戸空港へ。海上空港から見る神戸市の景色は素晴らしい。しかも夕日に染まっていく。飛行機の時間までにちょうど1時間あったので、空港のレストランで生ビールと関西お好み焼き。さらに牛筋も追加。ぷはー。

○往復共に新幹線、というよりもこっちの方がいいですな。帰りは飛行機。スカイマークはキッチリ1時間の定時運行だし。もちろん機中では爆睡するのでありました。


<9月20日>(木)

○自民党総裁選、かなりショッキングな結果が出ましたね。

  議員票 党員票 合計
安倍晋三 329 81.2% 224 55.3% 553
石破 茂 73 18.0% 181 44.7% 254
棄権      
合計 405   405   810


○石破さんの党員票は、2012年総裁選での得票の55%からわずかに10P下げただけ。逆に安倍さんは地方票でも圧勝するつもりが、そうはならなかった。終盤戦になって、甘利さんが「55%は超えたい」と言っていたけれども、まさにその数字どんぴしゃりとなりました。これは現役首相がかろうじてメンツを保てる数字でありますが、こういう玄妙な数字が出るところが自民党総裁選。独特のバランス感覚だなあ、という気がします。

○こうなると「石破派を人事で干してやる」というのも難しくなりますね。なにより党員の45%が「反安倍」であったという事実は重く、安倍さんには「気がね」が必要になります。とりあえず憲法改正は夢のまた夢でしょう。もちろん変える条文の中身にもよりますけど、国民投票に架けた時に否決されてしまう確率が高いということですからね。

○石破票が安倍票を上回ったのは10県でした。山形県、茨城県、群馬県、富山県、三重県、鳥取県、島根県、徳島県、高知県、宮崎県です。「地方の反乱」と言っていいのではないでしょうか。逆に安倍票が石破票に大差をつけたのは、神奈川県(菅、甘利)、和歌山県(二階)、広島県(岸田)、山口県(安倍)、福岡県(麻生)などです。つまり今の内閣の主要メンバーが居るところ、ということですね。これをどう読み解くべきか。

○10月1日に予定されている内閣改造も面白くなってきました。骨格は守ると言っているけれども、多少は新味を出さないと低い支持率になってしまいます。石破さんや斎藤農相の扱いも悩ましい。もっともそれ以前に、安倍さんにとっては今週末からの訪米が大変なんですけど。

○不肖かんべえは明日はめずらしいことに、『モーサテ』『ゆうがたサテライト』のダブルヘッダー。ついでに明後日は『Biz Street』にも出ちゃいます。今週から来週にかけては本当にいろんな日程が重なって、しみじみ面白いですなあ。アドレナリンが出ているような気がする今日この頃。


<9月21日>(金)

○「モーサテ」(5:45〜7:05AM)と「ゆうサテ」(4:54〜5:20PM)を1日に両方出て発見したこと。

○テレビ東京内の同じスタジオ、同じ打ち合わせ会議室で仕事をするのだが、違う出演者、違うスタッフ、違うテーマ、そして時間帯も12時間ちかく違う。こうなるとまったく別世界なのである。

○朝は皆、バタバタしている。皆さん目が覚めてから時間がたってないし、放送前に確認すべき作業が多いからだ。ニューヨークとのやり取りもあるし、ゲストも複数いるので、どのニュースでどのようにコメントをどう振るかもややこしい。その割に、オフィスはまだ人が出ていなくて閑散としている。

○夕方になると、その日に起きたことは一通り分かっているし、ゲストも1人だけなので確認作業は多くない。その代わりこちらはリハーサルがあり、放送直前まで「やっぱりここはこうしましょう」という変更作業が続く。突発的なニュースが飛び込む、ということもある。オフィスは人で一杯になっている。

○なぜ1日に両方の番組に出ることになったかと言えば、たまたま佐々木あっこさんと池谷亨さんから別々に依頼があって、面白そうだから両方受けてしまっただけのことである。テレビ東京の内部でも、当日になって「あれっ?」と気づいてくれた人も居て、何人かの方から「無理しないでくださいね」と声をかけていただいた。

○いやまあ、ものは試しと考えただけのことですから、別にご心配いただくようなことではないのです。ただしあんまり仕事量を増やすと、自分なりに考えている仕事の質が下がる恐れもあるんで、多少はセーブしようと思います。ああ、でも面白かった。









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編集者敬白





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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)