●かんべえの不規則発言



2018年6月 






<6月14日>(木)

○何人かの方から、溜池通信(ニューズレターのページ)が古いままになっているよとのご連絡をいただきました。今は直っていると思いますが、これはレンタルサーバーを新しいものに代えることに伴うトラブルでございます。

○実をいうと、この移管手続きがよくわかりませんで、苦労致しました。ああいう会社のマニュアルって、どうしてこう不親切なのでしょうか。しかも電話による問い合わせは、平日の昼間だけになっている。そんなこと言われても、平日の昼間には作業できませんわ。結局、一度も電話する機会はありませんでした。

○それでいよいよ明日には古いサーバーが停止いたします。ひょっとすると新たなトラブルが発生するかもしれませぬが、そのときはどうか慌てず騒がず、お待ちください。技術的なことには弱いですが、その際は必死になって頑張りますので。それから溜池通信のバックナンバーは、こちらでもご覧になることができます。


<6月15日>(金)

○さらに数人の方からご指摘をいただきました。溜池通信最新号の「6月は『マッドマン外交』の季節」のリンクが切れています、と。いや、どうもすいません。これはレンタルサーバーの会社のせいではなく、単なるワタクシの不作為でございます。ダメじゃん、ちゃんと更新しておかなきゃ。

○ということで、新しいレンタルサーバーに移転しました。これで容量は無制限になります。これからも「溜池通信」を書き続けていきたいと思いますが、まだまだ気づいてないトラブルがあるかもしれません。ご発見されました節は、是非当方までお知らせください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○本日は「経済倶楽部」の講師のために東洋経済新報社へ。エレベーターに乗ろうとしたところで、以前にこの連載の担当編集者であったTさんとお久しぶりに遭遇。現在は同社の宣伝部長をお勤めとのこと。おめでとうございます。もともとの担当者であり、現在もご担当いただいているF氏は証券部長に昇進されました。実は競馬好きエコノミストの市場深読み劇場は東洋経済の出世コースであったりして。

○聞けば東洋経済新報社は現在、この本が20万部も売れてノリノリであるとのこと。フィル・ナイトの自伝は双日社内でも結構、評判になっております。初期のナイキを育てたのは旧日商岩井だった、ということで。もっとも社内では、「この本に書いてあるのと同じことを今やったら、コンプラ違反だね」という冷ややかな声もある。そりゃあまあ、時代が違うんだから仕方がない。

「SHOE DOG―靴にすべてを」は文句なしに面白い本です。これだけ面白い本を書ける人は、本質的な意味で経営者であるよりも詩人だったのだと思います。いわばジョン・スカリーではなくて、スティーブ・ジョブズの方だった。そのナイトが長くCEOを務めてくれたおかげで、双日はかな〜り助かった。そういう歴史を味わいつつ、本書を読んでおります。

○経済倶楽部の講演の方は、そう簡単ではありません。なにしろここの講演会は、毎週金曜日にやっている。毎週のように通ってくるような「耳の肥えた」聞き手が相手である。この経済倶楽部の講演録をたまたま昨日読んだら、お馴染みのナベさん(渡部恒雄・笹川平和財団上席研究員)が4月に語った内容がそのまんま載っている。その中には、本日ワタクシが語って受けを拾おうと思っていたトランプネタが入っている。おっと、危ないところだった。

○トランプ劇場を語るという作業は、労多くして虚しいところが多いです。週明け月曜日には、「モーサテ」でまたまたそういう役どころを演じます。題して「トランプ劇場の第三幕」。どういう内容かは、当日のお楽しみということで。


<6月17日>(日)

○いやー、トランプさん、抜く手を見せずにやってくれました。米朝首脳会談が終わったら、次は米中対決。6月15日に対中制裁関税500億ドル分のリストを発表しました。とりあえず北朝鮮の目途がついたら、中国に遠慮する必要もなくなったということでしょうか。これで今月のトランプ劇場は、第1幕がシャルルボアG7、第2幕が米朝首脳会談、そして第3幕は対中通商摩擦対決ですね。

○中国側もすかさず500億ドルの対米報復関税リストを発表してきました。水面下で言われるのなら対応できるけど、頭ごなしに言われたら絶対に引けない、というのが中国外交の常。これはもうガチンコ対決になりますな。もっとも実際に関税を発動するのは7月6日だそうですから、それまでにまだ3週間ある。この間に何とか水面下で合意するつもりなのでしょう。

○もっともこの間に、企業は代替策を立てたりしなければなりません。市場もハラハラしながら情勢を見守ることになります。かないませんなあ。まあ、トランプさんとしては、ショーマンシップが命なわけでして、実体経済のことなど関心はないのでありましょう。

○ということで、FNNプライムニュースに寄稿しました。ご笑覧いただければ幸い也。

トランプ大統領の「関税好き」は天下の愚策


<6月18日>(月)

○今朝はモーサテへ。「プロの眼マンデー」は「トランプ劇場第3幕」と題して、米中通商摩擦を取り上げました。ちなみにワールドカップの最中なので、「今日のオマケ」はありません。ちょっと寂しいですね。

○それにしてもドイツが負けるとは。ジャイアント・キリングとはまさにこのこと。メキシコを甘く見てはいけません。なにしろトランプさんに苛められ続けて、鬱憤がたまってますからね。7月1日の大統領選挙も侮るべからず。ブラジルもスイスを相手に引き分けました。もっともブラジルの場合、「予選はワールドカップとは呼ばない」というお国柄だそうです。トーナメントに入ってからが勝負です。

○てなことで、こういう番狂わせが起きるのを見ていると、サムライブルーにもチャンスがあるんじゃないかという気がしてきます。しかしなあ、なんか逆転劇が起きる時には、それなりの「仕込み」がないといかんと思うんですよね。今年のメンバーは、そういう陰徳を積んでいないんじゃないでしょうか。奇跡というものは、奇跡的に起きるものではありません。

○番組が終わってから、あっこさんと野沢アナの3人で朝ご飯を食べてたら、「大阪で地震発生」との知らせが飛び込みました。即座に会社へとダッシュする野沢アナ。もちろん佐々木さんもすぐ後を追いました。くれぐれも申し上げたい。「地震のときでもテレ東はアニメ番組を流している」というのは都市伝説です。

○それにしても大阪の地震はめずらしい。この先、余震が続くようだと心配です。大阪こそは日本のサプライチェーンのど真ん中ですから。


<6月19日>(火)

○今宵は都内某所で、久しぶりに田原総一朗さんの怪気炎を拝聴する。拉致問題や自民党総裁選をめぐって、いつもながらお元気である。もちろん今宵のワールドカップに関する話はいっさい出ない。まあ、こちらも「今日は3対ゼロくらいで負けるんだろうな〜」と思っているから、あんまり気にはならないのである。

○ところが対コロンビア戦、2対1で勝ってしまったではないか。嬉しいけれども、こんなことでいいのだろうか。まあ、それでも一気に手のひら返しで、「サムライブルー、偉いぞ!」となってしまっても不思議はあるまい。なにしろFIFAランキング61位が16位を破ったのだから。そして過去のW杯を思い起こせば、初戦で勝つことの重みは自明である。

○「負けに不思議の負けなし」が勝負の常ではあるのだが、ごくたまに「勝ちに不思議の勝ちあり」、というときがある。こういうときは、感謝あるのみ。下手に欲をかいちゃいけません。うーん、それにしてもびっくりしたな。


<6月20日>(水)

○今年のFIFAワールドカップを見ていると、「中国の広告が増えたなあ」と感じます。以下のようなラインナップです。


<パートナー>

アディダス(ドイツ・スポーツ用品)
コカコーラ(米国:飲料メーカー)
WANDA(中国:総合)大連万達G
カタール航空(カタール:航空)
現代起亜(韓国:自動車)
ガスプロム(ロシア:エネルギー)
VISA(米国:クレジットカード)

<スポンサー>

バドワイザー(米国:ビール)
ハイセンス(中国:家電)
マクドナルド(米国:食品)
蒙牛乳業(中国:食品)
VIVO(中国:スマホ)


○なんと12社中の4社を占めています。前回大会までSONYが入っていた日本勢は、今大会でとうとう姿を消しました。

2018 ロシア   2014 ブラジル   2010 南アフリカ   2006 ドイツ   2002 日韓   1998 フランス
                                 
アメリカ 4   アメリカ 4   アメリカ 4   アメリカ 7   アメリカ 7   アメリカ 4
中国 4   ドイツ 2   ドイツ 2   ドイツ 3   日本 4   日本 3
ドイツ 1   英国 2   日本 1   日本 2   ドイツ 1   ドイツ 3
韓国 1   日本 1   韓国 1   オランダ 1   オランダ 1   オランダ 1
カタール 1   韓国 1   UAE 1   韓国 1   韓国 1   イギリス 1
ロシア 1   UAE 1   イギリス 1   UAE 1            
      中国 1   インド 1           14社     12社
      ブラジル 1   中国 1     15社            
            ブラジル 1                  
            南ア 1                  
                                 
  12社     14社     14社                  


○1998年から連続で出ているのは、アディダス(独:スポーツ用品)とコカコーラ(米:食品)とマクドナルド(米:食品)の3社だけです。それ以外では、バドワイザーが5大会連続です。さて、バドワイザーはアメリカ企業でいいんでしたっけ。それとも欧州企業に買われたんでしたっけ。

○日本勢としては、かつては富士フィルム(仏、日韓、独)や日本ビクター(仏、日韓)、それに東芝(日韓、独)が常連だったのですよねえ。ちょっと寂しく感じますが、日本企業はB2Bのデバイス製造に活路を目指すようになり、グローバルブランドを目指さなくてもいいや、と感じ始めたのかもしれません。なにしろFIFAのスポンサー料は高いですからねえ。

○全世界で数十億人が見る、と言われるW杯ですから、むしろ新興国の企業の方がメリットを感じやすい時代なのかもしれません。ちなみに4年前の本誌はこんなことを書いておりました。それに比べると、今年はあんまりテンションが上がっていないんですよねえ。でも昨日、勝っちゃったしなあ。今年はきっと決勝トーナメント、行きますよね、とドロボーの気分になっております。










***月初に戻る









編集者敬白





●不規則発言のバックナンバー

2018 17 16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99
  12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月 12月
  11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月 11月
  10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月 10月
  9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月 9月  
  8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月  
  7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月 7月  
18年6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月 6月  
18年5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月 5月  
18年4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月 4月  
18年3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月 3月  
18年2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月  
18年1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月 1月  

溜池通信トップページへ

by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)