●かんべえの不規則発言



2021年3月 






<3月1日>(月)

〇今日は在宅勤務の日だったのだが、何と朝7時から夜7時まで働いてしまった(いちおう昼めし時は休みますよ)。これだけ集中すると、さすがに仕事がはかどる。しかも通勤時間がないから、それほど疲れていない。ありがたいことである

〇ただし課題も残る。今日はTeamsの会合が2件あったのだが、どちらもブツブツとネットが切れてしまうので往生した。不思議なことである。ワシの仕事場のWi-Fi環境は、Zoomだと何の問題もないのに、Teamsだとなぜか不都合が起きるようだ。それとも今日は特別だったのだろうか。まあ、リモート作業が多くなると、皆さん、多少のトラブルでは意に介さないようなので、それはありがたいことである。

〇なおかつ、缶ビール2本とともに晩飯を済ませてから、これからひと風呂浴びて残業までできてしまう。うーむ、こんなに仕事をしていていいのだろうか。問題は通勤がないと、本や雑誌に目を通す時間が足りないことくらいか。まあ、明日は出社するからその時間を利用することにしよう。


<3月2日>(火)

〇3月は始まったばかりですが、いろんなことがありそうですな。



企業説明会解禁(3/1)

Yahoo親会社のZホールディングスとLINEが経営統合(3/1)

令和3年度予算が衆議院を通過(3/2)

1月の労働力調査、有効求人倍率(3/2)

プロ野球オープン戦開始(3/2)

マイナンバーカードの健康保険証利用の試行運用開始(3/4)

中国全人代始まる(北京、3/5〜)

米雇用統計(3/5)

緊急事態宣言の期限(3/7)→2週間延長へ

国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)(3/7〜12)

1月の国際収支、1月の景気ウォッチャー調査(3/8)

2020年10-12月期GDP改定値(3/9)

東日本大震災から10年(3/11)

ECB定例理事会(3/11)

大相撲春場所(両国、3/14〜28)

山口県下関市市長選挙(3/14)

米グラミー賞授賞式(3/14)

米アカデミー賞ノミネート発表(3/15)

菅内閣発足から半年(3/16)

FOMC(3/16-17)

2月の貿易統計、2月の訪日外国人数(3/17)

日本商工会議所通常会員総会(帝国ホテル、3/18)

秋田県知事選挙告示(3/18)

日銀金融政策決定会合(3/18-19)

選抜高校野球(阪神甲子園球場、3/19-31)

千葉県知事選挙・千葉市長選挙投開票(3/21)

自民党定期党大会(都内、3/21)リモート形式で実施予定

イスラエル総選挙(3/23)→過去2年で4度目!

東京五輪聖火リレー出発式(福島、3/25)

福岡県知事選挙公示(3/25)

ギリシャ独立200周年(3/25)

欧州各国が夏時間入り(3/28)→時差は英と8時間、仏独伊と7時間に

2月の労働力調査、有効求人倍率(3/30)

令和3年度予算が自然成立(3/31)

2月の鉱工業生産(3/31)


(1)令和3年度予算が年度内に成立する目途は立ちましたが、政局的にはいろいろありそうです。千葉県(3/21)、秋田県(4/4)、福岡県(4/11)の県知事選挙は与党には気になるところ。その先には4月25日の衆参補欠選挙も控えています。

(2)五輪聖火リレーが始まる3月25日は、東京五輪を中止するなら最後のタイミング。とはいえ、無観客にするかどうかはもっと後に決めるらしいので、締め切りとしての地位は低下した模様。7月23日の開会式に向けて、ギリギリの判断となるのでしょうな。

(3)スポーツ関係では、プロ野球オープン戦、大相撲春場所、センバツ高校野球などがつつがなく実施の予定である。個人的な関心事は阪神タイガースのゴールデンルーキー、佐藤輝明ですな。まるでガタイが新外人選手。相手ピッチャーは嫌でしょうな。久々に球春が楽しみです。


<3月3日>(水)

〇えー、緊急事態宣言が2週間延長になりました。どういう議論があったのか、材料を与えてくれるのは分科会メンバーの小林慶一郎さんが、今月の文芸春秋に寄稿した「コロナ第三波『失敗の本質』」から読み解くことができます。

〇小林さんによれば、第三波が始まった11月10日前後に「感染症の専門家の先生たちが慌て始めた」。なぜそうなったのかは、そのときはよくわからなかったとのこと。「11月上旬もまだ夏と同じようなレベルで、東京都の新規陽性患者数はせいぜい1日200人台後半でした。(中略)今から振り返れば、あの時こそ、平常時から感染爆発に局面が変わったところだったのです」


●まだ新規感染者数が安定していた10月頃は、分科会にも「東京で1日200人ぐらいが平常状態ではないか」という意見の専門家がいました。つまり、200人前後を維持するようなクラスター対策を取っていれば、感染はそれ以上増えないということです。これに対して「もっと低く抑えるべきだ」というメンバーもいましたが、明確な数値目標で合意するわけでもなく、尾身茂会長も「まあ、そんなもの(200くらい)かな」という感じで、どのあたりがボーダーラインなのか、はっきりしなかったのです。

●メンバーから、「もう少しベースラインを下げておきたかった」という反省の弁が聞かれたのは12月10日過ぎになってからのことです。秋の抑え込みは明らかに弱かった。今では「ステージT(東京都の新規感染者数が1日100人程度)近くまでもっていかないと感染はコントロールできない」という認識になっています。(中略)今なら「東京都の新規感染者数は2桁まで抑えるのが理想的」とも言えますが、それは後知恵だから言える面もあります」


〇ということで、今の200〜300人程度の水準では解除できないらしい。それが分かったのは昨年11月以降であって、それくらい試行錯誤が行われている、ということであります。後知恵でいろいろ言うのは簡単ですが、官邸も分科会も見識は所詮はその程度、と覚えておきましょう。

〇小林さんは下記のようなことも書いていますが、多少は本人から直接、話を聞いたことがある当方といたしましては、「ずいぶん抑えているなあ」という印象であります。詳しくは本文をお読みください


●「病院が都道府県に上げているベッド数は、ボランティアの数字ですよ。病院がベッドとかスタッフを出してくれるかどうかは、国も自治体も何の強制力もありません」(中略)「春の第一波のときに大変な赤字になってしまったので、夏の第二波ではコロナ対策に参加することを嫌がっている病院が一杯ある」

●危機においては、内輪の調整に神経が集中して外部への影響を忘れてしまうことがよくあります。(中略)危機が高まれば高まるほど「村社会の論理」が支配的になり、外部の敵については希望的観測にすがるものです。

●「緊急事態宣言って絶対出ませんから」これは財務省だけの「空気」ではありませんでした。霞が関全体に暗黙の了解として広がっていたのです。

●一連の対応を見ていると、厚労省は業務過剰でパンクしており、とにかく仕事を増やしたくないという一念のように思われます。昨年秋、病床確保の司令塔を作るべきという議論を私が提起したところ、ある審議官は「そんなことをしたら(厚労省に)死人が出ますよ。今でさえ忙し過ぎるんですから」と言下に却下しました。厚労省の官僚は忙しさのあまりか、外の世界が見えなくなっており、自分の村社会を守ることだけに必死なのです。

●この半年余り、感染症専門家の方たちを見ていて感じるのは、彼らには医療行政(厚労省、保健所)や医療界への遠慮があるということです。(中略) 敵はコロナなのに、持ち場を狭くして全力を投入できていない――私はここにも「感染症村」の村社会の論理を感じています。


〇まさに「失敗の本質」。日本の組織は良くも悪くも変わっていないのです。


<3月5日>(金)

〇コロナ発生からこの方、何度同じことを考えたかわからないけれども、「怖いと思っていない人に怖がれ」と言うのが無意味であるのと同様に、「怖いと思っている人に怖がるな」と言うのも全く意味がない。なぜなら恐怖とは個人的な感情であって、あなたが怖いことでも私は怖くなかったりする。同じくらいの怖さを、社会全体が共有することは容易ではない。

〇ワシの場合は前者(怖くない)に属するので、コロナを怖がっている人の気持ちがあんまりわからない。まして「ワクチンが怖い」と言っている人を見かけたりすると、「テメエ、何様だよ」などと腹を立ててしまいかねない。いや、それはワシが過去60年間、ほとんど健康に気を使わずに生きてこられた結果であって、今も「自分は大丈夫」「罹ってもたぶん重症にはならない」と思っている。お陰で呑気でいられます。ありがたいことである。

〇ワシの知り合いには、ちょうど1年前くらいに感染していたらしく、知らない間にコロナの抗体ができていたという人が居る。爾来、これはラッキーとばかりに緊急事態でも遊び歩いている。某日、赤坂のクラブで大勢で遊んでいる際にクラスターが発生し、自分以外は全員が発症して、中には重篤になった人もいたらしい。とまあ、こんな具合に、世の中は不公平にできている。文句を言っても仕方がない。

〇いや、ワシも一応は高血圧なので、毎朝クスリを飲んでいたりはするのですが、飲み始めてから本当に血圧が下がったので、「クスリというものは存外に効くものなのだ」という教訓を得てしまい、ますます医学に対する信頼を深めてしまった。ワクチンだって、「打ってあげます」と言われればホイホイと打ってもらうだろうし、「すいません、あなたは後になります」と言われれば、どーぞどうぞお先に、と申し上げる自信がある。

〇その代わり申し訳ないですが、本気でコロナを怖がっている人に対する理解は乏しいです。そういえば他人への同情心が薄いのは、当溜池通信の個性かもしれません。いや、多少の自覚はあるのですが。










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編集者敬白





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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)