<7月1日>(火)
〇本日は群馬中小企業懇話会さんの総会で前橋市へ。北陸新幹線で上野駅から高崎駅まではわずか40分。なるほど、これじゃ「かがやき」は止まってくれない。そこからタクシーで移動する。こんな風に県内第1と第2の都市が近くにあるのは、岡山市と倉敷市くらいではないかなあ。
〇講演会の最中に突如として雷鳴が鳴り、豪雨が降り出した。一瞬、驚いたけれども、これだけ暑かったら、たまには夕立も悪くはないよね。ちなみに、群馬県はゲリラ豪雨遭遇率が全国一なんだそうです。ひえ〜。
〇例によってトランプ関税のお話が中心となるのですが、ここ群馬県はなにしろSUBARUのおひざ元。自動車関税の行方が気になるところです。そういう意味では今朝のトランプ発言などは激震ということになります。おそらくはベッセント財務長官がGood
Copになって、トランプ大統領がBad Copとして日本に揺さぶりをかける、という狙いなのでしょう。いやはや、株価が上がってしまったものだから、「関税上げてもいいじゃねえか」と強気になっているのかもしれません。
〇講演の中で、「ここまできたら条件面は少しくらい悪くても、関税交渉は早いディールの方がいいのではないか」と申し上げたところ、後で何人かの方から同意をいただきました。悪いなら悪いで、今のうちにわかればまだ手の打ちようがある、このまま決算の見通しもつかない状態で生殺しになるのはかなわん、ということでした。
〇その一方で、自動車部品会社の方からは、「まだ、思ったほど影響が出てないんですよねえ」という拍子抜けするような声も聴きました。そりゃま、在庫もあるし年間契約もあるだろうから、すぐに値段が上がるわけではないのだけれども、関税の影響はかならずどこかで出てくるはずなので、油断しているわけにもいかんのですよねえ。
<7月3日>(木)
〇いよいよ参議院選挙の公示日である。ご近所の掲示板にはちゃんと選挙ポスターが貼ってある。果てさて、どんなことになるのだろうか。
〇そこで本日発売の週刊文春を買ってみた。「参院選完全予測〜一人区11勝21敗で自民壊滅」てな記事が出ているようだから。そしたら今の週刊文春って、510円もするのね。あ〜ビックリした。物価は確実に上昇しております。
〇記事を拝読すると、なるほどこれは大変なことになりそうだ。とにかく一人区がエライことになっている。東北と四国で自民党が1つも勝てない、とは非常事態発令ではあるまいか。
〇そもそも今は一人区が32もある。今じゃ宮城県や長野県も一人区になっている。つまり人口が減っているということだ。合区も全国で2つある。これらの選挙区では、「高校の統廃合」みたいなことが始まっている。もう少したつと、今度は大学の統廃合が必要になるだろう。こんな寂しい状況で、与党を信用しろ、と言われても難しいですわな。
〇農政の問題もある。小泉農相の「備蓄米大放出」も、喜んでいるのは都市部だけであって、地方紙の社説はとってもビミョーな書き方にならざるを得ない。だって農家はギリギリの瀬戸際なんだから。
〇もちろん参議院選挙は期間が長いし、ごくわずかな差で競っているところが多いから、この間に生じるイベント次第で選挙結果は大きく変わるだろう。例えば今は参政党がブレイクしていると言われるが、ちょっとタイミングが早過ぎたんじゃないか。文春砲だってありますからね。タレント議員も多いから、いろいろ喧しいことになるのではないか。
〇逆にこの猛暑で、首都圏で電力不足が起きたらどうなるか。これは与党にとっては大打撃になるのではないか。などなど、いろいろ考えるとネタは尽きない。投票日の7月20日までは長い長い道のりである。じっくり見てまいりましょう。
<7月4日>(金)
〇本日は信濃町の「きんざい」さんへ。昨年に引き続き、「金曜例会」で講師を務めさせていただきました。本日のテーマは「トランプ2.0と日本経済への影響」。流行りのネタでございます。
〇本日は米独立記念日とお日柄もよく、なおかつ「OBBB法」(ひとつの大きくて美しい予算)が成立するということで、トランプさん的にはまさに絶好調。コワいもんなし、みたいな状態であるものと拝察いたします。
〇時節柄、たいへん関心が高いテーマなんですが、日米関税交渉の行方なんぞはもちろん分かりませぬ。それでもいつも通りのお話をするしかないのであります。ニクソンとの比較とかミレニアル四天王とか、ヴァンスとルビオの比較論とか、そういう話であります。
〇会場を見渡したら、なんと氷見野良三さんがお見えでありました。眼が合ったので、最後の質疑応答の際に「何か一言」と申し上げたら、「それではご指名なので」と、ご質問を頂戴いたしました。副総裁からどんなご質問をいただいたか。それは内緒にしておきましょう。
<7月5日>(土)
〇今週は仕事が一杯ありました。まずは7月3日に収録したピクテ・マーケット・ラウンジ(動画サイト)が、素早くアップされているのでご紹介。
●【参院選のベストシナリオとは】参院選を左右する自動車関税
/ 消費減税による金利上昇リスク /
自公連立のゆくえ<糸島孝俊 × 吉崎 達彦>|
――国内政治編。参院選に向けての展望です。
●【トランプ氏は天才か】イスラエル・イラン停戦の真相
/ 米中覇権争いのゆくえ/「一つの大きな美しい法案」による変化<糸島孝俊
× 吉崎 達彦>
――アメリカ政治編。トランプ政治の「天才」ぶりを語っております。
〇そしてこちらはいつもの東洋経済オンライン「市場深読み劇場」の新しい寄稿です。
●「12日間戦争」「ひとつの大きな美しい予算」…あまりに絶妙すぎる「トランプ大統領ネーミング術」の謎を解く
〇お陰で昨晩は10時間も寝てしまったですよ。ああ、よく働いた。
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編集者敬白
●不規則発言のバックナンバー
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by Kanbei (Tatsuhiko
Yoshizaki)