●かんべえの不規則発言



2018年4月






<4月1日>(日)

○ところがそれからが大変だったのです。一行は会場からドバイ国際空港に直行する。それで午前2時40分発のエミレーツに乗って、日本に到着するのが4月1日日曜日の午後5時台。そのまま月曜日には出社しなければ、という人たちが大勢いるのです。

○ワールドカップで興奮した後の脱力感いっぱいのところ、日付が変わった頃に空港でチェックインしようとしたのですが、なんとそこで言われてしまったのです。「この便はオーバーブッキングになりました」と。しかも中東ではありがちなことに、「申し訳ないけれども・・・」とか、「まことに遺憾ながら・・・」という雰囲気が皆無なのである。おいおいおい。

○まあねえ、そういうお客がいっぱいいることはわかるし、今は花見客までいるからねえ・・・・。とはいうものの、ほかの「ごめんなさい、英語わかんなーい」という客はそのまま通しておいて、なんでワシの時だけ"We will explain."とか言うんだよ。まったくビジネスライクに、「明日の便に乗ってはもらえないだろうか」とか、「バンコク経由の便という選択肢もある」などと妙に冷静に話しかけてくる。

○ちなみにバンコク行きは明日の午前9時発で、それでいくと月曜日の午前6時に成田に着くという。それって20時間もかかるじゃないか! それまではホテルを確保するし、向こう1年間有効の往復チケットを進呈するとかいう。そういう押し問答をしているのが午前1時台なので、いい加減、こちらも疲れている。こんな航空会社、もう二度と使わんぞ!というモードになっている。

○結局、飛行機の出発1時間前まで待って、何とか座席が用意できましたと知らされる。この座席、最後列の3列中央の座席であったから、掛け値なしに最後の1席だったのだろう。もちろん機内は満席。ということで、とにかく帰ってくることができました。ああ疲れた。それでもこれが人生初中東でありました。「今日のところはこの程度にしておいてやるわ!」という声が聞こえたような気がしたが・・・・。


<4月2日>(月)

○最近見た映画について。

○その1。ドバイに向かうエミレーツの中で。『アナと雪の女王』。

○今頃になって見ましたが、あの当時、うちの家族が憤慨していた理由がよくわかりました。まあ、今のディズニー映画はあんなものでしょう。それに"Let it go."はいい曲じゃないですか。個人的にはてっきりエルザが主人公なのだと思っておりましたが、これはアナが中心の映画なのですね。私はエルザの孤独に感情移入するタイプであります。

○その2。ドバイから帰りのエミレーツの中で。『デトロイト』。

○見始めてすぐに後悔してしまった。いや、これは名作なんです。値打ちがある映画なんです。でも機内で時間をつぶすにしては、あまりにも怖い、暗い、重い、そして長い。1967年のデトロイト市で起きた暴動にまつわる事件を題材にしている。ああ、半世紀前のアメリカでこんなことがあったのですね。映画に出てくるミシガン州知事は、ミット・ロムニーのお父さんじゃないですか。トランプ政権の今を思えば、ドーッと疲れが出る映画であります。

○昨日、けなしたエミレーツ航空ですが、ICEという機内システムは優秀であります。映画は数百本あって、ハリウッド新作はもとより、ボリウッド作品からイスラム圏番組まで網羅している。日本語版の吹き替えはないけれども、英語の字幕が使えるのでこれなら苦労はありません。

○その3。今日、ご近所で見に行った『ウィンストン・チャーチル』。

○これは"Darkest Hour"という原題がとにかくカッコいい。今の若い人はチャーチルなんて知らないから、「ヒトラーから世界を救った男」などという恥ずかしい副題をつけなければならない。それどころか、ゲイリー・オールドマンの演技を見て、「どうしてアメリカ映画にひふみんが出ているの?」などと言うかもしれない。しかるに先日、見た『ダンケルク』と併せると、感動はひとしおである。

○絶望的な状況において、どうやったら人は意地を張り通すことができるのか。あの場に居たら、ネビル・チェンバレンやハリファックス卿の方が賢く見えたかもしれない。しかし英国政治は変り者貴族のチャーチルを首相に担ぎ出した。英国民も彼を支持した。そして国王も。

○政治とは言葉なり、ということを教えてくれる映画である。戦闘シーンなどなくても、映画はここまで戦争を描くことができる。チャーチルは言葉の力で権力を握り、指揮を執り、戦いに勝った。彼が言葉をつむぎ出すシーンには、タイピストの女性秘書が不可欠であった、という点が面白いと思ったな。

○3年前にロンドンに行った際に、「地下のウォーキャビネット」を見に行きました。てっきりドイツ軍の空襲が始まってから作られたものだと思っていたが、実はベルギー陥落の頃からそうであったことをこの映画で学習しました。確かに、空襲が始まってから地下壕を掘るのは、いかにもわが国のやり方でありますな。同じ島国でも、先方の方がちょっとだけ上手です。

○ということで、本日は休養に充てまして、明日から出社であります。


<4月3日>(火)

●カジノ入場料6000円、IR法案で与党合意

日経電子版 2018/4/3 18:20

 自民、公明両党は3日、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案の内容で合意した。最後まで調整が続いていた日本人のカジノ入場料は1回6000円とする。政府・与党は今国会の重要法案と位置づけており、内容を巡る調整は決着した。月内にも同法案を国会に提出し、成立をめざす。

 日本人や日本に住む外国人が払う入場料を巡っては、カジノ設置を観光振興につなげたい自民党が5000円とする案を示した。一方でギャンブルへの慎重論が強い公明党は8000円を主張。双方が歩み寄って6000円となった。訪日外国人は無料とする。

 両党の間ではこのほか(1)IR施設はまず3カ所を上限に整備(2)カジノの面積はIR施設の延べ床面積の3%まで(3)事業者はカジノ収益の30%を納付金として納める(4)日本人の入場回数はマイナンバーカードによる管理で週3回、月10回までに制限――とすることも決めており、同法案に盛り込む。

 IR施設の設置数は最初の区域認定から7年後に見直せるようにする。すでに複数の地方自治体が誘致を表明しており、将来は施設数を拡大する方向だ。カジノを設置するには立地する市町村の同意を得ることも条件にする。地元の理解を得ながら整備を進める。

 自民党の岸田文雄政調会長は同日の与党協議後の記者会見で「観光立国をめざす我が国にとって大きな起爆剤になる」と同法案の意義を強調。今国会での成立を目指す方針を示した。

 カジノを解禁することは16年に自民党などが主導して成立したIR整備推進法で決まった。今回まとめる実施法案はIR施設を運営するための具体的な規制を定める。



○IR法案は今週が山場のようです。まあ、ドバイの観光戦略の徹底ぶりを見てきた後のワシ的には、「何という後ろ向きな議論をしておるんだろう」と呆れてしまいますな。複合型リゾートをつくって何を目指すつもりなのか、そこをまったくスルーして「依存症対策」を語っているのだから、本質をわきまえていないこと甚だしい。

○旅をする人は驚きを求めている。特に富裕層はそうだ。日本で複合型リゾートをつくるのなら、シンガポールやマカオが「参った!」というようなものを作らねばならない。2番手や3番手を作っても意味がないのである。ところが政治家は「庶民感情」なるものに気兼ねをし、官僚は「新しい財源」くらいにしか考えていない。なんたる不毛の議論か。

○とりあえず、カジノの面積から「1万5000m2」という縛りが消えたのは結構なことである。中途半端な規模のモノを作っても意味がない。ただし納付金の30%は取り過ぎだ。JRAだって2割なのに。だってこれ、カジノの営業総利益から3割召し上げた後に、さらに法人税と地方税を取るという建付けなんですぜ。カジノ業者はたとえ赤字でも、この3割は払わねばならない。こんなことで海外のカジノ業者は、日本で冒険してくれますかねえ・・・・。


<4月4日>(水)

○本日は電力中央研究所と協力会社の勉強会講師を務める。

○電中研というのは、あの松永安左エ門が作った組織です。全国いろんな場所にあるらしいけれども、ウチから見れば我孫子の研究所が身近な存在である。この季節は、国道6号線沿いに見える電中研の桜がとってもきれいです。柏市の桜はさすがに見ごろは過ぎてしまっていて、我孫子はどうかと尋ねてみたところ、こちらもピークは過ぎてしまったとのこと。うーむ、今年はドバイに行っている間に、桜の季節を見逃してしまったかもしれぬ。

○とはいえ、利根川を越えて茨城県まで行けば、少しは残っているはずである。どれ、週末には敗者復活戦として、取手から守谷の方までドライブしてみることにしよう。あそこも桜並木がきれいなのである。まあ、この週末には桜花賞もあるのだけれども。


<4月6日>(金)

○昨日は「モーサテ」に出演。ネタは「ドバイに学ぶ観光戦略」。その後に収録した「今日のオマケ」では、競馬のことも含めて自由奔放に語っております。

○本日は「ゆうがたサテライト」に出演。こちらでは米中貿易戦争や、働き方改革法案についてコメントしました。

○昨日は佐々木あっこさん、今日は池谷亨さんと掛け合いをやったのですが、お二人とも「ドバイに行ったことない!ドバイ行きたい!」と言っておられました。

○さあ、どっちが早いか。先着した当方としては、温かく見守りたいものだと思います。


<4月8日>(日)

○東洋経済オンラインの記事が1日遅れて本日朝に更新。「300万人のドバイが観光収入3兆円を稼ぐワケ」。編集のF氏(今月から部長にご昇進。おめでとうございます)が、あいかわらず上手なタイトルをつけてくれてます。

○おやおや、ヤフーニュースがこの記事を拾ってくれたようです。こうなると、一気に読者が広がるんですよね。ただし残念ながら桜花賞の予想は外れました。この点は馬券王先生もご一緒です。

○先週分の溜池通信で書いた内容も、Brogosが拾ってくれました。こっちの記事もわりと注目されているようであります。最近はこんな風に、間接的な読者が多くなる傾向にあります。

○ところでこの2つの記事、自分で撮った写真をたくさん使っております。いつも持ち歩いているiPadで撮っているので、ピントなんかは甘いと自分でも思います。旅先でこんな風に写真を撮りたがるのは、まことに今どきの観光客ですね。

○先日、袁静さんの『日本人は知らない中国セレブ消費』(日経プレミアシリーズ)を読んで知ったのだが、中国人観光客が旅先で気にするのは「顔値」(イェンジー)なのだそうだ。この言葉、日本で言う「インスタ映え」と全く同じ。写真をネットに載せたときに、皆に受けるかどうかが観光の判断基準になるのだそうだ。

○気づいたら、自分もドバイで似たようなことをやっている。というか、ドバイの方で「顔値」の高い景色をたくさん作って待ち受けているのかもしれません。

○ドバイは遊びで行ったはずなんですが、思った以上にネタが豊富だったんで、ずいぶんあちこちで書いたり語ったりしています。「遊民経済学」の発展形なので、良かったかなと思っております。

○この間に、旬ネタである「貿易戦争」や「北朝鮮」へのフォローが少々手薄になっております。少しずつ取り戻さねばなりません。と言いつつ、明日は原産年次大会に出かけます。

(追記→もうひとつリンクを貼っておきます。収録が3月だったので、内容は少し古くなっておりますが、不肖かんべえが内外情勢について語っております)

尾河眞樹の「プロを訪ねて三千里」第18回


<4月9日>(月)

○本日、天才を見てしまった。本物の天才である。ワシが今まで知っている天才の中では、初めて見る将棋指し以外の天才である。天才は若くて美しい。その名をテイラー・ウィルソン(Taylor Wilson)君という。適当にググって見ていただきたい。とんでもない才能である。

○今日と明日、2日間、都内で第51回JAIF年次総会というものが開かれていて、要は日本原子力産業協会の総会である。本日、ワシはその第1セッション第1部の司会を担当したのだが、そんなことはどうでもよろしい。来年になったら、おそらく誰も覚えてはいない話である。この会議にゲストとして呼ばれ、基調講演を行ったのがアメリカ人の若き物理学者、ウィルソン君なのである。彼の演題は「核融合で遊んだ少年」であった。

○ウィルソン君は1994年生まれ。あの羽生結弦君と同じ年である。体型もフィギュアの金メダリストにそっくりで、壇上に上がるととにかく細い。最初見た時に、てっきり女性かと思ったくらいだ(テイラーという名前は、男女ともにある)。そのほっそりとした23歳の若者が、ピンマイクだけをつけて壇上に上がると、すごい勢いで語り始める。まるで若き日のスティーブ・ジョブズ氏のように。

○ウィルソン君は幼いころから科学少年だった。宇宙に、物理学に興味を持ち、核融合炉を作りたいと念願した。12歳の時に、ロス・アラモスで師匠と呼べる人に出会い、14歳の時に自宅のガレージで本当に核融合の装置を作ってしまった。17歳の時に、そのことについて語った映像がこちら。オバマ大統領に対して、最新技術をブリーフィングしたんだそうです。

○ちなみに5年前、ウィルソン君が高校卒業の頃に語った映像も紹介しておきましょう。小型核分裂炉で世界を変えると宣言している。ハッタリではありませんよ。彼には既に投資家がついておりまして、今では立派な起業家です。もしもワシがベンチャーキャピタルを経営していたら、即座に彼に白紙小切手を渡してしまうであろう。

○で、本日昼、会議関係者が別室で昼飯を食べる段になったら、ウィルソン君がワシの前に座ったのである。日本は初めて?と聞いたら、うん、そうだよ、と答える。日本で投資家探しをするの?と聞いたら、そんなことしないけど、1週間ほど滞在するし、これから福島に連れて行ってもらえるんだよ、と言うのである。もちろんただの福島県のことではない。廃炉作業中の福島第一原子力発電所のことである。

○あそこはね、僕も3年前に行ったけど、防護服を着るととっても重いんだよ、てなことを言うと、キラキラした目で、うん、でもとっても楽しみ、というのである。たぶん天才の眼には、われわれとはまったく違う景色が見えているのだと思う。天才は概ね楽天主義者である。そして楽天主義者は、得てして悲観主義者が思っても見なかったような業績を上げてしまうものである。

○で、ここからはクローズドの世界。会議でプレゼンを担当した一同には、お昼にかなり立派な箱弁当が配布されていた。ところがウィルソン君は、ベジタリアン用の特製箱弁当を開けて、「これ、どうやって食べたらいいんだろう?」と真面目に悩んでいたようであった。会場の担当者が、ナイフとフォークを持ってきてくれた。オヤジ世代としては、「キミさあ、若いんだからもっと肉食えよ」みたいなことを言いたくなるのであるが、新世代の若者はコーヒー、紅茶さえ飲まないのであった。ううむ。

○それにしても、こういう若者に徹底的にチャンスを与えて、とことん大成功させてしまおう、というアメリカ社会の奥深さには敬服するほかはない。たぶん足を引っ張ろうとする人はいないんでしょうね。大谷翔平や藤井六段に嫉妬するなんてことは、みっともないことこの上ありません。たぶんこれからウィルソン君はすごいことになりまっせ。ノーベル賞くらいでは済まないと思います。彼はたぶん、本気で世界を変えようと思っています。

○ということで、今日はいいものを視させてもらいました。テイラー・ウィルソンという名前、覚えておいて損はないですぞ。


<4月10日>(火)

○本日も原産協会年次総会にて、原子力業界のお話しをいろいろ拝聴する。

○福島の現状についての説明の中で、ハッとしたひとこと。「こちらの言い分をいくら語っても、伝えることはできない。それでも何かの拍子に、伝わることがある」。

○たまたま夜、某政治家を囲む会に出ていたら、その手の話がいっぱい出てきた。

「選挙は必ず独学になる」

「尊敬されても票にはならない。票になるのは同情だけだ」

「有権者は見てないようで、実は見ている」

「選挙活動でやることはみな同じ。どれだけ徹底できるかが勝敗を分ける」

「呼ばれた会合に出るのはいいが、最後まで残っているのがいいとは限らない」

「ポスターを作るときは、他人の意見を聞いてもいいが、最後は必ず自分で決めろ」

「・・・結論として、選挙に出ることはお勧めしない」

○ありがたいことに、当溜池通信には「どうしても伝えなければならない」ことは何もない。勝手に読み取っていただければそれで結構。最初から「伝わる」ことだけ考えておりまする。よかった、よかった。


<4月12日>(木)

○2日間でいきなり15000字くらいの文章を書いている。うーん、疲れた。って、まだ終わってないけど。何より自分が書いているものが、うまくまとまっているのか、大外れなのか、現時点で見当がつかないので困る。

○文章を書くというのは、つくづく孤独な作業である。どうやらワシの場合、そういうのが苦にならないようにできている。だから何とか続いているのであろう。この2日間、世の中は何が起きているのだっけ?

○本件が明日、どうにかめどがつきますように。


<4月13日>(金)

○午前は日経調の地政学リスク研究会の最終会合。2年かけての研究がいよいよまとめ段階へ。いろいろあった2年間であった。まだ報告書の仕上げがあるのだけれども、とりあえず今日はホッとしたところかな。

○シンクタンクは成果物を出さなきゃいけないのだけれども、最大の財産は一緒に長い時間を過ごした仲間のネットワークであって、そういう意味ではこの2年間はドリームチームでしたな。

○今宵はパソナ総合研究所の設立記念式典&第1回PIフォーラムへ。これからシンクタンクを新しく作りますというのも偉いが、「これはみずから行動するDo Tankです」というから、南部代表はとっても意気盛んである。

○パネリストは塩崎前厚労相とジェラルド・カーチス教授、司会は竹中平蔵先生。働き方改革をめぐっていろんな意見が出る。とかく本音と建前が食い違う世界であるが、5年前には口に出せなかったような議論が飛び交う。

○技能実習制度を何とかしなきゃ、という意見が出て、おお、世の中はもうそこまで来ているか、と感心する。「そろそろちゃんとした形で移民法を作らないと、規制もできないよ」との声もあった。ホントに変化は早い。それはたぶん悪いことではないのでありましょう。この国、いざとなったら変化は早いはずです。


<4月14日>(土)

○米英仏がシリアの化学兵器拠点に向けて空爆を行ったそうです。と言って、「新冷戦到来!」などと恐れる必要はございますまい。シリアのアサドは以前のサダム・フセインと似たようなものです。自国民に対してはどれだけでも残酷になれますが、自分より強い者に逆らったりは致しません。ロシアのプーチンも口ばっかりの野郎です。自国内が納得してくれるのならば、余計なことは致しますまい。

○ということで、本日お知らせするのは、「やまもと英語屋」さんの英語教材販売でござりまする。とりあえず夫婦喧嘩篇は面白く拝読いたしました。活きた英語の教材として、大変面白うござりまする。

○それにしてもcoconaraというサービス、初めて知りました。ネット上にはいろんなサービスができているのですね。後でじっくり拝見することといたしましょう。


<4月15日>(日)

○週末によく休んだので、少し気を取り直して真面目な話をば。トランプさんが突然、TPPに回帰することを示唆したんだけど、あれはどうなるのかという点について。

○トランプさんに対して、「TPPに戻れ!」という農業州からの圧力があることは想定の範囲内です。だって米国産の農産物は、豪州やカナダに比べて不利になるわけですから。そしてアイオワ州などのように、「トランプを支持する農業州」は少なくない。秋の中間選挙のことを考えると、最低限のリップサービスは必要でありましょう。

○もともとトランプさんとしては、アメリカが抜けてしまえばTPPなど雲散霧消するだろう、と考えていたはずです。ところがTPP11が妥結したもので、当てが外れてしまった。そして11か国側としては、今はとにかく批准→発効を急がなければいけない。今ここでアメリカが「やっぱり僕も・・・」と言い出しても、「ちょっと待っててね」というしかない。来年くらいにTPP11が発効した後で、「さあ、アメリカさんをどうしましょ」という話になるでしょう。

○日本もこの国会でTPP11協定を批准しなければいけないのです。でも、それは昨年秋に通したTPP法案よりも「軽い」中身なので、内容的に揉めることは考えにくい。ところが今の国会では、6月20日の会期末までに審議時間を取ること自体が容易ならざる事態になっている。まあ、野党は雨が降ろうが槍が降ろうが「とにかくモリカケ」でありますので。

○それではアメリカは今後どうするのか。「TPPへの復帰」をチラつかせながら、日米FTA交渉を目指してくることが考えられます。でも、それは日本としては受け入れたくない。ここをどうやって跳ね除けるか。鉄鋼アルミ追加関税もありますから難しいところです。

○日本側としては、うまく時間稼ぎをしたい。なにしろ7月になれば、TPA(貿易促進権限)が切れますので。今の連邦議会の雰囲気では、トランプ政権にTPAの延長を認めはしないだろう。それさえなければ、いくら交渉を求められても怖くないんですよねえ。さて、アメリカ側はどんな手を使ってくるんでしょう。

○ということで、今週の日米首脳会談は難しいです。北朝鮮問題に対ロ外交など、ほかにもいろいろ懸案は山積み。17-18日にマー・ア・ラゴだそうですが、あの二人のことですから、きっと3度目のゴルフはやるんでしょうなあ。大事なことは、おそらくゴルフ場で決まるのだと思います。


<4月16日>(月)

○近ごろ気になるモノ言い2点。


●米英仏の(決意を)支持する。(安倍首相)


●(記憶にある限り)会っていない。(Y経済審議官)


○いずれも単純に( )内をすっ飛ばすと、いろいろ不都合が生じるという「大人の事情」があるからでしょう。前者は「米英仏のシリア攻撃を、無条件に支持しているわけじゃないですよ〜」という内外への遠慮を包摂しており、後者は「私だって辛いんですよ〜そこんとこ、察してくださいよね〜」という心の叫びがあるものと拝察いたします。

○前者の場合、西側諸国に対しては「よしよし、やっぱり日本は我々の味方だ」と安心させ、ロシアに対しては「日本は我々に対して少しは配慮があるらしい」とご納得いただこうという「未必の故意」みたいな腹積もりがあるのでありましょう。後者の場合は、「S前国税庁長官は刑事訴追の恐れがある証人喚問だったけれども、私の場合はただの参考人招致ですから。でも、それで国会で非協力的な態度を取って、みすみす内閣支持率を落とすのは、とっても心苦しいんです〜!」という忖度がありそうです。

○いずれにせよ、言葉は素直にうわべだけで受け止めちゃいかんというお話しでありました。


<4月17日>(火)

○東京財団が新しく生まれ変わって、「東京財団政策研究所」になりました。つきましては、設立記念式典をやりますから、というのでお出かけする。新しいオフィスは、テレビ東京と同じ六本木グランドタワーにある。

○行ってみたら、およそ都内におけるシンクタンク業界関係者のほとんどが顔を揃えていてまことに壮観である。記念シンポジウムでは、ワシントンからも論客をお呼びして、またまた竹中平蔵さんほかが集まって「日本の政策過程とシンクタンクの役割」を語っている。面白いけれども、さほど新味はないいつもの論点が出てくる。

○考えてみれば、自分はブルッキングス研究所に居たこともあるし、経済同友会に居たこともあるし、岡崎研究所にもずっと携わってきたし、昔の東京財団で予算をもらって提言をまとめたこともあるし、そして商社系シンクタンクで十数年も生きてきたわけであって、シンクタンクとずっと接してきた。アカデミズムとの縁が薄いだけ、ますますシンクタンク一筋の人生という気もする。

○そういう視点からすると、あんたたち、まだそんなこと言ってるの、と冷やかしたくなってしまった。日本で中立・非営利・独立のシンクタンクが育たない理由はいろいろあって、@寄付税制が弱いので財源が足りないとか、A人材の流動性が低いから専門家が育たないとか、B政権交代が滅多にないから政策の代替案が必要とされない、などの論点がよく指摘される。で、アメリカはいいよねえ、てなことを嘆くのが20年前からの定番なのである。

○ところがどうであろう。今のワシントンDCではシンクタンクは無用の長物、いや、ほとんど恥ずべきような存在になってしまっている。なんとなれば、@財源があり過ぎるために、へんな金持ちの資金が流れ込むようになって、その影響力をまともに受けてしまい、Aやたら優秀な人材が流入するために浮世離れしてしまって、今では庶民(トランプ支持者)の気持ちが分からないエリート集団になってしまい、B政権交代があるためにとっても党派色の強いシンクタンクばかりが生き残ってしまった。結果として、彼らの間の議論は非生産的なものにならざるを得ない。

○今となってみれば、日本のシンクタンクというのは、まだしもメディアを通じて政策に対して一定の影響力を与えることができたり、ポリティカルアポインティーが少ないから変な期待を持つ人が入ってこないし、最近では早めに官僚を辞めた人が入ってきたりもするので、まあ、そんなに嘆くほどの状態ではないのではないかと。ともあれ、今ほどアメリカがうらやましいと思わない時代はない。

○終わってから某勉強会に顔を出してひとしきり時勢を論じ、その流れでいつものナベさんと赤坂に流れ、とってもお久しぶりのワシントンのK弁護士などと合流し、そのままオタク話をしながら終電まで痛飲。帰りの電車の中で誰かが耳元でささやいたような気がした。「キミの人生にはこんな意味があったんだよね〜。ねっ、くだらないでしょ?」

○いえいえ、お蔭で楽しませていただいております。シンクタンク業は死ぬまで続ける所存であります。


<4月19日>(木)

○昨日は赤坂に宿泊して朝からTBSラジオ、「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」へ。

○毎日1人に現金をプレゼント、というのが売りで、金額は生島さんがサイコロを振って決める。丼に落とすので、チンチロリン!という音がします。ええ、ホントに私の目の前でやっています。今日も見事に「6」が出ました。先月も私が出た時は「6」だったんですねえ。

○それにしても朝5時台の番組に、メールで5000人もの人から応募があるのには唖然とするばかりです。ちなみに私が決めた今朝の合言葉は「ゴルフ」でした。

○夜は久しぶりにテレビ朝日「報道ステーション」に呼ばれて、日米首脳会談についてコメントする予定です。うーん、今日はそんなことよりも、福田次官の辞任問題の方が大きいんじゃないのかなあ。


<4月20日>(金)

○本当は今週は暇になるはずだったのです。ところが日米首脳会談はともかく、今週は財務次官のセクハラやら新潟県知事の辞任まで飛び出しました。そんなこと、あたしゃ知らんがな。

○ということで、ホントは今週はこれをじっくり読みたかった『陰謀の日本中世史』(呉座勇一/角川新書)について。まだ読み終えていないけど、とっても面白いんです。保元・平治の乱だなんて懐かしいのだけれども、かなりの部分を忘れてしまっている。鹿ケ谷の変は、実は平清盛の陰謀だったのかどうか。源頼朝と義経の関係はホントはどうだったのか。いやあ、楽しいなあ。

○さらに本書は、日本史最大の謎というべき「本能寺の変」に焦点を当てる。近年は「ホントはこうだった」説がいっぱい出ましたからなあ。朝廷やら足利義昭やらイエズス会やら、いろんな黒幕説が続出しました。ほとんどは在野の研究者による乱暴な仮説なのだが、その在野には谷口克広氏のような端倪すべからざる人物も居る。ともあれ快刀乱麻を断つがごとく、いろんな陰謀説がバサバサ斬られていくのは痛快この上なし。

○著者の呉座助教が警戒するとおり、今のようなネット時代は素人の陰謀論が流行るのである。でも、「世間の全部が間違っていて、自分だけが本当のことを知っている」なんてことが、滅多にあるわけがない。どの道にもちゃんと専門家というものが居て、彼らは相互チェック体制下にある。餅は餅屋であって、そうそう間違いはしないのである。画期的な新解釈なんてものは、素人がそうそう出せるものではない。「お気楽陰謀論」が飛び交う現状は、あんまり褒められたことではありませぬ。

○ともあれ、本書が指摘する陰謀論の陥穽は面白い。「被害者と加害者の立場を逆転させる」「事件によってもっとも得をした人物が疑われる」「最終的な勝者が全てをコントロールしていたという見方」「特定の個人や集団の意のままに歴史が動くというご都合主義」「陰謀は秘密を守らねばならないので、得てして準備不足に終わる」「陰謀は完全犯罪足りえない」などなど、思わず「あるある!」と突っ込みたくなる指摘がたくさん登場する。

○ネット社会は、ついつい頭でっかちな空理空論家を生んでしまう。ヴァーチャルな経験はいくら積んでも所詮はヴァーチャル。ほとんどの大人が立派な人生経験を積んでいた時代に比べれば、今の世の中はつくづく危うい。それこそ遊びベタな中年男性が、あっという間に高い地位から転落してしまうように。求められるものは、つくづくイデオロギーよりもリアリズムなのである。


<4月21日>(土)

○今日は「桜を見る会」で新宿御苑へ。なぜか2009年から毎年、ご招待いただいております。この時期、いつも八重桜が見事に咲き誇っているのですが、今年は完全に散ってました。強いて言えば、つつじの季節ですかねえ。天気がとても良くて、いいお散歩コースでした。

○1万人以上のお客が招待される中で、誰か知り合いに会うというのは奇跡的な偶然となります。例年、1人か2人に会えたらいいね、というくらいなのですが、今日はなんと、2年連続で平田竹男教授に会ってしまいました。途方もない確率ではないだろうか。うむ、彼は目立つからなあ。そういうことにしておこう。

○テレビの報道などでは、総理大臣の挨拶やら芸能人やスポーツ選手の誰それが来ていた、なんてことが話題となります。しかし現地に居ると、さすがに広過ぎるので遭遇することは容易ではありません。今年の場合は、陸上自衛隊中央音楽隊の野外演奏に聴きほれておりました。誰でも知っているような「春」の歌を演奏しているのですが、春の歌ってホントにたくさんあるのですなあ。

○ということで、春の定番行事でした。明日はもう一つ、恒例の行事があって、それは町内会の通常総会なのである。


<4月22日>(日)

○今年の通常総会はめずらしく早く終わりました。いや、もちろんこれは、めでたい話であります。おかしかったのは、冒頭、議長さんが「ただいまより、昭和30年度通常総会を始めます」と宣言してしまい、とっても場が和んだのでありました。

「ちょっとちょっと」「あ、すいません、平成30年度です」「昭和じゃないでしょ」「平成だってあと1年だけですよ」「あははは、恥ずかしい。すいません昭和な人間なものですから」

○というか、そこに居る全員が昭和な人間なのである。なにしろワシと町会長さんが同じ年で、たぶん若いほうから数えて数人目という超高齢集団なのである。うちの町内は。

○閉会の際に、もう一度同じ間違いが繰り返されて、昭和な集団はますます和んでしまったのでありました。良いではございませんか。昭和はまだ遠くなっておりませぬ。


<4月23日>(月)

○一般社団法人 飯田法人会さんが、本日の講演会のクライアントである。そこで朝7時に家を出て、8時半新宿駅発の「あずさ7号松本行き」に乗って、11時ちょっと前に茅野駅にて下車。そこでお迎えの車に乗って、高速を南に下るわけですが、現地の長野県飯田市に到着したのは正午を回っている。おおっ遠いぞ!

○長野県飯田市は、中央アルプスと南アルプスに挟まれた盆地にあります。首都圏から直線距離では近いけど、たどりつくまでには非常に時間がかかる。ところがそのうちにリニア中央新幹線が開通すると、いきなり品川駅まで40分で行けてしまうことになる。これはすごい話だと言えましょう。ちなみに用地買収や一部工事は既に始まっているとのことです。

○さらに「三遠南信自動車道」の計画があって、これができると浜松市や豊田市へのアクセスもよくなる。自動車産業のサプライチェーンが伸びてくるかもしれませんね。そうでなくても飯田市は、「県庁がある長野市よりも、名古屋市の方が意識的に近い」と言われるくらいです。気候的にも温暖で、長野らしくないと言われます。

○とはいうものの、飯田で読まれているのは信濃毎日新聞でありまして、やっぱり長野県遺伝子は強力であるようです。今日の講演会でも、質問をたくさんいただきました。「長野県民は真面目に講演を聞き、途中でほとんど寝る人がおらず、終わったらすぐに真剣な質問をする」という法則はここでも生きていました。

○これまで内外情勢調査会やら信毎セミナーやら、いろんな会合に携わっているので、長野県内では長野、上田、松本、諏訪、軽井沢などで講師を務めたことがあります。でも飯田市は初めてだったんですよね。本日のように、初めてのところに呼ばれると、それだけで喜んでしまいます。去年夏に行った宇和島もうれしかったんですよねえ。

○実は来月、山形市へ行く用事がありまし、そのついでにまだ行ったことのない酒田市まで足を延ばそうと考えているのです。そしたら山形市→酒田市はとっても移動が難しいことが分かってきた。なんて複雑な県なんだろう、と思っていたけれども、長野県に比べれば可愛いものですな。日本は狭いように見えてつくづく広いです。


<4月24日>(火)

○今週のThe Economist誌が北朝鮮問題について取り上げている。表題からして"The world most dangerous talk show"(世界で最も危険なトークショー)と気が利いている。4月27日に近づいた南北首脳会談、そしてその1か月後くらいにあるといわれている米朝首脳会談について、こんな風に分析している。


*残念ながら2つの会談はともに期待を裏切るだろう。南北首脳会談では、人権などの厄介な問題は回避される。北への制裁条件を考えると、貿易や投資はもちろんのこと、国境を超える観光の再開も不可能だろう。今後の定期会合を決めるのが関の山である。

*米朝首脳会談では、トランプと金はまったく違うことを考えている。トランプはCVID(完全で、検証可能で、不可逆的な非核化)を求めている。金は「朝鮮半島の非核化」、すなわち在韓米軍の撤退と、米国による核の傘撤去を求めている。彼が核を手放すなどという”Magical Thinking”は論外だ。ポンペオ長官が事前に会っているから、さすがに手ぶらでは来るまい。が、お土産はせいぜい核実験の一時停止程度だろう。気まぐれなトランプがそれに乗せられて、韓国や日本との同盟を弱体化してしまう恐れはある……。

*オバマ政権の某高官曰く。金一族との協議は、タコベルに行くようなものだ。何か真新しいメニューを求めて行くのだが、いつも同じものを食べる羽目になる、と。


○お見事ですね。こういうときに「日本は取り残されている!」と嬉しそうに嘆く輩もおりますが、そういうのは笑って無視しましょうね。それにしても、タコベルってそういう評価なんだ。ふーん。


<4月25日>(水)

○ブックメーカーサイトのPaddy Powerさんで面白い賭けをやっています。以下のオッズは、英国型の分数方式から慣れ親しんだJRA方式に換算してあります。


●米朝首脳会談が行われる場所は?

*韓国  1.3倍

*中国  4.5倍

*その他 5.5倍

*スイス/オーストリア 6.0倍

*アメリカ  8.0倍

*北朝鮮  9.0倍

*日本  13.0倍

*スウェーデン 17.0倍

*イギリス  23.0倍

*豪州  51.0倍

*アイルランド 201.0倍


○実際問題として、平壌から鉄道で行ける場所であることが望ましく、あるいは飛行機に乗るにしても北朝鮮には旧式のイリューシンしかありませんので、北欧などの遠くは無理ですよね。私であれば、ウランバートルに一点賭けしますけど、それだってあんまり当たるような気はしませんなあ。

○予想をする時は、ギャンブラーの眼がいちばん冷静だ、なぜなら彼らは「かくあるべし」などとは考えないからだ、というのは溜池通信の長年の持論です。そういう観点から行くと、上のリストはわりといい線行っているんじゃないでしょうか。北朝鮮にはそれほど自由度はない。さて、開催場所はどこになるのでしょうか。


<4月26日>(木)

○明日はいよいよ南北首脳会談。文在寅大統領はちょっとしたヒーロー気分で、韓国内のSNSでは絶賛のあらしのようですが、まあ、ここはThe Economist誌が言ってることの方が正しいと思います。

○問題は、明日の会合が東アジアの国際情勢にどんな化学変化をもたらすかであります。端的に言えば、その後にやってくる「首脳外交の5月」がどうなるか。


*中朝首脳会談(北京、3月25-28日)

*日米首脳会談(マー・ア・ラーゴ、4月17-18日)

*南北首脳会談(板門店、4月27日)

*日中韓首脳会談(東京、5月9-10日)

*米韓首脳会談(ワシントン、5月中旬?)

*日ロ首脳会談(サンクトペテルブルク、5月24-26日)

*米朝首脳会談(場所未定、5月下旬〜6月上旬?)

*中朝首脳会談(平壌、6月?)

*G7サミット(カナダ・シャルルボア、6月8-9日)


○各国首脳が秘術を尽くした外交を展開することになります。もっともこの間には、5月12日の対イラン核合意の見直し期限、5月14日の米大使館のエルサレム移転などの問題もありまして、意外と火を噴くのは中東の方かもしれませんぞ。


<4月28日>(土)

○不規則発言が滞りがちである。いろいろ別の場所で書いているもので・・・。まずはこれは今朝の作品。媒体はFNNプライムオンラインです。

悪玉がある日突然善玉に豹変する韓流ドラマなのか・・・・南北首脳会談を冷静に読み解く

https://www.fnn.jp/posts/00304200HDK 

――内容的には皆さんがおっしゃっている通りで、ちょっと意地悪に書いてみただけのことです。

○そしてこちらは昨日書いた原稿。媒体はいつもの東洋経済オンラインで、たまたま今週は当番でした。

「安倍首相の自民党総裁3選は本当にあるのか」 6月21日以降、日本に「熱い夏」がやってくる

https://toyokeizai.net/articles/-/218832 

――9月に行われる自民党総裁選の仕組みについて取り上げております。意外と知られていないかも。

○さて、少し昼寝しよ。日頃の睡眠負債を取り戻すことにいたします。


<4月30日>(月)

○『気づいたら先頭に立っていた日本経済』を書いてから、「吉崎さんはジロリアンだったのですか」と知らない人から話しかけられる機会が増えた。ええ、ときどき「ラーメン二郎」に行きます、と言うと、急に「同志」と認定されてしまうようである。まあ、確かにあれは中毒患者みたいなものですわな。

○近所では茨城守谷店が行動範囲です。行列は「ラーメン二郎」としては短い方でしょう。変な呪文は唱えませんが、ときどき「ニンニク少しだけ」と言うことはあります。ただし先日、神保町店に長時間並んだ挙句、全部食べきれなかった当たりから、熱が冷めてきました。いや、年齢もあるんだから、あんなもん食っちゃいかん、とはかねがね思っていたのである。

○そこで最近のごひいきは「とら食堂 松戸分店」である。白川ラーメンの手打ち麺で、スープは喜多方風で醤油と塩の2通り。フツーのラーメンで人気店です。個人的にはワンタンと煮卵を乗せることが多いです。たぶん「二郎」よりは身体に優しいのではないかと。

○行列は負けず劣らずというか、今日なんて午前11時の開店を目標に行ったら、既に駐車場は満杯に近く、店に入るまで40分待ちであった。しかるに当世は皆さんスマホをお持ちなので、時間をつぶすのに苦労しておられませんな。いや、小さな子供連れのご家族は、いろいろ大変そうなのですが。

○「とら食堂 松戸分店」は八柱霊園の先にあるので、拙宅からだとほとんどドライブとなります。花見の季節などはたいへんにきれいです。ラーメンを食べに行く、というのが連休の娯楽になると言うのも不思議なものですなあ。








編集者敬白



不規則発言のバックナンバー

***2018年5月へ進む

***2018年3月へ戻る

***最新日記へ


溜池通信トップページへ


by Tatsuhiko Yoshizaki