●かんべえの不規則発言



2023年2月






<2月1日>(水)

〇本日はダブルヘッダー。午前中は経団連会館にて、エネルギー業界の方々を相手に一席ぶつ。エネルギー業界といえば、昔から地政学と切っても切り離せない世界。さすがに昨日書いたような話をすると、「何を今さら・・・」の感が否めない。刺激的な意見交換があって、たいへん勉強になりました。

〇終わってから北陸新幹線に飛び乗って新高岡駅へ。北陸銀行さんの新春講演会である。高岡市と言えば、3か月前に商工会議所のお招きで行ったばかりである。お客さんが重なっているのではないかという点がちょっと心配。まあ、ネタはかなり新しくなっているはずではありますが。

〇2023年が始まって1か月。どんどん世の中が動き出していることを実感する。明日はFOMC、明後日は雇用統計、そして2月7日に一般教書演説で、2月10日には日銀総裁人事。いろんなことがありますなあ。


<2月2日>(木)

〇今宵は白金の住宅街にて密談。日銀総裁人事やら、金融政策の行方やら、今後の為替レートやら、もうここではとても書けないような話が飛び交う。

〇そこで出てきた日本酒が三笑楽。富山の五箇山のお酒なんですって。いやー、全然知りませんでした。なんというか個性的で深みのある香りと味わい。ということで、ここでメモしておきましょう。


<2月3日>(金)

〇世間の関心事は「ルフィの強盗事件」と「回転ずしテロ」。うーむ、そんなことでいいのだろうか。ウチはどっちも関係ないですぅ。

〇さらにツィッターの世界では「凍結祭り」が勃発とか。ええっ?そんなのどこで起きているの? ワシのタイムラインにはそんなの全然出てこないんですけど。

〇まあ、世間の一般常識から外れているのは構わないのです。変な世界で生きておりますので。どれ、週末の競馬の予想でもしよう。

〇ちなみに下記が今週の仕事。またの名を「今年の日本経済は『小吉』論」ともいう。


●今年の景気は思ったよりも良くなるかもしれない



<2月4日>(土)

〇荒井秘書官の「同性婚をめぐる差別的発言」の件、いろいろ論点はあるでしょうが、個人的に一番ひっかかるのは「オフレコ破り」という点であります。

〇取材対象が「これはオフレコね」と言って話した内容であっても、あまりにも酷いことを言ってしまうと、「やっぱり許せん!」ということになって書かれてしまうことがあります。以前、米国務省のケビン・メア氏が舌禍事件を起こしたときも似たような感じでしたな。

〇ということで、こういう事件は定期的に発生します。荒井秘書官がどういう方なのかは当方はまったく存じませんが、「甘いヤツよのう」と思います。それから「やっぱり安倍官邸に比べると、岸田官邸はユルいのかもしれないねえ」という気もします。たぶん「メディアは敵だ!」とは思っていないのでしょうな。

〇毎日新聞が、今回の発言に対して、「やっぱり許せん!」「書くべし!」となった経緯は、まあ、わからんではありません。そうすると、他紙も一斉に後追いします。岸田内閣は、またまたこれで擦り減った政治的資本を何ポイントか失うことになります。そうなると官邸内は、「だからメディアは信用できない」ということになって、しばらく関係はぎくしゃくするでしょう。

〇一部には、「『記者懇』とか『バックグラウンドブリーフィング』といったものを一切認めるな、記者を相手に話して『オフレコ』なんてあり得ない」みたいな議論もあります。ジャーナリズムの心意気としては結構ですが、あんまり現実的ではないので、定着しないと思います。日本社会なんですから、取材する側とされる側の「もたれあい」はこれからも続くのでしょう。

〇でまあ、こういうことが起きるたびに、たぶんメディア側の信頼度も低下していく。「毎日新聞よくやった!」という人もいるでしょうけど、じゃあ、書く書かないの線引きを誰がどうやって決めているのかというと、そこはやっぱり不透明なわけです。メディアの「傲慢さ」を感じる人だっているでしょうし、たぶん各種の「陰謀論」が飛び交うんじゃないかと思います。

〇しかしまあ、岸田内閣、こんな調子では心配ですな。せっかく「ルフィ」と「回転寿司」のお陰で、皆が政治のことを忘れかけていたというのに。


<2月5日>(日)

〇今朝の日経朝刊の一面記事は、グサッと来るものがあった。


●「コロナ貯蓄」使わぬ日本 GDP比10%超、将来不安映す


〇昨日、東洋経済オンラインに寄稿した内容は、皆が「コロナ貯蓄」を使うだろうから、「日本の景気は思ったよりも良くなるかもしれない」という結論になる。「皆が使ってない」と言われると、それは困るのである。「日本は将来不安が強いから」と言われると、「そうなのかなあ・・・」と思うけれども、なんだかんだ言って今年の夏くらいには、皆がコロナの恐怖をスカッと忘れていて、遠慮なくカネを使うようになっているような気もする。

〇いや、確かに昨日の拙稿は読まれていない。東洋経済オンラインのようなネット媒体でPVを稼ごうと思ったら、読者の危機感を煽ったり、コンプレックスを刺激するのが得策であることぐらいワシも知っている。なにしろ、もう10年以上書いているのだから。「今年の景気は意外といいらしいぞ」などという記事は、皆が読みたいとは思っていないのだ。

〇でも、ワシは楽観的な議論が好きだし、弱気よりは強気でありたい。そして何より、悲観論者が嫌いだ。それ以上に、日経新聞のこんなありきたりの結論が嫌いだ。


「賃上げや社会保障改革などで、安心して消費を増やせる環境を整えることが急務となっている」


〇この記事を書いた人に言ってやりたい。アンタ、本気でそれができると思っているのか。サントリーやユニクロなど一部の大企業は抜きにして、この国の99%の中小企業で賃上げができると思っているのか? 社会保障改革って、具体的にどこをどうするつもりなんだ?・・・などと突っ込まれたら、「いやー、やっぱ無理ですよねえ、あはは・・・」と照れ笑いするのが関の山じゃないのか。

〇昨晩も町内会の防犯活動の後に、軽くビールや日本酒を飲んだりしていたら、皆さん、本気で「年金はいつかもらえなくなる」と心配しておられたぞ。政府が抱える膨大な財政赤字や止まらない少子・高齢化を考えたら、フツーの日本人がそういう心配をするのも無理はない。「将来不安」というのは、きわめて理性的な結論なのである。

〇ふっと思い立って、今日は柏高島屋に行って新しいワイシャツを4枚買ってきた。考えてみたら、コロナ下で出社が減ったからといって、ここ数年ワイシャツを買っていなかったのである。でも、最近は週に4日は出ているので、かなーりくたびれてきている。ついでに靴下も買ってきた。いつもの「しまむら」ではなくて、ポロの靴下であるぞ。どうだ、畏れ入ったか。

〇ということで、ワシなりに「コロナ貯蓄」を使おうとしたのであるが、実は東洋経済オンラインで予想した東京新聞杯がめずらしく当たっていたので、今週は浮いているのである。いやあ、別に将来不安が強いわけじゃないんですけどね。


<2月6日>(月)

〇米民主党が来年の大統領選挙予備選の日程を公表しました。


2月3日(土) サウスカロライナ州予備選挙

2月6日(火) ニューハンプシャー州&ネバダ州予備選挙

2月13日(火) ジョージア州予備選挙

2月27日(火) ミシガン州予備選挙


〇あれれれ? なぜアイオワ州党員集会の日程がないの?

〇サウスカロライナ州は黒人が、ネバダ州はヒスパニック人口が多い州です。この2つの州が先陣を切るとなると、マイノリティにアピールする候補が有利になることになります。逆にこれまで定番であった「アイオワ州とニューハンプシャー州」は、白人人口が多過ぎてアメリカの標準となるには適していない、という批判がこれまでにもありました。端的に言えば、このルールだとバイデンさんは有利になり、サンダースやブティジェッジは不利になりますな。

〇こういう結果になったのは、2020年選挙におけるアイオワ州民主党の「失態」に対する一種の懲罰と言っていいでしょう。なにしろあのときは「党員集会の集計アプリが不調で、誰が勝ったかがその日のうちに判明しなかった」。それから2016年選挙では、ヒラリー対サンダースが僅差になりましたが、どうやら不透明な手続きによってヒラリーが勝ったのではないか、などという疑惑もあった。

〇なによりPrimary(予備選挙)と違ってCaucus(党員集会)は透明性が低い。それからアイオワ州は宗教的右派、いわゆるボーン・アゲインの比率が高い。これでは民主党らしい候補者が選ばれない。いや、2008年にはバラク・オバマを選んでくれたのはアイオワ州であって、ここで勝てないようだったらオバマ陣営はその時点で解散していたと言われている。

〇そういう幾多の名勝負を生んできたのがアイオワ州で、ジミー・カーターもまたかの地で大化けした候補者の一人であった。ジョージア州で知事を1期やっただけのおじさんが、いきなりフロントランナーになったのである。今回はそれが崩れるらしい。いや、ホントにそれでいいのかね。

〇しかるにあいにくなことに、予備選挙の日程を決めるのはDNC(民主党大会)ではなくて各州の権限なのです。そのうちアイオワ州やニューハンプシャー州から反撃があるかもしれません。なにしろいずれも「100年以上前から、全米で初めて党員集会(予備選挙)を行う」ことを州法で定めているのですから。

〇「最初はアイオワ、次はニューハンプシャー」というのは、長らく続いてきた慣習にすぎません。しかし一度決まったことはなかなか変えられないものです。これでは大統領選挙予備選のセオリーが変わってしまう。ちなみに共和党はこのパターンを変えないようです。

〇アイオワ州というとケビン・コスナー主演の"Field of dreams"の舞台である。この映画の中には、PTAの会合で「有害図書を図書館から追放するかどうか」をめぐって侃々諤々の議論が行われるシーンがある。「ああ、コーカスってのはこんな感じなんだろうなあ」と、アメリカの草の根式民主主義の原点、と感じるところである。もっともそういうのって透明性が低くて、よろしくないというのが今風なんでしょうか。それはちょっと寂しい気がします。


<2月7日>(火)

〇本日はこんな新学会の立ち上げに顔を出しました。


●規制改革の新学会発足 少子化・環境などで政策提言へ


〇要はリベラル派から「アイツらは新自由主義者だ!」とレッテルを貼られてしまったエコノミスト・経済学者たちが、「それのどこが悪いんだ!」と開き直って学会を作った、というのが一番わかりやすい構図ではないかと拝察いたしまする。

〇不肖かんべえとしては、本日の首謀者たる竹中平蔵さんにしても大槻奈那さんも、まあ、昔からのお仲間みたいな人たちなので、ここに同席すること自体はまったく違和感はないわけです。ところがリモート参加の成田悠輔イェール大助教授に言わせると、「今日お集りの方々は改革マフィアみたいな方々で・・・」ということになる。まあ、リベラル・マフィアよりは百倍まともな方々だと思うけどね、ワシ的には。

〇設立総会の途中から入ったのですが、まさかニコ動で実況中継されているとは気が付きませんでした。なんと、ワシの質問も中継されていたわけなのね。いやはや。


●制度・規制改革学会設立総会・シンポジウム「特定の『弱者』集団より個人を守る制度へ」


〇考えてみたら、ワシはこれまで学会というものに所属したことがない。逆に言えば、所属していても不思議はない学会はいくらでもある。どうやら初めてエントリーすることになるのが、当「制度・規制改革学会」になるらしい。まだ会費は払っていないんだけどね。


<2月8日>(水)

〇本日はバイデン大統領の一般教書演説がありました。

〇去年のStates of the Unionは3月1日でした。その5日前にロシア軍のウクライナ侵攻があり、ホワイトハウスのスピーチライター陣は大慌てで書き換え作業を行ったことでしょう。ところがですな、今回のSOTUはいきなり国内経済の話なんですよ。雇用の話、インフラの話、そして製造業復権の話。そして社会保障とメディケア。財政の話をして教育の話をして、さらに警察改革にがん治療まで。こんな「丸ドメ」のSOTUは初めて聞くぞ。

〇終わりの方になって、ようやく「ウクライナを守ります」という話が出てくる。中国とは対立ではなく、競争を求めるとも言っている。外交に関する部分は全体の1割以下ですな。それから、トルコの地震に対するお見舞いの言葉もなかった。徹頭徹尾、国内向け。この一般教書演説のことを、こんな風に題している日経新聞は少々ミスリーディングじゃないでしょうか。


●バイデン氏「対中競争勝利へ結束を」 一般教書演説


〇バイデンさんらしいこだわりは、「ミドルクラス」という言葉に込められている。この言葉は、「ブルーカラー層」と読み替える方がいいかもしれません。「ミドルクラスの復興」が彼の中心テーマであって、それは単に生活が豊かになればいい、というものではない。精神的な充実が伴うものである必要がある。


As my Dad used to say, a job is about a lot more than a paycheck. It’s about your dignity. It’s about respect. It’s about being able to look your kid in the eye and say, “Honey --it’s going to be OK,” and mean it.

私の父が良く言っていたように、仕事とは給料以上のものなのです。それはあなたの尊厳のことです。尊敬に値しているかどうか。子どもの眼を見て、「おいおい、大丈夫なんだよ」と言えるかどうか。


〇トランプ支持に靡いてしまったブルーカラー層を民主党が取り戻すためには、こういう働きかけが欠かせないのでしょう。こんなことも言ってます。「大卒の資格が要らない」という話、これは政権発足から約100日後の2021年4月28日に行った議会合同演説でも使ったフレーズですな。何ともあからさまな利益誘導である。


Outside of Columbus, Ohio, Intel is building semiconductor factories on a thousand acres ― a literal field of dreams.

That’ll create 10,000 jobs. 7,000 construction jobs. 3,000 jobs once the factories are finished.

Jobs paying $130,000 a year, and many don’t require a college degree.

Jobs where people don’t have to leave home in search of opportunity.

And it’s just getting started.


〇まあ、実際のところ、アメリカにはこんな種類の貧しさもある。「鉛の水道管を今でも使っている」とか、「インターネットがないから、子どものオンライン宿題のために近所のマックの駐車場まで乗せていかなければいけない」だなんて、いったいどこの国の話だよ。


We’re also replacing poisonous lead pipes that go into 10 million homes and 400,000 schools and childcare centers, so every child in America can drink clean water.

We’re making sure that every community has access to affordable, high-speed internet.

No parent should have to drive to a McDonald’s parking lot so their kid can do their homework online.


〇ところがこの「ミドルクラス重視政策」には、他国から見て困った面もある。それが「バイ・アメリカン」である。大恐慌下の1933年に成立したバイ・アメリカン法は、過去の政権では無視されてきたけれども自分は違う。連邦政府のインフラプロジェクトで使用されるすべての建設資材はアメリカ製とする。アメリカ製の木材、ガラス、ドライウォール、光ケーブル。道路も橋も高速もアメリカ製でなければならない。って、これWTOルール違反じゃない!

〇こういう点で「恥も外聞もない」状態になっているアメリカと、欧州や日本は上手くやっていかなければならない。西側の結束も意外と微妙なのである。この後の部分ではインフレ抑制法案(IRA)の宣伝が出てきて、「気候危機に取り組むための史上最大の投資」だとか、「50万台の電気自動車充電ステーションを建設する」と景気がいいのだが、それは「北米産のEVでなきゃいけない」という点に欧州勢は怒り心頭である。

〇それはそれとして、バイデン大統領はこれまで演説は短め、省エネスタイルという印象が強かった。21年1月の大統領就任演説は20分、20年夏の大統領候補受諾演説も24分だった。ところが今年のSOTUは1時間12分もある。去年は確か1時間ちょうどくらい。「2024年には再出馬します」とはまだ言っていないけれども、どう考えてもご本人にやる気があるとしか思われない。そして御年80歳にして、長丁場の演説でも集中力は途切れていないのである。

〇印象に残ったのは"Finish the job"という表現を全体で12回も使っていること。つまり「自分はこんなにたくさんやったけど、まだまだやらなければいけない」と言いたいのであろう。ということは、「もう一期やりまっせ」というのが自然な結論となる。支持率は相変わらず40%台前半であるし、2024年への期待感もあまり高くはないようなのだが(民主党員でバイデン再選支持は、昨年10月の52%から今年1月には37%に低下している)。

〇ともあれ、爺さん、なかなかやるじゃないか、というのが本日の感想であります。


<2月9日>(木)

〇新潮社の編集者が来訪。『流山がすごい』の後に、『柏市もすごい』という企画はどうだろうかと。うーむ、そんなことを言い出したら、首都圏の都市がそこらじゅう候補になってしまうのではないだろうか。

〇とはいうものの、郊外の都市はネタが豊富なので、こういう需要はあるのかもしれない。『流山がすごい』はおおたかの森の紀伊国屋で大いに売れたそうである。あそこが千葉県最大の書店であると聞いて、ちょっと驚きましたな。

〇柏市の場合、レイソルからラーメン屋、果ては長全寺まで、取材対象がどんどん広がりそうなのがネックとなりそうだ。とはいえ、楽しそうな企画ではありますなあ。


<2月10日>(金)

〇国会同意人事は来週2月14日に伸びましたが、日銀人事は「植田和男〜氷見野良三〜内田真一」の3連単でしたか。不肖かんべえが秘かに考えていた3連複は、一人だけ当たったことになります。


●日銀新総裁、植田和男氏を起用へ 経済学者で元審議委員

●次期日銀副総裁に内田真一氏と氷見野良三氏


〇それにしても雨宮さんが就任を辞退されるとは驚きました。ベストな人選だと思いましたが、果たしてどんな配慮があったのやら。「日銀人事は直前まで二転三転する」というのが過去のパターンですから、今回もいろいろな経緯があったのでしょうな。

〇植田和男さんは1951年、静岡県生まれ。筑波大付属駒場高校から東大理学部へ。そこから経済学部へ学士入学し、東大大学院、MIT大学院、博士課程修了。ハッと気が付いたけど、先日、NHKの会長に決まった稲葉延雄さんと妙に重なりますな。稲葉さんは1950年、静岡県生まれで同じ筑駒から東大経済学部、そして日銀ですから。

〇植田さんは1998年から日銀審議委員。新日銀法に基づく第一世代で、速水優総裁を支えたことになりますね。25年前のことを思い出します。あのときは日銀の不祥事(営業局証券課長の接待疑惑)があって松下総裁が辞任し、バタバタと1週間くらいで人事が決まりました。日本経済は金融危機のさなかで、何があっても不思議はないという感じでありました。

〇「副総裁のうち1人は女性に」という予想は外れました。そこまで気が回らない、というか、余裕がなかったのかもしれません。真面目な話、次の日銀総裁は重責です。お二人の副総裁もさぞかし緊張されていることでしょう。こうして結果が出てみると、聞いただけでドッと疲れが出たような感じがします。


<2月11日>(土)

「昨年9月、ノルドストリーム1と2の海底パイプラインを破壊したのはアメリカだった」という報道がある。大手のメディアはまだあまり取り上げていないし、アメリカ政府はもちろん否定している。ネタ元はシーモア・ハーシュによるノンフィクションで、このページで読むのがよさそうだ。正直、ハーシュってまだ生きていたのか!てな感じであるが、85歳だそうだ。田原さん世代は、やはりしぶとい。


How America Took Out the Nord Stream Pipeline

The New York Times called it a “mystery,” but the United States executed a covert sea operation that was kept secret--until now

Seymour Hersh, February 8, 2023


〇確かにロシアは、「あれは米国の仕業」と言っていた。そんなわきゃないだろ、テメーがやったんだろーが、と思っていたが、確かにロシアが爆破するならば、もっとバルト海の奥まったところでやりそうなものである。水深が浅いし、そこならすぐに直せるからだ。ところが実際に破壊されたのは、デンマークの排他的経済水域。こんな風になってしまうと、せっかくの海底パイプラインは文字通りの「座礁資産」である。

〇ハーシュの報道によれば、実際に手を下したのは、フロリダで養成されてきた米海軍の深海潜水夫たちである。昨年6月、NATO演習の際に爆発物を仕掛け、その3か月後に遠隔操作により、4本のパイプラインのうち3本を破壊したという。特殊部隊ではなく、海軍単独で行う場合、議会への報告は不要となる、という点がミソであった。

〇命じたのは、もちろんバイデン大統領である。ホワイトハウスと国防総省、CIAと国務省が関与し、ノルウェー政府と軍が協力した。ノルウェーは天然ガスの輸出国であり、あの海域の地理とロシア海軍の動きを熟知している。アメリカから見れば、「動機」と「能力」を有する理想的な相棒であった。

〇計画は2021年12月に始まった。ロシアのウクライナ侵攻に備えて、ドイツと欧州諸国のロシア産ガスへの依存を止めることを目的としていた。ジェイク・サリバン国家安全保障補佐官が関係省庁にまたがるグループを組成した。

〇外交チームのなかには、ビクトリア・ヌーランド国務次官の名前も出てくる。あの「ネオコン夫婦」、ロバート・ケーガンの嫁さんである。確かロシア側が、彼女が2014年のマイダン革命の裏で動いていたと言っていたはずだ。いやー、陰謀論としても出来過ぎである。

〇ノルドストリーム2の開業については、当初から米独間で問題になっていた。ちょうど1年前の2月7日、米独首脳会談後の共同記者会見で、バイデン大統領はショルツ首相の目の前でハッキリ言っている。「侵攻があったら、そのときは終わらせるから」と。以下はユーチューブ映像。


●President Biden on Nord Stream 2 Pipeline if Russia Invades Ukraine: "We will bring an end to it." 


〇そして実際に2月24日にはロシア軍がウクライナに侵攻する。ベテラン記者による渾身のスクープ記事なのか、それとも単なる怪文書なのか。とりあえず凄いリアリティであると言っておこう。うーん、これはアメリカ国内よりも、欧州で問題になるのかもしれんなあ。

〇3日前の一般教書演説は「丸ドメ」で、外交に関する部分がほとんどなかった。あれをもってバイデンさんの本質と見てはいけないのかもしれない。国際情勢を動かすために、他国のインフラ(海底パイプライン)を破壊する、なんてまるで冷戦時代みたいだけど、彼はそういう時代をよく知る政治家である。ロシアだけではなく、アメリカも「先祖返り」しているのであろうか。


<2月12日>(日)

〇3年ぶりに国際線に乗って、アメリカに来ている。現在はシカゴのオヘア空港である。てっきりシカゴは雪景色だと思っていたけれども、全然そんなことはなくて、空港内の気温は11度。半そで姿の人も居る。まあ、そんなもんか。ちょっとずつ思い出しているのだが、アメリカって確かにこんな感じであった。

〇それにしても日曜朝の羽田空港第3ターミナルはえらい混雑であった。こちらはコロナ後初の国際線でドキドキモードなのだが、世の中には旅慣れた人がいっぱいいるらしい。JALのカウンターでパスポートを出し、米国入国時の「コロナ誓約書」を提出し、スマホの接種証明書アプリを見せる。「ラウンジの場所はわかりますか?」と聞かれるも、こちらは3年ぶりの国際線なんだから、そんなのもちろん忘れておりますがな。

〇とりあえず30分かけて手荷物検査の行列をくぐり抜けたら、それだけでどっと疲れてしまった。ラウンジに移動して、朝っぱらからカレーとビールを注文して、やっと人心地がつく。いや、もう、ワシが忘れているだけではなくて、旅に関するいろんなルールが変わっているようである。まあ、いいのだ。とにかく久しぶりに海外に行って、あれこれ驚くことに意義がある。

〇機内では映画『RRR』を見る。これはありがたし。この映画、ずっと柏シアターでかかっていたのだが、なにしろ3時間という長尺である。なかなか時間が合わずに見られなかったのだ。飛行機の中でなら、時間を気にせずに見ることができる。

〇案の定、すごい映画であった。時代は英国支配下のインド。男の友情と大義の大活劇である。確率0,01%のようなアクションシーンが連続するけれども、構うことはない。どうせ相手は英国の将校たちなんだから、ばっさばっさとなぎ倒せばいいのである。ここぞという場面になるとスローモーションになるのが、なんだか昔のサム・ペキンパー作品みたいである。下手をすれば安っぽく見えてしまうところを、今のインドの湧き上がるような活力を感じさせることに成功している。

〇インド映画だから、突如として踊りのシーンが始まる。いつもはこれで面食らうのだが、この映画のダンスシーンは、ひとつひとつに必然性があって、しかも見栄えがする。男2人の友情がしっかりと描き込まれているから、後へ行けば行くほど濃密なドラマが待っている。そして国威高揚も図られている。なんだか見ていて元気をもらえるような映画であった。

〇ともかく11時間飛行機に乗って、オヘア空港に到着である。これから、ワシントンへの乗り継ぎ便に乗らねばならない。当地は午前中だが、体内時計は夜なので、腹は減らない。ペットボトルのダイエットコーク(591ml)を買ってみたら4ドルもした。とまあ、こういうことがひとつずつが発見なのである。(日本時間12日、23:50pm、シカゴにて)

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〇国内便に揺られてレーガン・ナショナル空港へ。こちらの天候は雨である。しかしワシントンに着いた瞬間に、「もう、こっちのものだ」と思えてくるのは、われながらどういう体内メカニズムなのだろう。せっかくなのでタクシーではなく、メトロで移動することにする。が、メトロの切符の買い方を忘れている。現金ではなく、ちゃんとカード支払いで購入した。それでもブルーラインに乗って、ペンタゴンシティー、アーリントンセメタリー、フォギーボトムと馴染みの地名を通過すれば、もうダウンタウンに到着である。

〇ホテルにチェックインして、市内を散策してみる。パッと見にはさほど変わっていないようである。せいぜい16 Streetの一部が「ブラックライブズマター通り」になったことくらいか。ただしよくよく見ると、オフィスや店舗の空き室の多いことに気が付く。あらら、お店はコロナでつぶれてしまうし、オフィスは皆がリモート(こちらではWFH=Work From Homeという)で働くから、おそらく市内の不動産屋さんは大変なことになっているのでは。金利も上がったしねえ。

〇日曜日の夕方であるし、雨が降っているせいもあるのだが、どうにも人通りが少なくて街全体が暗い感じである。これは致し方ないことなのかもしれぬ。全米ではコロナで110万人も死んだあとだし、行動変容もあったし、なかなか元には戻らないのかもしれない。スマホとおしゃべりしながら歩いている人を何人か見かける。この3年間で、アメリカ人はずいぶん「孤独」になったのではないかなあ。単なる印象論だけれども、それが現地に来ての第一感である。

〇コンビニに入ってみると、店員は1人だけで「デジタル支払い」がメインになっている。ミネラルウォーター1本を買うのに、無理をしてカードを使ってみる。ううむ、面倒だ。しかしワシはアップルペイもお財布ケータイも持ってないから、ここはカードに働いてもらうしかない。ちゃんと買えたが、こちらは2ドル69セントであった。(日本時間13日、8:12AM、ワシントンDCにて)


<2月13日>(月)

〇時差ぼけが続いて、小刻みな睡眠を繰り返している。日曜日は夕方に寝てしまい、それが2時間後には目が覚めてしまう。仕方がないからテレビをつけてみたら、なんとスーパーボウルをやっていた。そうだ、今日は年に1度の大一番ではないか。なんという不覚。いや、もとい、ラッキー。

〇かくして、ホテルのテレビで「カンザスシティ・チーフス」が「フィラデルフィア・イーグルス」を破るのを見る。なんという劇的な展開か。アメフトはもちろん不案内であるが、何となくリードされているチーフスの方に分があるんじゃないかと思って見ていたら、本当に終盤で大逆転となる。そこからイーグルスが根性で同点に追いつき、どうなることかと思ったら、チーフスが冷静に時間切れ直前にフィールドゴールを決めて勝利。ウーム、すごい試合を見てしまった。

〇ハーフタイムショーのリアーナさん、おじさんにはどこがいいのかよくわからず、すいません。代わりにこの日のCMは、噂にたがわず力作ぞろいであった。いやあ、儲けた。などということを、再び目覚めてしまった明け方になって書いている。なおかつFTPソフトの調子が悪く、不規則発言をアップできない。それどころかメールの発信にも不自由することが判明。やはりレンタルWi-Fiの限界なのだろうか。(日本時間13日18:30PM、ワシントンDCにて)

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〇ワシントン2日目の今日は好天。コートが要らないくらいの陽気である。こういう日は思い切りたくさん歩いて、体内時計を調整するにしかず。

〇まずはブルッキングス研究所のセミナーに参加してみる。ネット上で予約を入れておいて、入り口でワクチン接種証明書を見せたらあっけなく入れた。ワシが客員研究員だったのは30年以上前のことなので、もちろん知っている人もなく、建物も新しくなっている。それでもセミナーの雰囲気は昔と変わらない。プレゼンは短く、質問は多い。1時間ちょっとの間に、テキパキと意見交換が進んでいく。

〇テーマは国防で、スピーカーは元空軍の将校である。さまざまな質問に対して、手元に資料を持たずに全部アドリブで応えている。台湾有事などに対するヤバ目の質問もあるのだが、地雷を避けながらスイスイと交わしていく。昨今は米軍でも、この手のプレゼン能力が高くないと出世できないらしい。また時節柄、「データの時代」への米軍の対応に対する関心が高い。

〇当地から長らく"Washington Watch"を送り続けている山崎一民さんとランチ。溜池通信にとっては20年来のネタ元である。リアルで会うのは7年ぶりくらいか。1980年代のワシントンにおけるロビイング武勇伝などを拝聴しながら、いやはや、日本企業がグローバルブランドを維持していくのって大変だよなあ、と感じる。わが国がだんだん、「部品を売る国」になっていくのも無理からぬことかもしれぬ。

〇とはいえ、今もワシントンには多くの日本人駐在員がいて、さまざまな活動を行っている。一度はワシントンから撤退した経団連も事務所を再開している。しかるにコロナ下では行動制限もあり、「ほとんど何も出来ないままに帰ってしまう」不運な方もいらっしゃるようだ。

〇明日のバレンタインデーを控えて、道端では10ドルで赤いバラを売っている。高いなあ、と思ってはいかんのだろう。日本だとお彼岸のお花は500円がいいところだが、バレンタインに花を送りあうようになったら、やはり最低でも1000円は越えないといかんのではないか。その代わり、日本はチョコレートの種類が豊富で、「ガンダムのチョコ」みたいな変なものをいっぱい売っておるからなあ。

〇今日のNew York Times紙のオピニオン欄には、そのものずばり"Have more sex, Please!"という目を奪われるような記事が出ている。コロナの後のアメリカではセックスレスが増えていて、それは社会における孤独を深めることになる、という。ゆえに"Sex is good. Sex is healthy."という書き出しで始まって、最後は"So, anyone capable should have sex -- as much as they can, as pleasurably as they can, as often as they can."という結論になる。

〇いやー、目が覚めるよね。たぶん今日のNYT紙において、ページビューは圧倒的な第1位なのではないだろうか。(日本時間14日18:44PM、ワシントンDCにて)


<2月14日>(火)

〇ワシントン3日目の今日は、有識者へのヒアリングを何件か行う。米国政治の今後の動向について、貴重なご意見を拝聴する。

〇いろんな場所を歩き回って、しみじみこの3年間のコロナの爪痕が深さを実感する。日本から見ていると、アメリカ人はもうマスクも止めちゃったし、あっけらかんと昔の暮らしに戻っているようでいいなあ、と思える。ところが実際に来てみると、皆さん、複雑な思いを抱えておられている様子。今でも厳重にマスクをしている人たちも、ちゃんといらっしゃいます。

〇あらためてこの3年間とは何だったのか。たぶん「9/11」や「リーマンブラザーズ社経営破綻」に比するような、あるいはそれより大きな衝撃が社会に走った。ただしその変化がうまく言語化できないままに、どんどん日々が過ぎているようである。単に死者が大勢出た、というだけのことではない。「こんなはずじゃなかった」という思いを、誰もがぬぐえないのではないか。

〇まあ、それを言い出したら日本も同じことである。世界中が同じタイミングでパンデミックに見舞われ、各国のお国柄を反映した対応を行い、その結果を享受した。日本の対応は「未来を犠牲にして今を何とかする」というお得意のものであった。よって2022年の出生者数は80万人を割った。それでも日本社会は、意外に簡単に昔に戻れるのかもしれない。

〇バレンタインデーのために、今宵の市内レストランはどこもかしこも満席であった。Kストリートに面したギリシャ料理店は、通常の4〜5人席を減らして、2人席を増やして対応している。後から後から客がやって来る感じ。必然的に店のサービスは悪くなるが、厨房がフル回転しているから料理は悪くない。いろんなカップルがお楽しみの中を、当方は現地の米国政治ウォッチャーからお話を伺っていたのであった。

〇幸いにも今週1週間は、各種原稿の締め切りがない。ということで、せっせとインプットする日々なのである。(日本時間15日12:42PM、ワシントンDCにて)


<2月15日>(水)

〇本日はレーガンナショナル空港からラガーディア空港へ。以前に来た時に比べて、空港が見違えるように近代化されている。やっぱり現代の交通インフラはこうでなきゃいかんですよ。インフラ投資は重要なのである。

〇先日聞いた話によれば、民主党政権における運輸長官は、希望者殺到の「おいしいポスト」なのだそうだ。その心は、予算をつけて全国に恩を売れるから、というと、まるで古き自民党政権のようである。特にバイデン政権は2年間でかなりの予算を通したので、ブティジェッジ現運輸長官は着々と「陰徳」を積んでいることになる。さて、彼が大統領選挙に再挑戦するのは2年後か、それとも6年後か。

〇ところが空港からマンハッタンのミッドタウンまでのタクシーが、ビックリするほど高い。道路が多少混んでいたとはいえ、80ドル超えである。以前はその半額以下だったと記憶するが・・・インフレおそるべし。ちなみに料金の内訳は以下の通り。

走行料金 52.70ドル+EXTRA 5.00ドル+RFK橋通行料 6.55ドル+チップ 13.65ドル

+州サーチャージ 0.50ドル+IMPサーチャージ 1.00ドル+CGNサーチャージ2.50ドル+空港料 1.25ドル=83.15ドル

〇後の方に出てくる各種サーチャージって、どういう意味なんでしょうか。ちなみにチップの金額は、カード支払いで「20%」を選択した結果である。

〇考えてみたら、こちらに来てから現金の出番がほとんどない。ほとんどがカード支払いである。現地駐在員に聞いたところでは、確かに現金の出番は今ではチップくらいなのだそうだ。そういえばホテルの「枕銭」って、今でもやっている人はいるのかなあ。懐かしい「小切手」も、ほぼ絶滅危惧種となっている。ワシなぞはその昔、自分の名前と住所が印刷された小切手帳が銀行から届いたときに、「よくぞアメリカ住民になりにけり!」と嬉しかったものである。それでも不動産関連の税金の支払いなどで、ときどき小切手が必要になるらしい。

〇ところでドル円レートが急に円安になっているではありませぬか。今週は「モーサテ」を見ていないから、何が起きているのかよくわからない。昨日の米CPIは、確かに高めだったけどなあ(日本時間16日 10:22AM、ニューヨークにて)。


<2月16日>(木)

〇NYは今日もコート不要の暖かい日よりである。今年は雪もまだ降っていないそうで、アメリカは暖冬なんですねえ。

〇マンハッタンは大変な人出で、これを見ていると「もはやコロナではない」という雰囲気である。去年の秋くらいから観光客が戻ってきていて、それが景気回復の原動力となっているらしい。夜分のタイムズスクエアなどは若者が大勢集まっていて、「失われた青春」を取り戻そうとしているかのようであった。

〇それからMOMA(ニューヨーク近代美術館)に行ってみたところ、あまりに客が多いので途中で退散することにした。ワガママを言って申し訳ないが、アート鑑賞は閑古鳥が鳴いているくらいがちょうどいい。それでもアメリカ版修学旅行みたいなツァーが復活していて、子どもたちが大勢来て美術作品に触れていたのは良いことと言えよう。

〇ところが賑わっているのは、フィフスストリートからブロードウェイ当たりまでであって、マジソンアベニューやレキシントンアベニューになると急に閉店している店舗が目立ち始める。今回はパークアベニューの北野ホテルに投宿しているのだが、ここのレストランJazzとHakubaiは2店舗ともに休業中であった。来てみて初めてわかったのだが、なるほどエクスペディアで宿探しをしたときに安かったはずである(早く言ってよ〜!)。

〇つまりマンハッタンの中でも、「元に戻りつつある賑やかな地域」「まだまだこれからの地域」がまだら模様になっている。アメリカ経済全体も、「コロナ前に戻ろう」とするベクトルと、「変わってしまって元には戻れない」部分がせめぎあっているようである。今のインフレという問題も、この2つのベクトルの齟齬によって生じているのであろう。

〇それがこれからどうなるのかと言えば、これはいくら経済統計を見ていてもわからない。それは経済学というよりは、社会学の問題であろうから。社会の変化というのは、普通はある程度ゆっくり進むものなのだが、パンデミックに伴う行動変容は「ある日突然、一気に訪れる」。ゆえに今後を見通すことが難しい。

〇コロナの社会学は、政治にも反映されている。WFHが普及したことで、コロナ規制を嫌う保守的な人たちがNY州からフロリダ州へ大挙して移動した。州所得税がないという税の安さも魅力であった(トランプタワーからマーア・ラゴに引っ越したトランプ夫妻も含む)。その結果、去年の中間選挙ではデサンティス知事がランドスライドで再選された。かつてのパープルステーツがレッドステーツに化けたわけである。

〇とまあ、こんな変化が起きた後で、巻き戻しがどうなるか。不肖かんべえは以前から、「アフター・コロナは意外と明るい時代になる」てなことを書いてきた。第一次世界大戦とスペイン風邪の以後には、『狂乱の1920年代』(ローリング・トウェンティーズ)がやってきた、ということからの類推である。「アフター・コロナ」がいよいよ目の前のことになった現在、もうちょっと精度の高い見通しを考えたいところである。

〇ということで、今回のアメリカ出張は会社の休暇を取っての自腹旅なのである。コロナで3年間、海外旅行がなかった反動への「リベンジ消費」の機会でもある。投資家の藤野英人さんが、「いちばんリターンが大きいのは自己投資」と言っていたけれども、是非そうであってほしいと考えている(日本時間17日 5:01AM、ニューヨークにて)。


<2月17日>(金)

〇いよいよNY滞在も最終日。今日のお昼のフライトで帰ってしまうのだが、当不規則発言の更新が1週間も止まっているので、一部の方にはご心配をいただいているようである。こんなツィートをしているのだが、果たしてどれだけ伝わっていることやら。日曜日には、フェブラリーステークスがあることも分かっておりまする(予測をするのは上海馬券王先生ですが)

〇今朝は北野ホテルの近所にあるスターバックスに行って、コーヒーとマフィンを買ってきた。締めて10ドル79セントなり。軽く日本の倍くらいの値段と言えようか。財布の中のドルの小銭を減らす貴重なチャンスとなった。店内で食事する人はほとんどいないが、WiFiのために店内に滞在している人が若干名。「家庭でも職場でもない第3の場所を作る」というスタバの企業理念が、こんな形で実現しているようである。

〇午前中にホテルをチェックアウトして、JFK空港に浮かう。そこから先がまた長時間の旅で、つくづく日米間の距離は遠いのである、果たして自分が羽田空港に着いたときに、どんな違和感を感じることだろうか。とりあえずは再びマスク着用の生活に戻らねばならない。

〇あるいは、「しまった、日本はこれがあった!」などと苛立ったりするのではないかと思う。まあ、そういうギャップを体感するための人体実験旅行でもある。それから時差は最後まで抜けませんでしたな。@午後になると眠くなり、A夜は早めに寝るのだが、B深夜に目が覚めてしまい、C明け方になってまた少しだけ寝る、という繰り返しであった。

〇ひとつだけ自慢できるのは、こちらへ来た日曜から木曜までの5日間で、平均一日13,546歩も歩いたことである。それでは、そろそろ帰りの荷造りを始めます。(日本時間17日 22:25PM、ニューヨークにて)

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〇「帰ってくるまでが遠足です」とはよく言ったものでありまして、その後も苦難は絶えなかったのであります。

〇12:45PMのJAL005便に乗るために、午前9時にホテルを出る。目指すはJFK空港で、タクシー代は108ドル也。1987年に初めてアメリカに出張した時は、JFK空港からマンハッタンに入った時に感動して、運転手さんにチップもはずんで合計50ドルも払ってしまい、いくらなんでも多過ぎたと後で反省したものである。それが現在は倍以上に値上がりし、カード支払いがデフォルトとなり、チップは自動的に「20%、25%、30%」の三択となっている。高いのう。

〇ターミナル1のJALのカウンターには短い行列ができていた。ところがこの行列が全く進まない。係員が3人くらいしかいないところで、先頭の男性が延々とごねているのである。見る見るうちに行列は伸びていくのだが、ご当人はまったくお構いなしである。30分くらいたったところで、ようやくあきらめたようであった。インバウンドが増えるということは、こういうメンドーな人たちが増えるということを意味する。

〇やっと列が進み始めたかと思ったら、「羽田空港行きの人はターミナル8へ向かってください」と言い渡される。早く言ってよ〜。ところでJFKって、いつからそんなにターミナルの数が増えたのか。後から聞いた話では、昨日は成田行きが飛ばなかったそうであるから、今日の羽田行きが飛んでくれるだけで良しとしなければならない。とにかく今の人手不足のアメリカにおいては、「快適な空の旅」などは最初から望み薄なのである。

〇電車に乗ってターミナル8に移る。こちらのJALカウンターがまたまた長蛇の列である。なおかつワクチンの接種証明も見せなければならない。ここで偶然にも、アメリカ出張中の当社IRチームのご一行さまと合流する。お互いにどこでどんなことをしてきたかという話をしているうちに、少し気がまぎれる。

〇ところがその後にはさらにTSA(セキュリティ)という拷問が待っておる。いやもう、まったく皆さん、よくまあこんな不条理に耐えているものだ。国際線の旅行は、まだまだ万人にお勧めできるものではなさそうだ。とは言っても、3年間も国際線のフライトから遠ざかっていたワシが、かかる空港での艱難辛苦に耐えていられるのは、やっぱり「一度でも慣れてしまえばこんなもの」という思いに至るものかもしれぬ。

〇その後もラウンジが見つからない、混雑で飛行機の出発が2時間以上遅れる、などの試練があり、どうにか機中にてこれを書いている。なにしろ日本までは、偏西風に逆らって14時間のフライトでりますから。さて、そこでJAL機内のWi Fiサービスがつながるかというと、おカネを払っても案の定つながらない。うーん、これだとやっぱり不規則発言の更新は、家に帰ってからになりますか。ということで、ストレスはなおも続くのである。(日本時間18日、8:49AM、機中にて)

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〇文句ばかり書いていても仕方がないので、ワシントンにて聞き込んだ話をご紹介しておこう。

「現在、アメリカの有力大学において、日本政治に関するテニュア付きの教授は一人もいなくなった」

〇韓国政治の専門家はちゃんと居るのだそうだ。それというのも、かの国は与党と野党で政策が違い過ぎるし、ほっとけば北朝鮮にしてやられてしまうかもしれないので、同盟国たるアメリカとしては、韓国政治をほっとけないのだそうだ。困ったちゃんだから、研究対象になる。その点、日本はどう転んだって自民党政権が続くから、そもそも心配が要らない。結果として勉強しても意味ないじゃん、となってしまう。

〇もうちょっと言うと、昨今は社会科学系の学問全体の中で、「地域研究」の地位が下がっているのだそうだ。昨今の社会科学は理論重視であり、データ重視である。その点、地域研究はまずその国の言語の習得から始めなければならない。ひいては、どうしても研究者の思い入れみたいなものが強くなる(注:昨今のロシア研究者の大多数を参照のこと)ので、そんなものは学問ではない!という評価になってしまう。

〇しかしエズラ・ボーゲル教授やジェラルド・カーチス教授のような研究の伝統が失われるとしたら、まことにもったいない話ではないか。残念ながら、今の日本はアメリカの貴重な同盟国であり、どうかすると「何があってもついてきてくれそう」なので、いわばアメリカの国益から見て「安全牌」だとみられている。これはこれで少々癪に障るところである。

〇だったら日本もときには政権交代した方がいいのか。今の野党を見ていたら、誰だって不安になりますわなあ。あるいは、日本外交がもっとワガママになった方がいい、という考えもあり得るところです。ところが日本人の交渉術というのは、「とにかく全体をまとめなければならない(破談になるくらいなら、自分が少しくらい我慢してもいい)というところから始まるのが常である。だったらもっとそんな常識は唾棄すべきかと言えば、それではもう日本人じゃねえだろ、という気もする。

〇政治面でも経済面でも、世界における日本のプレゼンスは低下傾向にあるようだ。残念なことではありますが、これは直視しなければなりますまい。(日本時間18日16:00PM、機中にて)


<2月18日>(土)

〇えー、帰国したのでやっと更新であります。旅というものは、やっぱりスムーズにはいかないものでありまして、途中で焦ったり困ったりする。まあ、それでもおカネで済む程度の損害は可愛いものでして、ケガをしたとかコロナに感染したとか帰ってこれなかったとなると、これは洒落にならなくなる。そこまで悲惨なことはなく、不肖かんべえにとっては多くのネタを仕込んだ価値ある1週間でした。以上、上記のアメリカ弾丸出張記録のご愛読をよろしくお願いします。


<2月20日>(月)

〇日本に帰ってきて想うこと。

〇家の布団はまことにありがたきかな。ぶっ続けで10時間も寝られてしまう。

〇FTPソフトも素直に言うことを聞いてくれる。ウチのWi-Fiでないと駄目になったのかなあ。

〇1週間ぶりに会社に出たら、入館証は忘れているし、老眼鏡はなくすし。平常モードに回帰するまで時間がかかりそう。

〇そんなことより、今週3本ある締め切りと2つの講演会をどうしよう。明後日は仙台である。

〇そうそう、確定申告の計算もしなければならない。あー、めんどくさい。などと遊び呆けたツケは確実にやってくるのである。


<2月21日>(火)

〇松本零士さんが亡くなられた。優れたマンガ家でありました。合掌。

〇2019年5月に、小倉にある「北九州市漫画ミュージアム」を訪ねたことがある。松本氏は出身は久留米市であったそうだが、小学校から高校卒業までが小倉であったとのこと。とにかく分かりやすい九州男児でありましたな。『男おいどん』なんてまさにそうだったからね。

〇今から思うと、あの「四畳半もの」は独身男性のペーソスに満ちていました。大山昇太が就寝するシーンで、こんなセリフがあったのですよ。「朝は夜よりも賢いと誰かが言った。その明日のために今日も寝た」。若い頃はねえ、昼間に受けた屈辱に傷つきながら、このセリフを思い出しつつ寂しく布団に入ることがよくありましたですよ。あの頃は、みんなそんな風だったんじゃないかなあ。

〇そしてSF作品では、当然『宇宙戦艦ヤマト』と『銀河鉄道999』を挙げないわけにはいかない。この両作品、アニメ化されて映画化されて、とにかくヒットした。これがなかったら、『ガンダム』以降の本邦アニメ作品も生まれなかったかもしれない。今から考えると、ジオン公国の軍服はガミラス軍の衣鉢を継いでおりますからね。こんな風にして、わが国の漫画・アニメ文化は発展・継承してきたのである。元をたどれば、全部、手塚先生だしね。

〇しかるに、松本零士氏が名作を生み出したのは、いいところ1970年代までであった。実年齢では40歳過ぎ頃までであって、その後はあんまりパッとしなかった。その後の松本氏は、漫画家の著作権を守るために戦う人になった。それはクリエイターたちにとって、役に立つ仕事であったことだろう。

〇ただしワシ的には、今の著作権は「守られ過ぎ」なんじゃないかと思っている。下手すりゃ「替え歌」を作って訴えられる、という今の著作権法の体系は明らかに変だと思うのだ。だから「チャットGPTの誕生によって、これから著作権はガタガタになっていくのだろうなあ」と考えると嬉しくなってしまう。今、地球上に存在するコンテンツというものは、すべからく人類共有の財産であるべきではないかと考えるのです。

〇そういうことなので、当・溜池通信の著作権を声高に主張するつもりはありませぬ。どうぞ、勝手に盗んでくださっていいですからね。こんな駄文をおカネに変えようとは思っておりませぬ。先週1週間、この不規則発言の更新が途絶えたら、あれだけ大勢の人が心配してくれたという事実だけで、ワシ的には十分に満足しておりまする。

〇もちろん経済的な保証は重要であります。ただしクリエイターというものは、作品によって歴史に名を留め、多くの人の記憶に残るわけですから、その偉大さに比べれば報酬などいかほどのものかと思うのですよ。そもそも『宇宙戦艦ヤマト』と『銀河鉄道999』がなかったら、宮川泰やささきいさおやゴダイゴなどは、才能を発揮できなかったかもしれないのである。

〇ワシは大学浪人時代に見た『銀河鉄道999』の最後のシーンを、今もくっきりと思い出すことができる。というか、ちゃんとユーチューブに残っている。


●劇場版『銀河鉄道999』エンディングシーン


いま万感の思いを込めて汽笛が鳴る。いま万感の思いを込めて汽車がゆく。

ひとつの旅は終わり、また新しい旅立ちが始まる。

さらばメーテル、さらば銀河鉄道999。・・・・・さらば少年の日々。


〇この城達也さんのナレーションが渋いのだ。カッコいいのだ。なにしろ1979年当時は、声優陣が豪華だったからねえ。野沢雅子(星野哲郎)、池田昌子(メーテル)、肝付兼太(車掌)、井上真樹夫(キャプテン・ハーロック)、田島令子(クイーン・エメラルダス)、富山敬(大山トチロー)、柴田秀勝(機械伯爵)、納谷悟朗(謎の声)。こんな贅沢、もう二度とできません。

〇こんな素晴らしい仕事を残してくれたことに対して、われわれは感謝する以外にないじゃありませぬか。松本零士さん、本当にありがとう。さようなら。


<2月23日>(木)

〇昨日は東北生産性本部さんの講演会で仙台へ。

〇終わってから関係者のご厚意で、東北大学内に建設中の「ナノテラス」を視察させてもらう。これはすごいですぞ。「次世代放射光施設」といいまして、野球場ひとつ分くらいの面積を使って、電子を光速の99%にまで加速する。これが「ナノの世界」(10億分の1)を解き明かす道具になるという。来年には運用開始になるとのこと。

〇ユニークなのはこれが国の研究施設ではなく、宮城県や仙台市や東北経済連合会や東北大学などによる「官民地域パートナーシップ」による運営だということ。実は放射光を使って実験をしたいというクライアントにとっては、国の施設(例えば『富岳』)は使い勝手が悪いのだそうだ。お役所に提出する書類が膨大だし、なおかつ結果を全部公開しなければならない。ところが民間企業としては、せっかくの研究結果をライバル会社に知られたくはない。「ナノテラス」のような施設は、なるべくこっそり使いたいのである。

〇そこでいろんな企業や研究機関に声をかけて、「ナノテラス、使ってみませんか?」とお誘いをかけている。この有料メンバーがうまく集まって、仙台に研究機関のエコシステムができてくると面白い存在になりそうだ。岩手県のILC(国際リニアコライダー)の誘致活動が進んでいない一方で、こんな動きが始まっていたのですね。

〇夜はいつも通りメトロポリタンホテルに泊まったのだが、部屋の中にスマホの充電器が置いてあることに感動する。ああ、なんて日本のホテルは気が利くんだろう。そして安いんだろう。すごい、凄すぎるぞ。


<2月24日>(金)

〇今日はちゃんと溜池通信が出せて、今週2回あった講演会もまあまあの出来で、他の2本の原稿もちゃんと締め切りを守って提出したぞ。ああ、今宵は酒がうまい。

〇こんな日は別に高い酒じゃなくていいのである。セブンイレブンで買ってきた、ソーヴィニヨン・ブラン"Kapuka"である。ニュージーランドワインでマールボロ産で、値段はよく覚えていないが確か1000円程度であった。

〇一昨日の仙台では、とっても豪華な日本酒リレーを堪能したのでありました。「十四代」(山形)→「日高見」(宮城)→「飛露喜」(福島)→「田酒」(青森)→「新政No.6」(秋田)。すいませんね、岩手県が入っていなくて。でも、最後は「もう飲めません」モードでありましたから。

〇今日はウクライナ戦争の開戦から1周年。申し訳ないですが、勝手に自宅で酒宴を開いておりまする。ああ、結構な1週間でありました。


<2月26日>(日)

〇今週末は町内会ウィーク。土曜日は今季最後の防犯活動。日曜日は予算会議。夜は防犯部打ち上げ。

〇コロナ下の3年間で町内会の活動はほとんどがストップ。この間に高齢化は着々と進行。今年の夏のお祭りは果たしてできるのか。

〇そうかと思うと、市内の松ヶ崎城址では名物の河津桜が三分咲きでした。今宵は風が冷たかったけれども、春はもうすぐそこまで。


<2月27日>(月)

〇今宵は正論大賞受賞式へ。会場はホテルニューオータニ。昨年は関係者のみの会合だったが、今年はちゃんと宴会付きである。

〇第38回正論大賞は織田邦男さん。第23回正論新風賞は松原実穂子さん。そして特別賞は安倍晋三元首相。安倍さんの分は、アッキー夫人が代わりに挨拶をされました。お三方とも見事なご挨拶でした。

〇するとそこへ遅れてはせ参じたのが岸田文雄首相である。大勢のSPに守られて登場するが、ふと見るとまたもあの黒いバインダーを手にしている。ああ、この人はまた紙を読むのか、と多少げんなりする。

〇しかるに岸田首相はこんな話をして、会場の笑いを拾っていたのである。(官邸HPにもう載っている!)


最近目を引いたのは、先日発売された月刊正論の最新号の巻頭コラムでありました。かつてこの正論大賞を受賞されました田久保先生が、私の安全保障政策を評して、宏池会(こうちかい)を否定した岸田首相、というタイトルをつけておられました。

 私自身は決して宏池会を否定したつもりなど全くありませんが、これは激励していただいたと受け止めておるところであります。宏池会はリベラルなグループだと言われることが多いのですが、その本質は徹底的な現実主義を追求するという政策集団であり、私も戦後最も厳しく複雑な安全保障環境という現実に対峙(たいじ)するための判断を行ってまいったところであります。



〇なるほど、これは産経読者の集まりで述べるにふさわしいメッセージである。しかもみずからがリスクを取った発言である。この際は「紙」を読んでもまあいいか、と感じた次第である。


<2月28日>(火)

〇本日発表の1月鉱工業生産は衝撃的な下落でしたなあ。と言っても、去年くらいから中国経済の有為転変に伴う日本のモノづくりのジグザグ運航はずっと続いているので、まあ、驚くほどのことはありませぬ。

〇そんなことより、本日厚労省が発表した2022年人口動態調査の速報値の方がズシリと響くものがありました。


●出生数  79万9728人(前年比4万3169人減=5.1%減)

●死亡数  158万2033人(前年比12万9744人増=8.9%増)

●自然増減数 78万2305人(前年比17万2913人減)


〇皆さん、出生数の減少ばかりに目が行っているようですが、死亡数の増加が半端ない規模になっている。これに比べたら、2020年以来のコロナによる死者数累計7万2000人なんて全然たいした数字じゃありませんなあ。

〇わが国における年間の人口減少数は40万人から50万人程度、つまりわが柏市と同じくらいの規模と覚えていたのでありますが、訂正しなければなりません。1年間で静岡県浜松市か新潟県新潟市が消えてなくなるくらいのインパクトとなります。

〇この調子でいくと、間もなく死亡数は出生数の2倍を超えますな。まことに容易ならずる事態と言わねばなりませぬ。










編集者敬白



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by Tatsuhiko Yoshizaki