●かんべえの不規則発言



2004年12月





<12月1日>(水)

○今日は恒例の日本貿易会、貿易動向調査の発表がありました。新聞等の扱いはきっと小さいはずですが、今年はなかなかにニュースバリューがあるのではないかと思う次第。では、さっそく下記をご参照くだされ。

http://www.jftc.or.jp/research/statistics/statistics.htm 

1.商品別貿易の見通し(通関ベース)

● 2004年度 − 世界的好況と国際商品市況高騰を受け、輸出入とも大幅増加

 輸出総額は61兆2,090億円で前年度比9.2%増。世界的好況を背景に、輸出数量は同8.7%増。ただし、年度後半は世界経済の減速に伴い鈍化する。輸出価格は同0.5%上昇。アジア向けの一般機械・電気機器・金属及び同製品や、EU向けの輸送用機器が堅調。
 輸入総額は50兆3,360億円で前年度比12.3%増。輸入数量は同5.5%増。国際商品市況の高騰を受け、輸入価格は同6.5%上昇。鉱物性燃料(原油など)をはじめとする原燃料輸入が、輸入価格上昇により増加。内需持ち直しを背景に、アジアからの機械機器輸入も増加。

● 2005年度 − 輸出は堅調、輸入は国際商品市況低下を受け大幅鈍化

 輸出総額は63兆4,590億円で前年度比3.7%増。世界経済はやや減速するものの、輸出数量は同5.0%増と堅調。円高に伴い輸出価格は同1.2%低下。アジア向けの電気機器や一般機械の輸出は堅調。
 輸入総額は51兆2,790億円で前年度比1.9%増。輸入数量は同3.6%増。国際商品市況の低下を受け、輸入価格は同1.6%低下。鉱物性燃料をはじめとする原燃料輸入が、輸入価格低下により減少。ただし機械機器は増加が続く。


○個人的に感心するのは、「2004年度の輸出は60兆円台になること」です。日本経済のGDPが年間500兆円。その10%が輸出で50兆円、というのが大雑把な認識ですが、それがいよいよ60兆円台になる。それもそのはず、2004年度は前年比9.2%増ですから。

○そしてそれ以上にご注目いただきたいのは、2005年度の輸出がさらに3.7%増となる見込みであること。現下の経済見通しにおいて、「輸出の減速に伴って景気後退もあり得る」という意見が増えている。不肖、かんべえも「景気は2004年末に減速」という見方をしてきた。でも、今回の貿易動向見通しを見る限り、輸出の停滞は一時的なものになりそうだ。しかも3.7%増の内訳は、「輸出数量は同5.0%増と堅調。円高に伴い輸出価格は同1.2%低下」である。外需が伸び悩むことを前提にしつつも、数量で5%増ということは、日本企業の国際競争力がいかに強くなっているかの証左といえるだろう。

○われらが貿易動向調査会では、品目別のミクロの数字を積み上げて予測を作っている。驚くべきことに、輸出品目の中で、2005年度にマイナスを見込んでいるのは、「化学製品」「事務用機器」「船舶」の3種類だけ。しかも「事務用機器」はパソコンの価格下落と製造拠点の再配置、「船舶」は2004年度が高水準だったことの反動、という理由がついている。それ以外はすべて増加を見込み、なかでも自動車輸出が10兆円に迫るとか、機械機器全体の輸出が2003年度実績で約40兆円のところ、2005年度には約46兆円になる、というのは、これはやっぱりスゴイことだと思う。

○というわけで、景気は減速に入るだろうが、その期間は短いだろう。せいぜい半年。イメージ的にいえば、2005年の上半期が停滞し、後半は再び加速するのではないか。もっともその間に、定率減税取りやめなどの「失政」があって、個人消費が失速するといった可能性は否定できないけど。とにかく、「外需の減少による景気後退」は考えにくいということを強調しておきましょう。

○ところで今日のお昼、赤坂の六三亭に行ったんです。そう、あの「鉄人」道場六三郎の。そしたらテーブル席の半分以上が空いているんです。以前はリッチなおばさま族で一杯で、予約を入れようにも2週間先、といっていたんですけど。今日はとってもお値打ちな2000円のコースを注文したのですが、つくづく赤坂の地図も変わりましたね。それとも、おばさま族は「ヨン様」の追っかけに忙しいのでしょうか??


<12月2日>(木)

○産経新聞、政治部の方々とお昼。それから金美齢さんの事務所に伺って、「桜チャンネル」の収録。こちらは12月10日放映予定。

○両方で話題になったのが日中関係、とくに靖国神社参拝問題。これに対しては、12月1日号の「ごまめの歯ぎしり」が、中国側の主張を要領よくまとめている。

    ごまめの歯ぎしり  メールマガジン版
                河野太郎の国会日記
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総理の靖国神社参拝に関して、いろいろなご意見があると思いますが、なぜ中国政府が総理の参拝に抗議するのか、その理由を知らずに議論している方がいらっしゃるようです。相手側の主張も知った上で、ぜひ議論して頂きたいと思います。

もともと靖国神社に日本の総理大臣が参拝することに対して、中国政府から抗議や反発はありませんでした。三木武夫首相は在任中に靖国神社に参拝していますし、昭和天皇も靖国神社に参拝されていました。

1972年9月に、当時の田中角栄首相と大平正芳外相、二階堂進官房長官が中国を訪れ、毛沢東主席や周恩来総理と会談し、日中共同声明に署名して、日中国交正常化への第一歩を記しました。その日中共同声明のなかで、日本は「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」との立場を明確に文書にしました。当時の中国国内には、日本に戦時賠償を求めよとの世論もありましたが、毛沢東主席、周恩来総理をはじめとする中国の指導者は、戦争は日本国内の一部の軍国主義者によって発動されたものであり、大多数の日本国民も戦争の犠牲者であるとの認識を示して、戦争の被害者が同じ戦争の被害者に賠償を求めることはできないとの立場を取りました。
日本側が戦争の責任をきちんと受け止めて反省していることを前提に、共同声明では中国側が賠償を放棄することを明確にしました。ここでいう一部の軍国主義者の象徴が、極東軍事裁判で戦争の指導的責任を問われたA級戦犯です。
そのA級戦犯が、1978年に、靖国神社に他の戦没者と一緒に合祀されてしまったことが、この靖国神社問題の発端です。
戦後、憲法上の政教分離の原則の下、靖国神社も一つの宗教法人になりました。そして、宗教法人に対して政府が介入することもできなくなったため、靖国神社の運営は全く政府とは別個のものとなったのです。そして、靖国神社は宗教法人としての独自の判断で、A級戦犯の合祀を行ったのです。
この合祀の後、昭和天皇は靖国神社への参拝を行われなくなりました。

そして、1985年8月15日に中曽根首相が靖国神社に「公式参拝」を行ったのをきっかけに、中国政府も日本政府に対し、首相、外相、官房長官が靖国神社への参拝をしないよう求めるようになりました。つまり、日中共同声明の中で確認した、戦争と中国国民に対する重大な損害に責任のある「一部の軍国主義者」が神として祀られている場所に、その日中共同声明に責任のある首相、外相、官房長官という役職にあるものが参拝することは、共同声明の合意に反することになるという主張です。
1972年に日中共同声明に署名をしたのは田中角栄であり、大平正芳でしたが、この二人は個人として署名したわけではなく、首相、外相という日本を代表する役職として署名したわけですから、この役職にある人物は、共同声明における合意事項を誠心誠意守るよう努力するべきだというのが中国側の主張です。つまり、首相を辞めた田中さんが靖国神社に参拝するのは良いが、現に首相の役職にある小泉さんが靖国神社に参拝するのは、中国側から見れば、日中の合意に反するということになります。

中国国民から見れば、本来多額の賠償を取るべきだったにもかかわらず、同じ戦争の被害者だからという中国指導部の主張に沿って賠償を放棄したら、その責任を取るべき「一部の軍国主義者」が神として祀られてしまった。まあ、そのことは日本政府とは関係のない一宗教法人の行為ですが、その宗教法人に首相が参拝すれば、共同声明に合意した日本政府の代表が宗教法人の行為を追認したことになってしまいます。日本側が共同声明の合意をほごにするのならば、こちら側も賠償放棄を取り消して、賠償を求めようではないか、ということになってしまいます。だから、中国政府は、日本政府に対し、A級戦犯が合祀されている靖国神社に、首相が参拝することは、日中間の合意を踏みにじる行為だから、やめてほしいと言ってくるのです。


○上のロジックに対し、筆者が疑問に感じているのは以下のポイントです。誰か答えてくれませんかね。

(1)所詮は形式論理的な話で、理解は出来るけど、共感できるような性質の議論ではない。毛沢東や周恩来が、かつて国内を説得するのに使った論法が有効性を失うというのは、つまるところ中国共産党内の路線闘争の問題であって、日本のあずかり知らない世界。だから、日本が「参拝を止める」とか、「A級戦犯を分祀する」といった手段をとったところで、それで直ちに日中関係が改善するという保証がない。

(2)中国側が、対日関係の改善を本気で望んでいるかどうかも疑わしい。すでに米中関係が良好であり、この上、日中関係もよくなってしまったら、困るのは中国共産党ではないのか。だとしたら、靖国神社問題が終われば、すぐに次の問題を持ち出すだろう。あんまり「誠意」を感じさせる相手ではないので、その辺は日本側も慎重にならざるを得ない。

(3)また、大多数の中国人民が、上のロジックを共有しているとは思われない。おそらく反日教育の結果、「靖国神社は悪の巣窟」みたいなイメージを植え付けられているだけであろう。実際に九段下のあの神社を見たら、平和さ加減に拍子抜けするのではないか。上のロジックは、あくまでも中国の特権階級の人たちだけの問題意識と見ておくべきだろう。

(4)賠償の問題については、そもそも日本が降伏した相手は米英ソ、それに国民党の中国である。その国民党は、対日賠償を放棄した。(蒋介石は美談に仕立てたが、本当は日本の資産を接収したお陰で、お腹がいっぱいであったというのが実態)。これがあるからには、共産党・中国は面子にかけても対日賠償を求められなかったのではないのか。

(5)少なくとも、賠償をあきらめてやったんだぞ、などと言われるのは心外である。対中ODAというのは、その代わりではなかったのですか。

○ぶっちゃけた話、日中関係を改善するのにいちばん簡単な方法は、先方が「一人あたりGDP」で1万ドルに近づくのを待つことだと思う。すでに上海周辺は4000ドルくらいになっているので、あとは人民元の切り上げ次第で、沿岸部の1万ドルはそんなに遠い将来ではないだろう。そうなれば、今の問題はあらかた片付くんじゃないだろうか。まあ、その頃には中国共産党のあり方も、相当に変わっていることでしょうが。


<12月3日>(金)

○「年末エコノミスト懇親会」という会合に行ってきました。小ぶりな会合を予想して行ったら、オークラ別館前は黒塗りのクルマの群れ。なるほど、会場に入ってみると、ヘーゾー大臣はいるわ、エビジョンイルはいるわ、ちょっと増税は待ってよイシ先生はいるわ、である。

○ヘーゾー大臣は、「エコノミストは共通言語を持った人々です」てなことを挨拶で言っていた。ホンマかいな、と思う。少なくとも、2種類に分けた方がいいような気がする。ひとつは「式さえあっていれば、答えは間違っていても構わない」という経済学者グループと、「式なんかどうでもいいから、答えがあってないと仕事がなくなる」というエコノミストグループに。不思議なことに、式と答えが両方とも正しい、ということはこの世界では少ないのである。必然的に、まっとうな経済学者は予想が当たらないし、よく当たるエコノミストはいかがわしいという評価を得ることになる。

○なおかつ、エコノミストたちが言うことは、話がややこしいわりに結論が単純である。たとえば「軍拡は経済にとってマイナスである」という命題を証明しようと思ったら、数式を一杯使って証明する方法もあるわけだが、そんなことより歴史上の例をいくつかケーススタディする方が、はるかに気が利いているし、説得力もあるというものだ。あるいはまた、景気がいいか、悪いかなんて話は、おそらくエコノミストに聞くよりも、タクシーの運転手や外食産業の店長さんあたりに聞いた方が、具体的な返事が返ってくるだろう。

○経済学が教えることは、普通の常識の持ち主であれば、ほとんど直感的に真贋を見定めることが出来る程度のことに過ぎない。「景気が悪くて困るときは、政府がドカーンとお金を使ったほうがいい」とか、「国民が貯金をしなくなると、結局は良くない結果を招く」とか。だったらエコノミストなんて無駄な存在じゃないか、と言われるとその通りであって、まあ、文科系の学問というのは多かれ少なかれそういう傾向はつきものなんで、あんまりそういうことを追及すると、後味が悪いから止めておきましょう、というのが大人の態度というものであったりする。

○まあ、今日のパーティーは、日経センター、日経新聞、テレビ東京の共催であるから、身内というか、共存共栄というか、もたれあい体質というか、とにかく意地悪な視線を浴びることのない空間であった。

○そんなことより、師走の金曜日の今夜、帰りの電車の混み具合を見る限り、個人消費は結構強いという印象であったな。覚えておこう。


<12月4日>(土)

○ちょっと遅れましたが、英語版の流行語大賞のご紹介。元ネタはこちらです。

1. blog (ブログ)
2. incumbent (現職)
3. electoral (選挙人)
4. insurgent (蜂起)
5. hurricane (ハリケーン)
6. cicada (17年ゼミ)
7. peloton  (ぺロトン:自転車競技)
8. partisan (党派的)
9. sovereignty (主権)
10. defenestration (窓から放り出すこと)

○1位のブログはいかにも当世風。2、3、8位が選挙関連。4、9位はイラク戦争関連。5、6位は天災がらみ。10位については、よく見かけるけど意味の分からん単語棚と思っていたら、こんなページがあることを発見。見方によっては、トップスリーを大統領選挙で独占したわけで、やっぱり異常な年だったんですね。

○この季節、もうひとつの焦点はTIME誌の"Person of the Year"。去年は「アメリカの兵士たち」でした。今年の候補者はこんな感じらしい。うううっ、ちょっと脱力・・・・。

● Kofi Annan
Martha Stewart
George Bush
Boston Red Sox


<12月5日>(日)

○「大統領選挙特需」がやっと途切れてきて、平穏な週末を迎えつつあります。空き時間にとりあえず耳鼻科へ。花粉症対策。駅前では「ストップエイズ」のキャンペーンをやっていた。さすがは柏市、「東の渋谷」。若い人が多いのである。

○その柏を代表するレイソル、とうとうJ1のどん尻となり、入れ替え戦へ。負け続けのJ1チームが、勝ちまくったJ2チームと対戦するのだから、普通に考えたら勝ち目はない。でも、昨日はアウェーでのアビスパ福岡戦ではちゃんと勝てた。レイソルが勝ったのを聞くのは久しぶりである。12月12日のホームゲームの切符は1時間で売り切れたとか。「J1に残ってくれ!」が望みというのがちと情けない。

○近所を走っている国道16号線が、最近混んでいるような気がする。大型トラックはむしろ減っていて、自家用車が多い。ひとつにはモラージュ柏ができたせいだろう。北に向かおうとすると、テキメンに渋滞に巻き込まれる。たいていの抜け道を知っているジモティのワシとしても、国道の真ん中の渋滞には手も足も出ない。困ったものだ。

○この季節恒例の町内会忘年会。考えてみれば、今の家を買って引っ越してから10年以上、町内会とのご縁もそれに近くなる。150軒ほどの町内で、60歳以上人口が120人というから、相当に高齢化が進んだ集落である。その反面、ご近所同士はかならず挨拶をするような今時めずらしいコミュニティでもある。

○こんな街なので、インターネットに接続したりする人口は極度に少ない。その中ではめずらしいネット人口のAさん(60代)が、「ドラクエ8」に熱中していることが判明。いや、実はウチの配偶者もそうですねん。今度のは親切設計だそうですが、時間はかかるみたいですね。


<12月6日>(月)

○来年はどんなことがある年なのか。そろそろカレンダーを作り始めようかと思います。

  国内 海外
1月 自動車リサイクル法、改正競馬法施行(1日)
阪神大震災10周年(17日)
自民党大会(18日)
通常国会開幕(下旬)
知事選=山形、岐阜(23日)
パレスチナ自治政府議長選挙(9日)
第2期ブッシュ政権発足(20日)
一般教書演説(下旬)
WEF(26〜30日、ダボス)
イラク国民議会選挙(30日)
2月 日露和親条約締結150周年(7日)
プーチン大統領訪日?
中部国際空港「セントレア」開港(17日)
スペシャルオリンピックス冬季大会
(26〜3/5、長野県)
京都議定書発効(月内)
米予算教書、大統領経済報告書(上旬)
W杯ドイツ大会アジア最終予選(10〜20日)
タイ下院総選挙(13日)
ギリシャ大統領選(?)
スペインがEU憲法批准国民投票(20日)
3月 地下鉄サリン事件10周年(20日)
愛知万博開幕(25日、瀬戸)
プロ野球パ・リーグ開幕(26日)
市町村合併特例法の期限(31日)
郵政民営化法案提出?
世界の安全と民主主義のための世界会議
(8〜11日、マドリード)
中国全人代(月内)
オランダ軍がイラク撤退?
4月 ペイオフ全面解禁(1日)
日墨FTA発効(1日)
プロ野球セ・リーグ開幕(1日)
衆参統一補欠選挙(24日)
小泉内閣発足から4年(26日)
日アセアンFTA交渉開始(月内)
「新銀行東京」が開業(月内)
ベルリン・フィルとウィーン・フィルが初の
合同コンサート(2日、ベルリン)
アフガニスタン議会選挙(月内)



5月 郵便貯金事業創業130年(2日)
憲法調査会の最終報告提出期限(3日)
アジア開発銀行年次総会(4日、イスタンブール)
カンヌ国際映画祭(11〜22日、仏)
英国総選挙(?)
6月 オートマ2輪免許導入(1日)
日韓国交正常化40周年(22日)
慰霊の日、沖縄全戦没者追悼式(23日)
イラク多国籍軍駐留見直し期限(8日)
IAEA理事会で新事務局長選出(13日、ウィーン)
特殊相対性理論誕生100周年(30日)
ARF閣僚会議(下旬、ラオス)
7月 子供環境サミット2005(26〜29日、豊橋)
ノーベル平和賞受賞者サミット
(29〜31日、広島、長崎)
東京都議会選挙(?)
G8サミット(6〜8日、英スコットランド)
IOC総会が2012年夏季五輪開催地を決定
(6〜8日、シンガポール)
米大リーグ・オールスター戦(12日、デトロイト)
8月 終戦60周年、全国戦没者追悼式(15日) 第10回世界陸上選手権(6〜14日、ヘルシンキ)
9月 日露講和ポーツマス条約締結100年(5日)
愛知万博閉幕(25日)
つくばエクスプレス開業(月内)


北朝鮮建国57年(9日)
米同時多発テロ事件から4年(11日)
日朝平壌宣言から3年(17日)
IAEA年次総会(26〜30日、ウィーン)
国連総会(安保理改革?)(月内、ニューヨーク)
2005QDR?
10月 三菱東京GとUFJ経営統合期限(1日)
道路公団民営化で3会社発足(1日)
東京モーターショー(21〜11/6、幕張)
衆参統一補欠選挙(23日)
ノーベル各賞発表(上中旬)
台湾高速鉄道(台北―高雄)開通(月内)
OECD閣僚会議(月内)
ポーランド大統領選(月内)
11月 自民党結党50周年(15日)
プロ野球ドラフト会議(月内)
APEC首脳会議(18〜19日、韓国・釜山)
アセアン首脳会議(月内、クアラルンプル)
東アジアサミット?
12月 日本新語・流行語大賞表彰式(1日)
阪神タイガース発足70年(10日)
イラク自衛隊派遣延長期限切れ(14日)
WTO閣僚会議(13〜18日、香港)
イラク新政府樹立期限(31日)
香港ディズニーランド一部開業(月内)


○イラクの国民議会選挙(1月30日)が「大統領就任式」(1月20日)や「一般教書演説」(下旬、おそらく25日頃)よりも後になったというのは、アメリカとしても自信がないからなんでしょうな・・・・てなことが見えてくるのが、このカレンダー作りの面白さです。

○そうかー、2005年のG8サミットは英国が主催国。でも、日程はまだ公表されていないらしい(失礼、7/6-8、スコットランドで実施予定)。そもそも、ブレアは5月の総選挙を乗り切れるんでしょうか。英国は7月からはEUの議長国にもなるので、この選挙を勝てるかどうかは非常に大きな分かれ道になるのですね。

○今年が選挙の当たり年であったこともあり、2005年は大きな選挙が見当たらない年です。そんな中で、注目は統一補欠選挙の衆院福岡2区。ヤマタクさんは返り咲きできるでしょうか。

○こんな調子で、後からドンドン書き足していきますので、皆様、思いついたものがあったら、ご協力をお願いいたします。


<12月7日>(火)

○共同通信社発行の「ニュース予定2005」を入手した結果、昨日のカレンダーは上記のように立派になってきました。こんな風に作ってみて気がつくことを、とりあえずは国内に絞ってコメントしておきます。

(1)阪神大震災やオウム事件があった1995年からちょうど10年。あの特異な年を振り返るような行事が多く想定される。その1995年は「戦後半世紀」であった。従って、2005年は「戦後60周年」である。第2次世界大戦を振り返る行事が多い。1995年には、「戦後政治の総決算」という言葉が良く使われた。2005年はその敗者復活戦といった様相を呈するかもしれない。

(2)国内政治においては、さしたるイベントがない。少なくとも国政選挙の予定はゼロ。気になるのは、過去、「東京都議選が行われた年は天下大乱」というジンクスがあることで、2001年は小泉政権発足、1997年は戦後初の金融不安発生、1993年は55年体制崩壊と細川政権の発足、1989年はリクルート選挙、1985年はプラザ合意、と一種壮観なほどである。2005年の波乱材料といえば、せいぜい統一補選のヤマタクさんの行方ぐらいで、あんまり荒れそうには思えないのだが、「一寸先は闇」という永田町の格言を噛み締める必要があるだろう。

(3)小泉政権は4月で4年目を迎える。通常国会では郵政民営化が目玉になるが、これは意外にも粛々と実現してしまうのではないか。それくらい反小泉勢力は力がない。問題はそれを乗り越えてしまった後で、「聖域なき構造改革」もネタがなくなってくる。いよいよこれまで避けてきた課題が目の前に浮かんでくる。ひとつは「憲法改正」で、11月の自民党50周年がひとつの区切りとなる。

(4)もうひとつの課題は「増税」だ。2005年秋になれば、「小泉さんの任期はあと1年」ということを誰もが意識し始める。そして小泉首相は、「私の任期中は消費税を上げない」「でも議論することは結構」と言い続けてきた。つまり小泉政権下で行革を進め、次の政権で消費税増税ということだ。おそらくその時期は2007年1月ないしは4月であろう。

(5)景気はどうか。4月1日のペイオフ全面解禁は、おそらく大きな波乱なく乗り越えられそうだ。外需の伸び悩みとハイテク関連の調整により、2005年前半は足踏み局面になるだろうが、年後半には再び回復軌道に乗ると見る。先の貿易動向調査(12月1日分参照)の予測もあって、輸出に対しては筆者は楽観的。また、「3つの過剰」を解消した日本企業は、「平常への回帰」を果たしており、設備投資意欲は高い。

(6)外交日程としてはロシア関連が目立つ。日露和親条約150年、ポーツマス条約100年のこの年、日露間の領土問題を解決し、平和条約を締結するチャンスといえる。

(7)いわゆる「箱もの」の開業も多い。中部新空港(2月)、愛知万博(3〜9月)、つくばエクスプレス(9月)など。ちょっと目を引くのは年末の香港ディズニーランド開業で、久々に香港がブームになるのかも。


<12月8日>(水)

○今週は、ワシントンインサイダーの中では結構有名なN氏が来日中である。ベテランの政治アナリストで、特に東アジア情勢に強く、日本に顧客が多い。彼のニューズレターは、ときに誤報もあるけれども、人事の早耳情報については定評がある。と書くと、内輪の人にはもう誰のことだか分かってしまうだろう。この上、「見掛けがサンタさんみたい」とまで書いてしまうと、ほとんど駄目押しかな。

○そのN氏とお昼に面談して、次のアポイントまで若干の時間があるようだった。当方も1時間くらいなら大丈夫、という状況だったので、ちょっくら都内観光はどうだ、と持ちかけてみた。行き先は目下のホットスポット、靖国神社である。もちろんN氏は行ったことがない。そりゃあいい、ということになった。なにしろ今日の都内は小春日和のような好天、そして今日はよりによってパールハーバーの記念日である。日米の政治オタクが共に語らいつつ散歩するには、絶好のスポットではあるまいか。

○九段下の靖国神社は、外国人が好んで訪れる場所ではないだろう。英語ではよく"Japan's War Shrine"などと表記されてしまうので、"Evil"な場所というイメージが強いと思うけど、実際に足を踏み入れてみれば、そこに広がる平和な情景は普通の神社とさして変わらない。ということで、静かな空間を案内しつつ、「パウエルが辞めるとは思わなかった」などという話をする。(N氏もまったく同じ読み筋で外していた。10月末の訪中はやはり"Happy Retirement Tour"だったのだろうか?)

○そこでついつい、「ミュージアムも見ていこう」と衆議一決し、二人して大人800円の料金を払い、新装開店となった遊就館に足を踏み入れたのである。

http://homepage3.nifty.com/tompei/Yuusyuukan.htm

○新しくなった遊就館は当方も初めてだったのですが、これがスミソニアン博物館級の迫力でした。古代から現代に至る戦争関連の展示物が盛りだくさんでとにかく面白い。中世の武士の刀、戦国時代の火縄銃などは、見事なほど美しい。もちろんゼロ戦の現物や戦艦大和のレプリカも並んでいて、これらを見ていると、日本は戦争があったから優れた工業製品が生み出されたのか、それともなまじ工業力があったから無謀な戦争をしちゃったのか、悩んでしまうほどである。

○実はN氏は相当な歴史マニアで、アメリカでは大勢の仲間と共に壮大な「南北戦争ごっこ」をやっているような人である。展示物を見ているうちに、だんだんその片鱗が表れ、戊辰の役で使われた銃を見て、「英国製のスナイドル銃だ」などと言い出すではないか。見ればホントにその通り書いてある。つまり新政府軍のスナイドル銃は元込め式だが、幕府軍のゲベール銃は先込め式で、戦闘力がまるで違った由。そういえば、そういう説明を司馬遼太郎で読んだ記憶がある。

○南北戦争で使われた銃が日本に売られ、幕末から明治の日本で使われた、という話は「ラスト・サムライ」でつとに有名である。N氏はもちろん、その辺のことは知っている。それどころか西郷隆盛のファンなので、西郷さんの写真を見て喜んでいる。

「西郷さんは天皇に逆らったから、靖国神社には祭られていない。あの映画に大村という悪役が出てきたでしょ?実は大村益次郎という日本陸軍の創設者がいて、そっちは銅像になって神社の玄関に立っている」

などと説明していると、本当に明治維新が「ラスト・サムライ」の話になってしまうから不思議である。アメリカ人が理解しやすいようなストーリーにすると、やぱりあんな風になってしまうのだろうか。

○その後、日清、日露戦争から満州事変、支那事変、そして泥沼から三国同盟へと展示は続いていくわけで、こりゃどっかで日米の「イデオロギーの衝突」が始まるかと思ったら、N氏のマニアぶりはとどまるところを知らず、「子供の頃に戦艦大和のプラモデルを作っていた」などという。それってワシと同じじゃん。政治アナリストは往々にして歴史マニアであり、ときには「軍事オタク」であるという好例であって、それはまあ当方も似たり寄ったりであるので、「おお真珠湾だ」「ミッドウェイだ」と、日米は対立するどころではない。

○などとすっかり意気投合してしまった「パールハーバーの日」でありました。オタクはイデオロギーよりも強いのだろうか。


<12月9日>(木)

○外資系で聞いた話。

「外国人客に聞かれるんですよ。なんで日本は外貨準備をユーロに変えないのかって。そういうとき、『日本は北朝鮮問題もありますしねえ』というと、理解してもらえるんです」

「甘いなあ。そんなの、『日本はアメリカのメインバンクですから』といえば一発じゃないか」

――もうじき不良債権の「メイン寄せ」が始まる?


○金融界で聞いた話。

「銀行はもう不良債権なんて怖れちゃいません。ちゃんと逃げずに説明すれば大丈夫。彼らが今、いちばん怖いのは『検査忌避』。これ最強。資料を前にした検査官が、『これで全部ですね?』と聞いた瞬間にさっと空気が凍る。『ちょっと待ってください』。慌てて人が走り始めます」

――「それでは、そのドアを開けてください!」というセリフが、あまりにも劇的でしたからねえ。


○証券界で聞いた話。

「87年10月ブラックマンデー10周年、90年1月から3月東京暴落10周年、98年ロシア危機5周年、いずれも波乱がありました。一説によると株で大損を食らった法人投資家は全額損切りできる人を除き、大抵は評価損額をキャッシュ・デポジットして『エクイティ・スワップ』で密かに先送りにするケースが多く、満期が5年または10年であることからそのポジション解消が多いからとか。これでいくと、来年は3月の『ニック・リーソン10周年』が怖いイベントです

――いわゆる風説です。お気になさらぬように。


○街角で聞いた話。

「今度の新札って、実はICタグが入っているんだって。政府は今はまだ黙っているけど、完全に旧札と入れ替わったら、『実は・・・』と正体を明かすんだって。そうなったら怖いよ〜。国税庁がやって来て、『この家の中にはタンス預金が隠されている!』とか、分かっちゃうんだもの」

――新旧交代が意外と進まないのは、そういう不安心理があるからなのか?


<12月10日>(金)

○一昨日のN氏との靖国神社ツァー、ワシントン通の方には馬鹿受け状態で、「いいことしましたね」(在米保守主義日本人氏)、「私も遊就館に行ってみたい」(多田氏)、「誰のことだか、すぐに分かった」(Just for the Record氏)などの反響をいただいております。で、一昨日は後半部分をはしょったのですが、今日は後日談について少々。

○世界中、どんなミュージアムでもギフトショップはつきもの。遊就館も、コースの最後はギフトショップが控えている。カレンダーやマスコットはもちろん、戦艦大和のプラモデルなど「ミリオタ」垂涎のアイテムがごっそり並んでいる。後に判明したことだが、N氏は「軍帽コレクター」としても有名で、この機会を見逃すはずがない。そしてギフトショップには、旧大日本帝国軍や現在の自衛隊の帽子が多数並んでいたのである。N氏は慎重に品定めをし、帝国陸軍と帝国海軍の帽子を2点、それぞれ2500円相当を手にとった。そしてアメックスのカードを取り出した。

○が、しかし。レジの若い女性は冷酷にも「現金しか駄目なんです」。おいおい、世界中のどこのギフトショップで、クレジットカードを受け付けないところがあるんだよ。とはいえ、ここは主に田舎のおじいちゃんたちが上京してくる靖国神社。日本円を持たない外国人観光客など、滅多に来る場所ではないのである。

○悲しいかな、N氏のお財布には、帰りのタクシー代分の日本円しか入っていない。泣く泣く陸軍をあきらめ、海軍だけを購入。次のアポイントの目的地までは小生が送り届けることにし、タクシーの中でハタと気がついた。そうだ、ワシは金曜日にまたN氏に会う機会があるではないか。とりあえずその場で5000円札を取り出し、明後日返してと言ったら、「ああ、これで陸軍のを買っておけば!」。かくしてその日は、二人で大笑いして別れたのでありました。

○そして今日、某所で行われた研究会で、N氏と再会を果たしました。N氏は"Domo, Domo, Domo!!!"というメッセージ付きの5000円札を渡し、「あのあと、お金を下ろしてもういっぺん行ってきた。たくさん買ったよ」とニヤリ。あああ、やっぱり! 研究会の方も、ミリオタならぬポリティカル・ジャンキー風の発言が飛び交い、とっても実り多い一日でした。この次ワシントンに行くときは、ぜひ新しい軍帽をお土産に持っていこう。


<12月11〜12日>(土〜日)

○いろんなことがある週末です。以下は順不同。

○まずレイソル!良かったなあ、アビスパに勝って無事にJ1残留を決めてくれた。それにしても横浜F.マリノスと浦和レッズの死闘の陰で、なんとも情けない入れ替え戦であります。来年はもうちょっと上のほうで戦ってくれ。頼むぞ。

○台湾立法院選挙は野党連合の勝利。グリーンチームは過半数に至りませんでした。これだと陳水扁政権は、引き続き政策運営に苦労することになる。大変ですな。選挙結果に対し、らくちんさんが、「民進党が同じ与党内の台連へ対抗心を強め、より台湾志向に舵をきったのが一番の失敗だったように思う」と言っている。たしかに、「李登輝マジック」ならず、という感じですね。分析については、また後ほど。

○昨晩は町内会で初の防犯活動。そう、「火の用心」の季節の始まり。聞けばわが町内でも空き巣の被害が何件があるらしい。不思議とアパートばかりが狙われているようだ。責任重大、防犯部。

○今日はISFJ「政策フォーラム2004」へ。昨年と同様に、安全保障分野に関する学生の政策提言にコメントを寄せる。力作ぞろいですので、お暇な方はこちらをご参照。

○ひとつ発見したのですが、学生たちと話していてズレがあるのは、彼らが冷戦時代のことをあんまり知らないということ。ワシのような40代の者は、人生の半分以上が冷戦期であるために、「国連中心主義」などといわれても、つい「ふふん」と構えてしまうところがある。ところが今の学生は物心ついたときには90年代なので、結構なパーセプションギャップがあるようだ。

○終わってから控え室に戻ってみると、林芳正、長島昭久、中林恵美子、といったお馴染みの面々が。なんとそのメンバーで、これから日米関係をテーマにしたパネルディスカッションをやると言う。冗談で「僕が司会やりましょうか」と言ったら、司会は田原総一朗氏であるという。あはは、失礼しました。

○しばし雑談。長島氏「なーんだ、N氏というのはXXXXのことだったのか」。中林氏「どうりで最近、XXXXレポートが来ないと思った」。とまあ、ワシントン・オタクの世界はこれくらい狭い。田原氏、論争を喚起しようとするだろうが、これは苦戦は必至と見た。というわけで、パネルディスカッションは冒頭30分だけ見て帰宅。締め切りもありますもので。

○ところで「週刊!木村剛」「切込隊長」の間でブログ戦争が勃発している。楽しく拝見しておりましたが、岡本呻也に矛先が向かったのは明らかな誤爆と言えましょう。多少は昔から岡本氏のことを知っておりますが、彼がやっていたB&Bの会は、新井将敬氏のそれとはまったく無関係であります。それとあの、木村氏は富山出身というのも、及ばずながら私が証人となりましょう。ちゃんと富山中部高校の同窓会名簿にも名前が出てますし。


<12月13日>(月)

○いろんな人から喪中欠礼を頂戴しています。そうですよね、年賀状、書かなきゃいけないんですよね。それも年内に。今年もあと半月だというのに、その間に忘年会をあと4回やって、クリスマスツリーを出して、片付けて、大掃除をやって、年賀状を書いて、今年は帰省の飛行機の切符も買ってしまったし、ああ何と忙しいこと。

○考えてみれば、当方は喪中欠礼を1回もやったことがない。いかに一族、つつがなく生きているかということであろう。ありがたいことである。70過ぎて奥様を亡くされた某T氏からの喪中欠礼などは、ちょっと胸をつかれるような文章である。夕刊フジの書評を一緒に担当している村田信之さんの喪中欠礼は、村田さんらしい味わいがあっていい。そういえば、こんな本も出たんですよね。

○ちょっとショックだったのは、知り合いのKさん本人が6月に亡くなられたことを、奥様からの喪中欠礼で知ったこと。「45歳で永眠」とあるので、あんまり他人事ではない。病気で入院したというのは聞いていて、最後に見かけたときは「あらら、ずいぶんやつれたなあ」と思ったものでしたが。なんと言っていいか、本当に言葉に困ります。

○今日は会社の重たい仕事がひとつ片付いた。やれやれどっこいしょ。年内の仕事、あといくつ残っているのかなあ。


<12月14日>(火)

○いつも参加している研究会が2つ重なった。しかも時節柄、両方とも忘年会がついている。先に決まっていた研究会Aを優先することとし、まず研究会Bに出席し、そっちの忘年会は不義理をすることとして、そのまま研究会Aへ。それが終わってから忘年会A。テーマ的には「アメリカ発、ロシア経由、中台関係行き」。なんかもう、家に着いた頃には、頭の中はぐちゃぐちゃである。

○研究会Aには神保謙氏がいる。30歳と若いが、外交安全保障論の世界では「知らない人はモグリ」の人物である。その神保さんが先週末で、勤め先であるところの日本国際フォーラムを退職した。これから博士論文に専念するとのこと。本人はいたって楽しそうに、「これでめでたくNEETになりました」などと言う。屈託のない様子を見て、不意に思う。ええなあ、30歳独身は、「ニート」だなんて。44歳子持ちのワシの場合は、仕事辞めた瞬間、「失業者」になってしまうではないか。

○今日の会話でいちばん受けたもの。「ウィリアム・ペリーは知的でいいですね。あれに比べると、ラムズフェルドがアニマル浜口に見える」。そうだったのか。今のペンタゴンは気合で動いているのか。ふと、こんな馬鹿なセリフが脳裏に浮かぶ。

パウエル「イラクへ攻め込むですって?兵力は?作戦は?占領政策は?――ちゃんとプランはあるんでしょうね?」

ラムズフェルド「こらっ!戦う前から敵に呑まれてどうする! 気合だ、気合だ、気合だ―ッ!」

ブッシュ「ラミーの言う通りだ。われわれはかならず勝つ」

○中台関係については、とりあえず選挙結果はここにある通りですが、ちょっと見て気がつくのは以下の3点。

@投票率59.16%は台湾としてはかなり低い。これは組織票がある国民党に有利。
A与党グループ(民進党、台連)が得票率43.51%で101議席、野党グループ(国民党、親民党、新党)得票率46.85%で114議席ということは、与党に同士討ちが多くて効率の悪い戦い方をしてしまった。
B親民党と台連の議席が減っていて、台湾の政治は二大政党化が始まっているように見える。(次回選挙から小選挙区制に移行)。

○こうした戦術面の問題に加え、「台湾の選挙は予想通りにはいかない」「民意は総統選挙で中台統一にノー、立法院選挙で独立にもノー」という見方もできると思います。まあ、詳しい話は今週号で書いてみたいと思います。

○ところで、神保さんの先祖は富山県なのだそうだ。戦国時代の越中には、神保氏という大名がいた。弱小勢力であったために、よほどの戦国オタクでないと知らない名前である。「信長の野望」をやったことがある人なら、ゲーム開始早々に上杉謙信に侵攻されて滅ぼされるのが、越中の神保氏であることを覚えているかもしれない。神保家はその後、群馬に移ったそうで、なるほど、今日の富山で神保姓はそんなに多くないのはそういうわけであったかと、長年の疑問がひとつ解けた。

○そういえば、神保哲生さんの先祖はどうなんだろう。今度会ったら聞いてみよう。


<12月15日>(水)

○山根君からのコメント。彼も「信長の野望」はやり込んでいたようである。

神保さん、気の毒すぎです。
神保長職でプレイして打倒上杉というのは難易度の高いプレイの一つです。
神保氏張は、長職との関係が明確ではないようですが、神保町の名を残す祖先です。
バカにしてはいけません。

○そういえば、ワシも安房の里見氏で全国制覇したことがあったような。

○先日紹介した「日本のちから」の座談会がネットでも読めることを発見。以下の通りご紹介しておきます。

●座談会 ブッシュ再選後の日米関係をどう作るか

参加者/衆議院議員  大谷信盛
衆議院議員  上川陽子
衆議院議員  長島昭久
参議院議員  林 芳正
司 会/(株)双日総合研究所副所長  吉崎達彦

http://www.tkfd.or.jp/publication/reserch/chikara15_7.shtml 

○もうひとつ、全然関係ないけど、このサイトも楽しいよ。

●NHK労働組合のホームページ。

Q.「NHKの会長はどうして責任を取って辞めないのですか?」
A. http://nipporo.com/faq/qa02.html 


<12月16日>(木)

○今日のお昼、日本とニュージーランドの官民非公式会議に出席。3分間のプレゼン機会を与えられました。結構、面白がって聞いてもらえたような気がするので、記念に内容を下記しておきましょう。


●吉崎です。双日株式会社、旧日商岩井で企業エコノミストをしております。1996年から連続して日本ニュージーランド経済人会議に出席しております。この会議は毎年1回、両方の国で行われますので、私は96年、98年、00年、02年、04年と、都合5回、ニュージーランドを訪問いたしました。私にとってはほとんど「定点観測」のようなものです。

●おそらくこのような経験をもつ人はそんなにいないと思います。そこで本日はニュージーランド経済が、日本人エコノミストの目にどんな風に映っているかをお話しいたしたいと思います。ただし私がニュージーランドに伺うのは、いつも会議が行われる10月です。私の知るニュージーランドはいつも春でして、夏と秋と冬のことは存じません。たぶんに限られた経験に基づく観察でありますことをお許しください。

●第一にニュージーランドは、景気循環サイクルが非常に分かりやすい国です。到着してから2〜3日後には、景気がどうなっているかがほぼ読み取れます。経済の好調と不調が端的に為替レートに反映されます。今年10月に伺った際は、ちょうど景気がピークを打って、これから下り坂に向かうところだなという印象を受けました。おそらくこの判断は間違ってはいないでしょう。

●日本のように面倒な構造問題を抱えている国は、サイクルが混乱していて先が読めません。ニュージーランドのような国であれば、エコノミストが予想を外して顰蹙を買うことは少ないだろうなと羨ましく感じるくらいです。私の同業者がイギリスにおりまして、同様な感想をもらしておりました。どうやらアングロサクソン型経済は、市場メカニズムが正常に機能していて、透明性と予測可能性が高いようです。このことはビジネス面において、長く付き合っていく上で非常に重要な要素だと考えます。逆にいえば、ニュージーランド側で日本向けのビジネスをしておられる方々は、こんな化け物のような日本経済を相手に、ご苦労が絶えないだろうとご同情申し上げます。

●第二にニュージーランド経済の特色は、恵まれた大地に少ない人口が住んでいるという点であります。つまり食料や資源などで対外的な供給余力があるということです。加えて、『ロード・オブ・ザ・リングス』の撮影ができるような美しい風土が残っているということも含めて、これこそニュージーランドの比較優位であると思います。

●このことは同時に欠点でもあります。国内競争が少なく、小さな市場が寡占化されやすい体質を意味します。かつてクライストチャーチのアイスクリーム工場を見学したことがありますが、1社でほぼ全国の需要をカバーしているという指摘に新鮮な衝撃を受けました。これでは供給側に、品質向上の意欲は生まれないでしょう。日本人がニュージーランドに対して覚える不満の大半が、この手の問題です。政府の政策が企業に対してフレンドリーではないとか、ホテルのサービスが気が利かないといった問題です。

●第三にニュージーランドは、本質的に資源国であるということです。現政権はそのことに満足せず、ハイテクやバイオといった新分野への挑戦を目指しているようです。それはまことに結構なことですが、ニューエコノミーに沸いた1990年代は過去のことであり、2000年代の世界経済においては、資源国こそが「勝ち組」であることを強調したいと思います。

●ハイテク分野への進出はけっして容易なことではありませんし、将来性はかならずしもゆたかというわけではありません。逆に農産物や林産資源は、どんな世の中になっても確実に需要があるわけですし、それらの輸出国としてのニュージーランドの地位を脅かす競争相手は、おそらく近い将来には出現しないでしょう。もう少し「オールド・エコノミー」を大切にされた方がいいのではないか、というのが私のrecommendationです。

●ご清聴、ありがとうございました。


○と、今日も手抜きモードで失礼。


<12月17日>(金)

○12月8日、10日に、ワシントンインサイダーN氏との靖国神社ツァーについて書きました。N氏、帰国後にご自身のレポートで「この目で見た靖国神社」についての論考を寄せてくれました。下記はそのサワリ部分。(Nxxxxx Reportは有料の媒体なので、遠慮しながらの一部公開です)。

After nearly 30 years of visiting Japan, we had time last week to go through Yasukuni carefully...and to read all the captions. Oh boy...for sure it would not be a good idea to let Chinese, Koreans, or former US/UK/Australian POW’s in to see it. (Imagine if the Ku Klux Klan wrote the history of the Civil Rights movement for a monument to Martin Luther King.)

On the other hand, the shrine has thousands of photos of the young men and women who fought, and died in WW2. We know these people...they are friends, relatives, neighbors, business partners. It just breaks your heart. But their and their families agony and sacrifice has been hijacked, and is lost in this soul-deadening place. Surely the Government has a national interest in cleaning up Yasukuni? A normal nation should be able to honor its war dead.

○N氏は、「靖国神社は、アーリントン墓地とコンフェデレーションフラッグ(南部の旗)の最善と最悪の部分が結合している」と指摘する。たしかに靖国神社は、日本にとって都合のいい「靖国史観」を主張している。それは中国人や戦時捕虜たちにとっては、受け入れがたい歴史観であるだろう。それでも、戦死者を悼むという目的自体を否定することは、適当ではないのではないか?

○全文を通し、N氏が熟慮を重ねて書いている様子が窺える。ワシントンの知日派の中でも、いろんな議論があったようで、例の「南北戦争仲間」からも、意見が寄せられた模様です。

○ともあれ、「日米関係マフィア」の間で、こんな風に問題意識を一歩進めてもらえたとすれば、「12月8日の観光旅行」は十分な価値があったと思います。


<12月18〜19日>(土〜日)

○この週末は寝てばかり。まあ、いいじゃないっすか。忘年会シーズンはようやく峠を越しつつある。来週は「中華」と「ふぐ」を予定。両方ともワシが幹事である。

○土曜日、ロイヤルホストに行ったら、「ブラックカレー」というメニューがあった。これって絶対、その昔『包丁人味平』を読んだ人間が考えたに違いない。あれってインパクトあったからなあ。

○明日は久しぶりにJ−WAVE「JAM the World」に出演する予定。昨年末に2004年を予言して、こんなことを発言しているのである。

@ネットベンチャー企業の反撃がはじまる!!!

AICタグの登場で“ドラえもん”の世界が現実になる!?

Bカリスマ経営からオンリーワン経営へ!

C世界的イベントでギリメシが大ブームに!?

Dスポーツ界の新トレンドは大橋巨泉!?

○ううむ、当たっているような、全然外れているような。さて、どうやってオトシマエをつけましょうか。今晩、考えよう。

○アクセスカウンターがもうちょっと大台に到達。200万到達はいつかな?


<12月20日>(月)

○会社の女性陣を誘って、クリスマスイブのランチを企画し、赤坂のフランス料理の某店に予約の電話を入れてみた。すると、「あと席は2つだけです」。ううむ、そんな強気な言葉、久しぶりに聞いたぞ。この年末、意外と皆さん、羽振りが良いのではないだろうか。

○イブでなければいいんだろう、と、今日のお昼を約束していたKenboy氏を某店に連れて行く。案の定、すんなり入れた。二人で東アジア共同体とか、日本版国家安全保障戦略とか、その手の話。この際、これ以上有名になってもらっては困るので、某店の名前は厳秘とする。

Kenboy氏、知らない間にブログを始めている。知り合いにはカミングアウトしていないとのことで、読者はまだ少ない様子。覗いてみると、なかなかに読み応えありなので、お節介にもリンクを張ってしまう。ふふふ、これで明日にはアクセスが増えるであろう。と、まるでテロリストになったような気分である。

○まあ、読者が増えると書きにくいネタも増えるでしょうが、せっかくだから人気サイトに育ってもらって、ますます中身の濃い記事を読ませてほしいと思う次第。頑張ってね。


<12月21日>(火)

○忘年会シーズン真っ盛り、仄聞したところによると、自民党関係者の忘年会が盛り上がらないとのこと。皆さんが気にしているのは、「今年はいいけど、来年の今頃はどんなことになっているのだろうか・・・・」

○本誌の12月10日号でも書きましたが、来年の政局は前半と後半でまったく変わってくる。前半に郵政民営化を仕上げると(仕上がるに決まっている。だって、いつも通り「実を捨てて名を取る」んだもの)、後半は「聖域なき構造改革も本丸は落ちた」、「橋本派も息の根が止まった」、そして「小泉政権も残るところ1年」となる。結果として小泉政権は急速にレイムダック化が進む。そうなると自民党は、次の選挙で勝てる気がしなくなるという寸法だ。

○そこで11月15日の自民党結党50周年に、憲法改正試案を出して大いに盛り上がろう、というシナリオがある。でも、よくよく考えてみたら、日本国憲法の第96条はこんな風に書いてある。

第九十六条【憲法改正の手続】

 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

○衆参両議院の3分の2の賛成は、できないことではあるまい。が、国民投票で「その過半数の賛成」ということは、有権者数の過半数を意味するのであろう。するってえことは、国民投票の投票率が50%であれば、ほぼ実現は不可能ということになる。なーんだ、憲法改正なんて、できっこないじゃん、このまま「解釈改憲」を続けていくしかないんだあ、と気づいた時点で脱力感を味わうことになる。

○「外交で得点を」という声も聞こえてきそうだ。でも、@「日朝国交正常化」、A「北方領土返還」、B「国連の常任理事国入り」、どれをとっても難しい。ついでに言えば、この3つの課題は確かに望ましいことではあろうけど、一般国民が喝采を叫ぶような話ではない。@「何、あの金正日と?」、A「うへえ、金がかかってしょうがない」、B「ふーん、それで?」というのが、関の山であろう。たしかに歴史に名は残ったとしても、政権の浮揚力にはつながらないはずである。

○ということで、来年後半になると、目標もなければ元気もない小泉政権と、もはや逆らう気もない自民党抵抗勢力が、刻一刻と迫る下野の瞬間を待つ、てなことになりかねない。さて、どうする、自民党。

○ひとつ考えられるのは、次期通常国会で郵政民営化を継続審議にしてしまうことだ。「構造改革の本丸」を落とすのは、やっぱり2006年にとっておき、「郵政民営化を花道に、小泉首相の退陣」という美しい絵を描くのである。この一点において、小泉首相と抵抗勢力の利害は見事に一致する。

○では、何を理由に審議を遅らせるのか。幸か不幸か、次期通常国会冒頭で浮上するのが「対北朝鮮経済制裁問題」である。目下のところ、経済制裁せよとの声が世間に澎湃と満ち満ちている。「横田めぐみさんの遺骨は偽物だった」ことへの、国民の怒りは深い。お陰で小泉政権の支持率は、3割台に落ちてしまったほどだ。余計な話だが、支持率低下は(朝日新聞が言うような)「イラクへの自衛隊派遣延長」はほとんど関係がない。自衛隊派遣に反対している人は、もとより「反小泉」なのだから。北朝鮮への対応をめぐり、これまで「小泉支持」だった人たちが離れつつあるという点に、事態の深刻さがある。

○しかるに経済制裁を行うとあれば、問題は一杯出てくる。韓国の動向も問題含みであるし、なにより先方は「宣戦布告と見なす」と言っているのである。北朝鮮が日本に宣戦布告するとしたら、テポドンが飛んでくるより早く、工作員によるテロ事件を警戒しなければならない。つまり地下鉄に薬品が撒かれただけで、恐れおののかなければならないということだ。今の時点では「空気が支配する日本」の典型的な状況だけど、この辺を考え出すと結構、悩ましい。

○しかもですな、来年3月には思いがけない地雷が埋まっているらしいのだ。・・・という話は、長くなったのでまたいずれ。


<12月22日>(水)

○アクセスカウンター200万突破。たまたま1年前の12月22日が120万アクセスだったようなので、ちょうど1年間で80万増えたことになる。皆さまのご愛顧に感謝いたします。

○昨日の記述に対し、複数の方から、「憲法改正に必要な過半数とは、有効投票もしくは、投票総数の過半数とする説が有力ではないか」とのご指摘をいただいております。私もてっきりそうだと思っていたのですが、憲法改正の手続法を決める時点で意見が分かれることは間違いなく、その点に関して関係者は楽観していない、ということを聞いたものですから、「へえ〜」と思った次第。

○さて、「来年3月に埋まっている地雷」という点について。昨晩の時点では特ダネだと思ったのですが、今日になって調べてみると、案外と知れ渡った事実でもあるようです。

(1)まずは国土交通省のホームページをご参照ください。 http://www.mlit.go.jp/kaiji/insurance/insurance_portal.htm

我が国沿岸に放置される座礁船の問題等に対処する為に、2004年4月に「油濁損害賠償保障法」が改正され、外航船へPI保険加入が義務付けられることとなります。これにより、2005年3月1日以降、

PI保険等に未加入の外航船は、入港が禁止されます
・船内に証明書等を備え置くことが必要です
・入港時に地方運輸局等への事前通報が義務付けられます

ということが紹介されています。

(2)次に「油濁損害賠償補償法のまとめ」というサイトをご参照。 http://yasz.hp.infoseek.co.jp/log2/yudaku.htm

これは「小泉総理は運が強すぎる 〜小泉超ラッキー伝説〜」というサイトの中で説明されているものです。なんと当「溜池通信」へのリンクも張ってあったりして。で、この労作が、分かりやすい説明をしてくれています。

<概要>

○来年3月から日本に入港する100トン以上のすべての船に適用。

(難破・海難事故に遭った場合の)油漏れに関する保険がない船は日本に入港できない。

現時点で保険をかけていない北朝鮮船は日本に入港する北朝鮮船の98%。

○船級という被保険船に対する格付けを貰わないと、この保険はかけられない。

○船級を与えられるのは英国法に基づいて認定された会員国準会員国のみ

○韓国や中国も他国に船級を与える事はできるのだが、瑕疵(不備により条件を満たさないなど)を知りながら恣意的に与えると、船級与える協会から即日追放に。最低でも50年は復帰できない。

○そもそも、艦齢が15年とか30年以内でないと船級もらえない場合があるので、老朽船の多い北の船の90%以上は、まず絶望的。

○北が政治的圧力を掛けても、被保険の条件に関する部分はすでに英国法の運用にだけ任されたので、日本の官庁は関知しないし官庁をたらいまわしにされるだけ。

○諦めて外貨を吐き出して船級の取得できる船を新造・購入しない限り、日本には入れない。

○日本が経済制裁しなくても自動的に制裁発動。

(3)結論:来年3月1日になると、マンギョンボン号などの北朝鮮の船は、日本へは入港できなくなる。この瞬間、事実上の経済制裁が行われると見てよい。

(4)感想:この法改正は、2002年に茨城県沖で座礁した北朝鮮の貨物船が油汚染を引き起こしたまま放置されたことが発端となっている。そういう意味では自業自得ですが、どこへ話をねじ込んでも、日本政府が言い逃れできるようになっているところが素晴らしい。「未必の故意」というのは、こういうのをいうのでしょう。

ひとつ考えられるのは、来年2月に「駆け込み入港」があいつぐであろうとか、3月以降は100トン未満の小さい船がウジャウジャやってくるとか、そりゃま背に腹は代えられませんから、いろんなことが起きるのでしょう。さて、問題です。北朝鮮はこれを「宣戦布告」と見なすのでしょうか?あるいは、現時点で彼らはこのことに気づいているのでしょうか?


<12月23日>(木)

○ま、こういうものでも見て、この季節特有の雰囲気にひたってくださいな。さっき試してみたら、ホンチャンの英語サイトは世界中からのアクセスが集中して読めないほどですが、日本語版は知られていないらしく、簡単に開きました。さあ、サンタさんを追跡しよう!

http://www.noradsanta.org/japanese/ 


<12月24日>(金)

22日に紹介したサイトにおいて、早くも加筆が行われておりました。当方の疑問に答えていただいております。感謝申し上げます。

Q1)100トン未満の船がうじゃうじゃ来たらどうするのか?
A1)日本海、特に冬の日本海というのは、海が激しく荒れるため世界的にも非常に航行が難しいので有名な海域。だからこそ海難事故が頻発する海域でもあるが、北朝鮮から日本に渡ってくるためには100トン以上の排水量のある大型船でなければ転覆の可能性が高まる(というより、北朝鮮の港をそもそも出港できない)。100トン未満の船は、「来ようにも来られない」のが実態なので考慮しなくていい。

Q2)2月に駆け込み契約や新造があるのでは?
A2)北朝鮮の所有する船の船齢と状態では、ロイズなど英国法に基づく契約をほとんど結べない。マンギョンボン92号などの造船は、日本国内の在日朝鮮人(総連)の寄付で行われた(バブル時代の収益による寄贈品)が、今から駆け込みで慌てて作れるほど、大型船の建造は短期間ではできない。その費用も莫大で、仮に実際に新造船を造らせ、保険に入らせるだけで相当額の経済的負担を「北朝鮮当局」と「日本国内の北朝鮮協力勢力」に課すことができるため、北朝鮮に経済的負担をおわせる(=制裁)の実効効果は充分にある。船の出入りを止めること=貿易の差し止め、ではなく、「それに伴う費用の高額化」という部分で負担を負わせるというカラクリになっている。

Q3)2005年2月に駆け込み入港があるのでは?
A3)2月は金正日国防委員長の誕生日があるので、それに備えた「貢ぎ物需要」による入港が相次ぐのが例年の風景。ただ、冬の日本海を越えられる船となると北朝鮮でも数少ない上に、まず新潟港などが寄港地となるが、新潟への入港制限は2005年1月1日には開始される(新潟県条例)。2月の駆け込み入港では、すでに間に合わない恐れがある。

(溜池通信で紹介されたのを機に、内容の重複を承知で補足しました 2004/12/23)

○一説によれば、本件については国土交通省内でも「どうしましょ、大丈夫かしら」という心配があるらしい。でも、こんなの、「知ったら仕舞い」の典型例ですから、安全保障上の観点からも大騒ぎしてしまった方が得策というものです。

○ということで、皆さま、心穏やかに聖夜をお過ごしください。


<12月25〜26日>(土〜日)

○考えてみたら、今年は家でテレビ観戦の多かったJRAですが、今日は出かけなければなりませぬ。なにしろ有馬記念ですから。思えば今年は、エリザベス女王杯のアドグル以外、G1を取った記憶がない。まあ、はっきりいって下手なだけなんですけどね。有馬記念は、過去3年連続で単勝を取っているので、今年も内心、ちょっとだけ期するところがある。

○暮れの中山競馬場は12万人の人出。パドックで人の波をかき分けて、15頭の勇姿を確認する。この単複で勝負しようと心に決めた菊花賞馬、Iデルタブルースは18キロ増である。でも、前回のJCのときに馬体が絞れていたから、これでいいのだと自分に言い聞かす。上海馬券王がいみじくも喝破したように、2001年のマンハッタンカフェのパターンを期待している。95年のマヤノトップガンもそうだが、菊花賞と有馬記念は親和性が高いのだ。欲ボケしたかんべえは、2001年の2着馬、アメリカンボスの再来まで期待して、デルタブルースからシルクフェイマスなど薄めへの馬単を小額ずつ買い込む。

○ゴール前の人ごみに紛れ込む。ぎゅうぎゅう詰めである。ときたま後ろから押されて将棋倒しになりそうになる。上空にはヘリコプター。年の瀬の情景を録画していると見える。スタンドを見上げれば、馬主席や来賓席から見下ろしている人たちがいる。ああいった席から有馬記念を見るのも良かろうが、競馬にネクタイは不要であるという気もする。そしてファンファーレ。競馬新聞を振って唱和する群れの一員となる。ああ、なんとお馬鹿な。これぞG1レースの快感。

○暮れの芝生が痛んだ中山では、先行逃げ切りが必勝法である。たとえそれが有馬記念の2500メートルであっても。Hタップダンスシチーが先行するのは当然として、@ゼンノロブロイが果敢にこれを追う。さすがはペリエ騎手、柔軟に構えている。逆にここで出遅れたCコスモバルクは、五十嵐冬樹騎手の限界が早くも出た感あり。わがIデルタブルースは、5番手当たりにつけている。良きかな、よきかな。

○第4コーナー。Hタップと@ロブロイが並び、Iデルタがすぐ後ろにつける。ここから末足爆発、のはずが、タップとロブロイの足がそれを上回った。強い強い。ゼンノロブロイが差す。弱いといわれた四歳馬であるが、この場にいないネオユニヴァースやザッツザプレンティが大挙して後押ししているかのよう。去年、あのシンボリクリスエスが破ったレコードをまたまた塗り替えた。これで秋のG1三連荘。ペリエ騎手は有馬を三連勝。やはり有馬記念は強い者が勝つ。絶不調のところを、しっかり2着につけたタップダンスシチーも「流石」であった。

○馬券は取れなかったが、これって結構、名勝負だったかも。上海馬券王先生が嘆くように、JRAはいろいろ限界に直面しているように思えるけれども、年の瀬の風物は今年も健在であった。デルタブルースには、来年の春天で頑張ってもらうとしよう。


<12月27日>(月)

○有馬記念異聞。今年は「韓流」の年。「ぺ・ヨンジュン」さまにちなんで「Cコスモバルク―Iデルタブルース」などという語呂合わせを囃していた人がいたが、「ヨン」や「ジュン」よりも「ぺ」=ペリエ様の方が先。「チョー気持ちいい」なんて言われちゃって、ああ、もう、私どもが馬鹿でございました。なるほど、これではデルタブルースに出番はない。

○もう忘年会も打ち止めかと思ったら、今宵は神田の「ランチョン」という美味い洋食とビールを出す店で、岡崎研究所やら産経新聞やらの皆さまが集結。いつも思う事ながら、「鷹は群れず」というのは嘘、とはいわないまでも単なる理想論であって、こういうときのタカの皆さまは、「なぜ英仏は役に立たない中途半端な核兵器を保有するのか。その理論的根拠やいかに」てな論議を肴に、楽しくビールを飲むのである。

○さて、いくつか笑ってしまった話をご紹介。

○「最近のラムズフェルドは、海老沢化が進んじゃいませんかね?」「こらっ、エビジョンイルを美化するではない!」

――ラムズフェルド国防長官、かんべえの見るところ、「2005年版QDR」が出るまでは辞めるに辞められない立場なるも、世評はまことに厳しく、最新のギャラップ調査においても全国民の52%、共和党支持者でさえ33%が「辞めるべし」と答えている。とくに12月15日付ワシントン・ポスト紙で、「ネオコンの総帥」ビル・クリストルが「ラムズフェルドは辞任せよ」と寄稿した事実は重い。そのうちペンタゴン内の労働組合HP(そんなもん、ないけど)で「なぜ長官は辞めないのでしょう?」てなことを書かれるかも知れぬ。

○「財務省対防衛庁の防衛大綱決戦。最終局面で、日経新聞が財務省になびいたのは許せるが、読売新聞の寝返りはけしからん」

――そりゃあ日経新聞はなびきますわ。読売新聞の背信は、やっぱりナベツネさんのせいではありますまいか。邪推かもしれませんけど、財務省は国税庁という「飛び道具」持ってますし。でも、そんな中で、最後までブレなかった産経新聞って・・・・・・。

○さる日の自民党の安全保障部会のひとコマ。前防衛庁長官が、現役自衛官に憲法改正の私案を求めた件が報告される日に、会場に突然現れたのはあのハマコー氏。「俺にひとこと言わせろ!」とマイクを握って吼えていわく。「頭の悪い奴が、頭のいい奴に話を聞いて、どこが悪いのだ?」 

――その場の全員、下を向いて沈黙であった由。

○台湾から李登輝前総統が訪日。例によって、中国は烈火のごとき抗議。「そんなにウルサイことを言うと、小泉さんが初詣に行っちゃうぞ。それでもいいのか?」

――なんで首相が某神社に参拝することが、外交上のカードになってしまうのでしょう。それで日本国民の懐が痛むわけでもないのに。そろそろ中国側も、本件の馬鹿馬鹿しさに気づいていただきたいもので。

○今宵のメンバー間で、期せずして生じた話題は、「今年は何回、桜チャンネルに出たか」。そういえば4回も出てしまったワシは、立派なタカの仲間なのであろうか。そういえば金美齢先生、美味しいからすみをどうもありがとうございます。


<12月28日>(火)

○今日は仕事納め。いやあ、お疲れの1年でした。今日はちょっと風邪気味。

○家に着いたら、驚いた。森内三冠王を破って、新竜王に渡辺明六段。いやあ、すごいです。まだ20歳。でもすでに子持ちだったりする。日本将棋連盟のサイトでは、まだ勝利を伝えていないので、ここはひとつ、竜王戦の主催者である読売新聞の記事で読まねばなりますまい。お、そうか局面を見るためには、竜王戦倶楽部を見ればいいのだな。ふむふむ。

○渡辺新竜王は、以前から谷川、羽生クラスの才能の持ち主として知られていた。変わったところでは、こんなHPを持っています。以前からちょくちょく覗いておりましたが、ついにブレイクしましたね。今期の竜王戦は下記の通り、フルセットの激戦でした。年の瀬の最終局が、中越地震のあった南魚沼市であったというのは何の因果か。

===第17期竜王戦七番勝負日程と結果===
□第1局 10月19・20日(火・水)韓国・ソウル「新羅ホテル」
      ○渡辺  明 六段−●森内俊之 三冠
□第2局 11月04・05日(木・金)北海道斜里町「知床グランドホテル北こぶし」
      ○森内俊之 三冠−●渡辺  明 六段
□第3局 11月17・18日(水・木)福岡県福岡市「ホテルオークラ福岡」
      ●渡辺  明 六段−○森内俊之 三冠
□第4局 11月24・25日(水・木)岐阜県下呂市「水明館」
      ●森内俊之 三冠−○渡辺  明 六段
□第5局 12月07・08日(火・水)愛媛県松山市「大和屋本店」
      ○渡辺  明 六段−●森内俊之 三冠
□第6局 12月15・16日(水・木)山形県天童市「滝の湯ホテル」
      ○森内俊之 三冠−●渡辺  明 六段
□第7局 12月27・28日(月・火)新潟県南魚沼市「龍言」
      ●森内俊之 三冠−○渡辺  明 六段


○羽生が19歳で竜王になったときと非常によく似た感じ。将棋の世界は、新しい時代が始まったといっていいのでしょう。


<12月29日>(水)

○当サイトで連載中の「退職のち放浪」がついにフィナーレを迎えました。ちょうど88本で終わるとは憎い演出でした。H君、お帰りなさい。最後がインドだったので、ひょっとしてスマトラ沖地震の被害に遭ってるんじゃないかなどと噂していましたが、無事に帰ってきたのは何よりです。

○かんべえの元同僚、H君が旅に出たのは2003年夏のことでしたから、かれこれ1年半にわたって放浪していたことになる。毎回の報告の内容は、ビールがうまいとか温泉に入ったといったことが多いのだけど、ときどき海外放浪の旅ならではの体験も伝えてくれる。ノモンハンやアウシュビッツからの報告は、思わず胸をつかれるものがある。他方、飛び込みで観戦したアテネ五輪の描写はとても楽しい。あるいは、「イランからパキスタンに入ったら急にメシがうまくなった」てな指摘は、行った人でないと分からないことだろう。

○私見ながらH君は、「おっちょこちょいのリアリスト」という、商社マンとして非常に適した資質を有している。危なっかしいことをしているようであっても、そんな無茶はしていない。読んでいて心配になったのは、モスクワでスリに遭ったときだけだった(第24話)。また、妙な思い込みや気負いがないので、文章には「海外放浪記」にありがちな臭さがない。これを読んで、「俺も会社辞めて放浪しよう」と思い立つ人は少ないだろうが、「俺も放浪できたらなあ」と潜在的に思っている人たちにとっては、なかなか良い読み物になったのではないだろうか。

○ということで、日本に帰ってきたH君に対し、仕事を紹介してあげようという人、あるいは30代独身のH君に関心があるという女性は、とりあえずかんべえ宛てにご連絡ください。それから、このシリーズを出版してみたいという編集者の方も。


<12月30日>(木)

○いよいよ今年も押し迫ってまいりました。ワシントンの「在米保守主義日本人」さんから、こんな年越しのメールを頂戴しましたのでご紹介申し上げます。

2005年は戦争終結以来60周年です。
昨今、独仏和解に事寄せて、日中の和解を勧める声あり。
小泉外交を難詰する主張になっています。

わたくし、これに大反対でして。
むしろ日本が死力を尽くして戦った米国と、今こそもっと和解すべきと考えます。
中国と和解するのは、先方がもっと危険な動物でなくなるまで待ちましょう。
北京が、S&Pとムーディーズの格付けを常時気にしなければならなくなるまで。
それまで待ったって遅くない。

新幹線なんか、北京は武器にしたつもりかしらないが、売りたくないのは日本です。
JR東海自体が、売ることに大反対なんです。
新聞記者は知らないからそれを書かない。
いまの小泉対中外交で、困っているのは北京で、日本ではありません。

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さて、日本人の対米観についてワシントンにいて思うことを3点。
1)硫黄島メモリアルを見る眼を変えよう。
2)US Navy, US Marine Corpsに与えた影響力を思おう。
3)カミカゼと自爆テロの違いを知ろう。

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硫黄島メモリアルについて、こう思います。

あれは、戦勝の凱歌を告げたものではない。
ましてや日本人に向かって、どうだ、やっつけてやったぞ、というものではない。
なぜ、いつまでもいつまでも、あの硫黄島メモリアルを大事にするのか。
それは「勝った」記念碑では、ナイ、から。

マリーンたちが流した血、汗、涙の記念碑だから、だと思います。
だからこそマリーンたちは、彼ら独特の、海兵隊「誕生日」式典で飾るのです。
硫黄島メモリアルの写真を、ですね。必ず。

その海兵隊の立場にたって、硫黄島メモリアルを眺めてください。

ああ、われわれの父たちは、こんなにまでして戦ったんだ。
すり鉢山に、旗を立てた勇者たちは、心で泣いていたのに違いない。
流した血と失った戦友の命のおびただしさを、思って泣いていた。
辛くて悲しい、絶望的な戦いに、やっと勝った、だから誰も、笑ってない。

地図で探すまで、見たことも聞いたこともなかった島まで、戦いにいったんだ。
こういう無私の、先人たちに支えられて、いまのわれわれがいるんだ。
いつまでも彼らの努力と、血と汗と、涙を忘れないでいよう。
アメリカの命と理念を守るため喜んで死んでいった彼らの死を無駄にすまい。

と、こういうことであることを、僕ら日本人、想像しませんでした。
アメリカ人も、説明しませんでした。
なぜアメリカ人は、こういう事情を教えてくれなかったか。
それは、メモリアルに託されたイメージが暗黙智だから。
いわゆる万感の思いの託されたものだったから。
涙腺の刺激によって伝わる何かだったから、だと思います。

さらに、そういうマリーンたちの涙と努力は、ベトナムに生かされました。
ベトナムに、硫黄島に行ったと同じ、無私の青年たちが送り込まれた。
もしこれがなかったら、カムラン湾は、ソ連のものでした。
日本は海上火災保険を、モスクワに払っていなければならなくなっていた。

それを防いでくれたマリーンたちの、繰り返しますが血と汗と涙。
それを、もっとありがたがりましょう。感謝しましょうよ。
おかげで日本の平和がある。アジアの離陸があった。
それを見た、中国毛沢東主義の瓦解があった。
こういうつながりを、忘れて思い出すことのできない人もいます。
ジョン・ケリーを、わたくし、日本人なのに、憎悪していることを付け加えます。

ところで、アメリカ海軍と海兵隊が今日あるのは、日本に鍛えられたからでしょう。
アナポリス海軍兵学校のフットボールスタジアムに行った人の話です。
アメリカ海軍が戦った激戦地の名前が、塀に、順に刻んである。
その半数以上は、太平洋の地名だというのです。

当たり前ですわね。
日本は米海軍と史上最初で最後の機動艦隊決戦を挑んだんでしょう。負けたけれど。
海兵隊は、硫黄島で、本当に辛い思いをしたのでしょう。
歯をくいしばって、なにくそ負けるものかという極限状態。
それを、日本だけです、アメリカ海軍と海兵隊に強いた「正規軍」は。

私の職場でも、海兵隊の誕生日が執り行われました。
一人でもマリーンがいると、やるのです。
そのマリーンの彼に、わたくし言いました。
もはや硫黄島メモリアルを屈辱の象徴とは見ない。誇りの源泉であると見なす。
なぜなら自分らの父祖が、きみらの父祖と死力を尽くしたその記念でもあるからだと。

彼、いうには、「そのとおりだ。日本は強かったのだから」。

米海軍と海兵隊を育てたのは、僕らの父親たちだった。
それを思ってもいいのではないですか。

そしてそういう米海軍と海兵隊が、横須賀と沖縄にいます。
いますけれど、これがもし、中国海軍と中国海兵隊だったらどうします

どんな日本になっているでしょうか。

これはこの先、台湾が取られてしまった延長に、日米安保がなくなったとした場合。
全く想像できない図ではないと思います。
入れ替わり立ち代り、新しい中国の船が来ては帰り、また来ては帰りしていたら…。
そういう日本は、わたくしごめんです。

ベンデッドニーで中国に接しなかったのが、聖徳太子以来の対中政策でしょう。
小泉はその踏襲をしているのだと、小生アメリカ人に言い、書きもしております。

最後に、自爆テロ攻撃が、イラクで相次いでいます。
自爆攻撃をカミカゼと同等にみなす見方が、なくなっていません。

腹立たしいですね。
この両者は、まったく違います。
イラクやパレスチナの自爆テロは、卑怯者の仕業です。
相手が、不用意な、無防備な、無予測な、ところに行って、だまし討ちをする。
それが自爆テロ。

カミカゼは、違います。ゼロ戦は…
はるか彼方から、急降下し、水面すれすれの姿勢をとります。
下手をすれば、波に呑まれる。
その下手をしたくないばかりに、機首を上げると、砲火に飲まれます。

そうして突っ込んでくる。
それにアメリカは、翼よ折れよ、プロペラよ裂けよと。
猛烈な十字砲火をくらわしたわけです。明々白々な攻撃と、抵抗でしょう。

これが、なんでだまし討ちの自爆テロと同じでありえますか。

酔っ払ったみたいな文章でした。
おわかりいただける皆様にぜひ申し上げたかったのです。

改めて、来年もよろしくお願いします。


○上記にいろんな脚注をつけたくなるのを我慢して、これだけに止めます。かんべえは今日の夕方の飛行機で里帰りします。


<12月31日>(金)

○富山は雪でございます。と思ったら、首都圏も含めて全国的に雪のようで。このままだと雪のお正月を迎えるところが多くなりそうですね。間もなく2004年も終わります。

○かんべえにとっての2004年は、アメリカ大統領選挙ウォッチングに明け暮れた1年でした。元来が趣味の延長とはいうものの、最後の方は結構、しんどい思いをしました。もっとも、そのお陰でテレビに出たり、いろんな研究会に呼ばれたり、このHPのアクセスが増えたりしたので、文句を言ったらバチが当たりますけどね。そういう選挙が少ない2005年は、きっと心安らかというか、少なくとも2004年よりは余裕のある1年にあってくれることと思います。

○それからこの1年で、会社の社名は変わり(日商岩井総合研究所→双日総合研究所)、事務所も変わり(お台場→赤坂)ました。長らくお世話になったお台場には申し訳ないけど、久々の赤坂はやはり居心地がいい。足回りの便利さや懐かしい店の数々に対し、ささやかな幸せを感じております。

○今年は久々に海外出張が台湾、米国、ニュージーランドと3回もありました。国内は内外情勢調査会の仕事を中心に、秋田、大館、尾道、足利、佐野、山梨、横須賀、軽井沢、上田、長野、春日井、水戸、焼津、茨木、福井、旭川、都城、宮崎に伺いました。国内の地方都市をたくさん回るのは、しみじみ興味深い体験です。今日、チラッと見てきた富山市内も、往時に比べると寂しくなっている気がします。2005年はそんな問題も考えていきたいと思います。

○それでは皆さま、お気をつけて、ご無事に新年をお迎えください。












編集者敬白



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by Tatsuhiko Yoshizaki