●かんべえの不規則発言



2018年8月





<8月1日>(水)

○「八朔」という言葉があって、旧暦8月1日のことを指すのだそうである。新暦では早稲が実る頃となるので、「お世話になった人に贈り物をする日」なのだそうだ。

○で、この八朔の日に行われたのが、テレビ朝日の鈴木裕美子さんへの感謝の夕べ。『サンデープロジェクト』と『朝まで生テレビ』のプロデューサーを務めた人である。あの田原総一朗さんを飼い馴らせるほとんど唯一の人とも言われている。ワシも一方ならぬお世話になっている。

○特に『サンプロ』では、鈴木さんがプロデューサーになった直後に、新任コメンテーター(松原聡教授の後釜)にご指名いただいたのが不肖かんべえである。当時のコメンテーター席は高野孟、草野厚、財部誠一、星浩、てな顔ぶれであったから、ワシなどは見事に「末席を汚す」という感じであった。いやホント、半年くらいでクビになったらどうしよう、と思いながら務めたものである。

○その昔、『サンプロ』のプロデューサーには引き継ぎ事項が3つあったそうである。他の2つは忘れてしまったが、1つは「いつも上着を着てくること」であった。その心は、「いつでもお詫びに行けるように」。これは納得の話であって、ネクタイはなくてもギリギリ何とかなるが、上着を着ていないと謝っているように見えない。これは立派な心がけだと思って、なるべく真似するようにしている。

○さて、時代は流れ、今は討論番組がどんどん減っている。フジの『報道2001』も終わっちゃったからねえ。かろうじて残っているNHK『日曜討論』は、どんな少数政党であっても、同じ回数の発言機会を与えなければならないという変な番組である(国会がNHK予算の承認権を持っているから仕方がないんですよねえ。NHKは政府に弱いというよりも、国会に弱いのだ)。

○しみじみ感じたのだが、『サンプロ』が華やかなりし頃であれば、今年のこの盛り上がらない自民党総裁選挙をどうやって取り上げただろうか。だって昔は、自民党総裁選がとっても面白いコンテンツだったのでありますよ。これは自民党の劣化であるという説もあるのだが、メディアの劣化やジャーナリズムの劣化であるのかもしれない。ネットやSNSや口コミの力も使って、何とか盛り上げていきたいものであります。


<8月2日>(木)

○築地のちょっと良い目のお店でランチ。いいお店だったのですが、隣のお部屋の団体客がとっても賑やかで、昼間から完全に宴会モード。若い人が多いようなんだけれども、とってもやかましい。

○昨今は夜の宴会が嫌われるので、歓送迎会などはなるべくお昼にやるようにしているのかもしれません。しかし、あれじゃあ午後は仕事にならんかったでしょうね。

○ここでくだらないダジャレをひとつ。米中貿易戦争でよく出てくる「トゥキディデスの罠」という言葉がありますよね。あのややこしい言葉を覚える簡単な方法をお教えしましょう。それはこういう会話です。


「朝日新聞社の最寄り駅はどこですか?」

「ツキジです」


○ああ、すいません。お恥ずかしい。でも私が考えたんじゃあ、ないんです。あの超・真面目なエコノミスト、尊敬措く能わざる菅野雅明さんが、米中対立を語るときにこのギャグを使うんです。トゥキディデスって。

○ちなみにホントのトゥキディデスは、英語では"Thucydides"と表記します。これ、難しくて発音できませんわなあ。ネイティブスピーカーも困ってしまうでしょう。われわれのようなノン・ネイティブは、さっさと諦めて「築地です」と言った方がいいのではないかと思います。


<8月3日>(金)

○久しぶりに神保哲生さんのビデオニュースに呼ばれる。テーマは「トランプの貿易政策をどう見るか(仮)」だというから、何の予習もせずにのこのこと出かける。

○そしたら神保さんが会うなり、「吉崎さん、QAnonて知ってる?」と聞くのである。え、何それ? いや、こないだからちょくちょく見かける単語なので、何のことだろうと不思議に思っていたんです〜。

○とりあえずウィキペディアの説明はこんな感じ。


QAnon refers to a conspiracy theory centered on Q, an online handle used on several image boards by a presumably American pseudonymous individual or group of individuals claiming to have access to classified information involving the Trump administration and its opponents in the United States, and detailing a supposed secret counter-coup against the alleged "deep state".

The conspiracy theory, mainly popularized by supporters of U.S. President Donald Trump under the names The Storm and The Great Awakening, has been widely characterized as a "baseless","unhinged","evidence-free", "deranged conspiracy cult".


○トランプ大統領を支持する匿名の陰謀論者集団なのである。よくよく見ると、トランプ支持者の集団の中に「Q」を旗印にしている人たちがいる。そのことが、とうとうホワイトハウスの記者会見でも飛び出したので、いよいよ表舞台に出てきた。もうちょっと詳しく知りたい方は、この記事なんかがよろしいかと存じます。

○いやあ、とうとう来るところまで来ちゃった感じですねえ。こんな怪しげな連中まで味方につけちゃって、もうアメリカ合衆国大統領としてはかな〜り拙いんじゃないでしょうか。というか、このムーブメント、まさかロシアの情報操作じゃないんでしょうね。でも、陰謀論者って互いに親和性が高いから、ネット上で勝手にどんどん広がって行っちゃうかもね〜。

○ということで、不肖かんべえが登場するビデオニュースは、明日の夜にアップされる予定です。いやあ、勉強になったなあ。

→後記:アップされました。米中貿易戦争と「Q Anon」とトランプ政権の行方


<8月4日>(土)

○とっても久しぶりに替え歌のご紹介。


●お久しぶりね (小柳ルミ子)


お久しぶりね 政策変更は あれから 何年 たったのかしら 

少しは私も おとなになったでしょ 緩和は 続ける そういうことね


日本だけのつもりが グローバルにも波及して

別れづらくなりそうで なんだかこわい


それじゃあさよなら 副作用 冷たく背中をむけたけど

今でも金利は低過ぎて なんだかこわい


もう一度 もう一度 生まれ変わって

もう一度 もう一度 やり直したいね。


お久しぶりね こんな日中に あなたから 電話をくれるなんて

おかしいくらい まじめな声で 指値を迫るから 眠気もさめた


もしも今でも緩和なら 異次元緩和に恋をして

株を育ててみたいねと 笑ってみせる


それじゃあさよなら 元気でと 冷たく受話器を置いたけど

期待は知らずに溢れ出る どうかしてるね


もう一度 もう一度 生まれ変わって 

もう一度 もう一度 やり直したねいね。


もう一度 もう一度 生まれ変わって 

もう一度 もう一度 やり直したねいね。



●何も言えなくて・・・夏 (J-WALK)


(市場参加者)

ずっと考えてたんだね 知らなかったよ 出口をいつも 狙ってたなんて

信じられないのさ こんなに円安になるまでに皆 待っててくれたのに

「どんな悩みでも 打ち明けて」 そう言ってくれたのに


時がいつか 市場をまた 金利があった あの日のように導くのなら

コミュニケーションすることの 意味をあきらめずに

語り合うこと 努めることを 誓ってほしい

「私には緩和だったの あなたには利上げでも」

笑みを浮かべた 君の瞳に 何も言えなくて また信じていたから・・・・


(日本銀行)

もうYCC辞めた方が いいと言われた日 やっと解った事があるんだ

気づくのが 遅いけど 世界中の悩み ひとりで背負ってたあの頃

俺の背中と話す地銀は 俺より辛かったのさ


時がいつか 僕らをまた 初めて会った あの日のように導くのなら

利上げのように 緩和のように 意味を忘れずに

あたりまえの 政策などないと 心に刻もう


金利が上がっても円安 拍手しか聞こえない

もうこれ以上 苦しめないよ 背中にそっと「がんばれ」・・・・・



<8月6日>(月)

○何度か講師として呼ばれたことのある会合で、「今度、石破さんの講演会をやりますから・・・」と案内があり、いそいそと衆議院2議員会館へ出かける。受付で会費4000円也をお支払いし、勧められるままに厚かましくも最前列に陣取る。

○会場の1階多目的会議室はもちろん満席で、報道各局のカメラが入っている。そして本番5分前になって会場に到着したのが、石破元自民党幹事長である。いつも通りの含羞を含んだたたずまい。「来たる総裁選では、安倍首相と一騎打ち・・・」と司会が煽ると、「安倍さんも私も、まだ出るとは言っていないんですけど・・・」と言ってニッコリ笑う。でも、「今回出ることは私の責務」とも言った。かくして約1時間の講演が始まる。

○いつも通りの石破節である。理屈っぽくて、あんまり笑いを取るという感じではない。自民党を離党した際の話から始まる。小沢一郎に騙されて党を割ったけど、青い鳥はいないと気づいて自民党に戻った。自民党を変えねばならないと。野党時代に、谷垣総裁ー大島幹事長ー石破政調会長で党綱領を改正した。今はその綱領に定めたような党(自由闊達な協議、多様な組織との対話、公正な国会運営、謙虚な政府運営)ではなくなっているのではないか。

○それから安倍首相の9条改正案を批判。9条3項を追加するのはおかしいでしょ。これなら現状を変えないで済むから、で憲法を変えるのはおかしい。せめて、先に党員に向けて言ってほしかった。だって党の憲法草案があるんだから。安倍さんは消費増税の使い道を変える点も、党内には聞かずにいきなり国民に問うた(解散した)。

○それから人口減少と労働問題、地方創生、農業問題、医療費、日米関係などについて。全体に元気が出るような話ではなくて、明るくもない。これで天下を取ろうというのはちょっとツライ気がする。とはいえ、総裁選はまだまだ序盤戦。もうちょっと工夫して、前向きなメッセージが欲しいところですな。

○質疑応答の段になったので、手を上げて「総理・総裁になったら、来年のG20大阪サミットをどんな風にしてみたいですか?」と聞いてみた。すぐに帰ってきた答えは以下の通り。


●力による現状変更を認めない、ということをロシアと中国に向けて言いたい。それはかつての日本が試みたこと。その結果として、国際法を遵守する日本になったのだから。

●経済面では自由な貿易体制が大事。グローバリゼーションの時代は、「××ファースト」の勢力が出てきやすいが、新興国を含めて、そういう事態を認めてはいけない。

●この夏の異常気象。気候変動問題を直視しなければならない。パリ協定は必要。

●世界を「トゥキディデスの罠」にしてはいけない。成長をいかに取り込んで共有するかが大事。


○気がついたらワシ以外に質問した人は皆、前の方に座っていて、毎日新聞の古賀論説委員長、産経新聞の古森さん、笹川財団の小原凡司さん、そして武貞秀士教授など。いわゆるUsual Suspectsですな。

○本日の石破講演会について、ワシ的に一番ツボだったのは、石破さんがお弁当を食べていたシーンです。会費が4000円だからというべきか、会費が4000円にしてはというべきか、あんまり褒めにくいようなお弁当が出されたのです。石破さんはほんの1〜2分で、途中、一度も顔を上げることなく完食されました。いや、政治家たるもの、是非こんな風でなければいけません。常在戦場、早メシは武士のたしなみというものです。


<8月7日>(火)

○貿易戦争、という言葉を目にするたびにいつも思うのですが、1990年代に日本が体験した貿易摩擦なんてのは、つくづく可愛らしいものであったな、と。だって日本は、アメリカをWTOに提訴はしたけれども、報復関税で対抗するなんてことは、考えてもみなかったのです。そんなご無体な。

○ところが今では、世界第1位と第2位の経済大国が、相互に関税リストを積み上げて睨み合っている。しかも第1位のアメリカは、名目GDPで行くと日本の4倍、第2位の中国は日本の2.5倍くらいの規模になっている。しかもお互いに尊大な国同士、自分から頭を下げるなんて死んでも嫌だと思っている。そんな恐ろしい状況、世界は今まで考えたこともなかったのであります。

○アメリカの対中観は劇的に変化した。端的に言うと、トランプ大統領だけが怒っているわけではない。野党もメディアも草の根も「中国は怪しからん」と思っている。特に民主党系の人たちが、「今までの対中認識が間違っていた」と思い始めている。だからトランプさんが、「そろそろいいだろう、ディールに入るか!」と思ったところで、議会が許してくれないかもしれないのだ。

○中国側も「この不当な扱いを許すまじ」と思っているだろう。今まで人権だの民主主義だの散々、ご高説を垂れていた国が、ある日突然、むき出しの利益誘導を主張し始めたのだから。だったら今までのお説教はなんだったのか。あー、あほらしい、やってられねえ。

○この状況、第3位の経済大国である日本から見ても怖いのですから、4位以下の国がどんな恐怖を覚えているか。米中貿易戦争は、つくづく勘弁願いたいものです。

○ところで、らくちんさんがこのテーマについて、久々に長めのエントリーを書かれています。赴任先のスウェーデンで倒れられたと聞いて、どうしたものかと一時は心配していたのですが、少しずつ復活されているようで何よりであります。らくちんさん、残暑お見舞い申し上げます。

○で、その結論が、いかにもらくちんさんらしい「健全な常識」なのである。


紀元前5世紀頃にアテネとスパルタ以外の小さな国が生き残る方法を、日本は探すしかない。


○「トゥキディデスの罠」なんて話が人口に膾炙するのですから、この国のサラリーマン社会はつくづくレベルが高いと思うのですが、あいにく日本はもはや覇権国でも新興国でもない。覇権国と新興国の間で右往左往するその他大勢のプレイヤーに過ぎない。でも、それにしたって、ナンバーワンとナンバーツーに対して、いろいろ影響力を及ぼす手段を有している、ということをラッキーだと思わなければならないでしょう。抜け目のない第三勢力であらねばなりませぬ。換言すれば、「どちらが転んでもいいように」の精神であります。

○明日夜は「日経プラス10」に登場して、貿易戦争についてお話しする予定です。でも台風が上陸しているかもしれません。貿易戦争も、台風の進路も、つくづく一寸先は闇でありますなあ。


<8月8日>(水)

○番組出演を終えて、台風の中を帰ってきました。うーん、一日が長い。

○ついでだから、もう一つ宣伝をやっておこう。

●日産証券特別感謝DAY講演会「投資力を磨く」

日 時:9月29日(土)11:15〜

場 所:ヒューリックホール東京(有楽町マリオン11F)  

吉崎達彦氏、堀古英司氏、川合美智子氏、大木將充氏等、豪華講師陣による特別講演会。ヒューリックホール東京にて開催。850名様を無料ご招待。


○お申し込みはリンク先からどうぞ。


<8月9日>(木)

○少し古いデータになるが、6月末時点の世界企業の時価総額ランキングはこんな感じであった。

1位アップル、2位アマゾン、3位アルファベット(グーグル)、4位マイクロソフト、5位フェイスブック

(たぶんその後、フェイスブックはかなり落ちたでしょうけれどもね)

○要するにエクソンとかIBMとかGEといった、昔から知られている「リアルな」大企業はもうほとんどランキングに残っていない。代わりに「ヴァーチャルな」世界が経済活動の主戦場となっている。

(アメリカって、やっぱり変わり身が早いんですな)。

○まあ、そんな世の中になれば、リアルな世界につきまとう限界(マンパワー、資源や資金、環境制約など)はどんどん否定されて、青天井の派手な成長も可能になるわけです。なにしろ観念の世界ですから。

(往時に比べると、株価の変動も激しくなりましたよね)。

○それと同時に、しょっちゅうネットが炎上したり、メディアが叩かれたりするようになる。それは大いに結構なことであって、要は皆さんリアルな世界ですることがなくなって、暇になったということなんじゃないかと思います。

(換言すれば、「小人閑居して不善を為す」とも申します)

○暇になった人たちは、どうかすると主義主張を重んじるようになる。それで左右の対立が激しくなってゆく。言論やアドボカシーや選挙運動がビジネスになるって、本質的に変なことではないかと思います。

(最近は中国もどんどん過激な方向に向かっているようで怖い感じです)

○それでは日本企業の時価総額ランキングはどうなっているか、といえばこんな感じです。

1位トヨタ、2位NTT、3位ドコモ、4位ソフトバンク、5位三菱UFJ

(おお、やっぱり孫さんは異端児なのだ)

○素晴らしいことにソフトバンク以外は1990年代から変わらぬトップ企業である。よくも悪くも日本は変化が遅い。それが社会の安定性をもたらしているとも言えるし、成長力に欠けるところでもあるのだろう。

(日本人は根本的にリアルが好き、ということなのかもしれませんな。大学教授よりも腕のいい職人さんが尊敬される、なんて国は他にはないですぜ、きっと)。


<8月10日>(金)

○このところ「今年の中間選挙はどうなりますか?」と聞かれることが多いです。ちょちょちょっとまだ早過ぎる〜、てなお返事をしております。9月のレイバーデイが過ぎて、候補者が揃ってから考えるのが普通でありまして、ただし「そんなの待っていられるか!」と言われるのもよくわかる話であります。

○とりあえず今週行われたいくつかの前哨戦についてメモ。オハイオ州の補欠選挙は、ここで勝ってもまた11月に選挙のやり直しになる、という意味ではホントに虚しい1議席なんですが、とりあえず共和党が勝ちました。これをもってトランプさんは大喜びで、「11月には赤い波が来るぞ!」(共和党が大勝利を収めるぞ!」と吼えています。でも、本当は勝って当たり前の選挙区で、民主党候補の5倍の資金を使っての勝利ですから、しかも数え直しが必要になるくらいの僅差でありますから、ホントは喜んじゃいけません。

○かかる状況を苦々しく思っている伝説の参謀、カール・ローブは「大統領はもっと謙虚にならなきゃいけない。11月は苦戦しそうだから、皆の協力が必要だと言ってほしい」とぼやいているようです。お気持ちは非常によくわかるのですが、自分が好調なときは思い切り吹いて、不調なときはあからさまな負け惜しみを言う、というのがトランプ流でして、そんな大人の発言をするようでは支持者が認知的不協和になってしまいます。

○とにかく問題は下院で津波現象が起きるかどうか。民主党が多数になったら、来年になると同時に弾劾手続き入りでしょう。弾劾が成立する確率は低いですが、とにかく怒れる民主党はそうするはずです。

○8月8日時点のThe Cook Political Reportによれば、現状の読みは下記の通りです。


  Democrats Republican
Solid Seat 181 153
Likely/Lean Seat 11 52
Toss up or Worse 3 35



○大津波が来ると、バタバタバタと共和党議員が倒れていきそうな、いかにもヤバ目の数字となっております。でも、トランプさんは景気のいいことを言い続けるんだよな。


<8月12日>(日)

○富山市で高校の同窓会。5時半に居酒屋で1次会スタート。14人。その後、カクテルバーで2次会、餃子で3次会、終了ほぼ深夜12時。もう完全に飲み過ぎ、食べ過ぎ。それでも最後まで11人も残っていた。元気なものようのう、というか、元気な人間だけが集まっているのやもしれぬ。

○テレビでは100回目の高校野球をやっているが、自分たちがあの年頃であったのは1970年代後半のことである。今ではそろそろ会社のことや子どもの教育はどうでもよくなり、病気自慢やら、介護から墓などの心配事が話題の中心になる。さらに夜が更けるにつれて、昔の記憶がよみがえってくるから不思議である。

○それにしても、3つの会合の割り勘が6000円、2500円、3000円くらい(だったかな?記憶不明瞭)で、そのまま歩いて家まで帰ってこられるのだから、富山の街はありがたいものである。気温も27度くらいで、連日の猛暑を体験した後ではわりと過ごしやすいです。


<8月13日>(月)

○去年オープンして、まだ行っていなかった富山県美術館へ。

○タダで入れる屋上スペース「オノマトペの屋上」は、立山連峰から神通川までを一望できる好スポット。環水公園も真下に見えます。もっとも今日は雨で景色が曇っていましたが。今後は「富山市の風景」は、呉羽山ではなくここで撮ることになるでしょうな。

○企画展の「世界ポスタートリエンナーレ・トヤマ2018」はえらいボリュームでした。なにしろ今年で12回目。つまり3x12=36年。富山県立近代美術館ができた当初からの企画でありますから、えらい月日が流れたものです。そういえば近代美術館がオープンした直後に、ワシは夏休みにアルバイトをしておったのだ。

○そういう過去があるもので、この美術館の収蔵品のことはだいたい知っておるのだが、常設展(コレクション展)はずいぶんと規模を縮小しておりましたな。本当はもっといろいろ持っているのである。それを以前の近代美術館では、「20世紀、美術の流れ」としてコレクションをまとめて紹介していた。今はいろいろ細かなテーマに分けて小出しにしている。スペースの問題があるからでしょうな。関係者のご苦労がしのばれます。

○富山県美術館の収蔵品は結構豊富でありまして、これに比べれば金沢の21世紀美術館なんぞ全然たいしたことはありません。何しろ富山県は1970年代から美術品を買ってますから、コレクションの中には今じゃとても入手できないものが含まれております。と言っても、知られていないんだろうなあ。思うに美術館は本来は収蔵品(コンテンツ)で勝負すべきものでありまして、建物(プラットフォーム)で勝負しようなどという昨今の時流は嘆かわしいものであります。

○ともあれ、富山駅からほど遠くないところに観光スポットができたのであるから、これで「2時間だけあるんだけど、何を見たらいい?」という観光ニーズには応えられるようになった。「1時間だけあるんだけど・・・」という人は、環水公園のスタバをご紹介すればよい。なにしろ富山県の観光資源は、非常に高い確率で県境にあるものでして(立山黒部アルペンルート、八尾おわら、五箇山の合掌造り)。

○他方で富山の県民性を考えると、こういう純粋な美術品よりも、ガラス工芸みたいに実用性のあるアートの方が地場には適しているのかもしれない。富山市でガラスをつくられ始めたのは、薬の瓶が必要だったからだそうです。つまりは年季が入っている。美しいだけではなくて、ちゃんと実用的でもなきゃいけない、というのはまことに富山的な発想だと思います。


<8月14日>(火)

○この週末からのトルコ・リラの暴落に関する論点整理。


<短期的な見通し>=経済学

*夏場に為替の大幅な変動が起きるのはよくある話。まして米ドルの利上げ局面で、新興国通貨、特にファンダメンタルズに問題のあるトルコやアルゼンチンの通貨が売られるのは何の不思議もない。

*6月に再選されたばかりのエルドアン大統領が、まともな経済担当相の首を切って娘婿を指名したり、「金利を上げると物価が上がる」などとアホなことを言っている。投機筋から見れば、おいしいカモネギということになる。

*当分は買い方のロスカットが続くので、通貨売りはなかなか止まらない。でも、落ちるところまで落ちたら止まる。インフレで国民生活は大変なことになるが、ここは我慢するしかないですなあ。

*ちなみにトルコへの投融資はスペインの銀行が多いらしい。どんな影響が出るのか、欧州経済にお気をつけなさいまし。ちなみに邦銀が受ける向こう傷は、規模から言ってたいしたことはないみたい。

*逆に個人投資家(いわゆるミセス・ワタナベ)がトルコ・リラにFX投資しているようですね。あの人たちは日本では数少ないリスクテイカーで、逆張りが大好きと来ている。皆さん、自己責任原則でお願いしますよ。


<中期的な見通し>=政治学

*この問題に火をつけたのは、良くある話でまたしてもトランプ大統領。トルコ国内でテロリスト容疑を受けているアンドリュー・ブランソン師を開放せよと迫っている。これは国内の福音派対策(中間選挙狙い)。

*逆にエルドアン大統領は「2016年8月のクーデター未遂事件の黒幕、アメリカ亡命中のギュレン師をトルコに戻せ」と言っている。しかるにこれは暖簾に腕押し。トルコ側はますます反米に走るだろう。

*そうなると次に何が起こるか。トルコはNATO加盟国なのに、ロシアに接近するだろう。あるいはロシアとイランとトルコの間で、「トランプ被害者連合」みたいなものが出来上がるのではないか。

*こういう時の常として、アメリカ側はまったくトルコへの関心が盛り上がらない。そういえば1970年代に、アラン・パーカー監督の『ミッドナイト・エクスプレス』という映画があったよなあ・・・・。


<長期的な見通し>=地政学

*トルコという国は欧州とアジアとアフリカの交差点。シリアの難民はトルコを経由して欧州に向かおうとする。それじゃかなわん、ということでEUはトルコに因果を言い含めて難民を受け止めてもらっている。

*エルドアン大統領としては、「やってられんわ」ということで難民をスルーしちゃうかもしれない。その場合、ドイツのメルケル政権は10月の地方選挙で苦しみ、イタリアのコンテ政権はますます反移民に向かう。こりゃユーロが売られるのも無理はない。

*ついでにイランとトルコの間では「クルド人勢力を苛め倒そう同盟」ができるかもしれない。ISISを倒すために、アメリカはオバマ時代からクルド人勢力を散々利用したんだよねえ。中東の秩序はますます危ういことに・・・・。


○結論として、この問題は短期楽観、長期悲観ということになるのではないかと。トランプさんの悪口を言うのは簡単ですが、彼は壊れるべきものが壊れるスピードを加速するためにこの世に舞い降りてきたのではないかなあ。


<8月15日>(水)

○アメリカ人のジョン君がワガママなことを言うのである。

○彼は新婚の奥さんと一緒に、里帰り旅行で今週はベトナムに行っていて、来週になると日本にやってくる。東京では昔の友人たちと感じのいい居酒屋で一杯やって、それからカラオケに行きたい。できればベトナム語の歌が入っている店が希望だとのこと。察するに、今頃はご夫婦でベトナムの歌のデュエット猛特訓中であって、その成果をわれわれに見せたいのであろう。

○思わず今日、カラオケ店に行って聞いちゃいましたよ。オタク、ベトナム語の歌は入ってますか、って。そしたらJoysoundとDAM、わが国における通信カラオケの2大メーカーがともに英語、中国語、韓国語どまりなので、大手のカラオケ店でベトナム語対応はほとんど無理でしょう、とのこと。

○しかし、仮にも国際都市・東京ともあろうものが、「ベトナム語には対応できません」というのも悔しいではないか。調べてみたら、案の定、いくつかありますな。おそらく新大久保界隈を探せば、カラオケ付きのベトナム料理屋がいっぱいできているのではないかと。あそこはもはやコリアンタウンを越えて、アジアンタウンになりつつありますからな。

○検索してみると、ベトナム語ソングを紹介するページもできている。ヒット曲はこちらをご参照。日本語の歌で、ベトナム語でカバーされている曲もいろいろあるようだ。五輪真弓にアン・ルイスに中村雅俊ですと? AKBはまだベトナムにはできていないのだろうか?

○しかしまあ、カラオケ生みの親であるわが国としては、「どんな言語にも対応して見せます!」(キリッ)という心意気を見せるべきではあるまいか。これもTOKYO2020までの課題の一つと考えるべきであろう。


<8月17日>(金)

○谷口智彦さんからご恵送いただいた『安倍晋三の真実』(悟空出版)を読了する。

○日経BP社の記者時代からの谷口ファンとしては、久しぶりに堪能する谷口節である。ちょっと古風で、カッコいい言葉が効果的に使われ、文章のリズムが良くてどんどん引き込まれる。完全主義者の文章であり、ときに誇張もあるけれども、それ以上に深い含羞がある。その「作風」は総理のスピーチライターとなってからも、慶応大学教授となってからも不変である。

○本書は内閣官房参与として、官邸4階でどんな仕事をしているか、さらには総理周辺でどんな日常が繰り広げられているかを明かしてくれている。日本の政策決定過程を研究する人たちにとっては、超一級の資料と言えるだろう。とりわけ総理の外交演説がどんな形で作られているかは、これまでほとんど外には出てこなかった。しかも安倍首相以前は、「総理の外交演説」などほとんど関心を持たれていなかった――所詮は外務省の作文だったから――本書の意味はまことに深い。とりあえず、これを読まずして、「インド太平洋戦略」が何たるかを語る事勿れ、と申し上げておこう。

○ちょこっとだけ残念なのは、本書には「英語の苦労」がまったく触れられていないことだ。これまで谷口氏が手掛けた安倍外交演説は、2015年4月の米議会合同演説を筆頭に、すべて先に英語で書かれてから日本語に訳されたものである。これがどんなに難しいことかは、その手の作業をしたことがある人ならば誰でもがご存知のはず。どうやって作っているのか、どんなノウハウがあるのか、聞いてみたいところではないか。でも、まぁ次元が違い過ぎるので、きっと自分の役に立たないことは間違いないのだけれども。

○本書が書かれたのは、あまりにも誤解の多い政治家である総理大臣・安倍晋三の真の姿を伝えるためである。自民党総裁選に間に合わせたい、との動機もあったようである。もっとも「アベ嫌い」の人たちは本書を読まないだろうし、「盲目的な安倍信者」にとって本書は無用の長物であろう。どちらも「自分の信じたいことしか耳に入らない」というSNS時代の悪弊に毒された人たちでありますから。たぶん本書を通して内閣支持率を上げるという目標は、達成されないだろうなと思う。

○むしろ、職業上の理由から「アベ・ウォッチャー」であることを求められている人たちにとって、本書は宝の山である。特にマーケット関係者はね。例えば、安倍晋三が財務省をどう見ているか。P185には、速攻で折り目をつけましたですよ。財務省が政治家に対して「独特の道徳的優位性を持っている」(その効き目があることを自覚している)という指摘は面白い。この手に引っかかった政治家は、今までにいっぱいおるわけでありまして・・・。

○ちなみに不肖かんべえは、安倍政治と安倍外交を評価するものでありますが、個人としての安倍晋三氏にそんなに惚れ込んでいるわけではありません。何度かお近くでお話ししたことはありますけどねえ。たぶんそこの受け止め方は、谷口さんとはちょっと違う。でも、間違いなく共有している部分がある。それは「安倍嫌い世代に対する反感」である。あの人たちはしょうがないよねえ。と、昔、岡崎久彦さんとお話ししたことを思い出しました。


<8月18日>(土)

○札幌に来ている。まあ、これがホントの夏休みということで。本当はもっと暑い時期に来て、「いやあ、北海道は長袖だったよ」などと言いたいところであったが、今日は関東も劇的に気温が下がりましたな。札幌に来て見ると、半袖の人が少ないのはもちろんのこと、パーカーの類を羽織っている人たちも見かけます。いちおう夏物のブレザーを着ておるのですが、これはギリギリという感じですな。

○北海道大学を訪れる。農学部が2日間限定で北大マルシェなるものをやっている。そうなのだ。北大はもともと札幌農学校だったのだ。かのウィリアム・スミス・クラーク博士も農学博士だったのだ。だから農業こそが保守本流。北大マルシェには以下のような基準があるのだそうだ。

(1)持続すること

(2)正直であること

(3)適正な価格であること

(4)寄稿風洞に合致すること

○ううむ、この手のものを見かけると、ついついエコノミスト的には「(3)の適正価格の適正さは誰が判断するのか?」などとチャレンジしたくなるのであるが、ここは北大。フリートレードではなく、フェアトレードでなければならぬのだ。郷に入れば郷に入らねばならぬ。

○北大は総合博物館がお勧めである。これが入場無料とはなんと太っ腹なこと。そしてまた、北大の学部は何といっぱいあるのだろうか。そして展示もなんと多種多様なことか。なにしろノーベル賞も出ているくらいである。北大とは、つくづく札幌市民にとって身近な存在であるように見える。

○北海道庁旧本庁舎、通称赤れんが庁舎も訪れました。歴代の北海道知事の写真を飾ってある部屋は壮観でしたな。札幌出身のイラストレーター、おおば比呂志の記念展示も行われています。

○夜は狸小路へ。山崎元さんご推奨の士別バーベキューへ。士別サフォーク種のラム肉は絶品である。しかし何より、この店で発見してしまったのがクリストフ・ルメール騎手の色紙なのである。うむ、明日の札幌記念(G2)は、やはりマカヒキの大復活に賭けるしかないのであろうか。なにしろルメール騎手、水曜日に行われたマカヒキの調教も自分で乗ってるくらいだし・・・。


<8月19日>(日)

○朝、札幌グランドホテルを出ようとしたら雨が降り出した。慌てて部屋に傘を取りに戻って、それから札幌競馬場へ。しかるにタクシーで出かけるという当たり、完全に物見遊山モードになっていて、われながら勝負師になり切れていない。こういうとき、ギャンブラーはつまらんことにカネを使わぬものである。もっとも勝負が終われば、思い切りくだらないことに散財するのが勝負師というものでもあるのだが。

○ややあって、札幌競馬場に到着する。午前9時半なのに既に人がいっぱい出ている。既にめぼしい場所は確保されているし、指定席の当日券は売っていない。とにかく近郷近在から、お好きな人たちが集まってきている感じである。客層が若くて、お子さま連れが多いのが札幌競馬場の特色だろうか。

○それもそのはず、今日のメインの札幌記念は札幌競馬場では唯一のG2レース(芝、2000m)。何ならこれをG1レースに格上げして、国際招待レースとしたらいいんじゃないかと個人的には考えるものである。だってジャパンカップは11月だから、めぼしい海外馬は来てくれないんですよねえ。シーズンオフの夏ならもうちょっと来てくれるんじゃないかなあ。

○その証拠に、一流どころの外国人騎手は札幌に来ているのである。今日のところはデムーロにルメールにモレイラが勢ぞろい。どうせなら、今日のレースは「外国人騎手だけ買ってればいい簡単なお仕事です」と、お気楽に行きたいものである。なにしろ昨晩、ルメール騎手の色紙を見てしまったからなあ。

○ところが本日、ルメール騎手はサッパリなのである。それも1番人気で8着とか(2R)、惜しくも連に絡まず4着とか(1R、5R、8R、10R)、どうにもいつもと勝手が違う。ちなみに土曜日のレースは1着2回、2着3回、3着2回なので、調子が悪いはずではない。さしずめ昨晩、札幌市内でよくない遊びをしたものと拝察する。

○さて、肝心の11R札幌記念である。かねて予定通り、ルメール騎手騎乗のマカヒキを単勝でどーんと買う。一昨年、凱旋門賞で大負けしてからはいまひとつで、しかも昨年は骨折に泣いて久々の出走だが、そこはダービー馬。ここはきっと復活してくれると信じるものである。

○いざ出走。マカヒキは後方に控えての競馬。最初の1000mは59秒と速いペース。大外に回ったマカヒキは第4コーナーを大きく回って追い込みにかかる。それを外から追うのがデムーロ騎乗のモズカッチャン。こりゃあ勝ったかな、と思ったところ、内側からするすると伸びてきたサングレーザーとほぼ同時のゴール。結局首の上げ下げでサングレーザーに凱歌が上がり、マカヒキはハナ差の2着となりました。いやあ、普段のルメールならこういうことないんだけどねえ。

○ということで、札幌競馬場参戦は勝てなかったです。しかし昼から雨は上がったし、景色はいいし、芝生はキレイだし、客層も悪くないし、ホントにいい競馬場でありますなあ。マカヒキ、秋のレースは頑張れよ。天皇賞は買うからね。ルメール騎手も、早くいつもの勝負強さを取り戻してほしいです。

○夜はホテルの近くの鮨屋へ。思い切り散財するつもりだったのが、きわめてリーズナブルなお値段でありました。ありがとう札幌。


<8月20日>(月)

○3日ほど札幌で過ごしていろいろ発見したこと。

●サーモンは人類にとって限りない福音である。

――東京の高い鮨屋はサーモンを置かないことをもって矜持とするが、北海道の鮨屋でサーモンを注文しない手はない。佐藤水産で売っている鮭はもちろんのこと、ホテルのバイキングのサーモンでさえとてつもなく美味なのだ。人類はサーモンとの共生を目指さねばならぬ。いえ、もったいなくも勝手に利用させてもらっているだけなのですが。いやあ、イクラも旨いんですよ。

●北海道はどこでもスペースがゆったりしている。

――思いきり広い歩道を、自転車がかなりのスピードで走っていたりする。最初のうちは向こうから来るとちょっと怖いです。札幌競馬場も、芝生の上にゆったりとシートを敷いて観戦しているお客さんが多いです。JRAの係員が、「今日は〜、混雑が予想されますので〜、もう少し詰めてください〜」などと連呼している。でも、皆さん悠々としておられるのが微笑ましかったです。

●インバウンドは当たり前の現象である

――キャリーバッグを転がしながら、歩いているいろんな国籍の人たちがいる。いろんな国の言葉が飛び交っている。でも、そんなの当たり前。だって昔はアイヌの人たち以外、みんなよそ者だったんだもの。そして後から入ってきた日本政府は、「お雇い外国人」の力を借りてここを開拓した。そんな北海道が、外国人を嫌がる理由などどこにもございません。

●2018年は「北海道命名150年」である。

――西国の雄藩、薩長土肥などでは今年は「明治維新150年」。みちのく奥州では今年は「戊辰の役150年」。北海道ではどちらも関係がございません。日本という国の多様性をあなどってはなりませぬ。おそらく当地においては、「西郷どん」の視聴率は思い切り低いのではないのかと。

●夏は短いからこそ価値がある。

――札幌のお店で、隣のお客さんが語っていたこと。「もうすっかり涼しくなりましたねえ」「結局、窓を開けて寝られたのはほんの数日だけでしたねえ」・・・・おいおいおい、あんたたち、クーラーをつけっぱなしにして寝るという選択肢は、はなから考えていなかったのね。大通公園にはいろんな種類の花が植えてありましたけど、あれは花が咲く短い季節を楽しむための努力なのでありましょう。

●農業はあらゆる産業の基本である。

――いくら情報産業が進化しても、Society 5.0なんて世の中になったとしても、人は毎日、何かを食べないことには生きていけない。AIだのビッグデータだの仮想通貨だのFintechなんてものは、所詮は食べられない。腹が膨れるのは肉であり、水産物であり、野菜であり、穀物である。ついでに明日の高校野球決勝戦では、金足農ガンバレ!と言っておこう。今どき農業高校は希少価値ですぞ。


<8月21日>(火)

○そうでしたか、金足農はやっぱり大敗でしたか。大阪桐蔭は強いものなあ。春夏連覇だものなあ。文化放送アナウンサーとして、高校野球を見続けてきた野村くにまるさんが「史上最強!」だと断言するんだもん。今日は13対2という文句なしの強さでした。畏れ入りました。

○ここで日本中の判官びいきを背に受けて、秋田代表に大番狂わせが起きるようであれば、自民党総裁選もひょっとして・・・みたいなことを一瞬考えましたが、どうやらそういうことはないらしい。本日、自民党総務会は総裁選挙管理委員会の日程を承認し、つつがなく「9月7日告示、20日投開票」という日程を決めました。

○普通に考えれば9月30日が安倍総裁の任期となるので、その1週間前の23日(日)を総裁選投開票日として、それから12日前の9月11日を告示日とするのが常識的な線でしょう。それを前倒しした理由は何かと言えば、安倍首相が9月18日から始まる国連総会に出席したいから、ということであって、最初から負けることは露ほどにも考えていないわけであります。

○たぶん再選直後にニューヨークに飛んで、9月24日頃に国連総会で演説、ということを考えているのではないか。その場合、金正恩はニューヨークに来ますかね。日朝首脳会談が成立するかどうかは、かなり難しいと思います。それで帰国してから内閣改造と党役員人事。ちなみに9月30日には沖縄県知事選挙が行われます。

○総裁選は最低12日間戦う、という自民党規定から行くと9月8日が公示日になるのだが、それだと土曜日になってしまい、往復はがきで行う党員投票の発送に支障をきたすかもしれない。しかるがゆえに1日前倒しして9月7日とする、というのが芸の細かいところ。小笠原諸島への便を考えると、ある程度、時間を取らねばならないのだそうだ。

○ちなみにこの場合、9月11-13日にウラジオストックで行われる東方経済フォーラムへ安倍さんが参加する期間、選挙活動はできないことになってしまう。まあ、それも構わない。ウラジオストックにも、金正恩が来るかもしれないしね。安倍首相の頭の中では、選挙戦略と外交日程が複雑に絡まっていることでしょう。さてさて、夏休みモードはそろそろおしまいにしなければなりません。本気で参りましょう。


<8月22日>(水)

○昨日到着したばかりのアメリカ人のジョン君とベトナム生まれの奥様をお迎えする。場所はいろいろ迷った挙句、西麻布の権八というありきたりの選択に。とはいえ、これは「当たり」だったと思います。

○不思議な空間でありましたな。ネイティブ発音の英語と日本語が飛び交っておりました。言語とはつくづく文化なのだ、と納得することしきり。今宵はクロスオーバーな文化を共有する人たちの集まりでした。

○ジョン君夫妻は明日は京都に行くんだそうです。心行くまで日本文化を堪能してもらえばと思います。


<8月23日>(木)

○本日、ある国際機関経験者(幹部級)に尋ねて教わったこと。

●質問:IMFは今でも重要視されていますけど、WTOはもうおしまいだ、などと言われています。この差はいったいどこから来るんでしょう?

●答え:簡単です。IMFは消防署ですから、皆に感謝されるし、この世からなくすわけにはいきません。ところがWTOは警察であったり、裁判所であったりする。嫌われたり、怖れられたりします。

しかもWTOは、相手がアメリカや中国といった大国でも相手をしなければなりません。その米中が貿易戦争を始めたら、これは止められませんよ。

その点、IMFは小さな国だけが相手です。助ける相手はせいぜいギリシャやアルゼンチン程度。仮に日本で国債バブルが崩壊して、「助けてください!」と言って駈け込んでも、「あなたは助けられないから、自分でなんとかしてください」と言われるのが落ちです。

○いやあ、勉強になりました。しかし「アメリカに頭を下げたくないから、通貨が暴落してもIMFには救済を求めない」と言っているトルコの場合はどうしたらいいんでしょう。まあ、ほっときゃいいんでしょうけれども。


<8月24日>(金)

○今朝はモーサテへ。今日の「日刊モーサテジャーナル」で紹介していたのだが、NYタイムズ紙によれば、ブルマーケットが3453日になって史上最長になったとのこと。これはリーマンショックから半年後の2009年3月9日をボトムとしているわけですな(Debate Over Longest Bull Market Centers on Rounding)。

○当時のダウ平均は6500ドルくらいだったと思う。それが今では2万5000ドルで史上最高値なのだから、ざっくり4倍くらいになった計算になる。こういう時に買って、そのまま売らなければ誰でも大儲けできたことになる。なかなかできませんよね、そういうことは。

○で、2009年春と言えば、不肖かんべえがモーサテレギュラーになった頃である。それからもう10年近くたつわけで、この番組はNYのブルマーケットとともに破竹の快進撃を続けてきたことになる。

○この間を思い起こすと、この番組はなんと大きく変わったことでしょうか。


●当時はアナウンサー2人(池谷さん+岸井さん)、ゲスト1人の体制だった。今はアナウンサー5人、ゲストは常時2人以上の大所帯となっている。

●当時はテレ東・神谷町オフィスの狭いスタジオだった。今は六本木グランドタワー内の大きなスタジオである。

●当時は5時45分始まりで6時40分まで。それから先は子供番組だった。今は7時5分まで延々とやっている。

●当時は動画の使用がほとんどなかった。今は取材映像がてんこ盛りである。コメンテーターの掛け合いもかなり複雑になった。

●当時は番組始まりがNYからで、佐々木あっこさんが先に出て、それから東京の池谷さんにリレーしていた。今見るとビックリすると思いますよ。


○ということで、10年近くにわたって番組の成長に参加することができたのは、なんともラッキーなことでありました。CMもどんどん大手の会社がつくようになってますしね。でも、番組の性質上、FX関連のCMは多いし、一時期は「ビットコイン」関連がわんさか出てましたなあ。10月になると、また変わるという噂がありますので、これも楽しみにしたいところです。


<8月26日>(日)

○この週末に大阪で聞いたさまざまなぼやき話。


●金曜日は台風到来で、どこの会社も「今日は早く帰れ」と促しているのに、若い連中がよう帰ろうとせん。ああ、そうか、ワシ(社長)が帰らんとダメか、と気づいて午後3時に会社を出たんだが、夕方になったら晴れとるやないか。

――大阪府北部地震に西日本豪雨があったので、最近の大阪は自然災害に対して敏感になっているそうです。地震の際には「帰宅難民」も出たんだとか。でも、率先垂範はご立派だと思います。

●夏の高校野球、日本中が秋田の金足農を応援していて、大阪桐蔭が春夏連覇したのに、まーったく霞んでしまった。マスコミは極端なもんやなあ。

――いいじゃないですか。たぶん藤原も根尾もドラフト1位になりますよ。それに判官びいきは大阪が本場のはず。しかし阪神タイガース、弱いですなあ(巨人に連続完封負け)。

→後記:今日は逆転勝ちでした。最後まであきらめずに見ていてよかった!)

●最近、大阪でもっぱらの話題は、たこ焼き屋さんが1億円の脱税をしていた事案。やっぱりたこ焼きって、原価率が低いんやなあ。

――帰りに新大阪駅で「551」の豚まんを買ったら、店舗が新しく、大きくなっていました。安くて旨いものを、ぎょうさん売って儲ける、というのが大阪流であります。

●台風20号のお蔭で、淡路島にある高さ60メートルの風力発電の風車がぶっ倒れた。この国では岩手と秋田から北以外で風力発電をやると、台風とか落雷とかでだいたいこういうことになるんですよ。

――太陽光でも似たようなことが起きていると聞きます。再生可能エネルギーのコストは、自然災害とセットで考えなきゃいけません。

●JR関空行きの後ろ4両は和歌山行きで、よく間違える人がいる。それで和歌山駅行きの車両で外国人を探し出しては、「ユー、アウト、アウト」と言って回るおっさんがおるらしい。大阪人はお節介やなあ。

――大阪はおばちゃんも大の世話好きで、「アメちゃん」くれたりしますからなあ。インバウンド日本一の陰の力はこういうところにあると見つけたり。


○外国人観光客のお蔭で大阪が繁盛しているのは結構なことなんですが、ワシが大阪で宿泊するホテルの代金もどんどん高くなっております。フロントでお支払いの段になって、来月の来阪分を予約しようと思ったら、同じタイプの部屋で1万円も高い料金を提示されてしまった。とほほほ。もっと安いところをネットで探すことにいたします。


<8月27日>(月)

○トルコ・リラの暴落に関する感想をもう少し。

○そもそも治療法を間違えている。新興国で経常赤字の国で通貨が売られたときは、とにかくIMF(消防署)に駆け込むに限る。あなたは禁治産者だと宣告されて、ただちに構造改革プログラムを強制されるが、とりあえずそれで最悪期は脱することができる。アルゼンチンがいいお手本で、G20議長国がIMFに助けを求めるというカッコ悪さはあるのだが、それでとにかく大事には至っていない。なにしろあの国は、しょっちゅう危機になる国ですから。

○ところがトルコの場合は、なけなしのプライドが邪魔をしてそれができない。IMFに頭を下げるのは、アメリカに詫びを入れるのと同じだと思っている。それでカタールからの投資を得ようとか、中国がお金をくれるんじゃないかとか、猪口才な工夫をやっている。そんな裏口入学みたいな手口が成功するわけがないでしょうが。このままでいくと、ベネズエラみたいになってしまいますぞ。

○トルコが本気でアメリカに喧嘩を売るつもりであれば、「インジルリクの空軍基地はもう使わせないぞ!」と言えばよい。そうすればNATO加盟国全体の顔色が変わる。が、そこまでの度胸はないらしい。エルドアン大統領も所詮はトランプさんと同じ口舌の輩ということになる。トランプ非難をしながら、国民に対して我慢を求めている。つくづく国民がお気の毒である。

○こういう状況を見ているIMFはどんな気持ちになっているだろうか。彼らは火事を消すのが仕事なのに、火事がどんどん燃え広がるような状況を座視していなければならない。助けを求めない相手には、出動することができないのだ。まあ、昨今の新興国は皆さん行儀が良くて、外貨準備を積み上げた上で経常収支にも気を使っている。通貨危機が広がるという懸念はそんなに高くはないのかもしれないけどね。

○それにしても情けないのは、経済危機を収拾すべき政治がむしろ危機を煽って、自国をますます窮地に陥れていることだ。国内の不満を逸らすために他国を非難する、というポピュリズム政治が蔓延している。その点については、トランプさんとエルドアンさんは、所詮同じ穴のムジナと言うことができる。

○来月になると、「リーマンショック10周年」がやってくる。あのときはマジ世界中が大変なことになったが、国際協調は完璧であった。G20首脳会議の第1回会合が開かれたのは、2008年11月のことである。当たり前の話で、あのときは自国のプライドがどうのこうのとは言っていられなかった。とにかく経済を立て直すのに必死だったのである。

○ところが10年後の今日、こんな変な政治が世界中で横行している。これで本格的な金融危機が再燃したら、そのときはどうすればいいのだろうか。G7が割れている状態で、どうやって国際協調すればいいのか。リーマンから10年、つくづく変なことになってしまったものだ。


<8月28日>(火)

○猛暑と決して無関係ではないと思うのだが、この夏はよく人が亡くなられますな。以下は私家版の蓋棺録。


●津川雅彦(俳優、1940年生) 登場したドラマと映画は数限りなく、たくさん目に浮かぶ姿はあるのだが、代表作が何かと言えば分らない。それくらい監督さんから見れば、使い勝手のいい役者であったということであろう。何をやらせても不思議にそれらしく収まった。『マルサの女』で登場する国税庁職員で、「私は32万の月給取りだけどね・・・」と言ったシーンを思い出しました。

●菅井きん(女優、1926年生) ひとつの役をとことん極めると、誰もが覚えていてくれるという、津川雅彦とは全く逆のタイプの俳優さんでした。「婿どの!」と声をかければ藤田まことが首をすくめる。いい景色でしたな。あのシーンが無かったら、朝日放送『必殺』シリーズはとっても後味の悪い時代劇となって、あんなに長くは続かなかったことでしょう。

●ヒュー・コータッツイー(英国の駐日大使、1924生) アーネスト・サトウの昔からの英国の伝統に倣い、日本をこよなく愛してくれた外交官でした。日本人に一発で名前を覚えてもらうために、「私の名前はコタツです」と言ったとか、言わなかったとか。ロナルド・ドーアもそうですが、知日派英国人はなぜか晩年になると「戦後日本」に幻滅するようです。昔の日本には、きっと今のわれわれが忘れているような良さがあったのだと思います。

●翁長雄志(沖縄県知事、1950年生) すい臓がんの怖さを教えるかのように、発病からあっという間に去ってしまわれました。米軍関係者は、きっと彼のことをWorthy Opponentだと思っていたことでしょう。9月30日の沖縄県知事選挙は、どうなるのかよくわかりません。9月15日に沖縄で行われる安室奈美恵のラストコンサートが鍵を握るかもしれない、というのは良くない冗談だと思います。

●さくらももこ(漫画家、1965年生)  バブルの頃に、彗星のように現れた漫画家でした。1970年代の小学生の日常を描くと、それが売り物になるというのは新鮮な発見でした。爾来、『ちびまる子ちゃん』は『サザエさん』とともに日曜日午後6時台のフジテレビを飾る長寿アニメ番組に。いやもう、「おどるポンポコリン」の歌詞を書いたというだけでも、掛け値なしにすごい才能ですよ。

●石弘光(財政学者、1937年) 政府税調の会長とか一橋大学の学長とか重職を引き受けつつ、そして名前の通り頑固な人だったのに、あんなに明るく楽しげに仕事をしていた人はあんまり居ないだろう。こんなに憎めない上司の下についたら最後、部下は文句を言わずに仕事をするしかあるまい。元気だった頃に、財務省の年末予算説明会に出てきて真っ先に手を上げて、「キミたち、こんな予算でいいの?」と言い放ったカッコよさは忘れられない。

●ジョン・マッケイン(米上院議員、1936年生) 戦前生まれのアメリカ軍人というものは、後世の人間がいくら頑張っても追いつけないような凄みを持っていることを知らしめてくれる偉大な人物の1人。唯一の心残りは、2008年の大統領選挙で副大統領候補にサラ・ペイリンを指名したことか。あれがなければ、ドナルド・トランプ大統領は誕生しなかったと思う。それでついつい辛口になったのかな?


○皆さんまとめてお悔やみ申し上げます。合掌。


<8月29日>(水)

○上海に来ております。おお、日本と同じで暑いです。蒸してます。なんだか大阪みたいです。

○とりあえず、いつもの花園飯店にチェックインする。部屋はキンキンに冷えてます。さすがに設定18度はないだろう、ということで24度に変えます。

○無理やり空いた日程に詰め込んだ上海ゆきなので、飛行機を降りてからもメールチェックしたり、日程調整をしたり、対談の直しをしたりしている。でも、もうちょっとしたら出かけるもんね。しばし当地にて中国経済の定点観測をする予定です。


<8月30日>(木)

○今日の上海市は抜けるように青い空。こんなにきれいな空はちょっと記憶にないくらいで、PM2.5などの大気汚染物質は相当に改善しているようである。慶賀の至り。もっともこの間には、取り締まりの急速な強化に伴って、環境汚染企業がバンバン潰されるという動きもあったようである。

○環境重視になった上海では、EVもたくさん走っている、政策優遇のお蔭である、と聞いていたのだが、EV車のしるしであるグリーンのナンバープレートのクルマはそれほど多く見かけない。ほとんどがブルーの普通のナンバープレートである。高速道路を埋め尽くすクルマの群れを見て、まぁこれだけクルマが多けりゃすぐには変わらんよな、と思う。「でも、今日は8月の平日だからクルマが少ないよね」と言われてギョッとする。

○いちばん驚いたのは、昨年あれだけ急激に浸透したレンタル自転車が、もうほとんど見かけなくなっていること。まだ一部残っている地域もあるようなのだが、交通マナーが悪かったせいだとか、やっぱり儲からなかったんじゃないかとか、しかし会社を興した人はしっかり儲けたからいいんじゃないかとか、単に飽きられただけなんじゃないかとか、いろんな声を聴く。

○現金支払いをなるほど見かけない。外食の場合はサイトで見つけたお店をネットで注文し、お支払いはアリペイで一発、というのが通例。そういえば今日は短距離のタクシーで、20元払ったのがほとんど唯一の現金出動の機会でした。

○ネットはあいかわらず規制されています。フェイスブックはダメ、ツィッタ―もダメ、グーグルもダメ、ヤフーはつながるけど検索機能は使えず。新聞のサイトは朝日新聞以外は全滅。NHKと共同はつながりました。もっともこの辺の事情は日によって大きく変わるそうです。もっとも、日によって読めたり読めなかったりするサイトは、結局は読まなくなりますわなあ。

○ということで、当地では読めないかもしれない産経新聞で、明日の「正論」欄に寄稿しました。ご覧いただければ幸いです。


難問残すリーマンショック10年



<8月31日>(金)

○午前は浦東の森ビル(通称:栓抜きビル)に出かけて金融系で数社ヒアリング。日本に居る間に考えた「脳内系」の読み筋がどんどん否定されるのが心地よい。これぞ現地に来ることのご利益というもの。このビル、出来たばかりの頃に登ったことがあるが、もう10年目になるのですな。

○午後はタウンウォッチング。長い付き合いのN氏にあちこち連れ歩いてもらう。アリババ経営のスーパーマーケットが面白い。普通に買い物もできるのだが、ネットで購買を指示して自宅に届けてもらうこともできるという仕組み。これは画期的である。買い物袋がベルトコンベアーで運ばれていく様子は必見なり。

○そうかと思うと、一時期日本でも盛んに報道された「無人コンビニ」は、ものの見事に閉店になっていた。これまたレンタル自転車と同じ理屈であって、日本で騒ぎになっている頃にはブームは去っている、という周回遅れのパターンである。そもそも中国の社会では、「やってみてダメだったらやり直せばいい」ということになっていて、無人コンビニもそのうち違うスタイルで再登場するのだと思う。そのサイクルがあまりにも早い。日本側としては、チコちゃんに「ボーッと生きてんじゃねえよ!」と叱られそうで怖いところである。

○ジェトロさんにも伺う。11月に上海で行われる国際輸入博覧会に関する話が興味深い。中国側としては、アメリカ中間選挙にぶつける乾坤一擲のイベントというものであろう。もちろん上海市も本気である。日本でもそうだったけど、博覧会と言うのは癖になるんだよね。

○夜は現地在住エコノミストG氏にも入ってもらって飲み会。それから「新世界」へ行って軽く打ち上げ。すぐ近くにある中国共産党第1回党大会が行われた場所は、今では習近平お墨付きの「聖地」になっている由。そういえば昔もここで記念写真を撮った覚えがあるなあ。

○ということで、やっぱり3晩も過ごすと、いろんな角度からの話が聞けて面白い。さて、この経験をどうやって分析に落とし込んでいけばいいのか。とりあえず少し寝てからあらためて考えることにしよう。











編集者敬白



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by Tatsuhiko Yoshizaki