<3月31日〜4月1日>(土〜日)
〇今回の統一地方選挙の注目点のひとつに、「4年前との違い」が確認できるかという問題があると思う。前回、2003年4月という時期は、一種の異常な時期であったからである。
〇2003年4月に何があったか。ちょっと思い出してみましょう。
(1)イラク戦争があって、米軍が速やかな勝利を収めた。3月20日に攻撃開始、4月10日にはバグダッド陥落。そして5月1日にはブッシュ大統領が「戦闘終了宣言」を行った。
(2)北朝鮮の核開発の恫喝が行われていた。日朝首脳会談から半年、北朝鮮に対する国民の怒りはますます深く、経済制裁論議が盛んであった。ちなみに六カ国協議が始まるのはこの年の8月である。
(3)ソニーの業績下方修正をきっかけに、日経平均が7600円台という史上最安値をつけた。金融不安はいよいよ頂点に達し、みずほ銀行は「1兆円増資」に走り回った。翌月、りそな銀行への公的資金注入が決まり、そこでようやく一息つくことになる。
(4)ほかにもSARSの蔓延やら、エルサレムでの自爆テロやら、世の中の不安を掻き立てるような事件が相次いだ。
〇要は日本中が前代未聞の不安を抱えていた。このときの都知事選で石原慎太郎氏が300万票を得たのは、タカ派が受けるような世相が一定の追い風になっていたのではないか。それから4年、イラク戦争は泥沼化し、北朝鮮問題は慢性化し、株価は上昇した。「金融正常化プログラム」も昨日で終了した。2007年4月の都知事選では、あの300万票が「追い風参考記録」であったのか、そうでなかったのかが試されることになると思うのだ。
〇それが本日の読売新聞の報道では、「知事選のうち注目を集める東京では、現職の石原慎太郎氏がリードし、前宮城県知事の浅野史郎氏が追っている」という表現を使っている。世論調査の結果を定性的に表現しているわけだが、これってかなり強い表現である。もはや「一騎打ち」と呼べるような状態ではないでしょう。100万票くらいは差がつきそうな感じ。都内の有権者数がザックリ1000万。投票率は50%を軽く超えるとして、石原250万票、浅野150万票といったところか。ワシが見るところ、吉田万三&黒川紀章候補は結構行きそうな気がするので。
〇浅野候補は今日の「サンプロ」もそうでしたけど、とにかく東京に対してポジティブな発言が少ない。知事になって何をしたいか、と聞かれて「地震が来たときの対策」では夢がなさ過ぎでしょう。あんたはやっぱり東京嫌いでしょ、と突っ込まれたらどうするのか。自分はなぜ仙台から東京を目指すのか、という物語を描けていないところに根本の問題がある。残り1週間、もうちょっと見せ場を作ってもらわないと困りますね。
〇一方でこの4年間の変化、という問題もあらためて考えてみる値打ちがありそうです。2003年と2007年、いったい何が変わったのでしょうか?
<4月2日>(月)
〇昨日の続きです。4年前といえば、六本木ヒルズが開業したのが2003年4月25日だそうです。そして現在はといえば、東京ミッドタウンがオープンしているわけで、この2つもちょっとした対比を感じさせますね。
〇私見ながら、森ビルという会社にはある種の理想主義があるような気がします。麻生さん流に言えば「ソートリーダー」志向というか。だから六本木ヒルズには奇妙な仕掛けが一杯してあります。迷路みたいで、何回行っても道に迷ったりします。欅坂周辺のお洒落さも、上手に作ったもんだと感心します。それに比べると、三井不動産てのは普通の会社ですから、今度のミッドタウンは現実主義的に作ってあるようです。
〇4年後の六本木ヒルズは、いろんな意味でネガティブなイメージがついてしまいました。まずは1年後に発生した回転ドアの事件が痛かったですな。2004年夏に近鉄バファローズの身売り問題から、ホリえもんの存在が脚光を浴び、しまいには「ITバブルの象徴」「ハゲタカ外資の牙城」という感じになってしまいました。まあ、あの外見自体が、ファイナルファンタジーシリーズあたりの「ラスボスがいるダンジョン」という感じですからね。その心象風景は、2003〜2007年の歴史を振り返る際に、わりとよく当てはまっているように思えます。
〇おそらく東京ミッドタウンでは、新しい東京の物語が始まるのでしょう。それは六本木ヒルズに比べると、幾分地味なものになるのかもしれません。21世紀最初の10年の東京を回顧するときに、「六本木ヒルズ時代」と「東京ミッドタウン時代」という風な区分ができる、なーんて空想もちょっと楽しいではありませんか。
<4月3日>(火)
〇風の噂に聞いた話ですが、来週、訪日する恩家宝首相は、池田大作名誉会長に会うのではないかと。大義名分はたしかに成り立つのですよね。日中国交正常化の風穴を開けたのは、当時の公明党の竹入委員長であった。「井戸を掘った人に感謝する」というのは美しい話であって、これは池田氏にとっても願ったり適ったりでしょう。
〇しかるに狙いがどこにあるかといえば、「安倍さんが靖国参拝しないように、よろしく言っておいてください」ということでしょう。北京五輪を前に、2005年の反日デモのような騒動が起きては一大事。厳重に念を押しておきたいところであって、参院選を控えてますます学会の支援は必要だから、重しになると見込んだのでしょう。
〇もっとも安倍さんもさるもので、おそらく戦後初めての「朝日新聞より産経新聞を重視する」首相であります。慰安婦問題でも、「正論=諸君!路線」で突っ張りました。それを心配する「新YKK」なんてのもできたりして、自民党内のイデオロギー論争は深まっているようです。そんな内輪もめしてる場合かよ、てな気はいたしますが。さて。
<4月4日>(水)
〇実を言うと、かんべえの勤務先は新年度から組織変更があり、いきなり規模が2倍になってしまった。従って、慣れない雑用やら忘れて久しい社内政治やら、面倒な仕事がいっぱい増えている。そこでこのところ、細かな原稿依頼などは全部断っている。正直、連載だけでも結構な量になってしまうのである。そこで最近では、「ではまたの機会に」という編集者からのメールを見て、「これでまた負担が軽くなった」と、うれしくなってしまうという倒錯した心境に近づきつつある。
〇それでも今日、午後になって電話があり、「急ですいませんけど、今夜のTBSラジオ『アクセス』に出てくれませんか」と言われて、出ることにしてしまった。テーマが例の慰安婦問題であったからであります。今日はたまたま、お昼に中山俊宏さんのワシントン出張報告を聞いたり、ワシントン出張中の阿久津博康さんからメールが来たり、その手の情報を仕込んだばかりだったもので。でも、ついでだからナベさんにも電話してしまう。ちなみに信田さんにかけると、こちらはご不在でした。
〇ということで、今宵はミヤテツさん、渡辺真理さんと掛け合いをやってきました。番組の中で、「米下院が今年になって出した決議案(House
Resolution)は全部で295本」という話をご紹介しましたが、お暇な方は下記をご参照ください。米議会の図書館にはThomasという検索サイトがついていて、法案や条約などありとあらゆる文書へのアクセスができるようになっているのです。おもろいでっせ。
http://thomas.loc.gov/cgi-bin/bdquery/d?d110:0:./list/bss/d110HE.lst:|TOM:/bss/110search.html|
〇これらのうち、11番目の決議案(H.RES.11)は、われわれが考える議会決議としてまっとうなものです。「第38代大統領ジェラルド・フォード氏の死に際し、追悼の意を表明する決議」ですから、これは全会一致で1月4日に即日通過している。が、こういう決議は少数派です。いちいち読んでられないので、目に付いたものだけをご紹介しますと・・・・。
●第16番目「バージニアのジェームズ川を『アメリカ建国の川』と認める決議」をバージニア州第1区選出議員が提出している。
●第280番「トマス・ジェファーソン高校が、2006-07年度ニューヨーク市女子バスケットチャンピオンシップで優勝したことを称える決議」というのを、ニューヨーク州第10区選出議員が出している。
●第287番「『アメリカ』という名前が初めて使われてから500周年記念を祝う決議」
●第294番「国際婦人の日に際し、レソト王国が結婚した女性の地位を向上させ、財産権を確認する法律を作ったことを歓迎する決議」
〇アメリカ議会の名誉のために言うと、上院の決議案は139本で、こっちは少しマシであるようです。それにしても、これらは1月4日から3月30日までのわずか3ヶ月に出たものですから、アメリカ議会というのはこの調子で有象無象の決議案が提出され、そのほとんどが顧みられない状態で葬り去られる運命にあるわけです。
〇そんな中で、カリフォルニア州第15区選出、マイケル・ホンダ議員による第121番決議案が注目を集めてしまったのである。下院公聴会が行われた時点では、証人となった慰安婦の発言はかなり一方的なもので、聞いていた人はかなり引いていた。この時点で、この決議案はほとんど消えかけていたのであります。が、安倍さんの「広義の強制性と狭義の強制性うんぬん」の発言が出たために、一気に火がついてしまった。あとはご承知の通りです。
〇番組が終わってから、ミヤテツさんから「今日はめずらしく怒ってたね」と冷やかされちゃいました。だってね、この問題はマズイですよって、アメリカの知日派も日本の知米派も、外務省もアメリカ大使館も、いろんなルートで警告を発していたはずなのです。それが耳に入っていたのかいなかったのか、どっちにしろ今の官邸の病いは重いです。
<4月5日>(木)
〇毎度のことながら、かんべえは「日米関係は重要である」と考えるものでありますが、だからといって日米関係の維持を自己目的化せよとまでは申しません。あくまでも日本のための日米同盟であって、それはアメリカ側にとっても同じことです。仮に将来、日米同盟が日本のためにならなくなったとしたら、その時点で見直すことを躊躇すべきではないでしょう。特に日本社会においては、ついつい現状維持を自己目的化してしまうことが多いので、その点には注意が必要です。
〇しかしながら、日本のような地理的環境におかれた国にとって、同盟関係なしの単独で自国の安全と繁栄を維持できると考えるのは、あまりにも非現実的であります。「アメリカもはや頼りにならず。中国もロシアも朝鮮半島も敵に回して、わがなすことはわれのみぞ知る」と居直るとカッコ良さそうに見えますが、そういう人は歴史の教訓に学んでいないと言わざるを得ません。でもって、「どの国と組むか」を真剣に考えた場合、最後に残る合理的な選択肢はやはりアメリカということになるのだと思います。つまり代替案を作るのがなかなかに難しい。
〇しかるに、今後の世界における日米同盟のコスト・アンド・ベネフィットを考えると、この先はどんどん採算が悪化していくことでしょう。日本にとって日米同盟がお買い得であったのは、何といっても冷戦時代にとどめを指します。あんな夢のような二国間関係の時代は、二度と来ないでしょう。逆にいえばほんの数年先には、日本にとってアメリカと同盟することの負担がどんどん増えていく可能性は、けっして否定できないわけです。
(例)
・アメリカが中東からいつまでたっても抜けられないケース。
・アメリカが孤立主義に向かうケース
・経常赤字が天井知らずとなり、米ドルが底なしに値崩れするケース
〇おそらくその過程においては、日本の自衛隊が中東で米軍を助けなければならないとか、ドルを買支えしなきゃいけないとか、楽しからざる事態だってあるかもしれません。「9・11」以降のアメリカは一種の心身症状態ですし、それをイラク戦争でさらに悪化させちゃったし、この先またご無体なことを始めちゃうかもしれません。その辺は油断のできない相手です。
〇世界中で反米意識が高まっている中で、たまたま今、日本と豪州が対米関係に積極的な理由を見出しています。日本には北朝鮮、豪州にはインドネシアのイスラム原理主義という分かりやすい「仮想的」が近くにいて、アメリカ離れなどという高貴なジョークを試す余裕がないのだともいえるでしょう。こちら側の事情で対米同盟を続けるのであれば、ますます負担は増大する。などと考えていると、なかなかにユーウツなことが続くことが予想されます。
〇今宵、某所で日米関係について語る催しに出ていて、上記のような思考の堂々巡りに陥ってしまった。うーん、この際、日米FTAでもやってみますか。
<4月6日>(金)
〇今週も書いていてふと気づいたのですが、溜池通信は、家庭の主婦が毎日の料理を作るように書かれているのでありますな。
●溜池通信はかんべえが全部一人で書いています。お手伝いも下請けもありません。(主婦に弟子や部下なんてものはありません)
●溜池通信は本業の片手間に書いています。執筆にはあまり時間をかけません。(主婦が掃除や洗濯の合間に料理をするようなものです)
●溜池通信は公開情報を元にしています。本邦初公開の特ダネは滅多にありません。(主婦には素材に懲るような贅沢はできません。冷蔵庫の中にあるものだけで、その日の夕食を作らなければならない日もありますからね)
●溜池通信は完全主義ではありません。(ときには手抜きや間違いがあります。許してね)
●溜池通信は、毎週金曜の締め切りを守ります。(家族のために、決まった時間にはご飯にしなければなりません)
●溜池通信はいろんな題材を取り上げます。(「ウチは和食だけ」というわけにはいきません。だって料理のプロじゃないんだもの)
●溜池通信は購読無料です。(家庭料理はお金を取りませんから)
〇要は学者肌でも、職人肌でも、芸術家肌でもない人間が、毎週書いているわけです。
<4月7〜8日>(土〜日)
〇都知事選挙、石原慎太郎氏の当選確実が出ました。といっても、1週間前の当欄で書いたことを再確認するだけで、驚くようなことは何もありませんでした。
〇アメリカの大統領選挙をウォッチしていて、非常に有効な鉄則が2つあります。それが見事に当てはまる選挙であったと思います。(溜池通信の古い読者はご存知でしょうが、ジョン・ケリーの選挙について語られた内容です)。
「有権者というものは、自分の選挙区の候補者が信念の持ち主であることを知っていれば、信念の中身についてはさほど関心を持たないものだ」
「憤兵はかならず敗る」
〇前者が石原さんの勝因、後者が浅野さんの敗因でありましょう。
〇後の楽しみは最終的な票数がどれくらいになるか、そしてドクターやら金造さんやら、愛すべき泡沫候補の諸氏が何票取るかでありますな。その辺は、数字が固まってからまた考えるといたしましょう。
〇今回の統一地方選挙、ワシは千葉県議会選挙で、じぇんじぇん知らない候補者に一票を投じてきたのだけれど、どうせなら「外山恒一」と書いてこりゃ良かったな。だって気分は「やけっぱちの1票」なんだもの。
<4月9日>(月)
〇早くも「石原節復活」との声が上がる投票日翌日であります。なにしろ281万票、得票率で5割越え。文句ナシの三選でありますから、石原さんが強気になるのも無理はありません。
〇でもね、石原節には何か物足りないと思いませんか? われわれは石原さんの得意な「支那」って言葉を、長らく聞いておりませんよね。どうも意識的に封印している様子。考えてみれば当ったり前の話であって、五輪を誘致するためには中国の協力が欠かせません。ひょっとすると、今週後半に訪日する温家宝首相にも会いに行くかもしれませんよ。でもって、来年の北京五輪にはボクもちゃんと呼んでね、ってお願いしなきゃいけません。
〇そこで気がついてチェックしてみると、今日の人民日報は、こんな風に論評抜きで石原氏当選を淡々と伝えております。普通だったら、「日本の右傾化が懸念される」とか何とか、何か余計なコメントがありそうなものであります。実は、両者の間にはすでに意思疎通ができているんじゃないでしょうか。確かに中国側としてみれば、日中友好を演出するためにはタカ派と組むのがいちばん。安倍さんと石原さんの2人を押さえれば、あとのオールジャパンは自然についてくるというもの。
〇そうなると、正論=諸君!=SAPIO=WILL路線的には、「けしからん」「騙された」「石原よ、お前もか」という怒りの声がホーハイとして巻き起こるんじゃないかと思います。誰か、石原さんの前でこの話題を持ち出して、虎の尾を踏んでみる勇気のある記者はいませんかね? ただし自己責任でお願いしますよ。
<4月10日>(火)
〇温家宝首相の来日の際に、問題になっていることのひとつに移動手段があるらしい。東京滞在は1日だけで、京都に移動するらしいのだが、その際に新幹線は使えないのだと。なんとなれば、日本の新幹線導入をリジェクトした手前、首相がその新幹線に乗ったりするのはメンツにかかわるという。アホみたいな話だが、中国らしいともいえる。で、どうやって「のぞみ」を使わずに、東京から京都へ移動するんでしょう。やっぱり羽田から伊丹に飛んで、そこから逆戻りするんでしょうか?
〇さらに先の話をすると、温家宝首相の次は胡錦濤国家主席に来てもらうことになるのだが、それがいつになるのかが次なる問題となる。過去の中国外交のパターンからすると、両者の訪問には平均して2年弱のインターバルが空くのだそうだ。しかし安倍政権としては、来年春くらいには来てもらってスッキリしたい。その前に政権がつぶれてしまったりすると目も当てられない。仮に安倍政権が短命に終わった場合、最大の功績は日中関係の改善であった、などということになったりして。
〇ところで野菜ソムリエって、知ってます? 正しくはベジタブル&フルーツ・マイスターといって、野菜に詳しくなるための資格なのです。ちゃんと協会があったり、ウィキペディアにも出ていたりする用語である。もともと日商岩井の食料部門にいた福井栄治さんが作った協会で、今日はそこで開かれた食品業界のフォーラムに呼ばれました。やっぱり食に関する話をしなきゃいかんだろうと思い、ない知恵を絞って「食に見る現代ニッポン」てなテーマをでっちあげる。評判の方はいかほどだったでしょうか。昔の会社の仲間が元気でやっていることを確認しました。
〇夜は虎の門で飲み会。いちおう誘ったものの、まさか本当には来ないだろうと思っていた小林ゆたか参議院議員が登場。神奈川県知事選挙が終わったところで、次はご自分の参院選挙となる。ご苦労様です。東京都知事選挙の話になると、皆さん一様に「消去法の選択であった」ということで意見は一致する。ただし県議会選挙などを細かく見ていくと、有権者の意識が成熟していることや、その受け皿が見当たらなくて漂流している様子が見て取れるという。
〇それでは参院選はどうなるのか、というと、これがまったく見当がつかない。わずか3カ月先のことなんですけどね。
<4月11日>(水)
〇夕方、岡崎研究所での所用を済ませて外に出たら、雨が降っている。しょうがないから、至近距離の虎の門パストラルまでタクシーを拾う。が、おそるべき渋滞である。都内では温家宝首相訪日の特別警戒が行われており、そこへ突然の雨が加わり、しかも林芳正参議院議員のパーティーへ向かうクルマも確かに多いのだ。黒塗り、タクシー合わせて、パストラルに向かう右折車線は長蛇の列となっていた。
〇会場にたどり着いて見ると、今宵は「公務員制度改革」の政府・与党協議会の調整が行われていて、行革担当の内閣府副大臣である林さんは、「上司である渡辺喜美行革担当相の許可を得て」抜け出して来たのだという。日曜のサンプロでやっていた「天下り禁止」「新・人材バンク」などの問題が、早くも大詰めを迎えようとしているのであった。最新情報は下記をご参照。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070411AT3S1102111042007.html
●「出身省庁の天下りあっせん禁止」政府・与党、改革案で合意
政府・与党は11日、公務員制度改革を巡る実務者協議を開き、各省庁による国家公務員の天下りあっせん禁止を柱とする改革案で合意した。再就職あっせんは「官民人材交流センター」(仮称、新・人材バンク)に一元化し、新バンクの職員による出身省庁職員の再就職あっせんは禁止する。政府・与党協議会は13日に改革案を正式に決定する。
政府は安倍晋三首相が訪米する26日の前に、合意内容を反映した国家公務員法改正案を国会提出する運びだ。政府・与党の合意では、あっせん禁止の対象を「すべての営利企業と非営利企業」と規定。各省庁の関与も「人事情報を新バンクに提供する」ことに限定し、あっせん・紹介などはしないことを明記した。
能力・実績に応じた昇進や給与体系を導入する方針で一致。公務員制度改革の全体像を協議する有識者会議を設置することも決めた。
(21:35)
〇ここへ来て、安倍首相が急速にこの問題に傾斜していて、それを支持する自民党若手議員の熱気も高まっている。改革の旗を振る渡辺大臣は、テレビなどでは喜色満面で、ひょっとすると「愉快犯」的な心境じゃないかと思えるほど。考えてみれば、「省庁再編」に始まって「官から民へ」「小さな政府」という改革路線を突き進めていくと、最後は「公務員制度改革」に至る。小泉政権は、その前に郵政民営化に向かってしまったので、この問題が先送りされてきたという経緯がある。となれば、その後継者たる安倍内閣が、公務員制度改革に入れ込むことには必然性がある。
〇その反面、この問題に国民の広範な支持があるかといえば、そこはちょっと怪しい。読売や朝日が否定的な社説を書いていることは無視して構わないと思うが、中央省庁の官僚の天下りがケシカランなどという話は、身に覚えのある企業や公益法人のサラリーマンはいざ知らず、全国津々浦々の有権者が共有できる問題意識ではないと思うのだ。(その点、全国30万人の郵便局員は公務員じゃなくていい! という小泉さんのイニシアティブは強烈だったといえる)。
〇さらに言えば、「新・人材バンクを作って、天下り斡旋を禁止する」というアプローチには、「どーせ骨抜きになるんでしょ」という批判がつきまとう。それはそうだろうけど、かんべえはこの際、抜け穴があってもいいから、新しいルールを導入することには意義があると思っている。なんとなれば、制度改革は本質的に時間がかかるものだからだ。青写真で描いた通り、一発で改革が成功する、などということは滅多にないものだ。制度改革は、普通は以下のような経路をたどる。
@まず「ルール」を変える、しかし実態は何も変わらない。
Aある日突然、関係者の「意識」が変わり始める。
Bそこから急速に「慣習」が変わる。
〇制度というものは、「何となく、皆がそんな風だと思い込んでいるもの」がその大部分を占める。つまりは9割が「慣習」なのである。法律やルールで担保されている部分はそれほど大きくない。むしろ重要なのは意識であって、意識が変わると制度も変わる。意識が変わるきっかけは、ある日忽然とやって来る。(大蔵省の巨大な権力が崩壊したのは、1998年の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」が契機であったことを想起されたし)。
〇そんな中で、世間の大半は「天下りは良くない」と思っていても、「どうせなくならないよね」と思っている。その一方で、「こんなこと、30年後には亡くなっているだろうなあ」という気もするので、現時点20代の官僚諸氏であれば、おそらく「天下りなんて、自分たちには関係ないこと」と思っているだろう。どうせなくなる制度であれば、早く壊れてくれた方が彼らにとってはありがたい。
〇かくしてこの問題は、政治家と官僚双方で「ベテランと若手」という世代間対立を生み出しているように見える。その先がどうなるか。渡辺行革相という稀代のトリックスターと、林内閣府副大臣という緻密な頭脳のコンビが、果たしてどんな仕事を見せてくれるのか。こちらも「愉快犯」的な興味と関心を覚えるところであります。
<4月12日>(木)
〇内外情勢調査会の仕事で「堺・泉州支部」へ。今年3回目の大阪出張である。
〇講演がお昼なので、新幹線を使っての日帰り出張となる。東京の桜はほとんど散っているけれども、大阪はまだ残っている。車窓から花見ができるまことに結構な季節。東京から京都へ行くのに、わざわざ伊丹空港に飛んで引き返すという奇妙な賓客もいらっしゃるわけですが、まことにお気の毒であります。
〇地下鉄のエスカレーターで、人が右側に立っているのを見て、「あー大阪だなあ」と感じる。地下鉄・御堂筋線に乗ると、こちらの「女性専用車両」は平日は終日であることを発見して驚き、それから外装がとっても派手なことを見て「あー、大阪だなあ」と思う。そして、女性専用車両に堂々とオッサンたちが座っているのを見かけて、いよいよ大阪を堪能した気分となる。
〇帰りに新大阪の駅で「月刊タイガース」4月号を買い込む。表紙には「奪還あるのみ」とある。まことに欲張りなことではあるが、今宵も中日に勝ってしまったではないか。うむ。結構である。
<4月13日>(金)
〇国民投票法案が衆院を通過したようで。かんべえは憲法問題には関心が薄い人間なのですが、とりあえずは結構なことではないのかと思います。
〇そもそもこの法案は、1999年に小沢自由党が最初に言い出したことです。「憲法には憲法改正規定があるのに、そのための法律がないのは国会の怠慢である」と言われれば、これは改憲派も護憲派も賛成するよりほかにない。しかるにその後は店ざらし状態が続き、郵政解散後の2005年9月になって、ようやく衆院憲法調査特別委員会で検討が始まった。2006年5月には自公民が法案を提出し、10月には修正案を協議して、順調に進んできたはずなのに、何でこの期に及んで小沢民主党が反対に回るのかというと、そりゃま選挙対策なのでありましょう。
〇本来であれば、4月22日の参院補欠選挙(福島・沖縄)の直前で与党に強行採決をさせ、「あーあ、やっちゃった」とばかりに沖縄の左翼バネに期待しようという狙いがあったのでありましょう。それが1週間前に成立し、なおかつ国民の関心もまるで盛り上がっていない。どっちにせよ、この法案を使って憲法改正に打って出るのは早くても3年後。それまで安倍政権が続いているかどうか。しかも衆参3分の2の賛成が必要とあっては、これで盛り上がれというのがご無体な注文というものです。
〇憲法改正を参院選のテーマにしたいという安倍さんも強引だと思いますが、国民投票法案に反対して点数を稼ごうという野党も相当に強欲じゃないでしょうか。そうでなくても、政治に対する関心は低下気味。「サンプロ」の視聴率が低迷し、「夕刊フジ」の見出しが政治からスポーツに切り替えられる昨今、憲法問題に関心を持てというのがそもそもの勘違い。この記事なんぞは、その最たるものですな。ああ、痛いイタイ。片腹痛い。
<4月14〜15日>(土〜日)
〇先日来、いろんな人に意見を求めているのですが、これを聞くと皆さん「うーん」と唸ったきり、答えが出ないんですよね。それはこういう質問です。
「この20年ほどの間で、世界で誕生した新製品や新サービスのうち、日本とアメリカ以外の国で誕生したものって、何かありますか?」
〇アメリカ発の発明というのは、山ほどあるわけですよね。i-podでもamazonでも何でもいいのです。別段、めずらしくもない。エジソンの昔から、新発明といえばアメリカ発が普通なのであります。が、日本の発明というのも少なくない。ハイブリット車とか液晶テレビとか、おそらく家電関係を探せばゾロゾロ出てくるでしょう。インスタントラーメンとかカラオケとか、妙なものもあります。仮に、これらの「日本発」新製品がすべてなかったとしたら、世界は随分さびしいことになっていたでしょう。
〇じゃあ、ヨーロッパや豪州や中国や南米発の発明って何かある? というのが先日来の疑問でありまして、なかなか適当な例を思いつかないのでありますよ。IT関係ではLinuxが欧州発ですが、これは国籍をうんぬんする意味があるのか?ということで悩んでしまいます。それを言い出すと、グーグルもロシア人がシリコンバレーで作ったわけなので、ますます国境による線引きに意味がなくなってしまう。まあ、もともとアメリカ製の新発明、新発見は、その多くは海外からやってきた才能によってもたらされていることが多いわけですが。
〇ともあれ、日本が生み出した発明・発見が諸外国に比して相当な数であることは、間違いないと思うのです。そこで次なる疑問は、日本が新発明、新発見をバンバンできたのは、ここ数十年に限られた現象なのか、それともある程度、構造的な理由があるのかという問題です。換言すれば、今後もこの調子で創造性を発揮し続けることができるかどうか。さあ、これは難しい。
〇かんべえの仮説は、日本社会にはもともと、個人や組織が創造性を発揮しやすい恵まれた条件が備わっているんじゃないか、というものです。この問題に関しては、世間の多数派の方が勘違いをしていると思いますぞ。
(1)変人パワー:
「日本人は個性に乏しい」とか、「個人よりも組織優先の社会」などと言いますけど、これだけ変人がよく出る社会はあんまりありません。ホリえもんから黒川紀章まで、どの分野を当たっても個性豊かな変人がいる。個人を大事にするといわれる英国社会が、生み出した革新的な経営者といえば、せいぜいリチャード・ブランソンくらいでっせ。
実は日本社会というのは、変人にとって住み良い環境なんじゃないかと思います。その証拠に、日本の歴史を遡れば、変人のいなかった時代はないといっても過言ではない。「空白の10年」と呼ばれた時期でさえ、あれだけ多くの変人が輩出したではありませんか。
(2)匿名性の功名心
日本発の新製品には、「誰が作ったか分からない」ものが数多くある。ウォークマンもi-modeも、いろんな伝説があるとはいえ、誰の作品かは分からない。つまりチームによる仕事であって、こういう匿名性の発明、発見は日本以外ではあんまり聞いたことがありません。
「匿名性」の下でモチベーションを維持できる、というのは日本人の美風なんじゃないかと思います。なんとなれば、この国の人たちは、「忠臣蔵」の昔から、「努力―友情―勝利」の物語を愛してやまないのです。それが企業社会に入ると「プロジェクトX」にむせび泣くような中年オヤジになる。もっともこの気風、ちょっとずつ薄れつつあるかもしれませんが。
(3)終身雇用の強み
電子部材関係は、現在、日本企業の独壇場となっておりますが、その担い手は「化学や素材関係の老舗企業」が中心です。オールド・エコノミーの片隅で、コツコツと研究を続けてきた企業の技術が花開いて、「半導体関係はコレなしには動かない」ものがたくさんできた。日本企業の長期志向と株主によるコントロールの弱さ、そして技術者の終身雇用制が、息の長い取組みを可能にしてきた。
経済原理を無視してまで、技術開発が進んでしまうというのがミソです。JR東海のリニア・モーターカー開発なんぞ、今じゃ常温超電導まで実現してしまっているのですぞ。こんなこと、よその国の企業には絶対に真似できないはずです。
(4)厳しい市場
最後は、商品の受け手である市場の特性です。「こっちの方が少しだけいい」とキッチリ見抜いてしまう目の肥えた消費者がいて、商品の作り手は厳しい競争を勝ち抜かなければならない。シェアの上がり下がりに一喜一憂するので、細かな工夫を重ねなければならず、そうするうちに思いがけないブレークスルーが生まれる。
〇以上、思い付き段階でありますが、皆さまはどうお考えですか?
<4月16日>(月)
〇昨日のエントリーに対し、いくつかのレスポンスを頂戴しました。
●ゲームの世界では、「テトリス」(ロシア)やボードゲーム「カタンの開拓者たち」など(ドイツ)などの例があります。でも、両方とも新しいジャンルを切り開いたというには、ちょっと弱いかもしれませんね。
――この世界では、日本発の「数独」がありますね。さらにテレビゲームを挙げ始めると、これも日本の独壇場ということになります。任天堂の貢献は偉大であります。
●我が家には、英ダイソン社のサイクロン掃除機があります。ただしウィキペディアによれば、「1991年に日本の国際産業デザイン見本市で受賞する。この掃除機に感銘を受けた日本の業者がライセンスを取得して、製造・販売に乗り出す。
ジェームズ・ダイソンは、日本からのライセンス料を用いて、ダイソン社を起業」とあり、これも国境が意味をなさない例かも。
――偶然でありますが、ウチにもダイソンの掃除機があります。これってスグレモノですよね。紙パックでゴミを捨てる掃除機は、もはや時代遅れといっていいと思います。
●Wikipediaのエントリで、一番多いのが英語で174万項目。25万項目を超えているのが以下の言語です。ドイツ語、フランス語、イタリア語、オランダ語、日本語、ポーランド語、ポルトガル語。10万項目以上となって、スペイン語や中国語が出てくる。
――マイナーな言語のわりには頑張っているということでしょうか。考えてみれば、西欧の古典と中国の古典が、両方とも母国語で読める国というと、日本のほかにはあんまりなさそうです。
〇いろいろ考えてみると、日本の知的貢献というのは、意外とたいしたものなんじゃないか。当人たちがそれをまったく自覚していないというところが、ますます日本らしいという気がいたします。
<4月17日>(火)
〇バージニア工科大学といい、長崎市長といい、嘆かわしいことの続く世の中であります。なむなむ。
〇五十嵐敬喜さんの新著『「素人以上プロ未満」のための経済・金融入門』について。通勤一往復で、すっと読めました。タイトルのつけ方がお上手でありまして、剛毅朴訥な東洋経済新報社さんにしては、らしくない妙技だと思います。「素人以上プロ未満」とあるのを見て、あ、これはワシのことだ、とすぐに思いましたな。(お前はプロと違うんか、などとイジワルを言わないように)。同じように感じる人は少なくないでしょう。このサイトに日常的にアクセスしているような人は、だいたいが「素人以上」でありましょう。そういう人が読んで、損をしない本だと思います。
〇誰でも身に覚えがあるところでしょうが、「知ってるつもり」のことが実は怪しい。例えば金融や為替の話をするときに、「アメリカは輪転機を回せばいいのだから」みたいなことを言う人がおりますが、それって明らかに変ですよね。では、どこがどう変なのか。きちんと説明できる人は、そうそういるものではありません。そこがプロとプロ未満の違いであるわけですが。
〇経済や為替について書かれた本は、どこかしら偏頗であることが少なくありません。著者の個性が豊か過ぎたり、理論に走って難解であったり、論敵を厳しく批判したり、とてつもない結論を導き出したりしますよね。その点、本書はきわめて常識的で、マーケットの現場をキチンと押さえているし、噛んで含めるような丁寧な言い回しで頭の中を整理してくれます。それだけでも希少価値といえましょう。
〇ところで五十嵐敬喜(いがらし・たかのぶ)さんは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(旧UFJ総研)の調査部長であり、WBSのコメンテーターでもあるので、経済・金融畑の人なら誰でも知っているでしょう。ところが、同姓同名の五十嵐敬喜(いがらし・たかよし)さんという人が居るからややこしい。こっちは法政大学教授で、菅直人さんのブレーンをやったり、浅野史郎氏を都知事選に引っ張り出す役回りをしたり、まるで畑が違うのですね。
〇ウィキペディアを見ると、政治畑の五十嵐さんだけが載っているようなので、誰か経済畑の五十嵐さんも書いておいてくださいな。いや、それよりもアマゾンが両者を区別できていないことの方が問題かな。混同している人は、ほかにもいるんじゃないかしら。
<4月18日>(水)
〇来客が2件。その合間に今週末が締め切りの原稿を書く。1本目は難航。ベートーベンのように悩む。が、お昼に「和喜」に行って、マスターと馬鹿話をしたら、午後になって急にスラスラと書けてしまった。馴染みの店が有する磁力というものか。その勢いが夕刻まで持続して、もう1本はモーツァルトのごとく速やかにできてしまう。いつもこんな調子なら、苦労はないのだけど。
〇夜、汐留での仕事を片付ける。ついでにその足で烏森まで歩き、『ルック@マーケット』残党の店「はづき」へ。あいかわらず賑わっておる。山崎元さんも頻繁に来ている由。「もう生活改善なんかしなくていいから、堂々と不良中年の王道を極めて欲しい」などと無責任なことを言いつつ、ビールを1本と水割りを1杯だけ。おでん、おいしゅうございました。コンニャク残してごめんなさい。
〇気がつけば、「かずき」と「はづき」という馴染みの店に元気を頂戴した一日でありました。感謝であります。
<4月19日>(木)
〇如水会館で行われた、さる昼食講演会の講師を務めました。ふと思い出したのですが、今を去ること23年前、大学卒業の3月にこの場所で、社団法人如水会が新入会員を招いて歓迎会を催してくれたのですな。かんべえは貧乏学生でありましたので、こういう場所でのディナーの作法もあんまり自信はなく、新入会員の学生の一人として緊張気味で席についておりました。
〇ところが、ひな壇に並んだお歴々(当時の如水会理事長は、日産の川又会長であったと思う)を見ると、皆さん、料理がサーブされる前にビールを飲みながら、皿の上のパンをちぎっては食べている。「ふーん、日本の財界のトップの人たちは、テーブルマナーにはあんまりうるさくはないのだなあ」と妙なことに感心した覚えがあります。あれがまあ、社会人デビューというものだったのかもしれません。
〇以来、講演会あり、結婚式あり、同窓会ありと、この場所で何回、西洋料理のコースを食べたか分かりません。自分が講師、というのはさすがに初めてですが。あらためて感じたのですが、安定した水準の料理を、素早く大量にサーブすることにかけて、東京會舘が有する技能というのは大変なものですな。誰もが当たり前だと思っていることの中には、実は奇跡的なノウハウが詰まっているという好例かもしれません。
〇そして夜はとっても久しぶりのメキシコ料理でした。原宿にあるBS朝日の向かい側にあるFonda
De La Madrugada(ファンダ・デ・ラ・マドゥルガーダ)。本場メキシコのバンド演奏までついて、大量に食べちゃいました。お値段もお値打ちです。この次に朝日ニュースターの番組収録で来るときは、帰りに寄ってみたい場所です。
〇呼びかけたのはこの人で、名目は古い友人の転職祝い。この年になると、人と会うときはついつい和食中心になるのだけれど、こういうのもいいですね。かんべえは特にグルメというわけじゃないのですけど、食べるときには「量」を楽しみたいと思っています。お陰で今宵は久々に、ベルトの穴がキツイのでありますが。
<4月20日>(金)
〇ある人から聞いた話。
「XX省では、昔は課長ともなると、自分で文字なんか書かなかったものです。局長になると、書類を読みもしない。全部、下がやってくれたんです。でも今では課長の私が、パワポの資料を自分で作成しています。それで部下に対して『ここ、ちょっと色の組み合わせを考えて』『ここはグラデーションにして』などと指示を出している。正直言って、今じゃ文章力のある部下よりも、デザインが上手な部下がいてくれた方がありがたいくらいです」
〇うーん、ウチの会社でもよくある話でありますが、官庁もそんなふうになっているとは。パワポは亡国の道具ではあるまいか。
<4月21日>(土)
〇ウチの子供に聞いた話。へえー、そんなふうになっているのか。でも、どこでそういうこと聞いて来るんだよ。
●『ゴレンジャー』に始まり、最近は『マジレンジャー』や『ボウケンジャー』に至る「スーパー戦隊シリーズ」においては、以下のような法則がある。
「熱血の赤、ニヒルの青、デブの黄色、ガキの緑、女のピンク」
●5人のうち女性が1人だけというチームであるが、「職場内の男女関係」が問題にならないのは、以下のような理由がある。
「赤は仕事人間、青は自分がいちばん好き、黄色は色気より食い気、緑はガキだから異性に興味なし」
〇思わずウィキで「ゴレンジャー」と「スーパー戦隊シリーズ」を引いてみてしまったぜ。すると、これが唖然とするほど詳しいのである。オタクの道は深い。
<4月22日>(日)
〇町内会の年次総会である。ここ数年、荒れ気味の町内会、本日も午後1時から始まり、2時間10分というロングラン総会となる。意見が分かれる内容は、わりとどうでもいいような話が中心なのだが、今年は町会長さんが交代することもあり、いろんな事情がからんできてモメるのである。そうそう、「水道光熱費」の決算が多過ぎる、なんていう質疑もありましたな。別に集会場で、「ナントカ還元水」を使っているわけではないのでありますが。
〇その後の懇親会もロングランで、ビールを注いだり、注がれたりして時間が過ぎる。100世帯余りの小さな町内のことゆえ、たとえ揉めても最後はまとまりが良い。大半の人は、ワシよりは年上であって、見渡すと昭和ヒトケタ世代が多い。皆さん、年をとった、体が悪い、どこそこがおかしいなどと言いつつ、若い者より元気であるし、酒もよく飲む。ビール、いったい何本空いたのかしら。普通の宴会と違うのは、集会場で昼間から飲んでいるので、5時半になると自然と中締めとなり、皆さんで後片付けを始めてしまうのである。この辺の呼吸は、いつもながら見事である。
〇そんなわけで、年1回のイベントが終わり、かんべえはまた防犯部長を務めることになった。長く付き合っておりますと、地域社会というのは案外と面白いものであります。
〇統一地方選の後半は、だいたい想定の範囲内であるようです。早々に当確が出て、参院選は1勝1敗。後は夕張市と長崎市でありますな。まあ、疲れたので今日はとっとと寝ることにいたしましょう。フランス大統領選挙は、もちろん誰でも結構であります。
<4月23日>(月)
〇サミットの開催地は洞爺湖でありますか。警備のことを考えれば、妥当な選択ではないかと思います。大都市でやると、一般市民の生活への影響が大き過ぎますからね。今年はドイツが主催国ですが、開催地はハイリゲンダムというバルト海沿岸の小さなリゾート町です。
〇G8サミットは、昔は首都ないし大都市で開催することが多かったですが、9/11以降は僻地での開催が続いています。カナナスキス(カナダ、2002)、エビアン(仏、2003)、シーアイランド(米、2004)、グレンイーグルス(英、2005)ですから。昨年のサンクトペテルスブルグ(ロシア、2006)は大都市ですが、これは初めてだというのと、強権国家ゆえに「警備のためなら何でもできる」という事情があったからでしょう。
〇ロシアと同じようなことは、当然、日本では不可能なわけで、正直なところ、大阪や横浜がサミットを誘致していたというのは、この辺の基本的な事情をわきまえていない国際情勢オンチであるように思われます。今時、「サミット誘致で経済効果を」などと考えるのは、かなり恥ずかしいことであると申し上げておきましょう。実際、誘致に熱心だったのは自治体だけで、民間部門はきわめて冷ややかであったと聞いておりますが。
〇ところで、過去のG8サミットの開催地を調べて見ると、それぞれにお国柄が表れています。
●ドサまわり型(アメリカ)
プエルトリコ(1976)―ウィリアムズバーグ(1983)―ヒューストン(1990)―デンバー(1997)―シーアイランド(2004)
●国内都市回り持ち型(イタリア)
ベネチア(1980)―ベネチア(1987)―ナポリ(1994)―ジェノバ(2001)
●観光都市宣伝型(フランス)
ランブイエ(1975)―ベルサイユ(1982)―アルシュ(1989)―リヨン(1996)―エビアン(2003)
●最初は首都、それからじょじょに地方都市巡回型(独、加、英、日)
ボン(1978)―ボン(1985)―ミュンヘン(1992)―ケルン(1999)―ハイリゲンダム(2007)
オタワ(1981)―トロント(1988)―ハリファックス(1995)―カナナスキス(2002)
ロンドン(1977)―ロンドン(1984)―ロンドン(1991)―バーミンガム(1998)―グレンイーグルス(2005)
東京(1979)―東京(1986)―東京(1993)―沖縄(2000)―洞爺湖(2008)
〇こうして見ると、日本といちばん似ているのは英国ですね。首都で3回もやっている国はほかにはありません。どちらも一極集中型の国土でありますし。しかし今後は首都でG8サミットをやるような機会はあまりないでしょう。時代が求めているのは「僻地のリゾート」。そういう意味では、洞爺湖はピッタリの条件を備えています。
〇もっとも、安倍首相としては、「参院選、北海道は下手すると民主党に2議席行っちゃうかもなあ」という思惑があったのかもしれません。あるいは、中川(酒)さんか武部さんが、「安倍ちゃん、頼むよ〜」「どうせ日豪FTAもやっちゃうんでしょ?このくらいしておかないと、後で許してもらえないよ〜」などと頼み込んでいたりして。いえいえ、そういうことはなかったと信じたい。
<4月24日>(火)
〇エリツィンさんが死んだことに対し、いろんな評価が飛び交っているようです。
〇そりゃま、彼は飲んだくれの政治家で、98年にはロシア経済を沈めてしまったわけですから、非難の声があるのは分からんではない。ワシは1993年に彼が訪日した際に、経済団体主催午餐会の席上で現物を目撃したけれども、日本の経済団体長が立ち並ぶ前で、文字通りのへべれけ状態であった。それでも大向こうを唸らせるような演説をやって、大きな体と大きな声で会場を圧倒してみせた。不世出の大衆政治家であるな、というのが当時の印象です。
〇この話はその昔、佐藤優氏からじかに聞いたけれども、当時のモスクワでは「エリツィンは次にいつ、テニスをするか」がウォッチャーの注目点であった。テニスをした後、エリツィンはサウナに入る。するとそのときだけ、彼はシラフになるのである。その瞬間を逃さず、部下たちは決裁書類を提出する。かくしてエリツィンがテニスをした後は、ロシア政府の人事が発表されるというサイクルがあったのである。とまあ、それくらいムチャクチャな指導者であった。
〇エリツィンは徹頭徹尾、有事の人であったということでしょう。普通、大帝国が崩壊する際には、戦争やら革命やらで大規模な暴力が伴うのが世の習いである。ところがソ連という巨大な軍事国家は、たしかにチェチェンなどの紛争を残してはいるものの、比較的、軽い被害とともに解体され、歴史の中に消えていった。それというのも、エリツィンがロシアの初代大統領となって、うまく解体過程を軟着陸させたからではないか。彼は1999年12月31日に、後継者をちゃんと指名して身を引いた。これでロシアは軌道に乗った。
〇そのエリツィンが、暗殺されることも投獄されることもなく、天寿を全うした。日本風に言えば、「畳の上で死んだ」。ロシアという新しい国にとって、まことに慶賀すべきことではないか。どことは言いませんが、大統領が辞めるや否や投獄されちゃうという民主主義国もあるじゃありませんか。
〇夜は経済同友会の通常総会に潜入。今日で代表幹事が北城恪太郎氏から桜井正光氏へ交代した。それを見ていて思い出したのだけど、今からちょうど12年前、かんべえは同友会の職員として、速水代表幹事の退任に立ち会ったのであった。その後、牛尾治朗氏、小林陽太郎氏、北城恪太郎氏が4年ずつ代表幹事を務めて、ちょうど十二支が一回りしたわけだ。日本経済にとっては、まことに浮き沈みの激しい12年間であったな、と思う。
<4月25日>(水)
〇ちょっとした疑問。エリツィンさんのお葬式に日本を代表して誰が出席するのでしょうか。アメリカはクリントン、ドイツはコールなど、ふさわしい相手が居る国はいいのだが、日本ではそれが見当たらないのである。
〇政治の舞台でエリツィンとがっぷり四つに組んだ相手は、橋本龍太郎氏と小渕恵三氏であって、どちらもすでに故人となっている。森喜朗さんは2000年4月就任なので、これはすれ違い(エリツィンは1999年12月31日に引退)。宮沢喜一さんがかろうじて引っかかっているのだが、最近はお加減がよくないようなので、モスクワまで行って、とはとても頼めない。
〇東京宣言を作った相手である細川護煕氏、という手もあるのだが、こちらは政界引退後は悠悠自適。日本政府を代表して、という点が気にかかる。村山富一さんも同じことでしょう。うーん、1990年代にはあんなに大勢、首相がいたというのに、どいつもこいつもイザというときに使えないのである。困ったもんだ。
〇これで普通に元ロシア大使あたりを名代にして派遣したりすると、弔問外交で日本だけ浮いてしまうんだろうなあ。いっそのこと、ムネオさんに頼んでみますか。もちろんラスプーチンが随行するということで。
<4月26日>(木)
〇以下は備忘録として。昨日、下斗米伸夫先生の話を伺ったのですが、いくつか面白かった点を自分流にアレンジしてメモしておきます。
○土地が広過ぎるロシアでは、農民の間に「土地所有」という概念が育たず、土地を線引きするのはときの権力者の仕事であった。つまり「強権」がなければ、「所有」を決められない風土がある。今日になっても、民間企業であるべきエネルギー会社の方向性を、事実上、クレムリンが決めているのはそういう事情がある。
○ロシアが今年発表した「外交展望」という文書があり、そこで今後の外交方針が示されている。こんな風にマニフェストを定めるとは、独裁政治のソ連時代とは変わったものよの、と思うけれども、実は専門家がこうした文章を練り上げるのは、ソ連時代からの伝統があった。
――この文章を調べると、「『国連』という言葉が『米国』以上に使われている」とか、「『中国』の方が、ほんの少し『日本』よりも登場回数が多い」などの特色を捉えることができる。ひとことで言うと、ロシアが考える今後の世界は「多極化」である。
○ロシアはアメリカ民主党と相性が悪い。(米ソ関係が良かったのは、キッシンジャーやレーガンが出た時代である)。2008年は民主党が勝ちそうなので、できれば残り2年間のブッシュ政権のうちに、いろんなことを決めておきたい。その中にはイスラエルの問題もあるし、日本との平和条約も含まれるかもしれない。
――この点はなるほど同意で、クリントンが最後の1年で中東和平にギリギリまで粘ったように、ブッシュもロシアの応援を得て同じことを目指す可能性がありますね。
<4月27日>(金)
〇今週はやたらとパーティーが多い。経済同友会、如水会、日本ニュージーランド経済委員会と3連荘して、今宵は草思社さんによる「菅原出さんの出版記念パーティー」であった。本はご存知、『外注される戦争』である。
〇菅原出さんは、東京財団の若手安保研究会を過去4年間、一緒にやって来た仲間である。実は彼と最初に会ったのは、1980年代後半に藤井昇さん(当時。現在は改名して藤井厳喜さん)の私塾を訪ねたときのこと。菅原さんはまだ中央大学の学生で、隅っこの方で会計係を担当していた。それから幾星霜がたち、オランダ留学から帰った菅原さんと会ったのが、坂本正弘先生の自宅であり、そこから東京財団のプロジェクトが始まった。何とも不思議なご縁であって、人生に魔法はないのだけれど、出会いには奇跡があるものだと、ふと思ったりする。
〇そういう出版記念パーティーなので、角谷浩一さん、吹浦忠正さん、潮匡人さん、鈴木邦子さん、神保謙さん、などなどとじっくり話すことができて、まことに得がたい機会である。で、例によって馬鹿話をしているうちに、ふと飛び出したのが下記の理論である。
●「安倍政権は、藤川球児である」(――何なんだ、それは)。
〇藤川球児は、阪神タイガースのリリーフエースである。今年は「JFK」の中で最後に出番がやってくる。藤川は直球しか投げない。要するに土佐の男なのである。彼に切れのいいカーブや、すとんと落ちるフォークがあれば、はっきり言って天下無敵であろう。が、9回に登板して残り3人の打者に対し、三振だけを狙って豪速球を投げ込むのが藤川の真骨頂である。人呼んで「魔球・ストレート」。打者の真ん中高めに、愚直に時速151キロのストレートを投げ込む勇姿は、阪神ファンの琴線に触れる。今時、めずらしい一本気な男なのである。
〇が、こんな投法が許されるのは、藤川がいつも「最後の3人」を相手にするからにほかならない。「次のイニングはない」と心して投げるから、ピッチングのテンポは良くなるし、投げ急ぐかのようにストレートをバシバシ決める投法が効果を挙げる。つまり、明日なき投球をしていることが、藤川の強みになっている。
〇それと同様に、安倍首相は内心で「自分は7月の参院選までの命かもしれない」ことを自覚しながら、割り切って政治活動を行っている。国民投票法案といい、公務員改革法案といい、まるで投げ急いでいるかのように見える。その証拠に、あらゆる行動が直球になっているではないか。慰安婦問題などは、「マジレス」が過ぎて、直球が大暴投になってしまった例である。
〇安倍首相の立場になってみれば、確かに参院選で勝てる見込みは低い。とはいえ、ここでとことん戦って負けたとしても、年齢からいって復活の芽がないではない。だったらここは直球勝負が合理的である。下手に変化球を投げて、それで自滅してしまったりしたら目も当てられない。ゆえに安倍首相の姿は、藤川のピッチングに通じるのである。
〇現に、今般発表された「集団的自衛権に関する有識者会議」など、あまりにも直球な人選である。あのメンバーで、集団的自衛権の解釈変更に異を唱える人がいるとは思われません。かんべえのように、あの会議の目的に賛成するものでも、あるいは知人が多く含まれている者でも、「このメンバーはちょっと偏ってるよなあ」と考えてしまう。もう、時速150キロは出てますね。
〇その安倍さんは、今宵、キャンプデービッドでブッシュ大統領と会談する。一本気なブッシュは、日本の野球選手に喩えるならば清原であろう。安倍首相とブッシュ大統領の会談は、藤川対清原のような真剣勝負である。余人はいざ知らず、二人の心には通じるものがあるのではないか。お二人の会談が、実り多いものとなりますように。
<4月28〜29日>(土〜日)
〇以前、長女がお世話になった「こばと共同保育所」のお別れ会。35年の歴史が今日で閉園となる理由は、昨年の10月7〜8日付けで書いた通り。会の趣旨としては「残念ですね」ということなのだが、久しぶりに会う親同士、子供同士、それから保育者の皆さんと顔を突き合わせていると、妙に楽しくなってしまい、あっちでもこっちでも笑い声が漏れる。よその子供の成長ぶりに、驚いたり感心したり。いやはや、月日がたつのは早いものである。
〇考えてみれば、「子育て」を共有することは、一種の運命共同体である。特に無認可の保育園で、親が参加しながら運営しているのだから、その間の心細さというのは大変なものであって、参加していた人は皆「同志」という感覚になる。いつつぶれても不思議はないのだが、いろんな人の頑張りによって、経営が成り立っている。今から思うと、子供を育ててもらっているつもりが、親自身もいろんな面で鍛えられていた、という感じもする。
〇「こばと共同保育所」が誕生した1972年は、ちょうど団塊世代が都市部に出てきて働き始めて、子供を作り始めた頃に当たる。当時の社会は「女性が働く」ことを前提にしておらず、保育所なんてものはほとんどなかった。そんな行政の抜け穴を埋めるために、全国各地で誕生したのが無認可の共同保育所である。親同士がNPO法人のようなものを作り、場所と保育者を確保して運営する。当然のことながら、経営は楽ではないし、父母の負担は大きくなる。かんべえが関与したのは1990年代の前半であるが、正直なところ、よくまあこのスタイルがこんなに長く続いたものだと思う。
〇ちょうどその頃から少子化が問題となって、「子育て支援」が国策となった。何もしていないように見えるけど、少なくとも柏市周辺では、公立保育所が増え、サービス業としての民間保育所も増えている。そんな中で、共同保育所がすたれていくのは、ある程度、必然的なものでしょう。とはいえ、ある時期、そこで一緒に頑張った親同士は、一種の「戦友」みたいな間柄になって、たまに会うと酒がうまかったりする。お陰で「春の天皇賞」を見逃してしまったが、まあ、これは良しとすべきであろう(どうせメイショウサムソンは買えてない)。
〇これは是非、来年は保育所の「一周忌」をやらなければ、などと思った次第。
<4月30日>(月)
〇最近知ったことの備忘メモ。
●おとなのおりがみ。最初に「家政婦は見た」で、わたしゃぶっ飛びましたな。それにしても、なんという罰当たりなオリガミなんでしょう。でも、蟹さん(正確にはカネ道楽)欲しいです。
●ドロンジョ役は誰か? アンジェリーナ・ジョリーに断られた、というのは単なるパブリシティでしょう。では、「ヤッターマン」を実写映画化するとして、普通の日本の女優で誰が適当か。って、日活は早く過ちに気づいて欲しい。ちなみにかんべえは天海祐希に一票。
●アッキーがブッシュ大統領に馬鹿受け。安倍さんの訪米中、全部で32時間の滞在中、ファッションは7通りに変化した由。いつ着替えたんでしょう。そのせいか、政権支持率も久々にあがっているようで。(参考:毎日新聞と日経新聞)
●テレビ局での仕事の仕方は、社によって結構違う。
「他局ではフリップと呼ぶ説明用の“絵”のことを、NHKと日本テレビでは“パターン“と呼ぶ」――どうやら設立の古い局は“パターン”で、新しい局は“フリップ”らしいです。マーケット番組なんかでは、もっぱら“フリップ”なんですけどね。
「フジテレビでは“従軍慰安婦“という言葉を使わない」――やっぱり親会社の影響ってあるんですね。テレ朝では普通に使ってますけど。
〇皆さま、連休はいかがお過ごしでしょうか。かんべえはカレンダー通りなので、明日は出社です。
編集者敬白
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by Tatsuhiko Yoshizaki