<9月1日>(金)
〇今朝の日経新聞「大機小機」の記事に感心いたしました。そうか、そうだったのか!
●4〜6月期GDPに2つの謎
〇確かに4−6月期が前期比年率6.0%増とは高過ぎる。そんなに急によくなった感じはないだろう。やっぱりデータが変なのだ。
まず、GDPの変化を見るには前期比でなく前年同期比を見た方がよい。一般に参照される前期比は原数値を季節調整したものを使う。しかし、ここ数年、GDPは新型コロナウイルスの影響などで不規則な変動を繰り返し、適切に季節調整するのは難しい。こんな時はできるだけ生の数字をベースに考える。前年同期比は原数値同士の比較だから、前期比より実態に近い。
そこで4〜6月期のGDPを前年同期比で見ると、実質成長率は2%であり、前期と同じだ。日本経済は2%程度の巡航速度で緩やかな成長を続けていることになる。個人消費は0.2%、民間設備投資は2.9%の伸びで、これも緩やかに増加している。
〇中国みたいにGDPを前年同期比で発表するのは、ワシ的には「ちっ、ダサいぜ!」と思っていたのだが、四半期の季節調整に自信がないときは、原数値同士を前年と比べる方がいいとのこと。これは知らんかった。「隅田川」先生には多謝あるのみだ。日本経済が2%程度の巡航速度で成長を続けている、という結論にはまったく同意である。
〇もう一点、「輸入の減少がGDPをかさ上げした」というロジックはご指摘通り奇妙である。今年の1月の貿易収支は▲3.5兆円で、それが6月や7月になると「ほぼチャラ」になっているのだから、輸入が減ったことは間違いない。が、それが景気が良くなることとは関係ない。むしろ景気が悪かったから輸入が減ったのではないかと思われてくる。輸入の減少がGDPに寄与するのは、あくまでも計算に関するテクニカルな話である。
〇今日は廣瀬陽子先生の「経済教室」も勉強になりました。いや、やっぱり日経新聞はきちんと読まなきゃいけませんな。
<9月3日>(日)
〇われながら、なんでこんなに仕事が積み重なっているのか。それでも土日の間に、来週いくつもある講演会の資料を作り、NHKラジオのネタを書き、とっくに締め切りを過ぎている7000字の原稿を書く。腰痛ぶり返し。
〇それでも昨日アップされたこの原稿が読まれているのを見ると、ちょっとだけ元気が出る。競馬の予想は外れちゃったけどね。新潟記念のマイネルウィルトスは10着でした。とほほほほ。それでも鞍上のデムーロ騎手は、新潟10R(両津湾特別)で筆者に中穴の三連複をもたらしてくれました。ありがとう、ミルコ...
〇それからこの週末は、タイガースがヤクルト相手に連勝してマジックが再点灯。それから「陥落争い」の柏レイソルが、「優勝争い」の横浜Fマリノスを破るという快挙を成し遂げてくれました。ああ、ホッとした。おっ、今日も先取点を取っておるではないか。いいぞ、その調子。佐藤輝明がスリーランホームラン。
〇ということで、もう仕事は止めにしてビールを空けました。ビールが空いたら、ニュージーランドワインを開けます。ちなみに明日は「モーサテ」に登場します。
<9月4日>(月)
〇今日はモーサテへ。「プロの眼」のネタは「岸田総理、秋の政策運営は?」でありました。トーク枠は8分(このコーナーでは破格の水準)もいただいていたのですが、「今日は余裕だなあ」と思っていたら、しっかりオーバーしてしまいました。どうもすみません。
〇本日ご一緒したシティグループ証券の阪上さんが、「アメリカの10年もの実質金利が2008年以前の水準になっている」と言っているのを興味深く感じました。リーマンショックからこの方、アメリカの長期金利は低下してしまい、需要が低迷して「まるで日本化」などと言われ続けてきたのであります。ところが、今回のコロナ禍とそれに対するさまざまな政策が一種の「ショック療法」になったのか、経済情勢が「リーマン前」に戻っているように見える。
〇こういうのって「オールド・ノーマル」というのでしょうか。そうだとすると、量的緩和政策の解除が正当化されるわけでありまして、FRBはいわゆる「出口政策」に向かうことになります。アメリカ経済は世界最大の経済であるにもかかわらず、しばしば大胆な実験を行って考えられないような変身を遂げることがある。こういう点が他の追従を許さないところでありまして、いつものことながら唖然とさせられるところであります。
<9月5日>(火)
〇内外情勢調査会の講師で水戸市へ。茨城支部は全国の中でも大きな支部である。本日も多数のご来場をいただきありがたく存じます。特に毎度、ご贔屓にしていただいている常陽銀行さんが来ておられたのには恐縮しました。
〇そういえば今年の5月連休には、北茨城市の五浦温泉に泊まったのであった。あそこは岡倉天心の下に、まだ無名であった横山大観以下の日本画家たちが修業した場所である。何しろ漁港であるから、旨い魚が安く買える。ところが若き日本画家たちは、その魚を買う金もなかった。ひたすら周囲の絶景を描く日々であった。確かに今見ても、五浦温泉から見る茨城県の沿岸の景色は素晴らしい。
〇功成り名遂げた後の横山大観は、熱海が気に入ってみずから別荘を持ち、なおかつ中山製鋼所の別荘に入り浸り、そこで絵筆を取ることもあった。それが戦後になって「熱海大観荘」となった。それに比べると、まだ無名だった頃の大観が修業した北茨城市には、五浦観光ホテル別館大観荘が残っている。2つの大観荘、両方泊まってみましたが、お値段はもちろん後者の方がリーズナブルなのでありました。
〇茨城県の漁民さんたちからすれば、今回の福島県のALPS処理水問題に対する中国の仕打ちはまことにヒドイものである。日本産水産物輸入の全面禁止とは。とはいえ、中国側としては、その後はいろいろ誤算続きのようである。まず、中国産の水産物まで売れなくなった。海は繋がっているのだから、自国の消費者を脅かしたら、そういう判断になるのは当たり前であろう。知らんがな。
〇次に「日本はひどい」と言って流していた情報の多くが、西側メディアから「フェイクだ」という指摘を受けたこと。自国民はだませても、海外は近年、その手のギミックに敏感になっている。加えて「コイツは絶対仲間になってくれる」と思っていた韓国にも裏切られた。ついでに言えば、盟友であるはずのロシアでさえ、あの国ならではの放射能に対する「鈍感力」を発揮している模様。一緒になって騒いでくれる相手がいない。
〇ということで、振り上げた拳の降ろし場所に苦労されることになると思われます。おそらくはいろんなルートで日本産海産物は買われていき、10月には中国人観光客がどっと来るのではありますまいか。まあ、そんなことより今週のアジアは、東アジアサミットにG20首脳会議と外交日程が続きます。習近平国家主席としては、初のG20欠席となりますが、果たしてどんな事情が隠れているのやら。
〇てなことで、今週の推移を生温く見ていきたいと思います。
<9月6日>(水)
〇本日は、参議院の政策担当秘書の研修会で講師を務める。と言っても、日本経済や海外経済の現状について、いつもあっちこっちでやっているのと同じ話をしているだけなのだが、せっかくの機会なので質問の時間を長くとることにしている。すると結構、「深イイ」ご質問を頂戴することになるので、うかうかしては居られないのだが、これが楽しくていい雰囲気なのである。
〇この企画の講師をお引き受けするのは、今年で3年目となる。たまたま今年は日程の後半に位置していたこともあってか、受講者の皆さんが「練れて」いて、非常にいい雰囲気なのである。しかも個々人のレベルが高い。ワシなんぞは単に「最近の内外経済」を語るだけだけれども、他のプラグラムを見ると授業内容がとっても高度になっているので。まあ、それは昨今の政策を考えれば無理もない話である。
〇国会議員の政策担当秘書という制度は、できてからかれこれ30年近くなる。当初はベテラン秘書さんへの「ご苦労さん人事」みたいなケースが少なくなかったと記憶している。だから登用もそれほど四角四面なことは言わなくて、割りと柔軟に運用されていたんじゃないかと思う。
〇それが時代がたつにつれて、国会議員自体がどんどん「政策志向」になってきたし、秘書さんたちも高学歴化しつつある。政策担当秘書の仕事も、どんどん高度化しているのではないだろうか。まあ、そういう仕事のお手伝いをするのは、エコノミスト冥利に尽きることである。「先週の溜池通信にこんな風に書いてありましたが・・・」などという質問を受けられるのは、まことにありがたいことであります。
〇昔の永田町は、国会議員も秘書さんたちも「人間力」が勝負で、それこそ遠くから見てもそれとわかるくらいの「オーラ」を帯びた人たちが少なくなかった。昨今はそれがだんだん「フツー」になってきて、すれ違ってから「あれ?今のは〇〇先生だったの?」みたいなことが増えているらしい。
〇まあ、その辺のことも含めて「時代」なんでしょうな。議員先生も秘書さんたちも政策志向になっている。それは結構なことであると思います。
<9月7日>(木)
〇昨日の日経新聞電子版、この記事は面白かったな。
●習氏が北戴河会議で激怒 G20欠席、発端は長老の諫言 編集委員 中沢克二
〇こういうと申し訳ないのだが、この記事はいろいろツッコミどころがないわけではないし、そもそも裏が取れない話ばかりである。ところが中沢さんという方は、こういう怪しい話を書くと天下一品で、「まあ、中南海というのはこんな感じなんだろうな」といつも思わせてくれる。会ったことないけど、注目している記者のひとりである。
〇それにしても、不思議なことが多過ぎる。まずは習近平氏、先月はBRICS会議に出席して、今月のG20に欠席するなんてありえないだろう。今までは皆勤賞なんだから。南アで行われたBRICS会議でも、丸一日姿を見せなかったという。このところ奇怪な行動が目立つ。
〇みずからが強引に引き上げた秦剛外相が解任されて、その後、姿が見当たらないというのも不思議である。たぶんスパイ容疑かなんかなのであろう。それからこのタイミングで、李克強前首相が引退してから初めて姿を表した、というのも奇妙な符合である。「反・習近平派が総決起している」と考えると、いろいろつじつまが合ってくる。
〇バイデン政権は、短期間に5人の閣僚を次々に北京に派遣したけれども(バーンズCIA長官、ブリンケン国務長官、イエレン財務長官、ケリー気候変動大使、レモンド商務長官)、おそらくは11月のAPEC首脳会議の前に、今週末のG20での米中首脳会談を思い描いていたのであろう。それをドタキャンされてしまったので、さてもさても困ったことである。
〇しかもこの間、中国外交がやっていることは無茶苦茶である。ASEAN関連会議の直前に「新しい地図」を発表して、南シナ海沿岸諸国を怒らせる。福島処理水に逆切れして、日本の水産物輸入を全面禁輸する。インドはもちろん、G20への習近平欠席に腹を立てているだろう。こんなにいっぱい敵を作ってどうするつもりなのか。
〇「今はそれどころじゃないんだ!」という声が聞こえてきそうである。たぶん「今、国を離れると、何をされるかわからない」的な緊張があるのではありますまいか。知らんけど。
<9月8日>(金)
〇ラグビーのワールドカップがいよいよ始まりますな。何と初戦は開催国フランス対ニュージーランドでありますか。これはちょっと見てみたい。でも、明日の午前4時15分からである。うーむ、土曜日だというのに起きられるだろうか。
〇そういえばこの日のために、ワシはHAKAというニュージーランドワインを買ってあったのであった。もちろんオールブラックス(最近は弱くなっていて、世界ランキングはフランスが3位でNZが4位である)を応援するためである。いや、もちろんブレイブ・ブロッサムズの方が優先順位は高いのだけど。
〇ラグビーW杯の記憶は、令和元年の秋、コロナがまだなかった頃であった。だから純粋に楽しめそうな気がする。おそらく来年のパリ五輪大会は、素直に楽しめないだろうからなあ。東京五輪の暗い記憶がどうしても蘇ってしまうから。
〇それにしても国立競技場を、「屋根なし、冷房なし」にしたのは天下の不作と言うべきであった。せめて屋根アリにしておけば、テイラー・スウィフトのコンサートの一発で年間の維持費くらいは楽勝で出たはずなのに。「安物買いの銭失い」とはまさにこのことである。
〇だいたい昔から、「無駄をなくしましょう!」などと言うヤツに碌なのはおらん。本人はいいことをしているつもりなのだから、ますます困ったものである。貧乏人の民主主義にはくれぐれも気を付けましょう。「私は歳費を返上しています」なんて議員に、まともな奴がおるわけないじゃないですか。
<9月9日>(土)
〇本日は、政策研究大学院大学に出かけて、道下徳成先生の「情報と安全保障」講座に伺う。社会人学生の皆さんに対し、何のお話をするかと言うと、「溜池通信はどんな風に作られているのか」。
〇そんなもの、いつも時間に追われてバタバタと書いているだけなので、あらためて方法論を聞かれると慌ててしまうのである。どうやってテーマを決めるのかとか、どこでネタを得ているのかとか、そもそもなんでこんな面倒な仕事を始めてしまったのか、など。誰かに頼まれたわけではない、もちろん仕事で命じられたわけでもない。自分で決めて、自分で書き始めて、昨日書いた分で通巻772号になる。ここまで20年以上かかっている。
〇それでもこんなテーマについてお話しができて、たくさん質問もいただけるのであるから、「モノを書く人」としてはありがたいことである。気がついてみたら、いろんな人に読まれているみたいだし、影響を与えていることも少なからずあるらしい。
〇世の中が細分化されてしまって、誰もが「専門家」という狭い枠の中で発言する時代にあっては、これだけいろんなテーマを取り上げてるニューズレターはちょっとめずらしいかもしれない。「お前は何の資格があってこんなことを書いているのか」と突っ込まれたら、非常に困るのであるけれども、「だって20年前からずっと書き続けているから」と言うことはできる。それって嘘じゃないし。
〇ということで、こんなことを申し上げました。
(1)同じ作業を長く続けることにはメリットがある。過去に自分が書いたものを読み返すと、当時のことがだいたい思い出せてしまう。
(2)面倒な作業を嫌がってはいけない。外国語の資料を読むとか、丁寧で美しい図表を作るとか、そういうことは後で必ず役に立つ。
(3)政治とは日程なり。先々のカレンダーを作ってみることで、将来を予測するいろんな手掛かりが得られる。
〇われながらちょっと偉そうである。まあ、たまにはいいか。ちょっといい気分になって帰ってきました。
<9月11日>(月)
〇ニューデリーG20サミットが終了しました。とりあえずの感想を書いておきます。
〇まずは「共同宣言」がちゃんと出せた、という点に素朴に感心しました。たしか日経の経済教室で、少し前に鈴木一人教授が「出せないのではないか」と書かれていて、それは常識的な読み筋であったと思います。なぜかと言えば、去年のバリG20サミットでは、議長国のインドネシアが頑張って、ちゃんとロシアを非難する声明をまとめて出したのです。ジョコ大統領、ここは頑張ったよね、ということで西側では非常に評価が高かった。
〇今年はその上をいかなければならない。そうだとすると、ハードルはかなり高い。ところが今年は、土曜日の夜の時点で共同宣言が出てしまった。「へー、出せたんだ!」と感心して原文(日本語訳)を見に行くと、「そりゃあ、これなら出せるよなあ・・・」と言いたくなるような無難な線でまとめられている。たぶんラブロフ外相は上機嫌になっていただろう。「ウクライナ戦争」ではなくて、「ウクライナにおける戦争」だし、「全ての国は・・・領土取得を追及するための武力による威嚇または武力の行使は慎まねばならない」とあるけれども、これは特定の国を指しているわけではない。ロシアは非難されていないのです。
〇その代わりと言っては何だけれども、前段の部分で「バリでの議論を想起しつつ」などという文言が入っている。これは「去年の共同宣言のことも忘れてないですよ〜」というポーズであろう。ただしバリ宣言から比べれば大きな後退であって、「インドってインドネシア以下じゃん!」というのが、G7側から見た場合の評価となる。西側世論における「インドのモテ期」は、これで終わりを告げるかもしれませんな。
〇とはいうものの、インドとしては最初からそんなところで精力を使う気はさらさらなかったのでありましょう。今回のG20共同声明は、ある程度までは8月下旬のBRICS会議ですり合わせが済んでいたのかもしれません。インドの目線は、徹頭徹尾「グローバルサウス」にある。G20会議は、来年はブラジルが議長国で、再来年は南アである。議長国は前年と翌年を併せた3か国が「トロイカ」を組んで議事運営に当たることになっているので、この先、当分はG20が「BRICS目線」「グローバルサウス目線」になることが予想されます。
〇ちなみに2025年の南ア会議をもってG20会議は一巡し、2026年には最初の開催国であるアメリカに戻ります。このことは、ちゃんと共同宣言の最後の部分に書かれていて(2026年の米国での再会を楽しみにしている)、でも、この部分に中国は異議を唱えたらしい。押し切られちゃったけど。中国は本気でG20を「反西側」にしたいのでしょうな。
〇インドの視点から見ると、そんな中国の姿勢は「イタイ」のだと思います。おそらくはこんな感じでしょう。「お前らさあ、『100年にわたる屈辱の歴史』だなんて、偉そうに言うんじゃないよ。それをいったら、インドの屈辱は200年だぜ。でも俺たちはそこまで反・西側じゃないし、もちろん歴史をカードにして自国内をまとめようなんて考えない。そんなの、後で自分が苦しむだけじゃないか。むしろ西側諸国から、きっちり取るべきものを取るのが、大人の外交ってもんじゃないのかよ」。
〇そしてまた、グローバルサウスの大勢も、中国の「反西側路線」よりも、インドの「融通無碍、独立独歩、天上天下、唯我独尊」という路線の方がしっくりくるはず。中国はこのところ次から次への疑問手を連発して、とうとう福島の処理水問題でまで孤立してしまっている。まあ、これは韓国が日本側についてくれたことが大きいのだけれども。
〇それにしても岸田さんは意外と勝負師ですな。明後日は人事という形で別の勝負をされるようですが、その辺の話はまた明日にでも。
<9月13日>(水)
〇昨日から今日にかけての内閣改造+自民党役員人事に対する不肖かんべえの公式コメントは以下のとおりです。
●内閣改造「攻めの姿勢」、巧妙な人事 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏
〇その上でもうちょっと踏み込んだことを言わせてもらうならば、「宏池会の闇」みたいなものが垣間見えた人事だったかなあ、という気がいたしました。きわめて直観的な話になりますけど。
〇もうひとつ感じたのは、「安倍内閣の人事は油性ペン、岸田内閣の人事は水性ペン」ということであります。安倍首相というのは、良くも悪くも人情に厚い人でしたから、味方にはとことん優しいし、敵に対してはきわめて容赦ない。たとえば「石破さんだけは許さねえ」みたいなところがあった。そうなると「チーム安倍」内では、猛烈な忠誠心競争や忖度しまくりみたいな事態が起きるので、その結果が「モリカケ」であったのではないかと拝察いたします。
〇その点、岸田さんは極めて融通無碍であって、「石破さんにも会っておこうかなあ〜」みたいな動きをする。あるいは信用できない茂木幹事長を留任させるかどうか、ギリギリまで悩んだりもする。君子の交わりは淡きこと水のごとし、というのが宏池会ですから、人間関係が非常にハイコンテキストなんですねえ。お公家さん集団というのは、そういうところがなかなかにツラかったりする。
〇ついでもって言えば、旧平成研というのはもっと実力主義の集団でしたから、いわば野村証券みたいに「喧嘩に勝ったヤツが偉くなる」。これはこれでスッキリしている。100%リアリズムが横行する世界。弱肉強食、戦国時代でありますから、これはこれで永田町ワールドではある。
〇てなことで、「嫌な渡世だなあ」という気持ちを味わった昨日今日の人事でありました。いやはや何とも。
<9月14日>(木)
〇本日、めでたく「アレ」が実現しました。阪神タイガース、18年ぶりのセ・リーグ優勝であります。いやあ、久しぶり。しかし今年のタイガースは強かったよね。まさか9月になってマジックが点灯してから、11連勝で決めてしまうとは。堂々の強さという感じです。
〇なんで今年のタイガースが強いかと言うと、近年のドラフトが奇跡的に成功しているのですね。こんな感じです。
●2022年 1位 森下翔太(3番打者・外野手)
●2020年 1位 佐藤輝明(5番打者・内野手) 6位 中野拓夢(2番打者、内野手)
●2018年 1位 近本光司(1番打者・外野手) 3位 木浪聖也(8番打者、内野手)
●2016年 1位 大山悠輔(4番打者・内野手)
〇なぜか見事な隔年現象があるのですが、近年のドラフト上位選手がちゃんと育ってチームの主軸になっているのです。阪神タイガースのファンをもう何十年もやってますけど、いつも外人やトレードでやってきた選手が活躍するチームで、これは大阪らしい実力主義の伝統によるものなのだと思うのですが、これだけ生え抜きが多いことはめずらしい。しかしこれだけ選手を内部で育てているからには、この強さはホンモノですな。投手陣もコマが揃っているし、とりあえずクライマックスシリーズは負ける気がしませんな。
〇ということで、「らしくない」今年の阪神ですが、この先の日本シリーズは2003年も2005年も大敗しているので油断がなりません。下手な言葉はなるべく使いたくないですな。「アレ」はもう使ってしまったから、「ナニ」で行きますか。オリックスを倒してナニしちゃおうっかなあ〜てなことで。
<9月16日>(土)
〇本日は日本FP協会さんの「FPフェアin仙台」へ。
〇朝一番で上野駅に行ったら、信じられないくらいごった返している。そうか、「はやぶさ」の指定席が1号車の3席しか空いていなかったのは、なるほど「9月の三連休初日」だったからであったのか。日本列島、暑さもまだまだ続いているが、人々の移動も続いている。
〇今年は仙台に来るのは3回目である。最初は2月で、自分も含めて全員がマスク着用であった。次は5月で、こちらはマスクなしだったが、仙台駅に着いたら97%くらいの人がマスク着用でちょっと焦った。9月の今回はどうだったかというと、マスク着用率は6〜7割といったところか。ほとんど都内と変わらなくなった感じである。なんだか定点観測しているみたいですな。
〇仙台駅の近くにあるAERというビルに会場がある。21階まで上がって周囲を見渡すと、しみじみ仙台は大都会である。今日は100人以上は来ておられましたね。熱心に聞いていただいていたようで、こういうお客さんは大事にしたいです。
〇仙台在住のM氏と合流してランチへ。お勧めの蕎麦屋さんには、なんと「富山の白エビかき揚げせいろ」がありました。いやー、ありがたいです。大きいかき揚げでした。
〇ということで、帰ってきたらちゃんと夕方の「夏の防犯パトロール」の時間に間に合ってしまった。何とも便利なのである。
<9月18日>(月)
〇9月も後半だというのに、なんでこうも暑いのか。普通はこの時期になると台風も来て、「一雨ごとに涼しくなりますねえ」などという麗しい挨拶が交わされるものである。ところが今年の関東地方ではその雨さえもなかなか降らない。結果として暑さは変わらない。
〇その一方で人出は相当なものである。本日、不肖かんべえは久しぶりで中山競馬場に出かけたのであるが、午前9時台からどっとファンが押しかけていたのである。別にG1レースじゃないですよ。月曜日の2場開催で、メインはセントライト記念。3歳牡馬のレースで1〜3着には菊花賞への出走権が得られる。競馬は楽しいんだけど、こんなに汗をかきますかなあ。
〇そういえば、昨日行った近所のショッピングモールも大変な混雑でありました。やはり9月の3連休、日本列島は動いているのですよ。7−9月期のGDPは、どんなことになるのやら。ああ、でもひと雨ほしい。
<9月19日>(火)
〇気の早い話ではあるが、クライマックスシリーズなどはどう転んでも負けないだろうと考えて、ここから先、気になるのは日本シリーズにおける岡田采配なのである。それって1か月くらい先の話だと思うのだが、「ソレ」(日本一の隠語)ができるかどうかは大問題である。特に相手がオリックス・バファローズと考えれば、この「関西ダービー」で勝てるかどうかは天と地ほどの差があると考えねばならない。
〇岡田彰布氏は、たまたま監督に復帰就任1年目に優勝してしまったのだが、これは1985年の吉田義男と全く同じパターンである。あのときも吉田監督は大いにもてはやされたのであるが、翌年にはもう落ち目の三度笠であった。まだ若かりし頃のワシが1986年に大阪に出張したら、タクシーの運転手が「だから吉田があかんねん!」と言っていたので、大阪人の節操のなさには感銘を受けたものである。
〇ということは、岡田監督も2年目にどうなるかは知れたものではない。いくら投手陣が若くて、内野手も外野手もドラフトから育てた生え抜きばかりが揃っていて、たまに採る外国人も活躍する風土ではあるのだが、タイガースファン歴半世紀になんなんとする身からすれば、当然、不安の方が先に来る。だから今年、勝つしかない。やっぱ「ソレ」や。
〇そこで日本シリーズ対策を考えてみるのだが、さしたる名案があるわけではない。打線は今のままで行くしかないし、それでダメならしょうがないのである。当たれば、かなりいい線行くだろう。しかるにそこは、サイコロを振って出たとこ勝負みたいな世界である。
〇おそらく問題は投手起用であろう。第1戦を誰に投げさせるかが問題なのである。防御率から言ったら村上頌樹の一択なのだが、オリックスの初戦は山本由伸であろう。これは正直、打てるような気がしない。いや、打てるときは打ってしまうのである。それこそ佐藤輝明がスカコーン!と打ってくれるかもしれない。しかるにそれは計算が立たないので、「日本シリーズは第2戦が勝負」というセオリーに沿って、村上は第2戦に起用したい。
〇第1戦は青柳晃洋ないしは西勇輝であろう。ここはベテランにお任せで。第3戦は伊藤将司、大竹耕太郎、才木浩人の中から、いちばん調子がいいヤツを。こうやって考えていくと、なんだか勝てそうな気がしてくる。いやね、これぞ「取らぬ狸の皮算用」というやつで、でも「トラたぬ」は阪神ファンの常なのである。ああ、こんな妄想を1か月くらいも楽しめるのであるから、今年はなんて恵まれているんだろう。
〇いや、ラグビーのW杯も応援しなきゃいけないとは思っているのだけれども、ついついこっちが先に来てしまう。だって18年ぶりなんだもん。
<9月20日>(水)
〇本日の産経新聞正論欄に寄稿しました。
●日韓互いの国益にかなう緊密化
〇「韓国嫌い」の人たちがなんていうのか、ちょっと怖いような、楽しみなような。
〇でも、日韓は「トランプ復活」にも備えなければならない。NYの国連総会では、ゼレンスキー大統領もそのことを恐れているような感じですね。当たり前か。
<9月22日>(金)
〇今週はオリックス・バファローズがパ・リーグ優勝を決めました。阪神と同様に2位に10ゲーム以上差をつけておりますが、それでもクライマックス・シリーズは行われる。2位と3位のチームにとっては、エクストラのゲームがあるから球団の実入りが増えるから、一度始めてしまったら美味しくてなかなか止められない制度である。
〇とはいえ、日本シリーズが始まるのが10月28日と考えると、あまりにも間が空きすぎる。野球界はこんなことでいいのでしょうか。トラキチ仲間には「DeNAはちょっと怖いです」という声もあったりして、言われてみると急に不安になったりもする。まあ、順当に「阪神タイガース対オリックスバファローズ」の「兵庫県ダービー」がみられることを希望します。
〇ところでオリックスには苦難の歴史がある。これを読むと、しみじみと往時が思い出されてくる。いろいろあったよねえ。ワシなんかいまだに、「あれ?オリックスってブルーウェーブだっけ、それともブレーブスだっけ?」などと思うことがあるもん。
●阪神優勝より穏やか 「オリックス優勝」の納得背景
〇これはシンクタンク業界の黒歴史かもしれませんが、「三和総研が誕生したときに、最初に与えられた仕事は『球団を買うとこんなに儲かります』というレポートを書くことだった」。もっともブレーブスを買収した後の宮内さんは、「球団経営なんて、ちっとも儲かりません!」とご立腹モードだったようですが。
<9月23日>(土)
〇今週は溜池通信だけでなく、東洋経済オンラインも書いております。テーマは、「もう無視できない!トランプ大統領復活の可能性」。
〇同じような話を、本日の「モーサテサタデー」でもお話ししました。今日のキャスターは池谷さんではなくて、夏季休暇から戻ったばかりの相内さん。池谷さんはちゃんと番組を見ていてくれたようです。
〇お休み中にアメリカに行っていたという相内さん、物価高はひとしおだったようで、NYでは「8ドルのアイス」を食べたんだそうです。ひえ〜、そりゃあ大変だ。「旅先では日本人をほとんど見かけませんでした」というのも致し方ないことかもしれません。
〇そういえば先日、クック・ポリティカル・レポートの記事を読んでいたら、「民主党が総得票数で共和党を上回るのは、スタバに行って5ドル出せば珈琲が飲めるのと同じくらい確実なことだ」という表現が出てきて、「おいおい、コーヒー一杯が5ドルかよ」と唖然と致しましたな。
〇かくなる上は、伊藤隆敏先生のようにドル建てで給料をいただけるような身の上にならないと、この円安貧乏からは逃げられそうにない。ドル資産を買うという手もあるけれども、皆さんがそれをやるとますます円安が加速しますわなあ。
<9月24日>(日)
〇来週も色々と気がかりな仕事はあるのだが、今日はエイやっと競馬三昧。先週は中山競馬場に行ったので、本日は浅草WINSへ。どうせだからとネットでエクセルシートを購入する。とっても久しぶり。とはいえ、慣れないことをするものではない。確認メールについているQRコードが、なかなか出てきてくれなくて入り口で往生しましたぞ。
〇コロナ後のWINSは、やっぱり以前に比べて静かになっている。ゴール前になると、「差せ!」「そのまま!」てな声は出るけれども、どこか抑制的である。そもそも、スマホで馬券を買っている人が半分以上なので、はずれ馬券が散乱する、なんてこともない。以前は、「今のレースはなあ〜」などと講釈してくれる人が居て、それが結構、勉強になったりしたのであるが、そういう「賭場の一体感」みたいなものは失われている。
〇まあ、それはよろしい。ギャンブルとは本来、孤独な行為なのである。表向きはワイワイガヤガヤと盛り上がっていても、実は自分の勝負のことしか考えていない。それがいい。ひとりでランチに行くのが苦手、という人は、ギャンブルには手を出さない方がいい。
〇で、本日のかんべえは負けるのである。たまに当たっても小さい。いわゆるトリガミというやつだ。それでも、今日のメインは産経オールカマーと京都新聞杯。どちらも秋のG1戦線を占う重要な前哨戦である。今週の東洋経済オンラインでは、「タイトルホルダーとハーツコンチェルト」を予測したので、責任を取るというわけではないのだが、どちらも単勝を5000円ずつ。せっかくだから、ちゃんと紙の馬券で購入する。
〇ところがどちらも外れるのである。とほほほほ。オールカマーはローシャムパーク、京都新聞杯はサトノグランツの勝利である。ちなみに上海馬券王先生は、神戸新聞杯を10番人気のサヴォーナから買って3連複を当てている。畏るべし。来週のスプリンターズステークスも、どうかその調子で当ててくださいまし。
〇ということで、うーむ、今日は負けた負けた。タイトルホルダーは2着だったけれども、ローシャンパークはレコード勝ちなので、1馬身差はまあまあの出来である。とはいえ、4歳時までの「とてつもない強さ」ではなく、ごくフツーの強さになってしまった感がある。ということで、秋のG1に出るときは要注意。憑き物は落ちている。秋の天皇賞やジャパンカップでは、果たして何を買えばいいのかねえ。
<9月25日>(月)
〇アメリカ出張帰りの方を囲んでの昼食会。いろいろネタは豊富なのであるが、「ジャクソンホールのホテルは一泊999ドルだった」というから、一同、そこがツボになってしまった。だって食事も温泉もついてない価格ですよ。いくら観光地価格だからと言って、伝統のフライフィッシングが出来るからと言って、夏場にFRBの会議があるからと言って、どんだけ〜!
〇そうなると皆さん、「どこそこのホテルはこんなに酷かった」「どこそこで食べたラーメンは××××円相当」といった会話が途切れなくなってしまう。皆さん、海外ではいろんな怨念を抱えておられるのである。しかるに状況は悪化の一途を辿っていて、今やバンコクでさえも円安を痛感する日々であるという。
〇他方、「どこのエアラインはお値打ちか」という話も飛び交う。これについては、「カタール航空がかな〜りいいらしい」「もうJAL/ANAは高くて手が出ない」「機体もサービスもあんまり良くはない」ということで衆議が一決する。貧乏な日本人客ばかりを相手にしていたら、JAL/ANAのサービスも磨かれない理屈である。そりゃあそうだよなあ。
〇日本のエアラインが高止まりするのは、われわれが海外に行かないからである。インバウンドがいくら増えてもアウトバウンドが増えないと、エアラインはフライトを増やせないので値段が高止まりする。その点、カタール航空は世界一周チケットを安値で売りまくって、乗客を増やすことによって単価を下げている。2週間、オールビジネスクラスで世界を一周して60万円ですって。途中、ドーハを経由することになるけど、そこのホテルがまた良かったりするらしい。
〇不肖かんべえは、このところはもっぱら国内の講演出張ばかりだけれども、地方都市のどこへ行っても、ホテルにはちゃんと朝食とミネラルウォーターとアメニティがついている。どうかすると温泉がついていることもある。それで滅多に一泊100ドルを超えることはない。ああ、なんてお値打ち。それすら外国人ばかりが楽しんでいたりする。
〇内外価格差は拡大の一途である。これでいいのか。ああ、円安貧乏が憎い。植田さん、何とかしてくださいっ!
<9月26日>(火)
〇今週いっぱいで令和5年度の上半期が終了し、来週からは下半期が始まります。アメリカではちょうど2023年財政年度が終わり、次の年度が始まります。そこでお馴染みの問題がやってくる。新年度予算が成立しないので、来週から政府閉鎖の恐れがあります。
〇まあ、政府閉鎖は毎度のことなんで、今年6月に騒いでいた「債務上限問題よりはマシ」と達観してもいいのですが、それにしても国民生活を人質にとるのは、褒められたことではありませぬ。今回は与野党間というよりは、共和党内の反目が中心です。要は6月の債務上限問題が意外にもササッと決まったので、不平分子がまだ成仏していないのです。
〇政府閉鎖になったところで、公務員給与の支払いが止まるとか、国立公園が閉鎖になるといったことが中心で、それほど大きな騒ぎにはならないはずです。それでも空港が混みあったり、FDAの検査が遅れるとか、中小企業庁のローンの審査が止まるといったことはあるかもしれません。
〇ひとつ気になるのは、政府閉鎖で統計の発表が止まっちゃったら困りますわね。来月早々に出る9月の雇用統計やCPIの発表が遅れるとなると、これは金融政策にも影響が出かねない。投資家の皆様におかれましては、この点は少々注意が必要でしょう。
<9月27日>(水)
〇本日は王座戦の第三局。挑戦者藤井七冠が永瀬王座に対して1勝1敗で先手番。序盤から後手の永瀬王座がうまく指して、着実にリードを広げる。雁木囲いから袖飛車にして端攻め、という形が上手く決まって、夕食休憩の時間ではAI評価値もほぼ6対4で永瀬王座優勢であった。
〇今宵はさる飲み会があって、チラチラと盤面をチェックしていたのであるが、65手目に藤井七冠が2一飛車と打ち込んだ時点で評価値は90対10。ここで3一歩と受けていれば、どう考えても後手の勝ち筋。ところが最後の持ち時間4分を使い果たして永瀬王座が指した手は4一飛車打ち。ここで先手番藤井七冠に6五角という攻防の妙手が飛び出して、いきなり形勢は怪しくなる。
〇両者秒読みモードになると、やはり藤井七冠の読みの正確さが光る。午後8時過ぎに、ついに逆転。AI評価値は今度は藤井七冠が8割越えに。しばらく指してから、王座が投了。これで挑戦者の二勝一敗となった。
〇これだけ棋力に差があると、次局で八冠王誕生の確率はかなり高そうである。いやはや、藤井七冠相手に勝ち切ることはかくも難しいことなのか。永瀬王座の心境を推測するに、「普通に3一歩と受けていても、勝てなかったかも・・・」となるのではないか。
〇いやはや、またしても藤井将棋の恐ろしさを見せつけられてしまった。恐れ入谷の鬼子母神。しみじみ将棋とは罪つくりなゲームなり。
<9月29日>(金)
〇本日はBSフジ「プライムニュースの夕べ」にてホテルオークラへ。千客万来、いろんな人にお会いしました。
〇岸田文雄首相が登場。本日のご挨拶では、「紙」を読まなかった。しかも結構、笑いを取っていた。考えてみれば、岸田内閣が始まってから来月でまる2年である。まあ、それくらい当然ですよね。
〇連載仲間の山崎元さんにお会いする。毎週のようにメールは飛び交うし、「今日のレースはありゃ何じゃ」などと競馬の話もしているのであるが、リアルで会うのは半年ぶりくらいか。そういえば今宵はオバゼキ先生がお見えではなかったような。そういえばスリーショットは長らくやっておりませぬ。今週末のスプリンターズステークス、小幡先生の本命は・・・・前ぶりは長いけれども、意外と常識的な線ではありませぬか。
〇帰りにホテルを出ようとしたら、オークラの前にはタクシーを待つ長蛇の列ができていた。これも人手不足時代の日本の点描か。そこから新橋駅まで移動してみたら、「サラリーマンのメッカ」であるはずの新橋が、いつの間にやら若者の街になっておる。大変な賑わいである。
〇いつもの「はづき」さんを訪ねたら、最近はゼット世代のお客さんが増えたとのこと。しかもこの人たちが深夜過ぎまで飲んでいる。翌日は大丈夫なのかと思ったら、「いいんです、明日は在宅勤務ですから」。なるほど、今はそういう具合になっているわけね。
〇今日は花の金曜日。しかも上半期の終わり。皆さん、遠慮なく楽しんでおられる様子。アフターコロナの夜はなかなか終わりそうにない。
編集者敬白
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by Tatsuhiko Yoshizaki