●上海馬券王のページ


上海馬券王がJRAのレースに寄せる「情熱と冷静の言葉」


2010年 上半期のレース考





6月27日(日)

☆:これより、2010年上半期馬券予想の一件に関し、詮議をいたす。一同の者、面(おもて)を上げい。さて、上海屋馬券衛門、その方、上海遠島の刑期を終えこの春帰国するも、反省の気配これなく、性懲りもなく怪しげなるG1競争予想を溜池通信に流し続けることにより衆を惑わし、善良なる読者に多大なる損害を与えしこと、当方の取り調べにより明らかであるが、左様相違ないか。

上:畏れながらお奉行様、手前には全く身に覚えのないことにございまして、はてさて、一体どこからそのような根も葉もない噂が出たのやら。

☆:ほほう、それでは五月開催された優駿牝馬において、「八枠は来ない」などと根拠不明な妄言を声高に主張したあげく、ショウリュウムーンなる実績の乏しい馬の本線指名を強行するも、これが一七着大敗、挙げ句の果てに、よりにもよって、来ないはずの八枠馬二頭が同着優勝となる恥知らずな結末となったことも知らぬと申すのじゃな。

上:ホホホ、「根拠不明」とは心外至極。勝った両頭が強いことは十分承知しておりましたが、過去10年におけるこのレースの八枠馬の実績は0−1−0−29と悲惨の一言故、「泣いて馬謖を斬る」覚悟でやむを得ず行った決断にございまして、むしろ片方のアババネにはしっかり▲の印を残していることを評価して欲しいくらいなもので。まあ、ああいう強烈な呪いを跳ね返した二頭の強さは相当な物で、三着に入ったアグネスワルツを含め今年の秋は大変楽しみですなあ。ワッハッハ。

☆:おのれ、恥ずかしげもなく、いけしゃあしゃあと。それでは、「内枠有利、五枠不利」、「皐月賞組有利、青葉賞組不利」と言う過去傾向に言及しながら五枠青葉賞組ペルーサの軸指名を強行、これが6着大敗となった東京優駿はいかなる悪魔の計らいか。弁解の余地もなかろうに。

上:いやあ、前週のオークスで過去のジンクスが見事に覆っちゃったのを見ましてですね、「馬が強けりゃジンクスなんて関係ないんだ」なんて思いましてですね、で、ペルーサというのは相当強い馬なんで、ジンクス無視で行こうと思ったら見事に裏目に出ましたわ。でもね、結果だけ見ればジンクスも馬鹿にしたもんじゃないと言うことになるんですが、あのレースの場合、それ以前というか、2000m通過に2分5秒近い時間を要する超スローな展開だと外回った馬は壊滅な訳で、あれだけ能力馬が集結し、過去例のないハイレベルな一戦になり得た競争をあのような凡戦に落とし込んだ騎手どもの罪、万死に値する暴挙と言わずばなりますまい。あんなのは、小幡先生が許してもこの私が許さんのです!有罪!有罪!有罪!

☆:こら!これはその方の罪状に関する詮議であろうが。それを騎手のせいにするとは、どこまでも許せない奴。そこまで言うなら、「サイコロ投げて予想するよりまし」等と言いながら怪しげな過去傾向をひねりくり出した挙げ句、これがかすりもしなかった安田記念の結末やこれ如何に。言い訳できる物ならやってみるがよかろう。

上:いや、だって、勝ったのが前走非重賞のショウワモダンで、二着が確変終了モード濃厚なスーパーホーネットなんてレースの結末は、これは参院選の結果を当てるより難しいわけで、問題はサイコロ投げて予想した方がまだしも当たるという、お寒い現在のマイラーシーンの方にあるわけで、こんなのに責任取れと言われても。お奉行様、悪いのは馬の奴でございますよ!

☆:やい、やい、やい!黙って聞いてりゃあ、騎手が悪いの、馬が悪いの、好き放題抜かしやがって!てめえの悪事はなあ、この一覧表が全てお見通しよ。メン玉かっぽじって、よく見やがれってんだ!


◎馬券王の予想と共に振り返る2010年上半期G1競争


              1着            2着            3着
  頭数 馬名 人気 馬券王印 馬名 人気 馬券王印 馬名 人気 馬券王印
フェブラリーS 16 エスポワールシチ 1   ◎ テスタマッタ 5   △ サクセスブロッケン 2   ▲
高松宮記念 18 キンシャサノキセキ 1   ◎ ビービーガルダン 6   - エーシンフォワード 3   ○
桜花賞 18 アババネ 1   ◎ オウケンサクラ 3   △ エーシンリターンズ 11   △
皐月賞 18 ヴィクトワールピサ 1   ○ ヒルノダムール 6   - エイシンフラッシュ 11   △
天皇賞(春) 18 ジャガーメイル 2   ◎ マイネルキッツ 4   ▲ メイショウドンタク 16   -
NHKマイルC 18 ダノンシャンティ 1   ◎ ダイワバーバリアン 5   △ リルダヴァル 3   ▲
ヴィクトリアマイル 18 ブエナビスタ 1   ◎ ヒカルアマランサス 8   - ニシノブルームン 11   -
オークス* 18 アババネ 1   ▲ サンテミリオン 5   - アグネスワルツ 8   △
ダービー 18 エイシンフラッシュ 7   △ ローズキングダム 5   注 ヴィクトワールピサ 1   ▲
安田記念 18 ショウワモダン 8   - スーパーホーネット 6   - スマイルジャック 5   -
*オークスは1・2着同着                    



上:。。。。。。

☆:。。。。。。

上:いや、なんか、そんなに酷くないんじゃないかって気が急にしてきたんですけど。◎打った馬が10戦中6勝もしてるわけだし。

☆:何を偉そうに!一番人気の馬に印を付けてそれが来ただけではないか。それにヴィクトリアマイル以降見事にヘタレてるし。

上:来ない馬に印付けるよりはよっぽどましでしょうが。って言うか、今年の上半期は強いと思われてる馬が、そのまま強いレースをした、ある意味大変レベルの高い競争が多かったわけで、見てる方にすれば大変楽しかった半年だったわけです。それだけに、終盤になってあそこまでへたれたダービー・安田記念が残念至極であるというのが、今年前半の総括となる訳なのであります。

☆:ええい!やはり最後は騎手と馬のせいにするか!上海屋馬券衛門!自分の見識不足を棚に上げ、へたれな予想を垂れ流すその方の所業不届き千万!よって、上海遠島の上、秋口まで馬券予想の禁止を申しつけるものなり。ひっ立てええい!

上:あのう、いいんすかね。私、シャッター閉まりまくりの商店街しかない寂れた工業都市にいる今の方が遙かに遠島状態なんですけど。

☆:ええい、黙りおろう!それなら、「シャッター閉まりまくりの商店街しかない寂れた工業都市」遠島に変更じゃああ!これにて一件落着。ひっ立てええい!

♪お江戸の空に春を呼ぶぅ ちょっとやくざな上海桜ぁあああ (チャンカチャンカ)


10R 第51回 宝塚記念(GI)
2200m 芝・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 イコピコ 58.0kg 岩田 康誠  
1 2 アーネストリー 58.0kg 佐藤 哲三
2 3 ネヴァブション 58.0kg 後藤 浩輝  
2 4 スマートギア 58.0kg 和田 竜二  
3 5 ナムラクレセント 58.0kg 小牧 太  
3 6 セイウンワンダー 58.0kg 福永 祐一
4 7 マイネルアンサー 58.0kg 川田 将雅  
4 8 ブエナビスタ 56.0kg 横山 典弘
5 9 ロジユニヴァース 58.0kg 安藤 勝己
5 10 ジャガーメイル 58.0kg C.ウィリアムズ
6 11 トップカミング 58.0kg 浜中 俊  
6 12 メイショウベルーガ 56.0kg 幸 英明
7 13 フォゲッタブル 58.0kg 蛯名 正義
7 14 マキハタサイボーグ 58.0kg 太宰 啓介  
7 15 コパノジングー 58.0kg 藤岡 佑介 取消
8 16 アクシオン 58.0kg 藤田 伸二  
8 17 ナカヤマフェスタ 58.0kg 柴田 善臣  
8 18 ドリームジャーニー 58.0kg 池添 謙一  


いやあ、しかし、他ならぬ私がこんな事言っちゃいかんのですが、サッカー日本代表の予想外の活躍のせいで、なんか競馬に身が入りませんなあ。他の人もきっとそうなんでしょうなあ。明日の馬券の売り上げは相当落ちそうですなあ。

それにしても、どうしたんでしょう、日本代表。そりゃ下馬評よりはやれそうだとは思ってたけど、アフリカチームお約束の内輪もめでモチベーション低下しているカメルーンに勝っただけでは飽きたらず、強烈な縦の突破力を有する強豪デンマークにまで勝ってしまうとは、岡田さんには神か悪魔が取り憑いているんじゃないでしょうか。だって、日本なんて競馬に例えれば精々準オープンレベルですぜ(セルジオ越後みたいな、うるさ型の小言爺いなら1000万レベルって言うに違いない)。言ってみれば今回の予選突破は重賞勝ちのない平場の馬が毎日杯を僅差の二着に突っ込んできて、そのまま天皇賞の出走権を手に入れると言う快挙をなしとげたに等しいわけで、いや本当に信じられない。

勝ち方もよく見ればディフェンスに問題ないわけじゃないんですが、外形的には完勝で、特に本田と遠藤のフリーキックというのは、どんなに目の肥えたサッカーファンでも拍手するような美しい得点だったわけだ。あの得点はどの国のワールドカップ回顧番組でも放映されるんじゃないですかね。FKと言うのは入るときは例外なく美しいもんではありますが、あれはその中でも絶品です。凄いぜ日本!こんなもん見せられると、また夢を見たくなって来るじゃないですか。今日ウルグアイに敗れた韓国も体を張った良いサッカーをしていたし、運とか流れとかを韓国以上に持ち合わせていそうな今の日本だったらあるいは。。。

しかし、このような下馬評の低い国が活躍するかたわらで、イタリアとかフランスみたいな名門国が最下位敗退する光景を見ると、明日の競馬予想に差し障りがあることこの上ない。既存のヒエラルヒーが崩壊して、格下による下克上が始まるんじゃないかって可能性をどうしても探ってしまうのです。ダービー以降G1も荒れ気味だしね。例によって過去の傾向というのを見てみましょう。


1.宝塚記念過去10年の系譜

年度  頭数    勝ち馬          1・2・3着馬人気      馬連配当
00年  11    テイエムオペラオー   (1)(6)(9)         ¥1190
01年  12    メイショウドトウ      (2)(1)(8)          ¥210
02年  12    ダンツフレーム      (1)(4)(3)         ¥1060
03年  17    ヒシミラクル        (6)(8)(4)        ¥14080
04年  15    タップダンスシチー    (1)(6)(3)         ¥1930
05年  15    スイープトウショウ    (11)(3)(2)       ¥11390
06年  13    ディープインパクト    (1)(10)(9)        ¥1920
07年  18    アドマイヤムーン     (3)(2)(4)         ¥1460
08年  14    エイシンデピュティ    (5)(1)(11)        ¥1080
09年  14    ドリームジャーニー    (2)(3)(1)         ¥2630

例年少数精鋭で行われているんですが、今年は出走取り消しがあるとは言え18頭フルゲート。これは抜けた存在がいないことの裏返しなのか。


2,人気別着順

一番人気   4−2−1−3
二番人気   2−1−1−6
三番人気   1−2−2−5

一応人気の馬は人気通り連絡みしてます。


3.枠順別着順

枠   実績        勝率  連対率  複勝率
一枠 1−1−2−8   8%   17%   33%
二枠 0−1−0−13  0%    7%    7%
三枠 3−1−1−11  19%  25%   38%
四枠 0−2−1−14  0%   12%   18%
五枠 1−3−2−13  5%   21%   32%
六枠 3−0−0−17  15%  15%   15%
七枠 0−1−1−19  0%    5%   10%
八枠 1−1−3−17  5%    9%   22%

率の計算は、それぞれの枠の総出走頭数を分母にしていますので、どうしても頭数の多い外枠に不利な計算になるんですが、そう言うのを差し引いて考えても、やはり外枠はよくないですね。六枠より内では奇数枠が相当よいです。どうしてかは分からないけど、ここまで傾向が明白だと注意は必要でしょう。


4.前走別着順(3着以内)

天皇賞組  5−6−1  
金鯱賞組  2−4−3
安田記念組 2−0−2
目黒記念組 0−0−2
その他    1−0−2

当たり前と言えば当たり前ですが、天皇賞と金鯱賞をステップにした馬に良績が偏っています。(因みに今回安田記念組は参戦なし)
ヴィクトリアマイル組であるブエナビスタの明日はどっちだ!


上記から下克上というのは起きそうな感じがしないと言う前提で考えると冒頭の印となるわけですが、今回この他に留意したのが当日の馬場状態。土曜雨が半端なかったので、当日天候が回復するにしても馬場の回復は精々重止まりという前提では、瞬発力勝負の展開というのは望むべくもなく、去年の覇者ドリームジャーニーは相当辛いんじゃないでしょうか。今年の調子が全然上がらないこと、大外引いたことと合わせ今回は無印とさせていただきます。

同じ理由で評価を下げたのは現在一番人気のブエナビスタ。騎手が横山に変わってから追い込み一辺倒ではなくなったので当日は先行する可能性も高いし3勝負けなしの阪神では、当然無視も出来ないのですが、それでも切れ味の優位が限定されるのは大きなマイナスで単勝負ではお買い得感に乏しいと考えます。

一方、天皇賞を勝ったジャガーメイルは重1−0−0−0、不良0−2−0−2と渋った馬場に適性があるのが吉。今年になって中段より前で競馬をすることを覚えており、今回これを筆頭で考えたい。対抗のアーネストリーは昨年末から能力が急開花しており、先行馬が内枠引いたこと、2−0−1−0と言う阪神適性とあわせ、下克上というならこの一頭。(金鯱賞を勝った馬に下克上というのも失礼なのかも知れませんが)

この他では、最初は無視で考えていたけどフォゲッタブルは馬場悪化で急遽馬券の対象に。不良馬場でのダービーを制したロジユニヴァースまたしかり。あと、2歳チャンピオン・セイウンワンダーにはわずかながら第二のドリジャニを狙える可能性が。


頑張れ日本!   


上海馬券王



○今日の結果

<宝塚記念> @ナカヤマフェスタ Aブエナビスタ Bアーネストリー




○かんべえのつぶやき

――今日はどうも2位ブエナビスタ、3位ドリームジャーニーなんじゃないかという予感がしていた。(実際にはドリジャは4位)。1位の馬は、きっと見当もつかないような馬に違いない。さて、それはフォゲッタブルなのか、あるいはセイウンワンダーか。ついつい買い目が多くなってしまったのです。ジャガーメールとロジユニヴァースを切ったところは合ってたんですが・・・・。

――でも、Pナカヤマフェスタなんて買えませんがな。安田記念と同じで、P番の無警戒の馬が来てしまいました。頭痛いっす。ちなみに@イコピコは、かつてのファストタテヤマと同様、買えば買うほど損の出る困った馬であることが判明しつつあります。

――ということで、安田記念と宝塚記念はビミョーな結果となりましたが、今年上半期のG1シリーズ、とくにクラシックレースは名勝負ぞろいであったと思います。大いに楽しませてもらいました。馬券王先生、お疲れ様でした。秋にまた、ご指南ください。






6月6日(日)

えー、先週のダービーの結果には激しく脱力なのであります。多数の能力馬が集結し、史上稀に見るハイレベルな対戦が繰り広げられるはずだったのが、終わってみれば2分26秒9の決着。これはペルーサが青葉賞でたたき出した2分24秒3に比較すると凡タイムもいいところな訳で、高速府中の良馬場で行われたことを考えれば、こんなのは激しく却下なのであります。

大体ですな、1000m通過が61秒6と、まぁここまでは我慢出来ますが、次の1000mに63秒2もかかるなんて、世間なめてるとしか思えません。こんな超スローじゃ直線の瞬発力勝負になるしかなく、結果、距離ロスのないインに付けた差し馬に理不尽に美味しい展開となったわけで、こんなのはダービーじゃなく、新潟のスプリント戦認定が相当ではないですか。

それもこれも、すべて騎手が悪いのです。あんなふざけたスローペースを演出したアリゼオのウイリアムズも悪いが、それをとがめに行かない他の騎手も同罪じゃ。才能あるスター候補の競演をこんな展開に落とし込むなんて、日経新聞の社説表現を借りれば「罪万死に値する」失態である。鳩山政権を糾弾するあの社説を初めて読んだときは、「社説でこんなアナクロな表現使わなくても」とか思ったけど、今ならその気持ちはよく分かる。確かにこの罪は万死に値するのだ。ああ、腹立たしいったらありゃしない。

結局、「ステイゴールド的名脇役」認定が定着し始めたエイシンフラッシュが1着、「スター脱落の早熟野郎」認定が定着し始めたローズキングダムが2着という結末になったこのレース、「こんなの2着付けならともかく、どんな論理を総動員しても頭じゃ買えないよね。」なんて、かんべえ師匠に愚痴たれたら、「小幡先生は『皐月賞1〜4着』のボックス買いで見事このレースを物にしておられる。君も精進するように。」なんて返事をもらって、ますます落ち込んでしまう私なのであった。

ううう、そうですよね。確かに「皐月賞組」と言う文脈でなら買えない馬券じゃありませんよね。展開の利あったとは言え、エイシンフラッシュがあんな切れる脚を使える馬だったなんてことに気がつかない私にも確かに落ち度はあります。はあ、「ロマンのレバレッジ」ですか。そうですか。いや、お見事としか言いようがないのですが、それでも、あたしゃ2000m通過が2分4秒8と言うG1競争にはどうやってもロマンを感じませんのですよ、小幡先生。。。


11R 第60回 安田記念(GI)
1600m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 リーチザクラウン 58.0kg 安藤 勝己
1 2 スマイルジャック 58.0kg 三浦 皇成  
2 3 アブソリュート 58.0kg 田中 勝春  
2 4 フェローシップ 58.0kg Z.パートン
3 5 サイトウィナー 58.0kg C.ウィリアムズ  
3 6 ファリダット 58.0kg 蛯名 正義  
4 7 グロリアスノア 58.0kg 小林 慎一郎  
4 8 キャプテントゥーレ 58.0kg 横山 典弘  
5 9 スーパーホーネット 58.0kg 藤岡 佑介  
5 10 ビューティーフラッシュ 58.0kg F.コーツィー
6 11 マルカシェンク 58.0kg 柴山 雄一  
6 12 ライブコンサート 58.0kg 和田 竜二  
7 13 マイネルファルケ 58.0kg 松岡 正海  
7 14 マルカフェニックス 58.0kg 福永 祐一
7 15 トライアンフマーチ 58.0kg 内田 博幸
8 16 サンカルロ 58.0kg 吉田 豊
8 17 ショウワモダン 58.0kg 後藤 浩輝  
8 18 エーシンフォワード 58.0kg 岩田 康誠



ダービーで激しく脱力したというのに、今回の安田記念の出馬表を見て更に脱力。一体なんですか、これは。国際招待馬を除けばG1勝ちあがあるのは2年前皐月賞を間違って勝ったキャプテントゥーレだけなんて、これではG3競争の出馬表ではないか。日本マイル路線はいつからこんなに脆弱になったんですかねえ。こんなメンバーじゃ海外馬のワン・ツー・スリーという2006年の安田記念再びという事になっても何の不思議もないですな。

とにかく、民主党の閣僚名簿を彷彿とさせるこの出馬表を前に私は、予想のモチベーション上がらないことこの上ないのであります。こんなんじゃ、来週から始まるサッカーワールドカップを予想する方がなんぼか楽しそうじゃないですか。そりゃ、サッカーの日本代表も上記閣僚名簿並の寒さなんだけどさ、あれだけ期待値下げれば、これ以上、下がりようがないだろうし、日本なんか置いといても、世界最高水準のサッカーが観戦できる喜びたるやいかほどの物であることか。特にブラジル・コートジボワール・ポルトガルという強豪ひしめくG組なんて三食抜いても見る価値のあるナイスなグループで、これは今から楽しみで楽しみでしょうがない。そんなG組に放り込まれた北朝鮮の戦いぶりも違う意味でワクテカだし、考えれば考えるほど競馬にゃ身が入りませんなあ。

。。。まあ、あんまりボヤいても、しょうがないですな。例によって過去10年の傾向を見てみましょう。


1.安田記念 過去10年の軌跡

年度 勝ち馬       1・2・3着馬人気  馬連配当
09年 ウオッカ        (1)(2)(10)     ¥290
08年 ウオッカ        (2)(5)(9)     ¥3680
07年 ダイワメジャー    (2)(3)(9)     ¥2030
06年 ブリッシュラック    (3)(10)(8)   ¥12270
05年 アサクサデンエン   (7)(10)(5)   ¥13390
04年 ツルマルボーイ    (6)(4)(5)     ¥3120
03年 アグネスデジタル   (4)(6)(1)    ¥10890
02年 アドマイヤコジーン  (7)(2)(4)     ¥5800
01年 ブラックホーク    (9)(15)(7)   ¥120600
00年 フェアリーキングプローン  (10)(6)(3)    ¥14700

一番人気 1−0−1−8
二番人気 2−2−0−6
三番人気 1−1−1−7

うーん、1〜10番人気が均等に連絡みしている印象で、人気馬のお買い得感が極めて低い状況です。一番人気のリーチザクラウンなんか危ない危ない。

2.枠順別実績

 一枠 1−0−1−18
 二枠 3−0−2−15
 三枠 1−2−0−17
 四枠 1−0−1−18
 五枠 0−3−1ー16
 六枠 1−1−0−18
 七枠 1−1−0−28
 八枠 2−3−4−21

うーん、これも均等に連絡みしていて、極端な有利不利はない感じ。敢えて言えば二枠の勝率高く、馬数の多さを差し引いても八枠の連対率優良。一枠のリーチザクラウンなんか危ない危ない。

3.連対馬前走別実績

 産経大阪杯組      1−1−1
 ヴィクトリア組       2−0−1
 京王杯SC組       2−3−2
 阪神マイラーズC組   0−1−4
 海外出走組        3−2−2
 高松宮杯組        1−0−0
 京阪杯組          0−1−0
 他(地方・非重賞)     1−2−0

国際招待馬というのは頭数限られてるのに相当信頼度が高いですな。ヴィクトリアマイル組も歴史の浅さを考えると驚くほど連対率が高いのですが、今回は該当メンバーなし。(同様に大阪杯組も今回参戦なし)。この他では京王杯組の健闘目立ち、阪神マは勝つには相当厳しいという感じ。前走マイラーズカップを快勝したリーチザクラウンなんか危ない危ない。(でも3着は有望)


以上から、外国馬・京王杯組を重視し、マイラーズC組は三着付け、二枠・八枠優先で印を付けると上記の表となるわけです。

◎フェローシップは香港の実績馬、マイルまでしか実績がなく府中の1600mは他の競馬場での1800m適性が要求されることを考えると不安ですが、それでも現状の人気(単勝13倍)はあまりにも低すぎますな。前走時530kgあった馬体が先日の計量で510kgまで落ちてると言うことが嫌われてるんじゃないかと思いますが、520kg前後で出られれば。

京王杯組からは○エーシンフォワードに、良血△トライアンフマーチ、注サンカルロ。いずれも末の鋭い馬なんで、瞬発力勝負になれば2・3着有望。特にエーシンは調教もよく2週続けてのエーシン馬券炸裂の期待十分。(実は先週の馬主席観戦の際はエーシンの奥方に色々お世話になりまして、感謝感激。こんな事なら単勝買っときゃよかったエーシンフラッシュ)
 
え、こんな怪しげな傾向をもとに馬券を買う気かって?うーん、だって素性のよく分からない外国馬と、民主党並みの日本代表の一戦ですぜ。まともに予想なんかしても当たる気がしませんがな。過去の傾向から予想する方が、サイコロ投げて予想するよりましでしょうが。それに先週のダービーだって、終わってみれば「内枠・皐月賞組有利」「青葉賞組・藤沢厩舎の呪い」って言う過去のジンクスがそのままハマっちゃったわけだしね。ジンクスなめちゃいかんのだよ、多分。


上海馬券王


追記:余談ですが、競馬同様、サッカーワールドカップにも「NHKの呪い」なるジンクスがあるのだそうで、それによればNHKが中継した日本代表の試合成績は1分け6敗なのだとか。で、今年はいきなり初戦のカメルーン戦をNHKが中継するということで、うーむ。。。。まかり間違って日本が勝つとして、一番期待出来るのが、カメルーンだったんだけどねえ。



○今日の結果

<安田記念> @ショウワモダン Aスーパーホーネット Bスマイルジャック




○かんべえのつぶやき

――今日みたいに分かりにくいレースは、パドックだけ見て適当にたくさん買おうと割り切って、馬券王先生ご推奨のCフェローシップ、皐月賞馬に敬意を表してGキャプテントゥーレから薄めに流してみました。

――でも、Pショウワモダンなんて買えませんがな。Hスーパーホーネットも終わった馬でしょうが。Aスマイルジャックだけはちょっと良さそうに見えたんですが・・・・。後藤大喜びでありましたな。

――どうも先週といい、今週といい、残尿感が残るレースでありましたな。その割りに上機嫌で帰ってこれたのは、京都11Rかきつばた賞でB―E50倍をとって復活したからでした。われながら、めずらしいこともあるもんだ。






5月30日(日)

上海馬券王の人生相談  

お約束を超えて既にマンネリ。お受験ママ・エアグルーヴさんからのお便り   

Q:統治者(ruler)になりたくて

先生お久しゅうございます。わたくしエアグルーヴでございますことよ。え、「お前は誰だ」ですって?きぃいいい!これだからパンピーは!よろしいこと?わたくしの祖父は日本競馬の大立者ノーザンテースト公爵、母は樫の木の女王ダイナカール、父は凱旋門の英雄トニービン子爵と言う、まさに名門中の名門、華族の中の華族、本来ならあなたのような、なけなしのお金をどぶに捨てまくってる変態馬券士なんか。。。って、きいいいいいい!いつまでお約束のボケかましてるざますか!この禁治産者!メタボリックの無駄飯食い!とっとと話を聞くざます!

とにかく、名門グルーヴ家の危機なんざます。この前も天皇大学院の入学試験に三男フォゲッタブルを送り出したのはよかったんざますが、前評判は一番と言うことでそりゃ期待しておりましたのに、終わってみれば9着大敗と一族の面汚しもいいところな結末に終わってしまったわけで、もう、あたくし悔しいやら、せつないやら、物狂おしいやら。きいいいいいいっ!この敗残者!落ちこぼれ!お前なんか産むんじゃなかったわ!

そんなこんなで、今度は四男ルーラーシップの受験シーズンなんざます。この子も小さい頃は評判の良い子供ざましたのに、いざ学校に上がるとはっきりしない成績の連続で、結局名門皐月中学の受験資格を取り損ねる不甲斐なさだし、今度の優駿高校の受験資格だって追試を受けまくってようやく手に入れることが出来たという体たらくなんざます。きいいいいいい!お前もざますか!お前もグルーヴ家の名誉に泥を塗るつもりざますか!この無能力者!敗北主義者!鳩山由紀夫!お前なんか、お前なんか。。。

先生、とにかく今あたくし、「産むんじゃなかった」の一言を必死でこらえてる状態なんざます。この子だってグルーヴ一族の血を引く者。この子が優駿高校に見事一番で合格しグルーヴ家の「統治者の格(rulership)」という物を世間に証明してくれるに違いないという希望を捨てきれることが出来ないざます。名門グルーヴ家の没落の予兆におののきながら、絶望と希望の間を振り子のように行き来するあたくしは一体どうしたらいいのざますかしら。


A:お答え

いやあ、先週のオークスは凄かったですねえ。「8枠の呪い」なんて言った途端に大外の2頭が同着フィニッシュなんですから、個人の財政状況としては思わず涙目ではあるんですが、それを差し引いても余りある素晴らしいレースでした。「呪い」をものともせず優勝しちゃったあの二頭の強さは今更言うまでもありませんが、先行勢総崩れの中、唯一3着に粘ったアグネスワルツ、あれも相当強いです。ウオッカ・スカーレット、ブエナ・ディザイアという牝馬好敵手の構図というのが今年も継続しているなんて凄すぎる。いやあ、競馬って本当に面白いですね。

で、オークスの余韻さめやらぬうちに、今週はダービーと言うことなんですが、こちらも今年はスター候補生の見本市みたいな感じになってて凄いですねえ。実は私、とある伝手から馬主席でこれを観戦する機会をいただきまして、明日は早起きしてネクタイ持参で府中に遠征することになったわけで、今からワクテカなのであります。正直言ってとても相談どころではないのですが、他ならぬ貴女の相談です、ここは少し真面目に考えてみましょう。

ルーラーシップ君はですねえ、戦歴を見ると明確にクラシックを意識したローテーションを組んでいたわけなんですが、新馬勝ちを収めた後挑んだ若駒Sではヒルノダムール君に及ばず、500万を勝ったあと臨んだ毎日杯ではダノンシャンティ君に粉砕と、要は節目節目でえらく強い相手と当たって出世が遅れたあげく、弱い相手しかしない非重賞のプリンシパルSを制してようやくダービー出走権を手に入れ今日に至っているわけです。

このような経歴から貴女が珍しくも強気になれない事情というのもよく分かるのですが、でもねえ、お世辞じゃなく明日の本番は結構良いところに行くんじゃないかと思ってるんですよ、私。

なにより前走のプリンパルの内容が素晴らしかった。いくら相手が弱いと言ってもたった一つしかない枠を狙ってきちんと勝つというのはよほど力がないと出来ないことですし、府中の高速馬場の助けがあったと言っても1分59秒1というあのタイムは大変優秀で、少なくとも彼が三男フォゲッタブル君よりも遙かに有望なタレントであることはまず間違いないんじゃないでしょうか。

加えてルーラーシップ君の誕生日が五月十五日という、かなりな遅生まれなことを考えると更に期待が高まります。例えばヴィクトワールピサ君の誕生日は三月末日と一ヶ月半早生まれなんですが、これは人間だと一年の差に匹敵するわけで、高校野球だって三年生と二年生とでは確実に力の差があることを思えば、そんな環境でダービー出走権を手に入れたことはこれは相当将来性があるんじゃないですかね。

で、このような年の差というのは月日ととも縮小していくわけで、ステップ競争の節々で貴女のお子さんを苦しめた強力ライバルとの力の差というのも明日のダービーでは相当縮まっているのではないか、よって、明日の本番もかなりの上位が期待出来るのではないか、私なんかはそう考えます。ま、そうは言ってもルーラーシップ君が本当の意味で本格化するのは今年の秋以降であることも事実ですし、明日は明日で化け物みたいに強いのが何頭か出走するので勝つにはちと厳しいとも思うんですけど。

と、言うわけで。。。

10R 第77回 東京優駿(GI)
2400m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 エイシンフラッシュ 57.0kg 内田 博幸
1 2 レーヴドリアン 57.0kg 藤岡 佑介  
2 3 ルーラーシップ 57.0kg 四位 洋文
2 4 サンディエゴシチー 57.0kg 浜中 俊  
3 5 コスモファントム 57.0kg 松岡 正海  
3 6 アリゼオ 57.0kg C.ウィリアムズ  
4 7 ヴィクトワールピサ 57.0kg 岩田 康誠
4 8 ローズキングダム 57.0kg 後藤 浩輝
5 9 ペルーサ 57.0kg 横山 典弘
5 10 トーセンアレス 57.0kg 江田 照男  
6 11 ハンソデバンド 57.0kg 蛯名 正義  
6 12 ヒルノダムール 57.0kg 藤田 伸二
7 13 ゲシュタルト 57.0kg 池添 謙一  
7 14 リルダヴァル 57.0kg 福永 祐一
7 15 メイショウウズシオ 57.0kg 飯田 祐史  
8 16 シャイン 57.0kg 和田 竜二  
8 17 トゥザグローリー 57.0kg 戸崎 圭太  
8 18 ダノンシャンティ 57.0kg 安藤 勝己 取消


上記の通り、相当大物感がある有望馬の見本市となっているダービーで、ここまで胸躍る組み合わせは過去記憶になく、記録をたどってもトウショウボーイ・テンポイント・グリーングラスが激突した76年のダービーまで行き着いちゃうと言う、とにかくそんな競争な訳だ。

特に五連勝中の皐月賞馬ヴィクトワールピサ、青葉賞でとてつもない大物感を示した無敗馬ペルーサ、NHKマイルで超絶の末脚を繰り出しレコード勝ちしたダノンシャンティの激突は、これはもう筆舌に尽くしがたい好取組な訳で。。。と書こうと思ってたら、なんと、ダノンシャンティは骨折が判明し出走回避。ま、松田先生、あんたって人はぁああっ!

激しくお約束過ぎる「松田厩舎の呪い」が炸裂したことは大変残念ですが、それでも他のメンバーも相当優秀なのが集まったので、この価値が大きく損なわれることはなく、今回の競争が競馬ファン悶絶の好取組であることに変わりはありません。聞けばダノンシャンティくんの骨折も競走馬生命に関わるほど深刻なものではないようなのでまずは一安心ですな。

例によって過去のトレンドを見ていきましょう。


◎日本ダービー過去10年の結果

 年度   勝ち馬      1・2・3着人気   馬連配当
09年 ロジユニヴァース  (2)(5)(8)   ¥3760
08年 ディープスカイ   (1)(12)(6) ¥13270
07年 ウオッカ      (3)(14)(4) ¥54470
06年 メイショウサムソン (1)(4)(7)   ¥1120
05年 ディープインパクト (1)(2)(7)    ¥540
04年 キングカメハメハ  (1)(5)(3)   ¥2490
03年 ネオユニヴァース  (1)(3)(7)    ¥760
02年 タニノギムレット  (1)(3)(6)    ¥870
01年 ジャングルポケット (1)(3)(11)   ¥560
00年 アグネスフライト  (3)(1)(6)    ¥600

☆傾向

@人気別実績

 一番人気 7−1−0−2
 二番人気 1−0−0−9
 三番人気 2−3−1−4
 
去年も指摘しましたが一番人気が圧倒的。飛んだのはウオッカに粉砕された07年フサイチホウオーと、バケツをひっくり返したような性悪馬場で行われた09年アンライバルドのみで後は1着7回、2着1回と言うのは凄すぎます。これに対し二番人気は不甲斐ないの一言。勝ったのがやはり超自然的ど渋馬場で行われた09年のロジユニヴァースのみで後はきれいに飛んでることを考えると、むしろ三番人気を狙うのがよいと言うのが過去の傾向となるわけなのであります。今年の人気はヴィクトワールピサとペルーサの二頭に集中しており、前日午後10時現在ではペルーサがわずかに一番人気なんですが、当日は逆転している可能性が強くここら辺は気になるところ。


A三着以内の前走別実績

 皐月賞組   5−4−5
 NHKマイル組  3−1−1
 青葉賞組   0−3−1 
 プリンシパル組  0−0−2
 京都新聞杯組 1−2−0
 桜花賞他   1−0−1

さすがに皐月賞組は強いですな。NHKマイル組も健闘してますが、勝った3頭のうち2頭は今回ダノンシャンティで参戦の松田先生による確信犯的ローテーションであることには留意が必要。これに引き替え、青葉賞組は駄目ですねえ。2着に入った3頭のうち2頭はシンボリクリスエス・ゼンノロブロイと言う後に年度代表場に選出される大物なんですが、ダービーだけは縁がなかったわけで、こみ上げる涙が溢れ出すのを禁じえません。因みにダービーで連絡みしている青葉賞組4頭は、すべてこのレースの勝ち馬で2着以下は用なしと言う明確な傾向があることには留意が必要でしょう。


B三着以内の枠順別実績

 1枠 3−1−0
 2枠 3−1−1
 3枠 1−2−1
 4枠 0−2−1
 5枠 0−1−1
 6枠 1−2−0
 7枠 1−0−4
 8枠 1−1−2

直線長い府中とは言え、やはり内枠有利は明確。不思議なのは外枠以上に真ん中の枠がひどい状況で、特に連絡みした一頭が地獄のような極悪馬場で行われた09年のアントニオバローズである5枠なんかは死亡フラグが立っている感じ。ま、先週「8枠の呪い」と言うのを強調したらこの枠の2頭がよりによって同着優勝と言う涙目の決着になったんで、今回これを強調するのは気が引けるのですが。。。

上記を見る限り、皐月賞馬で当日一番人気になっている可能性が高いヴィクトワールピサには逆らえないと言うことになりますが、私は逆らってみたいですな。彼が強いことには何の疑問もありませんが、ただその強さは騎手の指示に即応する頭の良さと、わずかな隙間をついて抜け出すことの出来る瞬発力、それに重馬場巧者な適性が加味された総合力の上に立脚しており(一言で言うと死角が少ない)、スピード・パワー・スタミナと言う競走馬にとって最も大事な資質はペルーサの方が上だと思うのです。渋った中山ならともかく、良馬場の府中ではペルーサのような馬こそがぶっちぎる気がしてなりませんし、是非そう言う光景を見てみたい。

もちろん、ペルーサは上記の通り(1)青葉賞組の呪い、(2)枠順の呪い、(3)恐らくは2番人気馬の呪いというのがあり、その上(4)桜花賞以外クラシックに全然縁のない藤沢厩舎の呪いまであるという、呪いの豪華4点詰め合わせセット状態な訳ですが、でも青葉賞のあの走りを見たらそんなジンクスは先週のサンテミリオン同様破られるためにのみ存在するとしか思えなくなってきます。それくらい馬の力が抜けているし、逆に言うとこれで負けたら二度と青葉賞組の馬券なんか買えませんな。

で、○がヴィクトワールピサかというと、さにあらずで、ここは皐月賞2着のヒルノダムールを上に考えてみたいと思います。この馬、相当不器用な奴で前回の皐月賞も出遅れるは前が壁になるわで相当な不利を受けたのですが、それが渋馬場をメンバー中最速の上がりで追い込んでヴィクトワールピサに0.2秒差までせまったのだから、これも相当強い。府中でならヴィクトワールピサと全然差がないどころか、逆転もあり得るのに人気は(3番人気とはいえ)上位と随分差があるところが美味しすぎると言うのがその理由。因みに彼もルーラーシップ君同様五月の遅生まれということで、成長余力が見込めます。

ま、上位3頭は相当抜けた感じで、正直ダノンシャンティとかサンライズプリンスまでいたら馬券の選択に困るところでした。基本的には馬場が良ならペルーサ>ダムール>ピサ、重ならその逆というのが基本路線になります。

この他では上記△ルーラーシップも3強が崩れた一角をすくう資格の持ち主だし、内枠引いた△エイシンフラッシュも3着なら有望、NHKマイルで3着になってダービー絶望かと思ったらサンライズプリンスの回避で出走にたどり着いた△リルダヴァルの強運は怪我がなければダービー有力と言われていた存在だけに捨てがたい。あと2歳チャンピオンの注ローズキングダムは年明け凡走続きですっかり評価を落としてしまいましたが、それでも馬体が減って渋い馬場を走るというこの上なく「買えない」状況であった皐月賞を4着と大きく崩れなかった所は、馬体が増えていることが条件ではありますが、まだまだ見捨てるには時期尚早と考えます。

ま、色々好き放題書きましたが、これだけ前途有望なスター候補が集まった、まさに競馬の祭典なわけで、要は自分の好きな馬から買うのが一番正しいのではないかと。本当に年明けから政治も経済もろくなもんじゃありませんが、何故に競馬だけはこれだけクオリティが高いんですかね。本当にやめられません、勝つまでは。


皆様の相談お待ちします。


人生相談士  上海馬券王



○今日の結果

<東京優駿> @エイシンフラッシュ Aローズキングダム Bヴィクトワールピサ




○かんべえのつぶやき

――あっと驚く結果に場内騒然でした。かんべえもHペルーサとKヒルノダムールを軸に買ったのだけど、ものの見事に外してしまいました。

――こうなるとしみじみ重く響くのは
小幡先生のコメントであります。

「やはり、クラシックの雰囲気は、競馬場も、厩務員の緊張感も違うはずなので、皐月賞経験を相対的には一番価値のある経験と考える」

――今日のレースも皐月賞の1位〜4位のボックス買いしていれば、3位と4位のワンツーで取れていたのですね。なるほど、いくら左回り2400mを体験できるとはいえ、青葉賞ではそこまでの経験値を積むことはできないのでしょう。王道を歩むものはそれだけの値打ちがある。今日は大事なことをひとつ学習しました。





5月23日(日)

えー、海外から帰任すると健康診断を受けなくてはならないと言う会社規則がありまして、先日渋々これを受診したのですが、その結果「お前は太りすぎである」と罵られ、今度は栄養士の食事指導と言う物を受けさせられることになったのであります。

栄養士曰く、「成人男子の基礎代謝(運動しないで消費されるカロリー)は1500kcal、運動した分をそのまま体重減に結びつけるには一日1600kCALを目安に食事することが必要です。これでも軽い方なんですよ。」

いや、軽いって、あんた、俺が毎日会社で注文してる昼の弁当は850kcalで、これより低カロリーのメニューってないんですけど。あなたは私に一日二食で暮らせっていうのですかと、涙を流しながら渡されたカロリー表を更によくよく見ると、カレーライス一皿が1300kcal、ラーメン一杯にライス・餃子をつけると1800kcalとなっておる。ぎょええええ、日本人が普通に口にしているものを食べると、その日は一切絶食じゃ。何という不条理、あんた俺に死ねって言うのかい!

くそう、しばらく日本を離れているうちに、この国は大変肥満に厳しい国になってしまったようである。メタボとか言う耳慣れない言葉で人の人格を否定しようとするしさ。私は確かに太っているが、そこまで言われるほどじゃないぞ。デブを攻撃したいのなら欧米に行け、欧米に。あそこにゃ、臨界点を軽々と突破した超ウルトラ・ビッグバン・デブがうようよいるのだ。この程度の肥満なんか十分に人間の範疇なのである。そもそも「メタボ」と言う概念はどう見ても医療保険制度崩壊を見越した厚生労働省の陰謀だと思うんだけど、メディアがこれを指摘しようとしないのは何故なのだ。ああ、日本って暮らしづらいったらありゃしない。

よく考えたら肥満だけじゃないぞ。いつの間にか喫煙者も犯罪人のような扱いで、タバコを吸える空間がこの世から殲滅されかねない勢いで減っているし、ゴミを捨てようと思ったら「分別廃棄」というのにやたらうるさくて、ちょっと間違った捨て方しただけで鬼の首取ったように説教たれるババアが現れるし、会社じゃ会社で「J−SOX」とか「コンプライアンス」とかに命かけてる集団がいるし、日本を覆い尽くしているこのヒステリックな潔癖症候群の言うのは一体何なのだ。

中国じゃ肥満を責める風潮というのはないし、喫煙だって上海みたいな大都市じゃ禁煙宣言はしてるけどあれはうわべだけで実態は吸い放題だし、ゴミだって乾電池だろうがペットボトルだろうが一括廃棄だし、内部統制ドキュメントなんて物を真面目に作っている変態企業は外資系だけなのだ。これが良いか悪いかと言うと悪いに決まってるんだろうけど、さりとて日本みたいに自己満足テースト満載の潔癖症ごっこをやっている環境じゃああ言う経済成長は成立しないのだ。現在の日本を覆うこの閉塞感は、かかる潔癖症に起因した低成長と表裏一体の関係にあると思うのは私だけなんでしょうか。

とにかくですね、上司とのつきあいで天丼&そば定食の昼食を食べた結果、夕食を蒟蒻ゼリーで代替している私は今大変イライラしてこの文章を書いているわけです。こういうときの蒟蒻ゼリーって本当に重宝なんだけど、聞けば、かくも偉大な蒟蒻ゼリーを危険食品として販売禁止に追い込もうなんて画策している馬鹿な国会議員がいるのだそうで、ああ、本当に日本と言うのは本当に暮らしづらい。蒟蒻ゼリーをいじめている暇があったら他にやれることがいくらでもあるだろうに、このままじゃ、近いうちにこの国は滅びるぞ!


11R 第71回 優駿牝馬(GI)
2400m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 コスモネモシン 55.0kg 石橋 脩  
1 2 アグネスワルツ 55.0kg 柴田 善臣
2 3 アプリコットフィズ 55.0kg 四位 洋文
2 4 ショウリュウムーン 55.0kg 内田 博幸
3 5 ギンザボナンザ 55.0kg 池添 謙一
3 6 オウケンサクラ 55.0kg 安藤 勝己
4 7 ニーマルオトメ 55.0kg 北村 宏司
4 8 プリンセスメモリー 55.0kg 勝浦 正樹  
5 9 モーニングフェイス 55.0kg 藤岡 佑介  
5 10 タガノエリザベート 55.0kg 川田 将雅  
6 11 ブルーミングアレー 55.0kg 松岡 正海  
6 12 トレノエンジェル 55.0kg 戸崎 圭太  
7 13 アニメイトバイオ 55.0kg 後藤 浩輝  
7 14 シンメイフジ 55.0kg 岩田 康誠  
7 15 エーシンリターンズ 55.0kg 福永 祐一
8 16 ステラリード 55.0kg 三浦 皇成  
8 17 アパパネ 55.0kg 蛯名 正義
8 18 サンテミリオン 55.0kg 横山 典弘  


早いもので牝馬クラシック第二弾オークスな訳ですが、いやあ、有力所が大外引くわ、当日馬場が渋りそうだわで、今週も難しいです。例によって過去10年のこの競争の結果を振り返ってみましょう。

☆オークス過去10年の結末

年度   勝ち馬       1・2・3着人気    馬連配当   三連複配当
09年  ブエナビスタ     (1)(2)(4)      ¥320    ¥1250
08年  トールポピー     (4)(13)(5)   ¥24080   ¥61600
07年  ローブデコルテ    (5)(1)(8)     ¥1640   ¥10450
06年  カワカミプリンセス  (3)(5)(7)     ¥4180   ¥33430
05年  シーザリオ       (1)(2)(3)     ¥630    ¥1280
04年  ダイワエルシエーロ  (6)(4)(7)   ¥10080    ¥63460
03年  スティルインラブ   (2)(13)(9)   ¥24480    ¥95530
02年  スマイルトゥモロー  (4)(12)(2)   ¥13590     -
01年  レディパステル    (5)(4)(1)     ¥4860           -
00年  シルクプリマドンナ  (1)(5)(16)   ¥1630             -

うーん、 一番人気が3−1−1−5と万全な信頼が置けない状況です。しかも勝った3頭中、去年のブエナビスタ、05年シーザリオは歴史的な名馬認定が相当の「抜けた存在」であったことを考えると、今年はなんか波乱の予感。特に重要なのはこの競争、外枠に滅茶苦茶厳しい競争と言うことで過去8枠の馬が連絡みしたのは03年に13番人気で2着したチューニー1頭のみ。上位人気に至っては悲惨の限りで、3番人気以上で7・8枠を引いた馬の成績はいずれも0−0−0−4と溢れ出る涙をこらえることが出来ません。

で、よりによってそのような悪魔のスポットに、ブエナビスタ・シーザリオ級の大物感の持ち主アババネが入ってしまったのは残念至極。直線前をブロックされたのを外から回り込んで勝ち抜いた桜花賞は着差以上に素晴らしかったのですが、逆に言えばあの走りは典型的なマイル強者の物であり、2400mでああいう走り方すると却って妨げになるんじゃないかと言う気がどうしてもしてしまうことと合わせ、今回は評価を下げて考えたいです。これで勝ったらウオッカ並の名牝ですな。

フローラSを楽勝したサンテミリオンも大物感ある一頭で、最初は彼女を◎にしようと思ってたんですが、こちらも最外枠で悲しすぎます。フローラSでは大外引いて勝っていることから今回「大外の呪い」を打ち破る可能性ない訳じゃありませんが、前回16頭中15番出走から18頭立て18番に条件悪化と言うことと、内枠にそこそこ優秀な先行馬が入っていることに鑑み今回は無印とします。

と、言うわけで印は内枠引いた先行馬主体に選んでました。

◎は逃げて桜花賞を2着したオウケンサクラ。母父リアルシャダイで距離延長での期待が高まります。勝つとなると若干難しいかもしれませんがそれでも3着以内なら相当有望。

○ショウリュウムーンは、@重馬場得意で、Aアババネを完封した実績あり、B血統もクラシックディスタンス仕様であることから、サンテミリオンをあきらめた段階で本命認定を考えたのですが、同じ事を考える人は多いのでしょう、なんと現在一番人気。こうなると急にお買い得感がなくなった感じでへそを曲げ評価を一段下げます。まあ、勝つまでとなるとオウケンサクラ以上に可能性あるとは思いますが、さて「大外の呪い」と並ぶオークスのジンクス「大物感のない一番人気馬の呪い」を打ち破る力はあるでしょうか。

この他では、骨折明けのフローラSでサンテミリオンの2着に屈したとは言え、レコード勝ち実績もある△アグネスワルツは実は非凡な才能の持ち主である可能性あり。クイーンCの鮮やかな勝ちっぷりが評価され現在3番人気の△アプリコットフィズは内枠引いたこともありやはり押さえておきたい一頭(但し小柄な馬が渋めの馬場を走ると言うことで、これ以上馬体が細るようなら圏外と考えます)、調教がよく血統が如何にも府中仕様な△ギンザボナンザは圏内十分、桜花賞3着の割には全然人気がないぞ△エーシンリターンズはお買い得な一頭。

二桁人気の馬がよく連絡みするレースであり、超不人気な馬にも一定の目配りは必要です。最初はプチ・ブエナビスタな末脚が魅力の天才肌タガノエリザベートなんか面白いと考えていたんですが、馬場が渋るのならこれは却下。かわりに現在16番人気(当然単勝万馬券)のニーマルオトメを要注意認定。府中じゃこれだけ安定した実績あるのにこの人気は低すぎるぜ。



上海ハングリー王



○今日の結果

<オークス> @アパパネ、サンテミリオン Bアグネスワルツ




○かんべえのつぶやき


――あっと驚く同着でありました。「オークスは8枠の馬は来ない」なんてとんでもない。P―Qのワンワンフィニッシュじゃござりませぬか。馬券王先生、ハングリー生活で勝負勘が狂いましたか。

――実は不肖かんべえ、Qサンテミリオンから買って、見事このP―Q馬連をゲットしたのであります。あんまりめずらしいことなので、換金前にコピーをとってもらいました。いやね、当初はA、C、Eあたりに流していたのだけど、やっぱりアパパネの強さは無視できないという結論になったもので。
エヘン。

――それにしても今年5月のG1シリーズは名作揃いです。来週はいよいよ史上最強のダービー。皐月賞馬ヴィクトワールピサ、無敗のペルーサ、レコード勝ちのダノンシャンティ、遅れてきた良血ルーラーシップ。まさに主役だらけの好レース。今から楽しみであります。





5月16日(日)

1分31秒4。先週のNHKマイルでは本当に凄いものを見せてもらいました。確かに今の府中は速いタイムが出る高速馬場ではあるんですが(今日の京王杯スプリングCだってレコード決着だし)、それにしたって3歳馬が出していいタイムじゃないぞ、これは。これって、ひょっとしてマイルに限って言えば勝ち馬世界最強なんじゃないでしょうか。

かくして1着ダノンシャンティは本番ダービーで上位人気確定、下手すりゃ一番人気なんですが、どうなんでしょうね。父フジキセキというのはクラシックディスタンスでは大変違和感があるわけだし、何よりあんな激しいレースをした反動というのが気になります。調教師の松田先生というのはダイワスカーレットとかクロフネとか、とにかくワールドクラスの名馬を育て上げることにかけてこれ以上の人はいないくらいの名伯楽ではあるんですが、問題はこれら名馬が、そろいもそろって世界挑戦を前に不本意な引退を強いられてるわけで、ダノンシャンティも秋前に引退なんて光景がどうしてもちらついてしまいます。ああいう才能の持ち主には無事に年を越してほしいんですけどねえ。


11R 第5回ヴィクトリアマイル(GI)
1600m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ベストロケーション 55.0kg 木幡 初広  
1 2 ヒカルアマランサス 55.0kg 内田 博幸  
2 3 ラドラーダ 55.0kg 安藤 勝己
2 4 ウェディングフジコ 55.0kg 吉田 隼人  
3 5 アルコセニョーラ 55.0kg 武士沢 友治
3 6 シセイカグヤ 55.0kg 丸田 恭介  
4 7 ミクロコスモス 55.0kg 福永 祐一
4 8 ヤマニンエマイユ 55.0kg 吉田 豊  
5 9 ブロードストリート 55.0kg 藤田 伸二
5 10 ニシノブルームーン 55.0kg 北村 宏司  
6 11 ブエナビスタ 55.0kg 横山 典弘
6 12 ブラボーデイジー 55.0kg 北村 友一  
7 13 ワンカラット 55.0kg 藤岡 佑介  
7 14 コロンバスサークル 55.0kg 蛯名 正義  
7 15 アイアムカミノマゴ 55.0kg 秋山 真一郎
8 16 ムードインディゴ 55.0kg 上村 洋行  
8 17 レッドディザイア 55.0kg 四位 洋文
8 18 プロヴィナージュ 55.0kg 佐藤 哲三  


と、言うわけで先週の衝撃覚めやらぬと言うのに、またしても府中のマイル戦なのであります。しかも見所が今の日本の競馬シーンをしょってたつ二枚看板ブエナビスタ・レッドディザイアの激突とくれば、これは盛り上がること必定、どうしても先週以上のハイレベルな決着を期待したいというのが人情となるのですが、まずは過去の結果を振り返ってみましょう。


ヴィクトリアマイルの系譜

年度   勝ち馬        1・2・3着人気  馬連配当
09年  ウオッカ        (1)(11)(7)  ¥5310
08年  エイジアンウインズ  (5)(1)(4)   ¥1670
07年  コイウタ        (12)(9)(8)  ¥30740
06年  ダンスインザムード  (2)(3)(4)   ¥1000

うーん創設して日の浅い牝馬限定マイル戦なんで過去4回しかデータがないんですが、上位人気がそろって連がらみというのが一度もないのは気になります。中でも牡馬をも蹴散らす圧倒的能力と抜群の府中適性を誇ったウオッカが負けるはずのない格下に負けてしまったと言う、あまりにも悲し過ぎる08年の記憶が未だトラウマとして私を苛んでいるわけでして。

上述の通りブエナビスタ・レッドディザイアと言うのは、過去国際競争で牡馬相手に何度も連絡みにした実績を誇る日本競馬の2枚看板であり、他の出走メンバーとの格の差というのはあまりにも大きく、その意味でこのレースの興味は(1)どちらが勝つのか、(2)3着にはどの馬が来るのか、の2点だけのはずなんですが、今回に限って言えば両者とも下記の不安あり。

@08年ウオッカと同じく、「海外遠征帰りの調子落ち」と言う負けたときに使える言い訳のネタを有している。
Aマイルがベストディスタンスではなく、その上この一年2000m超のレースしか経験していない。

うーん、これだけの実績を持つ2強がG1勝ちのない牝馬に負けるなんて光景は見たくないし、実際格が違いすぎる存在が2頭も出るんだからどちらかが勝つと考えた方がよいのではありますが、かと言ってこの2強でワンツーフィニッシュとなる確信も持てないのは困ったもんだ。よってウオッカ並の府中適性があり一年以上遠ざかっているとは言え過去マイルを4戦4勝しているブエナビスタを本命認定し、ドバイで長期滞在した分ダメージが大きいと思われるレッドディザイアの評価は一段下げて考えることをお許し願いたい。府中競馬場は今週からBコース変更と更に高速馬場に拍車がかかっている状態で、先週みたいな超ハイペースにならない限り前が止まらない先行馬優位の展開が予想されますが、ブエナビスタも横山が鞍上になってから追い込み一辺倒ではなくなったので、まずは大丈夫でしょう。

レッドディザイアを押しのけて○指名は藤沢厩舎のラトラーダ。府中マイルの持ち時計がかなり優秀だし、ここを目標にローテを組んできっちり調教しているところが2強にない強みです。母親のレディブロンドと言うのが絵に描いたようなスプリンターだったんで、最後気力勝負のたたき合いになった時スタミナ持つのか不安ですが、それでも33秒フラットの上がりが使える切れ味はブエナビスタにも引けを取りません。

この他では去年のローズS・秋華賞で2強相手に互角以上の戦いを演じた△ブロードストリートは当然圏内、1400mまでしか実績がないとは言え豊かなスピードで阪神牝馬Sを圧勝した△アイアムカミノマゴ、不器用さが祟って出世遅れたけど復活の予感△ミクロコスモスも3着までなら大変有望。

え、単勝140倍のブービー人気アルコセニョーラを「注」扱いとは冗談が過ぎるですと?うーん、確かに過去このレースに出ては二桁着順の繰り返しなんで、余り強気にもなれないんですけどね、そうは言っても過去重賞で何度も大穴開けている馬が今回調教時計も優秀で、それでこの人気は低すぎると思うんですよ。こういうのが3着に入るとどんなに安くても350倍の馬券になるわけで、こういうのも買っておかないと。まぁ、追い込み一手の馬なんで、連絡みするにはハイペース展開の前提が必要なんですが。


上海馬券王



○今日の結果

<ヴィクトリアマイル> @ブエナビスタ Aヒカルアマランサス Bニシノブルームーン




○かんべえのつぶやき


――今日はしみじみ「見る競馬」。「二強」対決を見たかったですけど、順当には来ないものですな。しかしハナ差2位がヒカルアマランサスとは驚きました。レッドディザイアは4位ですか。いやあ、私には絶対に取れない馬券ですな。見(ケン)して正解。

――それにしても「二強」にとって1600mは短すぎですな。宝塚記念で再びブエナビスタ&レッドディザイアとあい見えたいところです。


――来週はオークス。これがまたまた難解なのであります。アパパネを信じていいのかしら。馬券王先生の教えに期待しましょう。





5月9日(日)

えー、先週の天皇賞、圧倒的一番人気であったエアグルーヴ三男フォッゲタブル君は勝ち馬から10馬身以上ちぎられた6着と言う散々な結果に終わってしまいました。このレース、バンコク赤シャツ軍団もしくはアテネ火炎瓶軍団を彷彿とさせる暴徒トーセンクラウンの罰当たりきわまりない騒乱行為により、後ろにいた馬が相当な不利を被った事は間違いないのですが、よく見るとフォゲッタブル君はこの被害を免れているわけで、これはもう弁解のしようがありませんな。それにしても、春の天皇賞と言うのは本当に「実績のない一番人気馬」に過酷な競争であります。最近の天春というのは出走メンバー全員が「実績がない」ケースが多いからもうちょっと来そうな気がするんですが、不思議なくらい来ませんな一番人気。なんでかねえ。

で、「これだから家柄だけの御曹司というのはろくでもねえ、馬も政治家も。」なんて考えてると、本日のプリンシパルSでエアグルーヴ四男ルーラーシップ君が快勝しダービー出走を決めてしまうんだから競馬というのは面白い。相手が弱いと言えばそれまでですが、それでも1着しか出走権が与えられないところをしっかり勝ちきるのはたいしたもんだし、2000mを1分59秒1、上がりを33.7秒というのは、これは本番でも相当上位人気しそうな感じでグルーヴチルドレン・ウオッチャーの私としてはたまらない展開になってきました。いやあ、今年の牡馬クラシックというのはヴィクトワールピサ中心かと思ってたら、先週青葉賞を勝ったペルーサと言い、本日のルーラーシップと言い、なかなか有望なタレントが雨後の竹の子のように続出してこれは相当盛り上がりそう。明日のNHKマイルにしてもダービーに照準合わせた強豪が出てくるし、こんなに面白いダービーって数年ぶり何じゃないでしょうか。ああ、待ち遠しいったらありゃしない。政治の世界もこれくらいタレントが出てくればいいのにねえ。。。。


11R 第15回 NHKマイルカップ(GI)
1600m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ダイワバーバリアン 57.0kg 蛯名 正義
1 2 コスモセンサー 57.0kg 石橋 脩  
2 3 リルダヴァル 57.0kg 福永 祐一
2 4 サンライズプリンス 57.0kg 横山 典弘
3 5 サウンドバリアー 55.0kg 内田 博幸  
3 6 ニシノメイゲツ 57.0kg 北村 宏司  
4 7 トシギャングスター 57.0kg 浜中 俊  
4 8 パドトロワ 57.0kg 柴田 善臣  
5 9 モンテフジサン 57.0kg 武士沢 友治  
5 10 キョウエイアシュラ 57.0kg 吉田 豊  
6 11 エイシンアポロン 57.0kg 岩田 康誠
6 12 キングレオポルド 57.0kg 伊藤 工真
7 13 ダノンシャンティ 57.0kg 安藤 勝己
7 14 シゲルモトナリ 57.0kg 松岡 正海  
7 15 ガルボ 57.0kg 後藤 浩輝
8 16 レト 57.0kg 幸 英明
8 17 エーシンダックマン 57.0kg 四位 洋文  
8 18 エーシンホワイティ 57.0kg 北村 友一  


まずは先週の例に習い、過去10年のこの競争を振り返ってみましょう。

年度  勝ち馬       1・2・3着人気     馬連配当
09年 ジョーカプチーノ  (10)( 5)(13)   ¥14180
08年 ディープスカイ   ( 1)( 3)(14)   ¥ 1980
07年 ピンクカメオ    (17)( 1)(18)   ¥30800
06年 ロジック       ( 3)( 9)( 6)   ¥ 6110
05年 ラインクラフト    ( 2)(10)( 4)   ¥ 4890
04年 キングカメハメハ  ( 1)( 4)( 3)   ¥ 1340
03年 ウインクリューガー ( 9)( 5)( 6)   ¥17520
02年 テレグノシス     ( 4)( 5)( 1)   ¥ 4830
01年 クロフネ       ( 1)(13)(12)    ¥6880
00年 イーグルカフェ   ( 2)( 5)( 1)    ¥1880

うーん、ジョーカプチーノやピンクカメオの印象があまりに強烈なんで大荒れ傾向かと思いきや、10年中一番人気が6回連がらみしていて、思ったよりも穏やかですな。そうは言っても10年中5回二桁人気の馬が突っ込んでき3連馬券じゃ相当阿鼻叫喚ではあるんで、やはり超人気薄にも一定の目配りは必要、今回もそういう方向での高配当を狙ってみたいです。

まずは軸から。ジョーカプチーノとかピンクカメオみたいな変なのが勝ち馬になる年があるにはありますが、キングカメハメハとかクロフネとか後に名馬認定を受けるような大物がしっかり勝っているレースでもあり、やはり「大物感」というのが重要。で、今年はそういう大物感にあふれたタレントが二頭出走しています。

まずはキングカメハメハ・クロフネを輩出した松田厩舎から出走のダノンシャンティ。快勝した毎日杯ではグルーヴ家四男ルーラーシップ君を0.5秒ちぎっておりますが、これは最後旗手が手綱を抑える余裕の勝ちっぷりで、それで33秒代前半の上がりタイムをたたき出すというとてつもない大物感の持ち主。本当のターゲットはダービーですが、父フジキセキということでむしろマイルのほうが向いていそうなところも魅力十分。

もう一頭はNZTを圧勝したサンライズプリンス。この圧勝、ただの圧勝じゃありませんぞ。中山1600mコースでは致命的な大外枠を引いた上、出遅れると言うおまけまでついた絶望的な状況をものともせず、4角を大きく膨らんで突入するという力任せの競馬で大差勝ちしたいうことで、仮に相手が弱かったとしてもこういう勝ち方は相当な力がないとできるものではありません。他の馬より100m近く余計に走ったんじゃないでしょうか。本当に凄いものを見せてもらいました。これも本当の目標はダービーでNHKマイルは手抜きモードになることが心配だったんですが調教を見る限り本気で勝ちに来ている感じでまずは安心。

カミソリの切れ味ダノンシャンティ、鉈の迫力サンライズプリンス。これだけ大物感を漂わせている2頭のどちらを上位と見るかはほとんど趣味の問題ですな。常時33秒台の末脚を繰り出せる所が府中向きということで取り合えずダノンシャンティを◎としますが、サンライズプリンスだってあの大飛びの走り方は府中でこそ生きる感じだし、本当に優劣つけがたい。馬券は2頭軸の三連単で3着に穴っぽいのが飛び込んでくるのを期待しましょう。

▲リルダヴァルも2歳時から大物感を漂わせていた一頭ですが、骨折休養から復帰した後の2戦が今ひとつ。調子が戻ってきていれば2強に勝つまである唯一の存在だし、ダービー出走するにはここで最低でも2着しないといけないことから、遮二無二勝ちにくると思うんですが、来ると配当安くなるんでできればご遠慮願いたいですな。

このほかでは皐月賞で惨敗とはいえ距離短縮で堅実派復活の可能性あり△エイシンアポロン。皐月賞の負け方がひどかったんでもう少し人気を落とすかと思ったんですが、現在4番人気の単賞13倍というのは、ちと微妙。むしろサンライズプリンスに力の差を見せ付けられたとはいえ調教のよいNZTの2・3着馬△ダイワバーバリアンに△レト、同じ距離のシンザン記念を圧勝したにもかかわらず単賞26倍の評価しかもらえないガルボの方が妙味あり。そして個人的に一番期待しているのが2歳時同じコースでレコード勝ち実績のある注キングレオポルド。その後の成績がひどすぎるので二桁着順も大いにありえるんですが、それでもはまれば相当なもんじゃないですかね。これで単賞90倍のブービー人気というのは随分評価が低いと考えます。


上海馬券王



○今日の結果

<NHKマイルカップ> @ダノンシャンティ Aダイワバーバリアン Bリルダヴァル




○かんべえのつぶやき


――今週も馬券王先生の見立てが冴えました。2頭対決はダノンシャンティに軍配が上がりました。不肖かんべえはサンライズプリンスから買って玉砕しました。ああ、そんなことならむしろダイワバーバリアンを信じて、そっちから流せば良かった。でもレコード勝ちはアッパレ。今週はアンカツがいい仕事をしました。

――今年のダービーはものすごい顔ぶれが揃いそうですね。

皐月賞から、ヴィクトワールピサ、ヒルノダムール、エイシンフラッシュ、ローズキングダム
青葉賞から、ペルーサ、トゥザグローリー
プリンシパルSから、ルーラーシップ
NHKマイルから、ダノンシャンティ、ダイワバーバリアン、リルダヴァル、サンライズプリンス
ほかにも、ゲシュタルト、アリゼオ、ハンソデバンド、エイシンアポロン、サンディエゴシチーなど。

――こんなに3歳馬が豊作な年はちょっと記憶にありません。まるで上海馬券王先生の帰国を歓迎しているかのようであります。






5月2日(日)

上海馬券王の人生相談
 

お約束。お受験ママ・エアグルーヴさんからのお便り   

Q:家柄・学歴、足りないのは何?

先生お久しゅうございます。わたくしエアグルーヴでございますことよ。え、「お前は誰だ」ですって?きぃいいい!これだからパンピーは!よろしいこと?わたくしの祖父は日本競馬の大立者ノーザンテースト公爵、母は樫の木の女王ダイナカール、父は凱旋門の英雄トニービン子爵と言う、まさに名門中の名門、華族の中の華族、本来ならあなたのような、なけなしのお金をどぶに捨てまくってる変態馬券士なんか口も聞いてもらえないような尊い血筋でございましてよ、我がグルーヴ一族は!

え?「その前口上こそマンネリ中のマンネリなんで、さっさと本題始めろ」ですって?まぁ、なによ、それじゃ、あたくしが誰だか存じ上げてらっしゃるって事じゃないの。きぃいいいいいいい!この賎民!ヘタレ馬券士!生活破綻者!人を馬鹿にするのも大概にするがよろしいわ!とにかく話を聞くざます!


え、「どうせ、相談内容が長女アドマイヤグルーヴ以降成績がふるわない子供、とりわけ明日の天皇賞に出走する三男フォゲッタブルに対する愚痴の列挙であることは火を見るより明らかであり、これも先ほどの前口上同様マンネリである。よって手っ取り早く本題に入れ」ですって?きぃいいいいいいいい!下手に出てればつけ上がるお前は一体何様ざますか。そちらの突っ込みこそマンネリじゃございませんの!この、賤民!禁治産者!単身赴任者!お前なぞ上海万博でマナー最悪な観客に踏みつぶされて死んでしまうがいいわ!

とにかく、話は最後まで聞くざます。今日の話は愚痴じゃなくて自慢話ざます。確かに三男は3歳時ずっと自堕落な生活しきたざますが、菊花受験の時、先生の様な倒錯馬券購入者にクサされたことがよっぽど悔しかったと見えて、以来心を入れ替えて更正したざます。そしたらご覧なさいな、ステイヤーS、ダイヤモンドSと年末から年明けにかけてトップ合格の連続で、結果明日の大一番、天皇賞でもダントツの一番人気なんざます。オホホホホホ、長女以来途絶えていたグルーヴ一族G1制覇の日が遂に来たざます。

ああ、本当にこの日の来るのをどれだけ待ちわびたことか。うちの子供がG1勝てなくなって、グルーヴ一族存亡の危機に見舞われたとき、同じ名家の鳩山さんのお子さんたら凄いご出世で、あたくし本当に悔しい思いをしたざます。うちの子だって家柄じゃ負けていないし、角居先生とか、池江先生とか一流の先生に教えてもらって学歴だって引けを取らないし、何よりどう見たってうちの子供の方が能力ありそうなのに、なんであんな軽薄でルーピーで優等生とは名ばかりな宇宙人に大きく水をあけられるのだろう、この世には家柄と学歴以外にも大事な物があるのだろうか、なんて考えたりもしたざます。

オホホホ、でも、それも気の迷いざましたわ。やっぱり世の中は家柄と学歴ざます。それしかないざます。まぁ、どちらにも縁のない賤民の先生にこんな話はちょっと難しかったかしら?ホホホ、ご無礼したざますわ。とにかく、分かりやすく言い換えると明日はグルーヴ家再興の日なんざます。これだけは覚えておいて欲しいざます。それでは失礼。オホホホホホ。

A:お答え

わははは、ネットの速さに打ち震え、プラズマTVの美しさにのけぞった余勢を駆って今度は光TVというのを導入し、競馬専門放送であるグリーンチャンネルを立ち上げたのであります。昔もこの番組は大変熱心に視聴していたのでありますが、5年の歳月を経て、今じゃこれがハイビジョン放送な訳だ。すげえなああ、画面が高精細だああ。パドックの中継なんて馬の毛艶とか発汗具合がよくわかってさ、これじゃもう競馬場なんて行く必要ないじゃん。こういうのを見て寝転がって馬券投票してって、これぞこの世の楽園、昔同じ表現で北朝鮮を称揚した朝日新聞のアホな論説委員に見せてやりたいぜこの美しさを。ハイビジョンで流れるサラブレットは、本当に美しいのだ。牝馬戦なんかもう最高。へっへっへっ、ねえちゃん、ええケツしとるやんか。

さて、ご相談の件、相談人であられるところのエアグルーヴ様におかれましては、世の中を「家柄」「学歴」という二つの概念でとらえておられるようですが、実はそれ以外にも「お金」という大事な概念がありまして、これが鳩山さん母子にあって、貴女方にはない物なのではないかと考えます。鳩山さんに関しては、沢山の人が色々なことを言い尽くしてますんで、私としてこれに付け加えることはあまりないのですが、敢えて一言言わせていただければ、家柄と金があれば能力の如何を問わず首相になれるという事を証明したという意味でこの政権の誕生は誠に偉大なのではなかろうかと。

一方、貴女方にあって鳩山さんにない大事な概念もあります。「実力」という概念ですね。偉大とは言っても、家柄と金だけで首相が誕生しちゃう日本民主主義の構造に何か根本的な問題があることは間違いなく、厳しい実力主義で生きる貴女方に日本の選挙民が学ぶべき事は多いのではないでしょうか。そう言う意味で三男フォゲッタブル君が年末年始の実績をひっさげて、天皇賞で一番人気になられたことは、誠に素晴らしいことなのではないかと考えます。

とは言いながら単勝2.7倍ですかあ。2番人気が6倍台後半であること、頭数が18頭のフルゲートであることを考えれば、これは事実上の一点かぶり、大本命認定ですね。うーん、フォゲッタブル君の場合、確かに2200m以上でしか勝ち鞍がないコテコテのステイヤーだし、昨年末から能力急上昇してるのは疑いないし、今回G1馬というのが一頭しか出ていない低レベルの対戦だしで、人気になるのは仕方がないんですが、まだG1を勝ったことのない馬がこんなに一点かぶりというのは、随分見込まれすぎの感じがしますなあ。馬自体は厳しい競争原理で生きているのは間違いないのですが、馬券を買う人は去年雪崩を打って民主党に投票した日本の選挙民と大差ないんじゃないかという気が急にしてきましたな。

え、いくら何でもそれは言い過ぎだろうって?まぁ、下記を見てください。



過去10年の天皇賞(春)一番人気馬の着順と馬連配当

09年 アサクサキングス 9着 (¥22530)
08年 アサクサキングス 3着 (¥ 4430)
07年 アイボッパー   4着 (¥20750)
06年 ディープインパクト1着 (¥  380)
05年 リンカーン     6着 (¥85020)
04年 リンカーン    13着 (¥36680)
03年 ダイタクバートラム 3着 (¥16490)
02年 ナリタトップロード  3着 (¥ 540)
01年 テイエムオペラオー 1着 (¥ 500)
00年 テイエムオペラオー 1着
 (¥ 290)


上記を総括すると以下のようになるわけです。

@堅いときは滅茶苦茶堅いし、荒れるときは大荒れ。
A10年間で一番人気が来たのは、わずか3回、延べ二頭。この二頭は3歳の時からG1勝ちのある年度代表馬的スーパーホースである。
Bアサクサキングスとかリンカーンとかナリタトップロードのような犯罪的な背信常習者が一番人気になる傾向強し。

うーん、やはりG1馬でもない馬が一点かぶりということでは、逆らってみたくなりますなあ。フォゲッタブル君が強くなっていることは確かですが、それでもディープとかオペラオーの器とはとても思えないですし、何より去年滅茶苦茶ハードな使われ方をしたのが祟って今回休養明けで本番に臨まなくてはならなくなったマイナス面も大きい。人間だってむちゃくちゃ厳しい受験競争を生き残り、春先気が抜けてドロップアウトする5月病患者っているじゃないですか。明確な「格」を形成するに至っておらず5月病の疑いすらある一点かぶりの一番人気を軸にするなんて人の道に外れた行為であるとなんか急に思えてきました。

つきましては、貴女には大変申し訳ないのですが、今回のレースはフォゲッタブル君が今年のレースシーンの中核を担える逸材であるか、それとも鳩山さん認定が相当な単なる御曹司であるのかを見極める場として位置づけ、軸認定は留保させていただきたく事をご了承いただきたくお願い申し上げる次第です。


と、いうわけで。。。。

10R 第141回 天皇賞(春)(GI)
3200m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 カネトシソレイユ 58.0kg 幸 英明  
1 2 エアジパング 58.0kg 岩田 康誠  
2 3 フォゲッタブル 58.0kg 内田 博幸
2 4 メイショウドンタク 58.0kg 武 幸四郎  
3 5 フィールドベアー 58.0kg 秋山 真一郎  
3 6 トウカイトリック 58.0kg 藤田 伸二
4 7 ナムラクレセント 58.0kg 小牧 太  
4 8 トーセンクラウン 58.0kg 江田 照男  
5 9 メインストリーム 58.0kg 川田 将雅  
5 10 テイエムアンコール 58.0kg 浜中 俊
6 11 ミッキーペトラ 58.0kg 池添 謙一
6 12 ジャガーメイル 58.0kg C.ウィリアムズ
7 13 ジャミール 58.0kg 安藤 勝己
7 14 メイショウベルーガ 56.0kg 福永 祐一
7 15 エアシェイディ 58.0kg 戸崎 圭太  
8 16 マイネルキッツ 58.0kg 松岡 正海
8 17 ゴールデンメイン 58.0kg 太宰 啓介  
8 18 ベルウッドローツェ 58.0kg 的場 勇人  



印は調教の出来とステイヤー適性から選んだ結果結構正統派の予想となっていますが、過去の大荒れぶりを見ると、意外と低人気の馬を決めうちして馬連でそう流しするのが良いかもしれません。



皆様の相談お待ちします。


人生相談士   上海馬券王



○今日の結果

<春の天皇賞> @ジャガーメイル Aマイネルキッツ Bメイショウドンタク




○かんべえのつぶやき


――ジャガーメイルが初のG1勝利でした。馬券王先生のお見立てがズバリ正解。ウィリアムズ騎手、お見事であります。一番人気のフォゲッタブルは馬群に消えました。ということで、エアグルーヴお母さんの人生相談のネタは今後も温存されることでありましょう。馬券王先生、よかったですね。

――この週末は天候に恵まれていかにも競馬日よりでした。かんべえも昨日は出動して、7レースから12レースまで頑張ったのに、複勝とかワイドしか取れないんですぅ〜。今日はジャミールから買いましたが、アンカツはフォゲッタブルだけを見て競馬してたんじゃないかなあ。

――さて、来週はNHKマイル。昨日の青葉賞では、ペルーサの強さを目の当たりにしました。でも、ダービーに向けてまだまだスターが登場しそうな予感。期待しちゃいましょう。






4月18日(日)

えー、光通信の素晴らしさに打ち震えた余勢を駆って、今度はテレビというものも購入したのであります。しかし、薄型TVというのは省スペースで、その上ハイヴィジョン放送というのがこれまた本当に美しくて素晴らしい。私が前に日本にいた5年半前というのは、まだまだ薄型TVというのは高価で普及率も低かったのですが、今じゃ本当に安くなりましたなあ。5年前より遙かに高スペックなプラズマTVが、ハードディスク録画機付きで値段は当時の半値ベースとは、長生きはするものです。おまけに、「エコポイント」なるものまでついてきて補助金が2万3千円もいただけるとは、まさに嬉し恥ずかしですな。子供手当の支給対象者ではない私としては、初めて政府の景気対策の恩恵にあずかれたと言うことで、ようやく日本に帰ってきた気がします。ようし、次は車を購入しよう。

因みに省エネ促進と言うことでは、中国なんかでも「恵民政策」と称する似たような補助金制度があるんですが、これはどちらかと言えば景気対策の色彩が強くて、省エネ製品の開発力に乏しい非外資系メーカーの実情に鑑み、あまり省エネとは言えない非インバータ空調なんかにまで手厚い保護がついていたんですが、買い換え需要だけでなく新規買い増し需要が旺盛なこの国でこういう事をやると、消費電力はうなぎ登りで結果省エネとはほど遠い二酸化炭素排出しまくりの状況が出現してしまうのは困ったものであります。

日本の場合は買い換え需要が中心なんで、こういう補助金制度が省エネに結びつくことは多分間違いないんでしょうが、景気対策としてはどうなんですかね。エコポイント対象製品が売れまくっている反面、対象外のものはえらく売り上げが落ちているみたいだし、対象製品にしたって、制度が終わった途端に売り上げが激減、政府負担の補助金相当分を結局メーカーが値下げすることになり、メーカー涙目みたいなシナリオは十分に予想できるわけで、こういう制度の正味の景気寄与度というのは意外と少ないんじゃないでしょうか。

まあ、いずれにしましても、日本で競馬がライヴで鑑賞できる環境が整いつつあるのは、結構なことであります。今のところは地上波が放映するメインレースのみの鑑賞ですが、これにグリーンチャンネル視聴の環境が加われば、まさに競馬天国ですな。いやあ、やはり日本は良い国だよ。中国(除く香港)には競馬なんかないからねえ。


11R 第70回 皐月賞(GI)
2000m 芝・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 リルダヴァル 57.0kg 福永 祐一
1 2 ハンソデバンド 57.0kg 蛯名 正義
2 3 トーセンアレス 57.0kg 田中 勝春  
2 4 ネオヴァンドーム 57.0kg 安藤 勝己  
3 5 ローズキングダム 57.0kg 小牧 太
3 6 ゲシュタルト 57.0kg 勝浦 正樹  
4 7 レッドスパークル 57.0kg 秋山 真一郎  
4 8 バーディバーディ 57.0kg 松岡 正海  
5 9 サンディエゴシチー 57.0kg 浜中 俊  
5 10 シャイン 57.0kg 和田 竜二  
6 11 エイシンフラッシュ 57.0kg 内田 博幸
6 12 エイシンアポロン 57.0kg 池添 謙一
7 13 ヴィクトワールピサ 57.0kg 岩田 康誠
7 14 レーヴドリアン 57.0kg 藤岡 佑介  
7 15 ダイワファルコン 57.0kg 北村 宏司  
8 16 ヒルノダムール 57.0kg 藤田 伸二  
8 17 ガルボ 57.0kg 後藤 浩輝  
8 18 アリゼオ 57.0kg 横山 典弘


今年の3歳牡馬というのは、ローズキングダム・ヴィクトワールピサの2強中心というのがもっぱらの下馬評だったんですが、そのうちローズキングダムが前走のスプリングSで期待を大きく裏切ったことから脱落、押し出される感じでヴィクトワールピサ一強認定というのが、現時点の一般の評価と言うことになるんですが。。。。

いやあ、難しいですよ、今年は。そりゃ、ヴィクトワールピサは現在4連勝中だし、切れる脚も持っているし、乗り手の指示に即応する賢さも持っているし、何より重馬場の弥生賞を勝った実績が渋い馬場が確定的な明日のレースには心強い限りだしで、文句のつけようもない事は事実で、私も3着以内はほぼ間違いないとは思うんですが、それでもこれまで大差勝ちしたのが未勝利戦だけで後は僅差の決着、騎手変更も考えると単勝2.5倍は少々買いかぶられている気もします。他にも見所のあるのはいるんで、少なくとも単勝負なら逆らってみたいですな。

今回良馬場は望み薄なんで、追い込み一手には辛すぎるということで、下記の条件で絞り込んだら上記の印となりました。

@1800m以上のレースで重賞連対実績あり。
A中段より前で競馬が出来る。
B1800m以上のレースで34秒台前半の決め手がある。

ヴィクトワールピサを差し置いて◎指名のハンソデバンドは、現在3連勝中。前走の共同通信杯は先行してそのまま34秒の末脚で押し切った所が見所あり。騎手が桜花賞を制して乗りまくっている蛯名だし、これで単勝17倍は美味しすぎます。1800mまでしか経験がないのと久々というのが、死角となりますが、父マンハッタンカフェだし、調教もよく動いているんでまずは大丈夫でないかと。

▲アリゼオは逃げて2強の一角ローズキングダムを完封した前走のスプリングSがお見事で、コースと芝の状態を考えるとこれも大変有力。大外引かなきゃ◎はこちらだったのですが、それでも騎手が横山なら勝つまでありそう。

この他では、2強と並んで3強認定されていたのに怪我で出世が遅れた△リルダヴァルが調教時計優秀で復活の予感。そのリルダヴァルを捨てて内田が選んだエイシンフラッシュは人気(35倍・11番人気)を考えると是非押さえておきたい一頭。2強相手に2着続きと安定度ある△エイシンアポロンは距離が少々長い気もしますが、3着有望。

2強の一角ローズキングダムを「注」認定とは失礼ではあるんですが、スプリングSの負け方が悪すぎます。いくら久々という言い訳が成立するにしても、アリゼオだけならまだしも、ゲシュタルトにも届かないなんて、一体君は君を信じて馬券を買った人に対してどうやって申し開きをするつもりなんだ。殆ど鳩山内閣じゃないか、腹を切れ、腹を!まぁ、あの一戦で見限るのは早計だし、実はやっぱり強かったなんてことも大いにあり得るのですが、それでも小柄な馬がBコース変更とはいえ渋って荒れた中山の馬場に向くとは思えないし、センスの固まりみたいな天才児が一度の挫折でずぶずぶ沈んでゆくなんてのも大いにありそうなパターンで、今回はお手並み拝見ですな。


上海馬券王



○今日の結果

<皐月賞> @ヴィクトワールピサ Aヒルノダムール Bエイシンフラッシュ




○かんべえのつぶやき


――ヴィクトワールピサが強さを見せ付けました。ゴール前で内が空いたところを、すかさず突いた岩田騎手もお見事でした。弥生賞の勝者が順当に来る、というのも意外にめずらしいような。これはダービーも行っちゃうかな?

――「今年の三歳牡馬はどんぐりの背比べ」とよく言われますけれども、だからこそ面白い気がします。各馬とも、まだまだ伸びてほしいですね。

――それにしても、昨日のリーチザクラウン(マイラーズカップ)といい、今日のヴィクトワールピサといい、「武からの乗り代わりを狙え」という法則が定着しつつある。どないするねん?






4月11日(日)

えー、と、言うわけで二日前に日本に帰って来まして、現在不況下の工業都市に所在する新居で桜花賞予想などというものをやっている訳なのであります。

前回(7年前)日本に帰ったとき生活拠点の確立に大変苦労した経験に鑑み、今回はネット環境の立ち上げと言うのに周到な準備をしたのですが、その甲斐あって入居翌日にはNTTの光回線が開通、現在こうしてかんべえ先生宛メールを打っているわけで、いやめでたい。今日びネットなしでは何も出来ないですからねえ。

それにしても、日本の通信品質のなんと素晴らしい事よ。上海での悪夢のようなヘビートラフィックとは打って変わり、実に速いじゃないか光通信と言うのは。馬券投票もサクサクできるのがたまらなく嬉しい。ストレスなく快適に馬券が買えるのがそれだけで本当に嬉しい。最近じゃ日本の中国に対する優位なんてどんどん覆されてるけど、少なくとも通信品質と、ビールのうまさ、白ご飯のおいしさは、まだまだ中国なんか足元にも及ばないのだ。いやあ、捨てたもんじゃないですぜ日本も。アホな政府と日銀のせいで景気が悪いのは難点だけど。

あ、そう言えば、「書籍関係の豊富さ」というのも中国にない日本の美点であります。出版不況も何のその、出版物の数、それに質たるや中国なんぞより遙かに豊穣な世界がこの国では展開されているわけで、なおかつそれがどんな田舎にいたってアマゾンに頼めば速攻で宅配してくれる。ああ、嬉しくて目眩がして来るではないですか。さっそく渡辺竜王の将棋本をジェフベック先生の新作と一緒に発注する私。で、アマゾンにログインした途端にあらわれた画面を見てのけぞりました。何を買うとも言ってないのにいきなりこういうメッセージが現れたのであります。

☆上海馬券王さんへのお勧め

  吉崎達彦著 「溜池通信 いかにもこれが経済」


。。。。。。何なんでしょうねえ、これ。アクセスするのは5年半ぶりだというのに、何故私の交友関係を知っているのであろうか、アマゾンは。それとも上記書籍は私だけでなく、ログインする全ての者にに奨励されているのであろうか。日経が出版する本を万人に勧めても売れるとは思えんのだが。大体タイトルからして、すっげえふざけた感じだし。

まあ、いいや、今日の私は通信の快適さ故、大変機嫌がよいのだ。「お勧め」というのに乗ってあげようじゃないの。買うぜ「溜池通信 いかにもこれが経済」!


10R 第70回 桜花賞(GI)
1600m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ショウリュウムーン 55.0kg 佐藤 哲三
1 2 ギンザボナンザ 55.0kg 北村 宏司  
2 3 アプリコットフィズ 55.0kg 横山 典弘  
2 4 コスモネモシン 55.0kg 石橋 脩  
3 5 モトヒメ 55.0kg 大野 拓弥  
3 6 ワイルドラズベリー 55.0kg 浜中 俊  
4 7 タガノエリザベート 55.0kg 川田 将雅
4 8 オウケンサクラ 55.0kg 安藤 勝己
5 9 アパパネ 55.0kg 蛯名 正義
5 10 レディアルバローザ 55.0kg 和田 竜二  
6 11 エーシンリターンズ 55.0kg 福永 祐一
6 12 ステラリード 55.0kg 藤田 伸二  
7 13 アニメイトバイオ 55.0kg 内田 博幸
7 14 ジュエルオブナイル 55.0kg 幸 英明  
7 15 サウンドバリアー 55.0kg 渡辺 薫彦  
8 16 ラナンキュラス 55.0kg 四位 洋文  
8 17 シンメイフジ 55.0kg 岩田 康誠
8 18 プリンセスメモリー 55.0kg 勝浦 正樹  


と、言うわけで、吉崎達彦著「溜池通信 いかにもこれが経済」(どうでもいいけどやっぱりこのタイトルは。。)を予約した余勢を駆って「桜花賞予想」というのに突入したいわけだ。なあに当たりますって、ネットが快適だと予想の生産性も上がるし今回は自信あり。


70回目の桜花賞と言うことなんですが、今回は「ウオッカ・ブエナビスタ級の大物がおらず混戦模様」というのが一般の見方であるようです。

でもねえ、やっぱりアババネは相当抜けた存在だと思うんですよね、私は。そりゃ母親のソルティビットというのが絵に描いたような短距離馬だったんで、オークスには不安を感じますが、それでも2000mまでなら相当な器なんじゃないかって。圧倒的な一番人気を裏切った前回のチューリップ賞が評判を下げる原因になっているわけですが、あのレースは久々の上、限りなく不良馬場に近い重馬場で行われたレースだったわけで、それを大外枠で2着まで持ってきた事を考えると「負けてなお強し」認定が相当なんじゃないでしょうか。それが一番人気とはいえ、単勝3.5倍と言うのは美味しすぎます。今回ようやくまともな枠順を手に入れたことだし軸は迷わずこれですね。

対抗はそのアババネにチューリップ賞で土をつけたショウリュウムーン。重馬場でしか勝ち鞍がないので評価が低いのですが、重馬場にもかかわらずしまいしっかり伸びているところを見るとこれは相当強い可能性があります。今回アババネに勝つまであるのはこの馬だけじゃないですか。そう言う意味で単勝10倍(4番人気)というのはある意味アババネよりも美味しい馬券ですな。

この他では勝ちきれないもどかしさあるも高レベルの競争で連絡みを続けるアニメートバイオは3連複の軸向け、本当はオークスで期待したいオウケンサクラ、混戦なら上位浮上もエーシンリターンズというところが2着までなら可能性十分。切れ味ならメンバー随一シンメイフジ、プチ・ブエナビスタの観ある天才肌タガノエリザベートも魅力十分ですが最近の阪神は後方一気というのは大変つらい状態なんで、これは良くて3着の予感。

え、2番人気にしてクイーンCの覇者アプリコットフィズはヌケでいいのかって?うーん、この馬、好きなタイプではあるんですが、小柄な馬でそれが内枠引いて荒れた馬場を走らされるってのは、なんかつらい気がしますな。その上8日の検量じゃマイナス体重だし、これに輸送が加われば大幅な馬体減はもはや確定的なわけで、そう言う馬が2番人気じゃこれは買いづらいです。オウケンサクラ同様オークスじゃ相当有力だとは思うんですがね。


上海馬券王



○今日の結果

<桜花賞> @アパパネ Aオウケンサクラ Bエーシンリターンズ




○かんべえのつぶやき


――アパパネ強し。逃げて粘るオウケンサクラを、きっちりゴール前でかわしました。またまた牝馬のヒーロー誕生です。さて、オークスの距離はこなせるかな?

――馬券王先生、拙著の早速のお買い上げ、ありがとうございました。それにしても、アマゾンの秘法恐るべし。今この瞬間にも、いろんな人のところへ「お勧め」が行っているのではないでしょうか。ほかにも数人の方から「予約しました」とのご連絡をいただいております。深謝。

――さて、来週は皐月賞。今日のように強い競馬を見せてほしいと思います。ローズバド、どうですかね。





3月28日(日)

えー、上海生活5年半、累計で9年間の私なのですが、実は日本帰任が決まりまして、現在連日の送別会と引っ越し準備で大変忙しい今日この頃な訳です。

ううう、それにしても寄る年波と言うことなのか、最近じゃめっきり酒が弱くなって連日の飲み会というのは拷問にも等しい試練な訳で、いや、皆様のご厚意はたいへんありがたいのですが、酔っぱらってキーボードを叩いている今日なんか、はっきり言ってこれはもう競馬どころではない。うええええ、吐きそうじゃ。

しかしなんですな。上海に再赴任したのが04年末で、その翌年反日デモが勃発(ディープインパクトが皐月賞を制したその日でありました)するは、会社じゃ労働争議は勃発するは、チベットで仏教徒が暴れたと思ったら、四川じゃアースがクエイクだし、北京じゃオリンピックでどんちゃん騒ぎ出し、はたまたウルムチでは回教徒が暴れまくるしで、随分波瀾万丈な駐在期間でありました。どうせなら上海万博というのも経験してから帰りたかったんですが、最近じゃ上海も万博開催を控え風俗店の手入れ連発だとか、海賊版屋の一斉取り締まりだとか、随分風紀の引き締めが厳しくなっているわけで、まぁ、ここら辺が潮時と言えば潮時なのかも知れません。

しかしなあ、カラオケ屋とか、ソープランドとか、海賊版屋を取り締まるだけならまだしも、上海一帯を禁煙都市と認定し、パブリックな場所から喫煙者を閉め出すというのは如何なものか。まさか中国で迫害されるとは夢にも思わなかったぞ。北京オリンピックは精々3週間程度のイベントであったが、上海万博は半年も継続するわけで、その間上海はずっと、こういう暮らしづらい空間として隔離滅菌されることになるのでありましょうか。

いずれにしましても、上海で過ごしたこの5年間はまさに好景気、バブルの5年間でありまして、この国の人々がどんどん、どんどん豊かになっていくのを目の当たりにするのは大変まぶしい思いがいたしました。特にリーマンショックでこれまで先進国面していた欧米諸国の方々が実はろくでもないものであったと言うことが明らかになってからというもの、この国の方々のスタンスには自信から過信へ、上昇志向から増長へと明確なシフトチェンジが感じられるわけで、この国がこの後どのような進展を遂げていくのかをもう少し見届けていきたいと言う思いがあっただけに、なんか後ろ髪を引かれる思いが致します。

って言うか、こういう好景気の毒気に当てられ続けた後に、不景気きわまりない日本に帰任して、私は正常な社会復帰というのが出来るのであろうか。なんか、急に心配になってきましたぞよ。



11R 第40回 高松宮記念(GI)
1200m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 セブンシークィーン 55.0kg 北村 友一  
1 2 アイルラヴァゲイン 57.0kg 秋山 真一郎  
2 3 アルティマトゥーレ 55.0kg 横山 典弘  
2 4 ショウナンカザン 57.0kg 柴田 善臣  
3 5 トウショウカレッジ 57.0kg 川田 将雅  
3 6 キンシャサノキセキ 57.0kg 四位 洋文
4 7 カノヤザクラ 55.0kg 小牧 太  
4 8 エーシンエフダンズ 57.0kg 佐藤 哲三  
5 9 ファイングレイン 57.0kg 勝浦 正樹
5 10 ヘッドライナー 57.0kg 酒井 学
6 11 エイシンタイガー 57.0kg 池添 謙一  
6 12 グランプリエンゼル 55.0kg 熊沢 重文  
7 13 サンカルロ 57.0kg 吉田 豊
7 14 スズカコーズウェイ 57.0kg 武 豊  
7 15 プレミアムボックス 57.0kg 幸 英明
8 16 エーシンフォワード 57.0kg 岩田 康誠
8 17 ビービーガルダン 57.0kg 安藤 勝己  
8 18 ピサノパテック 57.0kg 田中 勝春  


うーん、連日の飲み会と引っ越し疲れのせいで、なんか燃えませんなあ。と、言うか、この日はドバイ・ワールドカップとシーマクラシックでレッドディザイアとブエナビスタがどこまでやってくれるかというのが、興味としては遙かに上回るわけで。特にレッドディザイアはこれまで天才少女ブエナビスタの影に隠れて目立たない存在だったのが、急に本格化して今ではワールドホースを狙える存在までに出世したというのは凄い、凄すぎる。こういうウオッカ・ダイワスカーレットのライバル関係を3倍濃縮したような両雄の世界デビューに立ち会えるというのは、競馬ファンとしてこれに過ぎる幸せはないのであり、中京のG1なんてどうでもよいなんて気分になってくるんですが、こういう投げやりなモードの方が最近は当たるんで、取りあえず予想に行ってみましょう。

中京の小回り短距離戦ということで、実力もさることながら展開が非常に大きな意味合いを持つレースと考えます。具体的には、連日の重・不良開催と言うことで、特にインコースが荒れまくっている馬場を考えると、定跡に反して内枠引いた先行馬というのは結構つらいものがあるのでは、ということで、前回のシルクロードSを圧勝したアルティマトゥーレは敢えて無印とさせていただきます。いや、騎手が今年になって鬼神の如き活躍ぶりの横山なんで、これは結構勇気の要る決断ではあるんですが、能力的に大きな偏りのない18頭の小回り決戦なんで、この程度のリスクを取るのはいたしかたないのではないかと。

◎指名は現在一番人気のキンシャサノキセキ。これまで気性に大きな問題があり、大成できなかったのですが、齢7歳にして急に大人になった感じで、どのような展開でも勝ちまくっているところが、信頼度という意味ではナンバーワン。特に大きく出遅れながらまくって突き抜けた前走のオーシャンSは、まさに感動ものの一戦であったわけで、連を外すことはまずないのではと考えます。

この他では、相対的に馬場の良い外枠を引いた差し馬を中心に選んでみました。差しで安定した実績を誇る○エーシンフォワードも連確保ということでは、有力ですが、個人的に期待したいのはむらっ気だけど一発秘める▲プレミアムボックスと一昨年の覇者△ファイングレイン。特にファイングレインはこの2年悪魔も涙ぐむような二桁着順の嵐の後、前走のオーシャンSで復活の兆しがようやく見えてきたわけで、人気が全然ない分、馬券的な妙味は十分ではないかと思います。


上海馬券王



○今日の結果

<高松宮記念> @キンシャサノキセキ Aビービーカルダン Bエーシンフォワード




○かんべえのつぶやき


――「サンプロ終了パーティー」に出ていたので、今日のレースは見られなかったのですが、結果を見ればキンシャサノキセキが1位で、外枠の2頭がハナ差で続くという馬券王先生の読み通り。ワシだったらアルティマトゥーレやプレミアムボックスから買いたくなるところを、行かなくて大正解という感じですな。

――それから、注目のドバイワールドカップは期待のレッドディザイアが11位の敗退。同日行なわれたドバイシーマクラシックに出たブエナビスタは僅差の2位。この牝馬2頭、しみじみ面白いライバル関係です。

――もうひとつ、武豊がザタイキから落馬して重傷。クラシック戦線が始まるというときに、惜しまれます。ザタイキはそのまま安楽死。競馬とはしみじみ罪深いスポーツであります。

――さて、馬券王先生は間もなくご帰国ですが、桜花賞以降の予想は日本での予測となります。果たしてそれが予想にとってプラスになるのか、マイナスになるのか。興味深く感じております。皆様も引き続き、お付き合いください。





2月21日(日)

えー、皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

え、2月も末になって新年の挨拶とは何事かですって?

いや、上海じゃ新年が明けたばかりでして、上海駐在のべ8年半の私としましては、もはや旧暦でないと年が明けたと言う気分にはなれないわけでありまして、ここらへん、つくづく業が深い世界に突入しつつある訳なのです。

いやしかしですね、今年の中国の元旦というのは、大変寒うございまして、年明けの瞬間というのはミゾレ交じりの雪なんかが降りしきったわけで、そんな中で花火見物なんかしたものだから、私もすっかり風邪を引いてしまって、この一週間の大半を病に伏せりながら黄昏れた正月休みを過ごしちゃったもので、心は大変いたいけな状態にあるわけです。

ああ、それにしても今年の風邪のなんとしつこい事よ。セキ、鼻水、喉の痛みというお約束の諸症状はこれ以上ないくらい顕在化しているというのに、そのくせ熱だけは出ない。熱がないくせに治らないとは、これは一体いかなる悪魔の計らいか。あまつさえ、日本の皆さんが休日になった本日土曜から中国は仕事始めと言うことで、明日の競馬も出勤、在宅投票なのだ。熱がないから会社を休むわけにはいかないのだ。嗚呼、黄昏れてる、黄昏れてるぞおおおお!

くそう、これもすべて、突き詰めれば、昨年末の有馬記念で、裂帛の気合いとともに軸指名したスリーロールスが3コーナー手前で故障するという大惨劇の余韻を未だに引きずりまくっているということに他ならないのです。ラジオたんぱ(どうでもいいけど「ラジオNIKKEI」なんて気取った名前で呼ぶことには、私は大変な抵抗を覚えるものであります)のアナウンサーが異変を絶叫した瞬間、私は文字通りorzの体勢を取ったまま崩れ落ち、そのまま30分は身動きも出来ませんでした。直線で冷血漢のかんべえ先生の目頭を熱くし、「競馬はギャンブルだ!」を連呼していたはずの小幡績先生をしてあのようにセンチな文章を書かしめたブエナビスタとドリームジャーニーの名勝負が繰り広げられていた瞬間、私の聴覚はブラックアウト。何も聞こえてはいなかったのです。

ケッ。やっぱ、青筋立てて予想するとろくな事がないぜ。と、言うわけで、本年初のG1であるフェブラリーS予想は、風邪引いてもうろうとした頭のまま、脱力モードでお送りします。


11R 第27回フェブラリーステークス(GI)
1600m ダート・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ダイショウジェット 57.0kg 柴山 雄一  
1 2 ケイアイテンジン 57.0kg 四位 洋文  
2 3 テスタマッタ 57.0kg 岩田 康誠
2 4 エスポワールシチー 57.0kg 佐藤 哲三
3 5 スーパーホーネット 57.0kg 藤岡 佑介  
3 6 サクセスブロッケン 57.0kg 内田 博幸
4 7 トーセンブライト 57.0kg 北村 宏司  
4 8 レッドスパーダ 57.0kg 横山 典弘
5 9 ザレマ 55.0kg M.デムーロ  
5 10 オーロマイスター 57.0kg 吉田 豊  
6 11 スーニ 57.0kg 川田 将雅
6 12 グロリアスノア 57.0kg 小林 慎一郎
7 13 ローレルゲレイロ 57.0kg 藤田 伸二  
7 14 リーチザクラウン 57.0kg 武 豊  
8 15 ミリオンディスク 57.0kg C.ルメール  
8 16 ワイルドワンダー 57.0kg 蛯名 正義  


それにしても何なのでしょう。このメンバーは。

頭数16頭の中に、スーパーホーネット、レッドスパーダ、ザレマ、ローレルゲレイロ、リーチザクラウンと芝の実績馬が5頭も参戦しているではないか。確かに春のG1戦線というのは3歳クラシック主体で、格式のある古馬レースは天皇賞春という今の競馬シーンでは場違いな長距離競争と6月開催の安田記念くらいしかないので、こういうダート競争に参戦したくなる気持ちは分からないではないのですが、それだって今になって始まったことでもないのに、何故今年に限ってこのように大量の芝馬のエントリーがあるのでしょうか。軸不在というならともかく、やたら強力なのが2頭もいるというのに、これは謎だ。

とにかく、まずは、これら芝馬の取捨がポイントとなるわけですが、結論から言うと、皆カモ認定が相当な気がしますなあ。そりゃ確かに「実はダートの鬼でした」みたいな可能性がゼロとは言えませんが、じゃあこいつらが、いきなりエスポワールシチーとかサクセスブロッケンと言う極めて優秀なダートプロパーに先着するなんて光景もちょっと想像できないわけで、まぁ、最近の勢いと走法・血統からレッドスパーダには3着の可能性あるとして、残りは全部ぶった切ることといたします。

本命はとにかくエスポワールシチー。どう考えてもこれしかありません。カネヒキリ・ヴァーミリアン不在の現在ではこれがダントツのダートキングです。5−1−0−0と圧倒的な安定度がある内枠を引いたことも吉。リーチザクラウンとかローレルゲレイロとか何が何でも逃げたがる暴走族みたいな連中の存在が攪乱要因ではありますが、控えても競馬が出来る懐の深さも持ち合わせているんで、不安はないでしょう。

これに勝てる器と言うことでは去年のこのレースの覇者にして、東京大賞典でヴァーミリアンを破ったサクセスブロッケン。安定度ではエスポワールシチーに劣りますが、これも抜けた存在。但し気になるのは、騎手の内田が骨折をおして騎乗すると言うことで、その熱意は買いではあるんですが、やはり客観的に考えて、これはプラスとは思えません。

そういうことなら、穴っぽいんだけど、スーニなんかいいんじゃないですかね。去年のJCDでも期待して裏切られてはいるんですが、前回の根岸Sは不利だらけで惨敗してもおかしくないところを、勝ち馬に0.3秒差と頑張った点はなかなか見所があるわけで、もう一度期待してみたいのです。エスポワール1着、スーニ2着の3連単はどれも万馬券ですぞ。出でよ万券!!



上海馬券王



○今日の結果

<フェブラリーS> @エスポワールシチー Aテスタマッタ Bサクセスブロッケン




○かんべえのつぶやき


――強し、エスポワールシチー。最後はほとんど流していましたね。もはや日本の砂の上に敵はなし。かくなる上は、ドバイの空の下でみずからの強さを試してもらいたいものです。あっ、そういえばドバイはウオッカも行くから、日本最強牝馬と最強ダート馬が激突するわけか。

――ということで、今年初めてのG1レース、馬券王先生の読みはバッチリだったと思います。これを上回ったのは、ご存知、井崎脩五郎先生の「裏本命」で、バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔にちなみ、「@ダイショウジェット、Aイアイテンジン、Dーパーホーネット」という「ダイスケ」に囲まれたB―Cが本命であると。脱力気味のネタですが、これで5週連続で当たってしまいました。恐るべし。

――4年に1度の大勝負をしている五輪のアスリートたちに比べれば、毎週行われている競馬は負けても負けても明日がある幸せな世界。でも、これから始まるクラシックレースは、馬にとっては一生に一度の勝負。来週からは中山開催だし、また行ってこようかな。

















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by Tatsuhiko Yoshizaki