●上海馬券王のページ


上海馬券王がJRAのレースに寄せる「情熱と冷静の言葉」


2009年 下半期のレース考





12月27日(日)

☆:これより、2009年下半期馬券予想の一件に関し、詮議をいたす。一同の者、面(おもて)を上げい。さて、上海屋馬券衛門、その方、当方の再三にわたる勧告を無視し、「馬券王」なる分不相応な肩書を僭称し続けるのみならず、09年下半年のG1競争予想においても性懲りもなくこれを外し続け、読者に多大なる損害を与えしこと、当方の取り調べにより明らかであるが、左様相違ないか。

上:畏れながらお奉行様、手前には全く身に覚えのないことにございます。はてさて、一体どこからそのような根も葉もない噂が出たのやら。

☆:ほほう、それではスプリンターズSにおいて、「来ないと思うぞ」などと一気両断に切り捨てたローレルゲレイロが見事一着になったことも知らぬと申すのじゃな。

上:ほほほ、何をおっしゃいます。あの者はきんぐへいろー産駒という走ってみなければ良いのか悪いのかさっぱり分からぬ呪われた血筋の末裔にて、そのような危険な存在を軸認定などとは、およそまっとうな馬券士には出来ようはずもございませぬ。更にあのときは「確かに怖い存在ではあるけど」と一応来たときに備えた予防線も張っているよし、とてもそのような非難を受けるいわれなどなかろうかと。

☆:それでは、逃げ馬の逃げ残りを見逃したエリザベス女王杯での失態は如何なることか。申し開きの余地もなかろうに。

上:畏れながらお奉行様。1着11番人気、2着12番人気で決まる競争の予想なぞ、いくら穴馬券士を名乗る私目にも出来ようはずがございませぬ。むしろ2着テイエムプリキュアにはしっかり「注」の印を打ったことを評価して欲しいくらいのもので。大体ですな、人気薄の逃げ馬が一頭残るならまだしも、二頭も残るなど、これは負けた騎手どもめが不甲斐ないの一言。人気薄二頭が逃げているのを見て安心し、他の騎手どもは遙か後方に待機、結果ばたばたになった二頭に3着入選したブエナビスタを除けば皆3馬身以上離されおったわけで、ああ許し難き談合行為!ああ度し難き村社会!日本競馬界は馬だけでなく騎手の調教も根本から見直さなくてはならないのだ!お奉行様、悪いのは奴らの方でございますよ!

☆:またしても騎手が悪いと申すか。それでは菊花賞においてナカヤマフェスタなるヤサグレた馬に肩入れしこれが12着大敗したことは如何に。2着に入ったフォゲッタブルの母親がどうしてもその方の悪行を告発したいと申し出ておるので、よく聞くがよい。

◎お受験ママ・エアグルーヴさんの証言:
とにかく、その男には随分酷いことを言われ続けておりますの。名門グルーヴ家の現在価値が取引価格に及ばないだとか、子供が長女以外は皆出来が悪いだとか。きいいいいいいい!三流馬券士の分際でそのような偉そうな言葉を垂れ流すのはどの口ざますか!とにかく、この男にけなされた三男は菊花賞で2着に入ったざます。どうせなら勝てば良かったものを、スリーロールスなんてどこの馬の骨とも知れない平民に足下をすくわれて情けないったらありゃしない。それもこれも、この男が「勝つには運が必要」だなんて書いたからざます。きいいいいい!このヘタレ馬券士!禁治産者!こんな男極刑にするざます!とにかく菊花賞の結果で三男も奮起したみたいで明日は有馬の受験日ざます。私もうこの男がまた変なこと書かないかと心配で心配で。お奉行様、とにかく極刑ざます!磔・獄門にするざます!

上:うーん、ナカヤマフェスタには確かに騙された感じで、私も反省なんですが、フォッゲタブル君に関しては結構好意的な論評を書いたつもりだったんだけどなあ。でもねえ来年の天皇賞春ならともかく、無茶なローテ組んだ上、大外引いた今年の有馬じゃ来ないと思うよ。フォゲッタブル。まくる器用さがあるわけじゃないしさ。

☆:こら!証人がまたヒステリー起こすようなことを言うでない!これだけではないぞ、その方に名誉を著しく汚されたので、ブエナビスタの元担任教師がその方を告発したいと言っておる。これも聞くが良かろう。

上;うげ、それって。。。

◎高校教師・安藤勝己さんの証言
いやあ、私も酷い事言われたんですよ。老いぼれだから老眼鏡買えって、はははは。。。。とにかく、最近良いことないんですよね。問題のある生徒の担任をずっとやっていたんですが、なかなか結果が出なくてねえ。最終的にはクビですわ。私も一生懸命やってるんですけど。。地方の学校から中央の学校に出てきて、それなりに認めてもらってたつもりだったんですけど、なんかあっさりとクビになっちゃいまして、これって今流行の「派遣切り」って奴なんですかねえ。正社員になったつもりだったんですけど、所詮よそ者って事なんですかねえ。聞けば私と同じように地方から出てきて頑張っていた岩田君もアンライバルドの担任を外されたみたいだし。来年の参院選じゃ派遣に優しい民主党に投票しようかなんて思っている私は一体どうしたらよいのでしょう。

上:。。。なんか、これ、告発と言うよりは「人生相談」のような。でもねえ、ブエナビスタの場合は騎手の問題以前にレース選択に問題があって、なんで、こんなに不得手なコースばかりで走らせるかな。かのウオッカですら中山じゃさっぱりだったのに、ましてや追い込み一辺倒の馬が最内引くなんて本当にどこまでも巡り合わせの悪い奴。とにかく、ブエナビスタは府中で走らせろ!しまいにゃ怒るぞ松田!

☆:怒られてる方が、何故そこで怒る。とにかくまだまだあるぞ、天皇賞秋においてキャプテントゥーレを軸指名しながら。。。。

上:やい、やい、やい!さっきから黙って聞いてりゃ、言いたい放題、勝手なことばかりぬかしやがって!俺様の予想がヘタレじゃないってのはなあ、この一覧表がすべてお見通しよ!めんたまかっぽじってよく見やがれってんだ!

☆:おい、それ、わしの台詞。。。。

◎馬券王の予想と共に振り返る2009年下半期G1競争

               1着            2着            3着
レース名 頭数     馬名  人気 馬券王印    馬名  人気 馬券王印   馬名 人気 馬券王印
スプリンターS  16 ローレルゲレイロ   6  無印 ビービーガルダン   2   ○ カノヤザクラ   8  無印
秋華賞  18 レッデディザイア   2   ○ ブルードストリート   3   △ ブエナビスタ   1   ▲
菊花賞  18 スリーロールス   8   △ フォゲッタブル   7   △ セイウンワンダー   6  無印
天皇賞  18 カンパニー   5   注 スクリーンヒーロー   7   △ ウオッカ   1   ○
エリザベス女王杯  18 クイーンスプマンテ   11  無印 テイエムプリキュア   12   注 ブエナビスタ   1   ◎
マイルCS  18 カンパニー   1   ◎ マイネルファルケ   14  無印 サプレザ   2   ○
JC  18 ウオッカ   1   △ オウケンブルースリ   2   △ レッドディザイア   6   ▲
JCD  16 エスポワールシチー   1   ◎ シルクメビウス   5   ○ ゴールデンチケット   12  無印
阪神JF  18 アババネ   2   ◎ アニメイトバイオ   5   △ ベストクルーズ   6   ○
朝日杯FS  16 ローズキングダム   1   ◎ エイシンアポロン   2   ▲ ダイワバーバリアン   5   △
有馬記念  16 スリーロールス   6   ◎ ドリームジャーニー   2   ○ ミヤビランベリ   7   ▲


上:な、11戦して◎指定した馬が5−0−1−5。悪くないだろ。

☆;軸にした馬の勝率が5割と言っても皆、一番人気か2番人気じゃないか。あとはかすってるけど、皆外しまくりだし、啖呵切った割にはたいしたことがないというか、あああっ!それに何だよ、一番最後の「有馬記念」って言うのは!何故終わっていないレースの結果がここに出ている!

上:いや、こうなればいいなあって願望を込めて最後に追加しときました。まぁ冗談は抜きにしても、これまで10戦の◎指名馬の成績は4−0−1−5、○指名は1−2−3−4と、それほど酷くもないわけだ。特に11月後半からは本当に美しい当たり方をしているだろ。

☆:って言うか、優勝争いの先行きが見えてきた途端に帳尻あわせに打ちまくり始めるどこかの野球選手を連想するぞ、これは。それに美しく当たっているのはその方が「自信がない」なんて大いばりで予想した2歳戦だけじゃないか。ろくに考えもしないで予想した方が当たるというのは、その方のヘタレぶりを証明するにこれ以上の傍証はないわけで。

上:いや、でもね、考えてみれば、最近調子がよいのは自宅のネット環境の問題が解決してからな訳です。やはり競馬データをダウンロードするのに何回もタイムアウトを繰り返してた頃のストレスというのは、これはもう尋常じゃなかったわけで、それが解決した今は斤量が一挙に7kg軽減された競争馬にも等しく、ばりばり絶好調。有馬もやりますよ、私は。そうかあ、悪いのはインターネットだったんだ。お奉行様、裁くのならインターネットですよ!

☆:ええい、黙りおろう!ネットの問題が本当だとしても、そう言う環境にしてしまったのは、配線を間違えたその方の自業自得であろうが!上海屋馬券衛門!脱力モードで予想をする方が当たるその方の所業、不届き千万!よって上海遠島の上、来年春先まで馬券予想の禁止を申しつける。これにて一件落着。ひったてえい!

♪お江戸の空に春を呼ぶぅ ちょっとやくざな上海桜ぁあああ (チャンカチャンカ)


10R 第54回 有馬記念(GI)
2500m 芝・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 アンライバルド 55.0kg M.デムーロ
1 2 ブエナビスタ 53.0kg 横山 典弘
2 3 ミヤビランベリ 57.0kg 吉田 隼人
2 4 マイネルキッツ 57.0kg 三浦 皇成  
3 5 コスモバルク 57.0kg 五十嵐 冬樹  
3 6 エアシェイディ 57.0kg 後藤 浩輝  
4 7 マツリダゴッホ 57.0kg 蛯名 正義
4 8 リーチザクラウン 55.0kg 武 豊  
5 9 ドリームジャーニー 57.0kg 池添 謙一
5 10 スリーロールス 55.0kg 浜中 俊
6 11 イコピコ 55.0kg 内田 博幸
6 12 テイエムプリキュア 55.0kg 熊沢 重文  
7 13 シャドウゲイト 57.0kg 田中 勝春  
7 14 セイウンワンダー 55.0kg 藤田 伸二
8 15 ネヴァブション 57.0kg 北村 宏司  
8 16 フォゲッタブル 55.0kg C.ルメール  


と、言うわけで、早いもので今年最後の大一番有馬記念な訳です。11月後半以降の「帳尻あわせの大爆発」が今回も継続するか。かのヤンキース松井もワールドシリーズでこれ以上ない帳尻あわせをした結果、今では誰も悪く言う人がいなくなったわけで、私も「競馬のワールドシリーズ」である有馬記念でそれを狙ってみたいわけなのですが。。。

いきなり、◎スリーロールスなわけです。本当に大丈夫ですかね。確かに軽量で1000万を圧勝しただけの馬がいきなり菊花賞も勝ちその後、ぶっつけで有馬に挑んでくるというのは実績不足というか、実力正直未知数なのですが、現在単勝13倍の6番人気、しかも菊花賞で負かしたフォゲッタブルより人気がないなんて状態は、あまりにも評価が低いと考えるのです。単に「お買い得感」からのみ惹かれているのではなく、敢えてリスクを取りに行きたいだけの魅力というのが、彼の場合いくつか存在します。

@菊が終わった後、有馬一本に照準を合わせているローテが買い。
今年の菊花賞は最近では珍しく正真正銘の長距離競走で、相当厳しい戦いであったのでこれは大正解。これに対し、この他の菊花賞組ではフォゲッタブルもリーチザクラウンもイコビコも有馬の前に何らかのレースを使っているわけで、相当無理をしている感じ。それで人気は我がスリーロールスより高かったりするから、これは大きく評価を下げてみたいですな。

Aスタミナだけでなく、パワーと決め手がある。
坂のあるコースで33秒台の上がりを連発しているように、単なる長距離馬でもなければ、単なる先行馬でもありません。急坂の中山で決め手勝負になってもついて行く力はあると思います。

B菊花賞馬というのは有馬と相性がよい
菊を買った馬がそのままその年の有馬に出走したのは、最近では05年のディープインパクトにまでさかのぼるのですが、皆結構良い成績を収めています。

 *過去20年の菊花賞馬(3歳)の有馬成績
    05年 ディープインパクト  2着
    04年 デルタブルース    5着
    03年 ザッツザプレンティ 11着
    02年 ヒシミラクル     11着
    01年 マンハッタンカフェ  1着
    99年 ナリタトップロード   7着
    98年 セイウンスカイ     4着
    95年 マヤノトップガン    1着
    94年 ナリタブライアン    1着
    93年 ビワハヤヒデ      2着
    92年 ライスシャワー     8着
    88年 スーパークリーク    3着 (但し降着)

以上12戦して3−2−1−6。このうち04年デルタブルース、03年ザッツ、88年スーパークリークは、有馬直行ではなく間にJCを経由している(因みにJCでの成績はそれぞれ3着、2着、4着と好成績)ので、直行組だけで見ると3−2−0−4とこれは相当立派ですな。上記の時代はシンボリクリスエスとか、グラスワンダーとか菊に出たくても出られなかった外国馬がブイブイ言わせていた時代であること、現在古馬の層が薄くなっていることを考えると今年の菊花賞馬というのは相当期待出来るのではないでしょうか。


この他では、瞬間的な切れ味が直線短い中山向きの○ドリームジャーニー(本当の意味で軸向きなのはこちら)、G1勝ち実績ないけど先行力があって内枠引いた▲ミヤビランベリには穴のにおいが、中山じゃやはり軽視不可能△マツリダゴッホ、上述の通りレース選択も内枠も気に入らないのですがそれでも決め手じゃメンバー随一△ブエナビスタ(騎手次第ではあるいは)、正直そんなに強いとも思えないけど何故か連絡みしてくる△セイウンワンダー、ローテ不満でも神戸新聞杯の鮮やかさが忘れられない△イコビコ、そして皐月賞以来期待を裏切り続けでも09年型マツリダゴッホの可能性ある注アンライバルド。

まあ、今年の有馬は、本当の意味で信頼が置けるのはドリームジャーニーのみで、後は大なり小なり死角を抱えているメンバーによる混戦です。コスモバルク・シャドウゲイト・ネヴァプションを除けば、皆に3着以内の可能性あり、馬券を買う際にはいつも以上に腹を据えてリスクを取りに行かなくてはなりません。スリーロールスが09年版マンハッタンカフェであるのか、はたまたヒシミラクルであるのか。後者の可能性もあるし、騎手が中山じゃ殆ど走っていない浜中であることも不安ですが、それでも過去の菊花賞馬(ディープインパクトを除く)の中では、最速の上がりタイムがあることから、彼はリスクを取るにふさわしい存在、皆が半信半疑である今こそが買わねばならない存在であると考えます。


それでは皆様、良いお年を。


上海馬券王



○今日の結果

<有馬記念> @ドリームジャーニー Aブエナビスタ Bエアシェイディ




○かんべえのつぶやき


――ゴールの瞬間、WINSの画面を遠くから見つめて、不覚にも涙が出てしまいました。スリーロールスが途中で競争中止してしまったので、トップの黄色の帽子はドリームジャーニーしかいないのです。ホントにお前かよ。426キロしかない、16頭のうちでいちばん軽い、お父さんに良く似たお前が、本当に有馬を制したのか。夏冬のグランプリレースを連覇したということは、あのグラスワンダーに迫る戦績ではないか。

――単複1万5000円も注ぎ込んで言うのもナンですが、ドリームジャーニーは本当に強いのかどうか、よく分からない馬だと思います。でも、こういう名馬っているんですね。それからブエナビスタの強さも本物ですね。こりゃ来年はダイワスカーレットになるかも。それにしてもいい勝負、いい有馬でした。今年の秋は、本当にいいレースを見たと思います。

――小幡先生の
今日のコメントを見て、もういっぺん泣けました。つくづく競馬ファンはこうありたいものです。

――それから馬券王先生、スリーロールスは残念でした。アイツ、やっぱりノーリーズン系だったかもしれません。でも、これも競馬。これも人生。末筆ながら、来年もまた、どうぞよろしくお願いします。





12月20日(日)

えー、先週の阪神ジュベナイルフィリーズ予想は実に美しい当たり方をしてしましました。◎○が的中したのみならず、18頭中選択した6頭が揃って1〜6着を独占するなんて、これは恐らくこの連載始まって以来の快挙な訳で、いやあ長生きはするもんですなあ。ありがたや、ありがたや。

でもねえ、本当は恥ずかしいんだよね。「2歳戦なんて予想するだけ無駄で、自信なんか全然ない」って大いばりで書いた途端にこういう当たり方をするなんて、考えてみればものすごいアイロニーだよなあ。書かなきゃ良かったなあ、あんなこと。恥ずかしくて全然成果を誇る気にはなれないではないか。かんべえ師匠からは、「脱力モードの時しか当たらない」とか「有馬じゃずっこけるに違いない」とか、遠回しと言うには、余りに直接的な嫌みを言われるし。

ううう、それにしても、この嫌み、根拠不明とは言いながら、なんか凄い説得力があるわけで、言われた本人がうんうんと頷いているところがまた情けないのではありますが、実は今年の有馬は結構「自信あり」なんだよね。かんべえ師匠が感動の余り号泣するか、はたまた「それ見たことか」と軽蔑のまなざしを送ってくるのか、まあ詳細は次週を刮目してお待ちくだされ。今回は先週に続きエコモードでお送りします。


11R 第61回朝日杯フューチュリティステークス(GI)
1600m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 バトルシュリイマン 55.0kg 武士沢 友治
1 2 ダイワバーバリアン 55.0kg 蛯名 正義
2 3 ガルボ 55.0kg 吉田 隼人  
2 4 ヒットジャポット 55.0kg 江田 照男  
3 5 ダッシャーゴーゴー 55.0kg 佐藤 哲三
3 6 キングレオポルド 55.0kg 柴田 善臣
4 7 バトルレッド 55.0kg 田中 勝春  
4 8 ローズキングダム 55.0kg 小牧 太
5 9 エーシンホワイティ 55.0kg 安藤 勝己  
5 10 ツルマルジュピター 55.0kg 勝浦 正樹  
6 11 フローライゼ 55.0kg 後藤 浩輝  
6 12 エイシンアポロン 55.0kg 池添 謙一
7 13 エスカーダ 55.0kg A.クラストゥス  
7 14 キョウエイアシュラ 55.0kg 三浦 皇成  
8 15 トーセンファントム 55.0kg 内田 博幸
8 16 ニシノメイゲツ 55.0kg 北村 宏司  


先週に引き続き、2歳チャンピオン決定戦なわけですが。先週があまりにも美しく決まったと言うことで、今回も二匹目のドジョウを期待し、先週の消し込み条件(下記参照)を適用してみたのですが。。。

*先週の消し込み条件

@2勝以上、もしくは重賞2着以上の実績のない馬を切る。
A1200m以下の距離でしか実績のない馬を切る。
B9月以前の実績で出走権を手に入れた馬を切る。
C1400m以上の競争で上がり33秒台の切れ味を使った馬は残す。

うーん、先週は上記条件で18頭中6頭まで絞れたというのに、今週は16頭中10頭(ABCDEGJKNO)も残ってしまったではないか。これって今年の牡馬は牝馬ほど能力のばらつきがないってことで、要は何が来ても全くおかしくない混戦というのがデータからは浮かび上がるのですが、さりとて、先週のアババネほど心の琴線に止まる馬もいないと言うのは寂しいなあ。このメンバーだったらアババネが出ても勝ってたんじゃないかなあ。

とにかくもっと絞り込まなくちゃ、ってことで次の条件を追加

D33秒台の決め手がない7・8枠馬を消す。これで大外16番ニシノメイゲツが脱落。とにかく中山の1600mと言うのは外枠に厳しいコースで、過去10年間のこのレースの7・8枠馬の実績は0−1−2−37と言う落涙モードなわけです。ニイノメイゲツは新馬の勝ちっぷりから結構期待していたんですが、今回は残念!
E右回りでの連対実績がない馬を消す。これで3番ガルボと12番フローライゼが脱落。うーん、早熟っぽいフローライゼはともかくガルボの決め手は結構魅力ではあるんだが。。。

このついでに、持ち時計のしょぼい4番ヒットジャボットをぶった切ると上記の印となるわけです。まぁ、@〜Dの条件はともかくE以降は苦し紛れなんで、正直先週以上に自信はないですな。


◎指名のローズキングダムは母がオークス、ローズS、秋華賞、エリザベスで4連続2着となった2001年牝馬界の闇将軍ローズバド。後方一気しか能のないやさぐれた性格が牝馬版小沢一郎って感じだったのですが、子供のキングダム君は現在新馬・重賞を連勝中で現在競馬界の表街道を堂々と歩いているわけです。問題はそのレース内容が、先行して勝負所でそつなく抜け出し、そのまま相手を押さえ込んでしまうと言う、とてもクレバーかつセンス豊かなレース巧者ぶりの一大プレゼンなわけで、本当にお前あの母親の子供なのかと突っ込みを入れたくなるんですが、センスと決め手両方を併せ持つ彼のようなプチ・シンボリルドルフ的存在は、今回のような小学生の運動会では紛れもなく軸向きであります。

でもねえ小学生の分際でここまで分別くさい奴っていけ好かないよねってことで、内心一番応援しているのは○キングレオポルド。前走勝ったベゴニア賞は直線折り合いを欠いて騎手が相当苦労したようですが、それでも終わってみればレコード決着。完成度ではローズキングダムには遠く及ばないまでも、「スピード」と言う競走馬に最も必要な資質は彼の方が上である可能性高いと思います。枠順にも恵まれたし、騎手の柴田善がきちんと折り合いに専念してくれれば。。

この他では先週の阪神JFで2着したアニメイトバイオを京王杯で完封した▲エイシンアポロン、上述の通り大外は痛恨の一撃ですがメンバー中最速の上がりタイムを持つ△トーセンファントム、内枠引いて連対チャンス十分△ダイワバーバリアン、△ダッシャーゴーゴー。

え、残った10頭から4頭切ったのに、何故印が7頭も残っているのかって?いやあ、内枠有利なレースでよりによってメンバー中唯一の逃げ馬が最内枠を引いたってことで、こちらの穴心が俄然盛り上がり、どさくさに紛れて一頭追加しちゃいました。注:バトルシュリーマンは未勝利脱出に3戦も要した1勝馬で、上記消し込み条件に真っ先に引っかかる存在ではあるんですが、勝った未勝利戦の内容が他馬を0.8秒もちぎる圧勝な訳で、人気(11番人気)を考えると、こう言うのが3着に残ってくれれば大変愉快なことになるのではないかと。


上海馬券王



○今日の結果

<朝日杯FS> @ローズキングダム Aエイシンアポロン Bダイワバーバリアン




○かんべえのつぶやき


――ローズキングダム強かったですねえ。まるでゴール前の中山競馬場が、坂ではないみたいに見えました。来年のクラシック戦線が楽しみであります。

――ただしレースとしては今日は固かった。馬券王先生の読みは「◎→▲→△」で文句のつけようがありませんが、ギャンブルとしてはどうだったか。不肖かんべえは、ダイワバーバリアンの複勝を取ったので、今日は一応納得であります。

――馬券王先生としては、いい体勢のままで有馬記念に突入することになります。枠順確定は12月24日14時10分です。こりゃもう、クリスマスどころじゃありませんな。






12月13日(日)

えー、早いもので今年のG1競争も残すところあと3つと言うことになってしまいましたが、今週と来週は2歳馬のチャンピオン決定戦という、予想するにもデータに事欠く競争が続くということで、正直予想のモチベーションが上がりません。だって2歳冬というのは人間で言えば小学校の3〜4年生なわけで、お子ちゃまの運動会の予想なんて、やっても当たる自身が全くないのであります。

え、「そういうことは、古馬の競争をきちんと当ててから言え。」だって? すいません、ナイスな突っ込みありがとうございます。でもねえ、大量の実績データがある古馬の予想だってあんなに難しいのにさ、過去3〜4戦しかしておらず、ましてや直接対決なんて殆どないメンバーによる競争なんて当たるわけないじゃないですか。プロの予想家の皆さんだって自信あるふりしているかも知れないけど内心投げやりになっているに違いないのだ。よって、私は今週と来週はエコモードに突入し有馬まで体力を温存することを表明するものであります。


11R 第61回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
1600m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 メイショウデイム 54.0kg 福永 祐一  
1 2 ジュエルオブナイル 54.0kg 三浦 皇成  
2 3 モトヒメ 54.0kg 大野 拓弥  
2 4 パリスドール 54.0kg 太宰 啓介  
3 5 サリエル 54.0kg 石橋 守  
3 6 アニメイトバイオ 54.0kg 内田 博幸
4 7 ラナンキュラス 54.0kg 四位 洋文
4 8 タガノエリザベート 54.0kg 川田 将雅
5 9 カスクドール 54.0kg 小牧 太  
5 10 タガノパルムドール 54.0kg 藤岡 康太  
6 11 ステラリード 54.0kg M.デムーロ  
6 12 タガノガルーダ 54.0kg 浜中 俊  
7 13 グローリーステップ 54.0kg 吉田 隼人  
7 14 カレンナホホエミ 54.0kg 上村 洋行  
7 15 ベストクルーズ 54.0kg 安藤 勝己
8 16 シンメイフジ 54.0kg 岩田 康誠
8 17 メルヴェイユドール 54.0kg 幸 英明  
8 18 アパパネ 54.0kg 蛯名 正義


上述の通り小学生の、しかも女の子18頭の競争というわけで、さぞや、消しきれない馬が沢山残るかなと思ったんですが、意外にもすっきり消えてくれました。いや、これはですね、先週かんべえ師匠から「取りガミ野郎」と遠回しに非難されたことを反省した訳じゃないんですよ。以下の条件で絞り込んだら自動的に候補が6頭に絞り込まれたと言うことなわけで、決して私は反省なぞしておらんのですわ。

*今回の消し込み条件
@2勝以上、もしくは重賞2着以上の実績のない馬を切る。
A1200m以下の距離でしか実績のない馬を切る。
B9月以前の実績で出走権を手に入れた馬を切る。
C1400m以上の競争で上がり33秒台の切れ味を使った馬は残す。

そもそも、このレース、2歳チャンピオン決定戦というのは牡馬の場合はともかく、牝馬の場合は過去ヒシアマゾンとかウオッカとかブエナビスタとか、その後稀代の名牝認定を受けるにふさわしい才能の持ち主が、強烈すぎるほど強烈な「強い勝ち方」というのを披露してくれた競争な訳で、そう言うタレントの出現を今回も期待しちゃったりすると上記の条件は譲れなくなるのであります。

で、上記@〜Bの条件をくぐり抜け、なおかつCの条件を満たす馬=ウオッカ級の才能を期待出来る馬と言うのが、今回のメンバーでは2頭いまして、それが、 ◎アババネ、注タガノエリザベートなわけだ。アババネは前走レコード勝ちした赤松賞の内容が素晴らしいの一言。今回よりによって大外枠を引いてしまったために人気では2番人気と評価を下げていますが、ウオッカ級なら関係ないし、仮にその器じゃないとしても3着以内は相当期待出来るのでは。一方、ファンタジーSの覇者タガノエリザベートは、レースぶりが極端というか、とにかく最後方からの直線一気しか能のないお嬢さんな訳で、圧勝もあり得れば掲示板にも乗らないなんてこともおおいにあり得る故、評価は「注」どまりとしますが、これだってポスト・ブエナビスタを名乗る器の可能性があることは否定できません。あ、よく見れば、この馬、ブエナビスタと同じ松田先生の厩舎じゃないか。先生、大丈夫でしょうね。。。

現在の一番人気▲シンメイフジは前走が9月上旬の新潟2歳Sということで、上記Bの条件にもろ引っかかるのですが、今回メンバーで唯一牡馬に重賞で勝っている実績と、そのとき今回メンバーで唯一32秒台の上がりを使っていることから、これは切れないと判断しました。まぁ、夏場に活躍した馬が3歳以降活躍するなんてあまりないし、「32秒台の末脚」と言っても良馬場の新潟コースでのものなんで、割引は必要でしょうが、それでも今回に限ればやはり勝つ可能性は大いにあり。

この他では、桜花賞・秋華賞・エリザベスを制したファレノプシス(な、懐かしい!)の子、△ラナンキュラスは前々走のりんどう賞の走りが素晴らしい、サフラン賞をレコード勝ちしたアニメイトバイオも見所あり。そして何より現在8番人気のベストクルーズはこれまで連を外したことが一度もなく、異常にこちらの穴心に訴えてきます。勝つのは多分無理でしょうが、それでも差し・追い込み型に偏った今回の人気所の中で数少ない先行型で展開には恵まれそうなこと、才気走った天才肌のお嬢ちゃんが崩れた一角をこういう堅実型の優等生が埋めるなんて事は大いにありそうなことから、2・3着期待という意味でこれを○指名にしましょう。


上海馬券王



○今日の結果

<阪神JF> @アパパネ Aアニメイトバイオ Bベストクルーズ




○かんべえのつぶやき


――先週に続いて馬券王先生の読みが冴えまくり。アパパネ、来ましたねえ。ゲート入りを嫌ったところでは、「大丈夫かなあ」と思わせましたが、バッチリの強さでした。蛯名騎手、グッジョブでした。来年はウオッカやブエナビスタのように羽ばたいてくれるか。楽しみな存在の誕生です。

――馬券王先生、実は「エコモード」の方が予想が当たるのではないでしょうか。どうか年末の有馬までこの勢いを持続してくださいまし。先週、
ぐっちーさんは馬券王先生に乗ってドカンと儲けたそうでありますぞ。





12月6日(日)

えー、実は国慶節明けから2ヶ月間、自宅のインターネットがえらく遅くなると言うトラブルが継続していまして、馬券を買おうとI−PAT接続してもタイムアウトで投票が成立しないなんてことが日常茶飯事となっていた今日この頃なのであります。

いや、投票出来なかった馬券の多くはそのまま買っていれば外れ馬券であったわけで、そう言う意味では投票が成立しなかったことはラッキーであったかも知れないのですが、それでもレース開始60分以上前から試行錯誤しなくては投票が成立しないなんて事態は精神衛生上好ましくないことこの上なく、そもそも、このような切羽詰まった状況で馬券予想をするから当たるものも当たらなくなるのだと、私は大変立腹しておったわけです。

で、今週になってメール着信すらすべてタイムアウトとなるくらい状況が悪化するに及び、遂に逆上、「中国の通信品質は何故ここまで劣悪なのだ!これはきっと悪名高い中国公安局のネット検閲が悪さをしているに違いない!」などと、悪態をつきながら業者を呼んで調べてもらったのですが。。。

。。。あっという間に解決してしまいました。電話回線を電話とモデムに分配するスプリッタの接続が間違っていたのです。

業者の人曰く、「スプリッタはPCに多くデータ配分する様に設計されてるんだけど、モデムと電話のモジュラーケーブルを逆につないだら、そりゃ遅くなるよね。ま、確かに最近じゃインターネットで映画とかドラマとか動画配信してみる人が増えてるんで、ここいら一帯トラフィックに負荷がかかってるのは間違いないんだけどさ、モデム用とか電話用とか、スプリッタの接続端子にちゃんと書いてあるわけだし、よく読もうよ。」


。。。。。。  orz

。。。。。。    o........rz


うううううう、そう言えば、10月頭にモデムがトラブル起こしたときに、色々徹夜で配線変えたりしたっけか。あのとき回線が復活したんで、安心して配線間違えたのに気がつかずそのままにしてた訳か。スプリッタの表示なんて老眼進行してるから気づかないし。。。。

と、言うわけで、「生兵法は怪我の元」と言うのが、今週の一言となる訳なのですが、状況はそれで笑って済ませられるほど生やさしいものではない。

とにかく家内からは「日頃から『PC関係は全部俺に任せろ』とか偉そうな事言って、なんなのよこれは!自分のヘマ棚に上げて、何が『中国の通信品質が劣悪』よ!何が『公安のネット検閲』よ!あたしのPC接続までおかしくして、ふざけんじゃないわよ!」などと罵られ、私は立腹モードから一転、現在すっかり面目丸つぶれな状態にあるわけです。ううううう、家内に限ったことではないが、女性というのは人を責めるときだけは何故ここまで論理的なのであろうか。まったく返す言葉がないではないか。ご免なさい。私は中国移動通信と公安局の皆様、および奥方様に謝罪と反省を表明するものであります。

で、なんで、こんな恥ずかしい話を書いたかというとですね、先週のJCですっかり男を下げてしまった武豊さんに、なんか急にシンパシーを感じてしまったと言うことが言いたかったわけだ。秋口勝ちきれなかった馬の騎手を頸にされたら、その馬が年齢の衰えとか距離の不安とかをものともせずに強い勝ち方をしてしまった。それだけでも、日本最高の騎手という看板を20年間背負ってきた武さんには我慢出来ないことでしょうが、おまけに自分の乗った馬が淀みないペースで逃げたことがその馬に絶好のアシストになったというのは、まさに踏んだり蹴ったりで、ここまで武豊が面目丸つぶれになる事態というのは過去一度もなく、これは今年の日本競馬10大ニュースのトップスリーに入る事件だと思います。

いやー、昨日までは私も「やっぱ武のアホが全部悪かったんや。これって、そのまま『人生相談』のネタになりそうなんやけど、なんか、余りにストライク過ぎて却って書くのがためらわれるでぇ。」なんて思っていたんですが、いざ自分が同じ面目丸つぶれの状況に陥ると、同病相憐れむって言うか、逆に応援したくなるのよね。私みたいなもんの同情買うなんて、武さんにはますます腹立たしいことなのかも知れませんが。

と、言うわけで、俺は応援するぜよ!頑張れ!武豊!



11R 第10回ジャパンカップダート(GI)
1800m ダート・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 エスポワールシチー 57.0kg 佐藤 哲三
1 2 サクセスブロッケン 57.0kg 内田 博幸
2 3 アドマイヤスバル 57.0kg 勝浦 正樹  
2 4 ヴァーミリアン 57.0kg 武 豊
3 5 マコトスパルビエロ 57.0kg 安藤 勝己  
3 6 メイショウトウコン 57.0kg 藤田 伸二
4 7 ティズウェイ 57.0kg R.マラージ  
4 8 ダイショウジェット 57.0kg 柴山 雄一  
5 9 ゴールデンチケット 56.0kg C.ルメール  
5 10 ボンネビルレコード 57.0kg 的場 文男  
6 11 ラヴェリータ 54.0kg 岩田 康誠  
6 12 シルクメビウス 56.0kg 田中 博康
7 13 スーニ 56.0kg 川田 将雅
7 14 ワンダースピード 57.0kg 小牧 太
8 15 マルブツリード 57.0kg 浜中 俊  
8 16 ワンダーアキュート 56.0kg 和田 竜二


上述の通り、WEB回線が復旧して予想に全力投球できる環境となりましたので頑張っていきたいと思います。いや、本当はまだ遅いんだけど今までが酷すぎたんで、気分は斤量60kgから49kgに切り替わった感じで、なんか今週は当たりそうな予感。

国際G1競争ではありますが、海外招待馬の出走はG1どころか、重賞勝ちすらないアメリカのテイズウエイ一頭のみということで実際は日本一決定戦。本当はベルモントSをはじめ権威のあるG1を3勝した超一流馬サマーバードが出るはずだったのですが、直前に骨折して出走取りやめというのが残念でなりません。

それでも現在の日本ダート馬オールスター戦と言っても過言ではない良いメンバーが集まり、これはこれで大変楽しみな競争。最近じゃ芝の競争馬はカンパニーとかウオッカとか引退馬が気を吐く状態(ウオッカはまだ正式に引退表明してませんが)、若手で見所があるのはブエナビスタ・レッドディザイアの牝馬2頭に、牡馬ではオウケンブルースリ、あとひょっとして菊花賞を勝ったスリーロールスという程度では来年のタレント不足が今から心配される状況なんですが(我が心の友スクリーンヒーローは屈腱炎になっちゃうし。。)、ダートの方は結構層が厚いですな。ダートG1競争が殆ど地方開催に偏っているので目立たないのですが、これはひょっとして今年最も面白い競争なんじゃないでしょうか。とにかく、実績所、若手上昇株、古豪がてんこもりのメンバー構成で目移りしてしょうがないわけで、一生懸命消したけど消しきれない馬が沢山残ってしまいました。

◎エスポワールシチーは前走の南部杯の圧勝は見事の一言。これまで活躍してきた距離がマイル主体であったため人気になりすぎたら買えないなと思っていたし、事実現在一番人気ではあるんですが、内枠を引いたことで、そのような懸念も帳消しです。元々ダート競争は逃げ先行馬がそのまま押し切るパターンが多く、メンバーも同型多いのですが、最内枠で主導権は相当握りやすくなったわけで、内枠実績4−1−0−0の彼が連を外すことはまずないのでは。(騎手が今年G1どころか重賞も勝っていない佐藤哲というのが心配ではありますが)

○▲は3歳馬から。条件戦や下級重賞を見る限り今年の3歳は相当強いです(正確には現4歳勢が相当弱い)。G1で3歳馬が古馬と戦うのはこれからですが、先週のJCで牝馬レッドディザイアが3着したことを見ると、上級馬と渡り合っても十分やれるのではないかと。
シルクメビウスは前走のトパーズSが圧巻。重賞勝ちが3歳限定のユニコーンSしかないため人気はありませんが、逃げ先行に偏った今回のメンバー構成では差し馬の彼がはまる局面が期待できます。騎手はエリザベス女王杯をクイーンスプマンテで大穴明けた田中博でその図太さにも期待。
もう一頭期待の3歳馬ワンダーアキュートは現在重賞二つを含む3連勝中(しかもいずれも圧勝)ということで、現在3番人気。これは大外枠が懸念材料で、これで勝ったら一挙に日本のエース格と言うことにもなるのですが、それだけの器の持ち主である可能性も結構高いかもしれません。

現在の日本のエース格ヴァーミリアンも当然圏内の一頭。「頑張れ武豊!」なんて書いておきながら△認定は失礼な話ではあるんですが、彼の場合、カネヒキリという鬼が不在の間にジャブジャブ洗濯していた印象がどうしてもあって、なんか真性エース認定しづらいというか、7歳という年齢も世代交代の予感だし。。。もちろん、騎手の武としては先週落とした面目を取り戻そうとかなり気合いが入っているとは思うんで、現在いたいけな心境の私としては応援は致しますです。(馬券の軸にはしないけどね)

この他では落ち目に見えるときが一番怖いサクセスブロッケン、ダートじゃ古豪の一発十分あるぜワンダースピード、去年は2着だメイショウトウコンと言うのが、私の心の琴線に触れるのですが、何よりJBCスプリントでG1タイトル獲得しながら全然人気がないスーニ(やはり3歳馬!)が、距離長すぎると断定するには早すぎる感じで是非狙ってみたい一頭です。



上海馬券王



○今日の結果

<ジャパンカップダート> @エスポワールシチー Aシルクメビウス Bゴールデンチケット




○かんべえのつぶやき


――さすがはダートに強い馬券王先生、今日は◎→○のワンツーフィニッシュ、なおかつヴァーミリオン(もしくは武豊)を切るところもバッチリ合っていました。後は、あれこれ買い過ぎて「トリガミ」になる癖さえなければ、先生に怖いものなしと申し上げましょう。それにしてもエスポワールシチーの勝ちっぷりは、タップダンスシチーを髣髴とさせるような強さでしたな。

――この後は阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティーステークスと2歳馬の戦いが続きます。ま、そっちはいいから、年末の有馬記念が気になり始めた昨今です。






11月29日(日)

上海馬券王の人生相談

くだまきOLシリーズ復活! イケイケキャリアガール(?) ウオッカさんのお便り

Q:彼氏とやっぱり別れたの

やっほー  (^^)/ 
先生久しぶりぃ!あたしだよぉ、JRA商事の看板娘、天才キャリアガールのウオッカだよお。エヘッ、元気してたあ? (^_-)

えー? 「いい年して、コギャル言葉と顔文字の乱用は、はしたないからやめた方がいい」だってえぇ? (-_-;)
もう、相変わらずKYな突っ込みはナッシンよう!先生もそんな細かいことばっか言ってると、今週の予想また外しちゃうぞお (=_=)

とにかく、本題に入りたいんだけどぉ、あたしぃ、去年の春先からつきあってる会社の同僚の彼氏がいてぇ、別れるの、くっつくのって先生にも何度か相談したことあるんだけどぉ、今週になってやっぱり別れることに決めたんですぅ。 (T_T)

だってぇええ、やっぱ、全然合わないんだもん、彼。そりゃ、よりを戻した今年の夏頃は表面上は上手く行ってたんだけどぉ、考えてみればその頃から違和感あったしぃ、秋口になってからその違和感がチョー増大しちゃってぇ、とにかく、やることなすことチグハグで全然合わないんですう。 (-_-;)

今だから言うけど、彼って酷い人間なの。あたしが全然その気がない時には、鞭まで振るって無理矢理行かせようとするしぃ、逆に行きたいときには無理矢理押さえ込んで不完全燃焼な状態に置いちゃうしぃ、とにかく、あたしの気持ちを全然考えてくれないの。頭に来て「あんた、全然良くないわ。はっきり言って歳なんじゃないの?」って怒鳴りつけたら、彼ったら逆ギレしちゃってぇ、「おんどれ、自分の歳考えて口聞いとんのか!牝馬5歳言うたら人間やったらアラフォーやないかい、それを生脚ミニスカートっちゅう、ど派手な格好しくさって、今時『ほしのあき』でもそんなんようやらんで。」なんて、怒鳴り返されちゃってぇ。。。 (/_;)

きぃいいいいい!チョーむかつくー!満足にあたしをリードも出来ないで、なにが「天才」よ、なにが「日本一笑顔が似合うナイスガイ」よ!もう我慢できないわ!破局よ!婚約解消よぉおお! (>_<)

とにかく、彼との関係がそんな感じなんで、仕事の方も上手く行かないのぉ。秋になってから「カンパニー」なんて、定年間際のお爺さんに受注を全部取られて目が点だしい、おまけに、お爺さんからは「ウオッカさんには『落ち着き』というもんがありませんな。もっと、年相応に『分別』という奴を身につけんと。『明鏡止水』、『明鏡止水』じゃよ。フォッフォッフォッ。」なんて説教まで聞かされるしぃ。。。 (-_-;)

ぐぎゃああああ!悔しいぃいいいい!なによ、会社に入ってからずっと窓際にいたお爺さんが、退職間際に業績あげただけで、上から目線?うざい、うざすぎるよおお!氏ね、爺い! (*_*)

とにかく、あれもこれも、みんな彼が悪いの!だから、別れることにしたの。って言うか、もう別れました。
新しい彼氏も出来たんだよお。 新しい彼氏は若いし、うまいしぃ、紳士なの。フランス人だから、おしゃれだしぃ、関西弁もしゃべらないしい、きっとあたしたちうまくいくはずよ。エヘッ、明日は新しい彼氏と初めてのデートなんだぁ。先生も応援してねー。 (^^)/~~~



A:お答え

いやあ、「彼氏」ご懐妊じゃないや、ご解任ですかああ。ニュースを聞いたときはびっくりしました。トップトレーナーの角居さんだから出来た判断とも言えますが、それでも日本の競馬サークルで輝かしい実績と地位を固めたトップジョッキーを解任だなんて、これは2・3年前ではとても考えられなかったことで、時代の節目というものを感じざるを得ません。人間年は取りたくないものですなあ。

さて、明日のジャパンカップ、「新しい彼氏」と再出発する貴女が、貴女らしいど派手なパフォーマンスを復活してくれるのか否かが、最大の見所みたいになっているわけですが、どうなんでしょう。秋初戦の毎日王冠は逃げて終盤ヘタれ、次戦の天皇賞はそれに懲りたか随分慎重なレースをした結果カンパニーに足下をすくわれ、と確かに「彼氏」と貴女の関係はこの秋以降ずっとちぐはぐな感じでしたので、この人事異動は一般世間からも大きな支持を受けているようではあるんですが、私としては騎手を変えただけで問題がすべて解決というのは甘いんじゃないかって気がどうしてもしてしまいます。

まずは、5歳秋という貴女の年齢的な問題。実のところ、私もこの判断が未だに付かず困っています。私も最初は秋の凡走はすべて貴女の年齢的な衰えに起因すると思っていたのですが、よく見ると、毎日王冠では上がり33.8秒、天皇賞では同32.9秒と大変切れる末脚を炸裂させているわけで、これだけ見れば十分に「貴女らしさ」は健在、悪いのはみんな武なんやと言えないこともないわけで。でもやっぱり不安は不安だな。

「衰えているのは騎手で、貴女自身には衰えがない」と仮定した場合でも、次に距離の問題があります。やはり2000mを超える距離の競争というのは今の貴女には向かないのではないでしょうか。いや、確かに同じコース同じ距離のダービーを勝った貴女にこんな事言うのも失礼ではあるんですが、年々気短になって行くあなたの気性とマイル〜2000mを中心とした最近の貴女の使われ方を考えると、直線切れる脚を持っていても、それを行使する前段階で貴女のスタミナが切れてしまう可能性も高いと考えます。

そして、最後に人気の問題。上述の通り年齢や距離の問題を抱えながら貴女は現在驚くべき事に一番人気な訳です。確かに貴女と前の彼氏である武さんの相性が最善とは言えないことは事実だし、新しい彼氏であるルメールさんは、過去に貴女以上に気性面でヤサグレているコスモバルク君をJC2着に持ってきたジョッキーだしで、この騎手交代は貴女にとってプラスであることは確かなのでしょうが、それだけで一番人気というのもちょっと理解できません。なんか、この雰囲気、麻生さん以外なら宇宙人でも人相の悪い東北人でもなんでもいいって政権を交代させた前の総選挙の雰囲気とダブルのですが、如何なものでしょう。3着以内なら十分あると思うんですが、勝つまでとなると大変難しいと思うんですがね。

とにかく、私も貴女のことは大好きではあるんですが、明確な死角がありながら絶大な人気を誇る貴女のような存在は、私の主義信条として◎指定は出来ない事情はご理解いただきたいと思います。これで騎乗するのが毎年JCで神がかりな結果を残すデットーリ君であれば話はまた別だったのですが。。。

と、言うわけで。。。。。

10R 第29回ジャパンカップ(GI)
2400m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 アサクサキングス 57.0kg 岩田 康誠  
1 2 ネヴァブション 57.0kg 北村 宏司  
2 3 エアシェイディ 57.0kg 後藤 浩輝  
2 4 エイシンデピュティ 57.0kg 戸崎 圭太
3 5 ウオッカ 55.0kg C.ルメール
3 6 レッドディザイア 53.0kg 四位 洋文
4 7 ジャストアズウェル 57.0kg J.ルパルー  
4 8 マイネルキッツ 57.0kg 松岡 正海  
5 9 リーチザクラウン 55.0kg 武 豊
5 10 オウケンブルースリ 57.0kg 内田 博幸
6 11 マーシュサイド 57.0kg J.カステリャーノ  
6 12 シンティロ 57.0kg G.モッセ  
7 13 ヤマニンキングリー 57.0kg 柴山 雄一  
7 14 インティライミ 57.0kg C.スミヨン  
7 15 インターパテイショ 57.0kg D.コーエン  
8 16 コンデュイット 57.0kg R.ムーア
8 17 コスモバルク 57.0kg 五十嵐 冬樹  
8 18 スクリーンヒーロー 57.0kg M.デムーロ


18頭も出走してますが、人気は上位6頭が10倍未満、下位12頭が30倍以上と、事実上6頭立て競争の格差社会的様相を呈しています。

そのような中、「町の人気者」ウオッカを蹴飛ばして本命認定するのは去年のこのレースの覇者スクリーンヒーロー。去年は大変お世話になりました。前走の天皇賞で距離不足ながら2着につけた充実度と、騎手がルメール以上に乗れるデムーロに復帰したことから、今回一番人気は彼になるんじゃないかと内心ヒヤヒヤしていたんですが、ふたを開けてみると現在4番人気というのは美味しすぎます。ドラフト会議の外れ一位に超一流の選手が残っているのを見つけた球団GMの気持ちたるや、かくばかりでありましょうか。もう、これっきゃありません。かんべえ先生、後に続くを信じますぞ。

対抗は海外招待馬の筆頭格、コンデュイット。アメリカBCターフを連覇した上、キングジョージのタイトルまで持っているとは近年では珍しく超大物の出走で、日本では考えられないような非常にタフなローテーションと移動を考えると万全の信頼をよせるのもためらわれるんですが、これは大変楽しみ。マイネルの岡田さんが購入して来年から日本で種牡馬をやるのだそうですが、我がマイネサマンサとの交配もあるんですかね。(ひねくれものの岡田さんだから、ないな、やっぱり)

天皇賞で不利を受けながら4着と健闘したオウケンブルースリが距離伸びて良さそうで最初は▲で考えていたんですが、結局思い直して53kgの軽量で出走のレッドディザイアにより大きな期待を。とにかく強烈な才能と裏腹の不器用さで「新世代ウオッカ」の感がある天才児ブエナビスタ相手に先日の秋華賞で土をつけ見事G1ホースとなった彼女なんですが、彼女には「次世代ダイワスカーレット」の器である可能性が。ずっとウオッカの影に隠れて高い評価を受けられなかったダイワスカーレットですが、実はウオッカ以上の名馬であったわけで、彼女にその器ありやというのを確認する意味でも今回のJCは興味深い一戦です。

この他ではウオッカにふられた武さんが騎乗するリーチザクラウン。先日の菊花賞は彼が淀みのないペースで逃げたおかげで、最近では珍しく正真正銘の長距離競走となったのですが、そのようなレースを演出しながら5着と大きく崩れなかった所は見所あり。今回距離短縮も有利ですが、非常に気性の難しい馬で最近の武さんで大丈夫かという不安があるのと、今回同型のエイシンデピュティとのハナ争いがどのような展開となるかで結果も大きく異なってくるというのが悩みです。

6頭立てレースで決まると面白くないと言うことで下位から選んだのは、そのエイシンデピュティ。宝塚の覇者でありながら故障で長期離脱して今回は休み明け3戦目となりますが、えらく調教タイムがよいのがこちらの穴心をくすぐります。気性としてはリーチザクラウンよりは遙かに大人なんで、最近はやりの逃げ馬の着残りと言うのが期待できるのは彼の方なんじゃないですかね。まぁ、今回は海外から一流ジョッキーが多数参戦しているわけで、逃げ馬を易々逃がす展開というのもあり得ないとは思うんですが、それでもお天気次第では、あるいは。。。


皆様の相談お待ちします。


人生相談士   上海馬券王



○今日の結果

<ジャパンカップ> @ウオッカ Aオウケンブルースリ Bレッドディザイア




○かんべえのつぶやき


――今日は事実上、DEHIOQの6頭立て。最初にHリーチザクラウンを切り、次にIオウケンブルースリを切り、最後はエイヤッとDウオッカを切りました。まさかQスクリーンヒーローが連にからまないとは・・・・。トホホ。

――終わってみれば、ウオッカのレース。リーチザクラウンの先行も、オウケンブルースリの追い込みも、すべては彼女の強さを際立たせるために存在していたかのように思われます。レース前には「牝馬の時代はもう終わった」と思いましたが、素直に認めましょう。「ウオッカこそニッポン最強馬」であると。






11月22日(日)

えー。。。

先週のエリザベスのショックから未だ立ち直れず黄昏れた状態が続いている訳なのであります。

それにしても、あれは一体何だったのでしょう。WEBで色々観戦記みたいなものを読んでも、「これも競馬」とか、皆さんえらく物わかりがよい感じなのですが、私は全然納得できません。人気薄の逃げ馬一頭が、かろうじて逃げ残るというパターンまでは許容範囲でありますが、これが2頭、しかも大差勝ちとなると断じて容認できない。ああ、みっともないったらありゃしない。こんなもんはG1ではない!

そもそも、1000m通過タイムが1分0秒5というのは、極めて標準的なタイムなわけで、これで上がり3ハロンを35秒台でまとめてくれていたら、これは「逃げ馬お見事」ということでよいのですが、勝ったクィーンスプマンテにしても2着に入ったテイエムプリキュアにしても上がりに37秒を要しているわけで、はっきり言ってバタバタな状態であったわけです。こんな連中に3着に入ったブエナビスタを除けば皆3馬身以上離されたわけで、負けた騎手はそろいも揃って何をしていたのだと、私は強く非難したいのであります。

かんべえ先生は、3着に食い込んでかろうじて面子丸つぶれの状態を回避したブエナビスタの騎手安藤を責められないと言いますが、これだって私は激しく異議ありなのです。あんな位置からあそこまで追い上げたブエナビスタは素晴らしいとは思いますが、勝ち馬より4秒速い上がりを使って届かないなんて騎手の判断ミス以外の何者でもないではないですか。聞くところによれば、アンカツ先生は、勝ちを確信して直線に入った瞬間、前を見たら遙か前方に2頭も馬がいることに初めて気がついたのだそうで。

き、貴様あああ!あれほど言ったのに、人の忠告無視しやがって!今からでも遅くないから買えよ、老眼鏡!



11R 第26回マイルチャンピオンシップ(GI)
1600m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 エヴァズリクエスト 55.0kg A.ムンロ
1 2 トレノジュビリー 57.0kg A.スボリッチ  
2 3 マルカシェンク 57.0kg 柴山 雄一  
2 4 カンパニー 57.0kg 横山 典弘
3 5 スマイルジャック 57.0kg 三浦 皇成  
3 6 ファイングレイン 57.0kg 幸 英明
4 7 アブソリュート 57.0kg 田中 勝春
4 8 フィフスペトル 56.0kg C.ルメール  
5 9 キャプテントゥーレ 57.0kg 川田 将雅
5 10 スズカコーズウェイ 57.0kg 後藤 浩輝  
6 11 ザレマ 55.0kg 内田 博幸  
6 12 ヒカルオオゾラ 57.0kg C.スミヨン
7 13 マイネルファルケ 57.0kg 和田 竜二  
7 14 ストロングガルーダ 56.0kg 福永 祐一
7 15 サプレザ 55.0kg O.ペリエ
8 16 サンカルロ 56.0kg 吉田 豊  
8 17 ライブコンサート 57.0kg 岩田 康誠  
8 18 サンダルフォン 57.0kg 四位 洋文  


と、言うわけで、エリザベスで黄昏れた末に迎えるマイルCSなのですが、このメンバー表を見るとますます黄昏れちゃいますなあ。

18頭中、G1馬というのが5頭いるんですが、これが、ロートル野郎のカンパニー、皐月賞馬の看板はフロッグの可能性ありキャプテントゥーレ、年明けて二桁着順が続くファイングレイン、評価の物差しに困る海外G1馬2頭と、皆そろいも揃って「万全の信頼」という奴を寄せるのがためらわれる微妙な方々な訳だし、その他の馬と言えば、「格上」がこんな微妙な連中故チャンスありと群がってきた場違いな連中だしで、ああ、予想のモチベーションが低下しまくることこの上ありません。この20年間JRAのマイル路線にはいつも、それなりにタレントが揃っていたんですが、今年のこれは寒すぎるよなあ。我が「心の友」アグネスアークもいつの間にか引退しちゃってるし。。。

8歳秋という現役の最終段階になって、いきなり狂い咲いている感のあるカンパニー。一体どうしたんですかねえ。いや、ウオッカを連続で完封した秋口の2戦は本当に強い勝ち方で、他のメンバー関係を考えると、これはやはり圧倒的優位にあると考えざるを得ないのですが、どうしても「カンパニーごときがG1で一番人気かよ」って言う心情から逃れられないのは困ったもんだ。昔パチンコ屋で閉店間際に確変突入しちゃって、嬉しいような悲しいような複雑な表情を浮かべていたお爺さんを見たことがあるんですが、なんか、彼のイメージとダブるんですよね。でも、しょうがないよなあ、他がしょぼすぎて、「G1馬の品格」というものを感じさせてくれる唯一の存在が彼なんじゃ◎認定するしかないよなあ。ああ、でも生粋のマイラーって訳でもないしやっぱり不安だなあ。

と、言う訳で、カンパニーが「確変終了」となっている事態にも備えなくてはならんと言うことで、色々悩んだ末に選択した○▲というのが、外国馬2頭です。「他の馬がしょぼ過ぎるから」という以外に明確な根拠はありません。大博打です。でもしょうがないじゃないですか、こんな未知の存在にかけなくてはならないくらい今年のメンバーのレベル低すぎるのが悪いのです。外国招待馬というのは最近では殆ど活躍しないと言うこともあって、人気はないのですが、それでも招待馬のワンツーという結末も過去ない訳じゃないし、準オープンのなれの果てみたいな今年の出走メンバーが相手なら十分対抗出来るのでは。よく見ればムンロとかペリエとか良い騎手またがってるしね。

この他では基本的にはドングリの背比なんで、格とか関係なしに調教の良い馬を中心に選択しました。ファイングレインに関しては最近の成績が上記の通りとても買えない馬ではあるんですが、同じような状況で3着に入り、私の会心の予想を踏みにじられた去年のマイルCSの反省もあり、個人的には抑えておきたいと思っています。


上海馬券王



○今日の結果

<マイルチャンピオンシップ> @カンパニー Aマイネルファルケ Bサプレザ




○かんべえのつぶやき


――四角、周囲が道を譲るようにして、カンパニーの進路が開けたような気がしました。8歳馬にしてG1連勝。強過ぎです。そしてこれで引退。カッコ良過ぎです。カンパニー、お疲れです。横典、よくノリました。どうせだから有馬も出て、年度代表馬を狙ってみてはいかが?

――相撲界では、典型的なダメ大関である魁皇が、地元九州の声援を受けて「ここまでよく頑張った」オーラを発している。でも優勝するわけじゃないので、あまり偉くない。長くやって、なおかつ成長するカンパニーの方が、ずっと偉いのであります。


――さあっ、来週はいよいよジャパンカップ。馬券王先生、ともに戦いましょうぞ。





11月15日(日)

上海馬券王の人生相談  

高校教師 安藤勝己さんからのお便り    

Q:モンスター・スチューデントがやってくる YAH!YAH!YAH!

初めてお便りします。私は「中央の名門」と言われる私立JRA高校に勤める一教師です。30年近く田舎の公立校で教鞭を執っていたのですが、そこでの働きが認められ5年前から現職に迎えられています。言ってみれば「ベテラン」という奴でしょうか。勤続年数だけじゃありません。自分で言うのも何ですが、私は教師として相当優秀でして、これまでも沢山の教え子達の成績向上に寄与してきました。中央に転職してからもそれは変わらず、中央出身のエリート教師を相手にして、毎年上位の成績を収め続け、今では校長先生(調教師)やPTA(馬主)の皆さんからも厚い信頼を寄せられるまでになっていると自負していたんです。ところが。。。。。

今年になってその自負にかげりが差しているというか、とにかく預けられた女生徒がとんでもない問題児で、あまりのとんでもなさに、今まで築き上げてきた自信が揺らぎつつあり、現在とても悩んでいるのです。いや、その生徒が劣等生であるのなら、こんなに悩んだりはしません。その子は劣等生どころか、私がこれまで教えてきた数多くの生徒と比較しても際だって素質と才能に恵まれた子供であり、そしてその事実がますます私の教師としてのアイデンティティを脅かしているのです。

とにかく、言うことを聞かない。勉強もしない。そのくせ試験を受けたらトップ合格の繰り返し。テストを受けたって実に不真面目で終了5分前までは居眠りをしてるくせに、最後の5分だけで猛然と追い込んでそれだけでトップになってしまう。この手の「天才肌」とか「追い込み型」の生徒は、これまでも経験がなかった訳じゃないんですが、ここまで極端な子は初めてです。

こんなことではいけない、今はよくてもそのうち壁に突き当たってしまう、と言うことで私は熱心に指導しました。ああ、それなのに指導すればするほど、私の言うことは聞かなくなる。指示を出してもその逆ばかり行きたがるの繰り返しで、案の定、今年の秋口からトップの成績を収められなくなってしまったし、なまじ「ど派手」な才能があるだけに世間の注目度も高く、失敗の責任に対する非難が必要以上に私に集まってくるという悪循環で、私の心はずたずたです。

そして、遂にとどめを刺すような事件が起こってしまいました。先日の秋華模試のとき、この生徒はなんと、「自分を追い越そうとした」と同級生にインネンをつけてカツアゲ行為に及び補導されてしまったのです。で、責任は指導教諭である私にあると言うことになって私には2週間の停職処分が言い渡される始末で。。。不、不条理だがや!

なんでこんな許されない非行を犯すんだと、厳しく問い詰めたのですが、「フランスの凱旋門に連れて行ってくれるって約束したのに、守ってくれないから、むしゃくしゃしてやった。」などと、ふて腐れて開き直る始末。もう私の手には負えません。先生、「凱旋門」なんて親御さんが言い出した話だし、それを断念したのもすべて校長である松田先生の判断なんです。私は関係ないんです。それに何より、断念する理由を作ったのは、「トップ合格したら」という条件を言い含めていたのに失敗した彼女自身じゃないですか。それでなんで、私だけが処分されるのでしょうか。私は納得いきません。

ああ、今になって考えてみれば去年卒業したダイワスカーレットちゃんは素直で人の言うことをよく聞く素晴らしい生徒だっだなあ。それに引き替え、才能があるとは言え、これだけ自分勝手で発想の幼い、ありとあらゆる意味でモンスターな生徒を相手に私はノイローゼ一歩手前です。明日、停職明けでいきなりこの生徒の引率を言い渡されエリザベス模試を受けることになったのですが、また非行に走るんじゃないかと私は心配で心配で夜も眠れません。胃に穴が空きそうな私は一体どうしたらいいのでしょうか。



A:お答え

お気持ちお察しします。女性というのは確かに男には理解不能な部分がありますよね。私にしても家内の考えよりは中国の経済官僚の考えの方が遙かに腑に落ちるなんてことが多々あるわけで、ましてや相手が子供だったりすると、さぞやご苦労も多いことと思います。ご相談の元凶というか、当事者であるブエナビスタちゃんと似たタイプの天才肌といえばウオッカさんと言うことになると思うんですが、そのウオッカさんの教師である武さんもずいぶんこの手の苦労が多いみたいですしね。

それにしても、ブエナビスタちゃんの凱旋門断念は残念でした。まぁ、確かに軽量で臨んだ函館記念で負かされた相手がヤマニンキングリーという論評に困る大変微妙な存在であることから、松田先生のご判断も大変正しいとは思うのですが、函館にしても先日の秋華賞にしても小回りの直線短い、彼女にはもっとも不向きなコースで行われた競争であり、これならロンシャンの方がまだ期待もてたんじゃないかという気もしないではないところが、悩ましい。少なくとも秋華賞よりは天皇賞という選択肢もあったんじゃないですかねえ。広い府中じゃこの前みたいな斜行・降着なんてことは起こりえないだろうし、なによりウオッカとの直接対決見たかったなあというのはあるし。

で、明日はエリザベス女王杯なわけですが、「ブエナビスタが期待に応えられるかと言うのが最大のポイント」かと思いきや、現時点オッズを見ると彼女が勝つのは争えない事実であり、「ブエナビスタの2着に何が来るのか」が最大のポイントとなっている感があります。うーーん、本当にこれでいいのかねえ。確かに、彼女には今回色々な優位が条件が揃っています。

@秋口の連敗は先述の通りコース適性の問題。今回は秋華賞と同じ京都とはいえコースが外回りに変更、直線距離も100m伸びることは大吉。
A距離も2200mと200m延長なのも彼女向き。
B今回ごちゃつかずに競馬が出来る外枠を引いたことも不器用な彼女にはプラス。
C何より相手関係が楽。好敵手だったレッドデザイアはJC出走で不在だし、古馬の実績所は近況さえないなんてレベルじゃないくらい酷い状態だし。

これだけの条件が揃えばやはり優位は疑いようがないのですが、私的には下記の死角が気になります。

@土曜の雨が残って馬場渋めになる可能性あり。
Aカワカミプリンセスとかファインモーションとか、過去飛ぶ鳥を落とす勢いで連勝を続けていた3歳牝馬が一度の敗戦を機会に全然勝てなくなるケースを何度も見ているのですが、彼女の場合もこういう「挫折した天才少女連敗伝説」の一環を担う存在であるかも知れないという不安なきにしも。
B名伯楽である松田先生が函館記念の敗戦でスパっと凱旋門を断念、天皇賞とかJCとか彼女向きの府中開催レースにも目をくれず、3歳牝馬の定番競争に軸足を完全に固定しちゃったことも気になる。彼女は世間が考えるほど強くはないのではないか。

そして言いにくいのですが、何よりも

C相談人であられるところの安藤先生。貴方の問題も不安なのです。確かにブエナビスタには未だ幼いところがあるし、不器用だしで、乗りづらい所多々ある馬であることは否定できませんが、それだけでなく、貴方との相性も良くないのではないか。オークスは貴方のミスを彼女の才能が帳消しにしたある意味凄いレースだった気がしてなりませんし、単に相性だけじゃないですぞ、去年リーディング3位という立派な成績を収めた貴方も今年は現時点で11位、騎乗している馬はそれなりに勝てそうな馬が集まっているのに、この現状は、私と同い年の人にこういうことを言うのは大変心苦しいのですが、やはり年齢的な衰えというのが始まっているのではと言う推測を止めることが出来ません。

うーん、上記4つの優位性と死角、どちらを取るか悩ましいんですが、優位性は皆確定的な内容であるのに対し、死角は皆根拠不十分なものである故、今回は私も貴方とブエナビスタちゃんに「万全の信頼」というのを寄せてみたいと思います。なんと言っても相手関係が相手関係で、ブエナビスタを外すと何を買えばいいかさっぱり見当も付かないと言う事情もありますんで。とにかく、私も若いつもりではいるんですが、一方で老眼の進行が止まらない困った年代にあることも事実なわけです。ここは一つ同年代の貴方にかっこいいところを決めていただきたいと強くお願いする次第です。

と、言うわけで。。。。。


11R 第34回エリザベス女王杯(GI)
2200m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ウェディングフジコ 56.0kg 菊沢 隆徳  
1 2 メイショウベルーガ 56.0kg 池添 謙一
2 3 チェレブリタ 56.0kg 岩田 康誠  
2 4 ジェルミナル 54.0kg 福永 祐一  
3 5 リトルアマポーラ 56.0kg C.スミヨン
3 6 ピエナビーナス 56.0kg 古川 吉洋  
4 7 クィーンスプマンテ 56.0kg 田中 博康  
4 8 カワカミプリンセス 56.0kg 横山 典弘  
5 9 ブラボーデイジー 56.0kg 生野 賢一  
5 10 シャラナヤ 54.0kg C.ルメール
6 11 テイエムプリキュア 56.0kg 熊沢 重文
6 12 ブロードストリート 54.0kg 藤田 伸二
7 13 サンレイジャスパー 56.0kg 難波 剛健  
7 14 ニシノブルームーン 56.0kg 北村 宏司
7 15 ミクロコスモス 54.0kg 武 豊
8 16 ブエナビスタ 54.0kg 安藤 勝己
8 17 ムードインディゴ 56.0kg 田中 勝春  
8 18 レインダンス 56.0kg 藤岡 康太  


結局、世間一般と同じで「相手探し」と言うことになったんですが、上述の通り古馬の実績所が不甲斐ないんで、3歳馬もしくは最近上昇の下級条件馬中心に選んでみました。
○は秋華賞でブエナビスタにカツアゲされたブロードストリート。レッドディザイア不在では彼女が唯一同世代でブエナビスタに対抗出来る存在。内心○より期待している▲メイショウベルーガは準オープンからの格上挑戦ですが、切れ味の鋭さだけならブエナビスタに匹敵します。

この他では、最近不甲斐ないけど外人ジョッキーで変身期待リトルアマポーラ、外国招待馬には過信禁物だけど他があまりにもしょぼいのでシャナラヤ、前走度外視ならこの低人気はお買い得ニシノブルームーン、裏切られ続けて一年間意地でも買うぞミクロコスモス。「嵌れば」という条件付きで勝つまであるのがテイエムプリキュア。(あくまで嵌ればですが)

皆様の相談お待ちします。



人生相談士   上海馬券王



○今日の結果

<エリザベス女王杯> @クィーンスプマンテ Aテイエムプリキュア Bブエナビスタ




○かんべえのつぶやき


――今日のレース、
「ビスタの時代はもう終わった。これからはウィンドウズ7だ」という駄洒落がふと浮かび、どれ7番を冗談で買ってみようかと思いましたが、単勝77倍の馬券は買えませんでした。ああ、馬鹿馬鹿、ワシの馬鹿。逃げ馬の前残りって、結構あるじゃないかああああ(例:春天のイングランディーレ)。

――ということで、クィーンスプマンテが来てしまいました。脱力です。罪深いのは、前2頭の暴走を追わなかった三番手リトルアマポーラのスミヨンですな。途中でヤバイと気がついたアンカツが動きましたが、最後は届きませんでした。これでは騎乗が悪いと責めるのはためらわれます。


――馬券王先生を確実に嘆かせているであろうこのレースは、天才少女ブエナビスタをさらに非行に走らせてしまいそうです。ああ、でもこれが人生、これが競馬。なんとか立ち直ってほしいものです。





11月1日(日)

ううううう。いきなり招集かけられて飲みつぶれ、気がついたら朝になっているではないか。

いきなり本題から入らせていただきます。


11R 第140回 天皇賞(秋)(GI)
2000m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 コスモバルク 58.0kg 松岡 正海  
1 2 スクリーンヒーロー 58.0kg 北村 宏司
2 3 カンパニー 58.0kg 横山 典弘
2 4 アドマイヤフジ 58.0kg C.スミヨン  
3 5 ヤマニンキングリー 58.0kg 柴山 雄一  
3 6 アサクサキングス 58.0kg 四位 洋文  
4 7 ウオッカ 56.0kg 武 豊
4 8 キャプテントゥーレ 58.0kg 川田 将雅
5 9 サクラオリオン 58.0kg 秋山 真一郎  
5 10 シンゲン 58.0kg 藤田 伸二
6 11 スマイルジャック 58.0kg 三浦 皇成  
6 12 ドリームジャーニー 58.0kg 池添 謙一
7 13 マツリダゴッホ 58.0kg 蛯名 正義  
7 14 サクラメガワンダー 58.0kg 福永 祐一  
7 15 オウケンブルースリ 58.0kg 内田 博幸
8 16 ホッコーパドゥシャ 58.0kg 岩田 康誠  
8 17 エイシンデピュティ 58.0kg 戸崎 圭太  
8 18 エアシェイディ 58.0kg 後藤 浩輝  


フルゲート18頭中、G1馬が9頭と一見豪華なメンバーなんですが、その割には心がときめかないですなあ。G1馬を名乗りながら本当の意味での実績を挙げているのはウオッカだけ、他の方々はG1ひとつ取っただけで、その後がさっぱりなんてフロッグ野郎認定が相当な方ばかりなわけで。ブエナビスタが出てきて新旧女王決戦と言うのをやってくれれば盛り上がったんでしょうが、残念です。

G1を6勝、内府中で5勝という圧倒的な実績と府中特性を示すJRAの看板娘ウオッカをどう考えるかというのが、今回最大のポイントとなります。前走休み明けの毎日王冠を逃げて、差されて2着というのは、去年と同じパターンですが、今回は負け方が悪い。年齢的にも人間で言えば今話題の結婚詐欺女の領域にあるわけで、やはり競走馬としての衰えが始まっていると考えるべきでしょう。そんな彼女が現在単勝2.4倍の圧倒的一番人気。去年の天皇賞が単勝2.6倍で、まぁ、これはダイワスカーレットと言う好敵手がいたせいでもあるのですが、能力が衰えているのに今年の方が買われているというのは、なんか凄く損した気分になります。上述の通り相手関係が相手関係なんで、このまますんなり決まる可能性も大きいのですが、逃げて直線ずぶずぶ沈み、掲示板にも乗らないなんて可能性も無視できないわけで、一段評価を落としてみたいですな。

では、ウオッカがずっこけるという前提で、何が来るのか。他のG1馬で終わってない感じの馬は、スクリーンヒーロー、ドリームジャーニー、オウケンブルースリ、キャプテントゥーレと言うことになるんじゃないかと思うんですが、スクリーンヒーロー・オウケンブルースリは距離がもう少し欲しい感じだし、ドリームジャーニーは、切れる脚を長くは使えないと言うことで府中では非常に乗り難しいタイプ。消去法でキャプテントゥーレを◎認定します。もちろん彼も58kgが未経験であるとか、左回り未知数であるとか、色々死角もありますが、それでも皐月賞を勝った後、骨折・長期休養明けで華々しく復活したところが、まだまだ伸びしろを感じさせるわけで、距離適性も含め期待できますぞ。

この他では、6勝と府中での勝ち鞍だけならウオッカをしのぐシンゲン、G1じゃいきなりしょぼくなるけどカンパニー。こんな所でしょうか。


上海馬券王



○今日の結果

<秋の天皇賞> @カンパニー Aスクリーンヒーロー Bウオツカ




○かんべえのつぶやき


――秋の天皇賞、笑ったのは競馬界の「のりピー」こと横山典騎手でした。それにしてもG1馬が9頭もいる中で、トップを取ったのが8歳のG1未勝利馬とは・・・。しかるにカンパニーは文句のつけようのない、堂々の勝利でした。東スポの清水成駿が当ててましたな。

――不肖かんべえはスクリーンヒーローから買ったので、かろうじて複勝(700円)をとりました。ああ、競馬でプラスになるって、とっても久しぶりな感じ。でも、カンパニーまでは買えませんでした。今日は6位だったドリジャに、もちょっと頑張ってもらいたかったですな。


――今月はまだまだ「エリ女」「マイル」「ジャパンカップ」と3つもG1が控えております。いよいよ「上海蟹」の季節ですから、馬券王先生はまたまた日本からの来客に忙殺されそうです。でも、ご関係の皆様、なるべくなら夜の宴会は控えめにして、馬券王先生に競馬をさせてあげてくださいまし。





10月25日(日)

上海馬券王の人生相談  

お受験ママ・エアグルーヴさん一年半ぶりの逆襲    

Q:忘れられるものならば

先生お久しゅうございます。わたくしエアグルーヴでございますことよ。え、「お前は誰だ」ですって?きぃいいい!これだからパンピーは!よろしいこと?わたくしの祖父はJRAの大立者ノーザンテースト公爵、母は樫の木の女王ダイナカール、父は凱旋門の英雄トニービン子爵と言う、まさに名門中の名門、華族の中の華族、本来ならあなたのような、なけなしのお金をどぶに捨てまくってる3流馬券士なんか口も聞いてもらえないような尊い血筋でございましてよ、我がグルーヴ一族は! え?「その前口上はマンネリ中のマンネリなんでさっさと本題始めろ」ですって?まぁ、なによ、それじゃ、あたくしが誰だか存じ上げてらっしゃるって事じゃないの。きぃいいいいいいい!この賎民!ヘタレ馬券士!禁治産者!人を馬鹿にするのも大概にするがよろしいわ!まともに馬券も当てられないで、そんな無礼な世迷言を垂れ流すのはどの口ざますか!
 

とにかく、話を聞くざます。相談と言うのはあたくしの三男フォゲッタブルのことでございますの。そもそも長女のアドマイヤグルーヴは名門グルーヴ家の跡継ぎとしてこれまで頑張ってまいりましたの。そりゃあ、「女傑」と言われたあたくしから見ればまだまだ物足りない所はございましたけど、それでも「さすがグルーヴ家の御令嬢」と上流階級の皆様が認めてくださるような成績は収めてはくれましたの。ところがその後がさっぱりで。。。。。。。。え、「前口上だけじゃなくて、相談の内容が、不甲斐ない子供に関する愚痴の列挙とは、これも等しくマンネリである。よって、手っ取り早く本題に入れ」ですって?きぃいいいいいいいい!下手に出てればつけ上がるお前は一体何様ざます!この、賤民!三流馬券士!お前なぞ陽澄湖に沈んで上海蟹のえさとなるがいいわ!

とにかく茶々を入れずに三男の話を聞くざます。次女以降が不甲斐なかった分、とにかく三男には本当に期待しておりましたの。小さい頃から周りの人が「長女以上の器」ともてはやしてくださったし、上流階級で売り出し中のディープインパクト伯爵の後見人をやっていらっしゃった金子様がこの子の面倒を見てくれるとおっしゃってくれたし、あたくしもすっかりその気になっていたざます。ああ、それなのに、それなのに、ふたが開いたらとんでもない落ちこぼれだったことが判明したざます。私立新馬小学校なんか出来の悪い次女たちだってトップ合格してるというのに、この三男はそれも不合格だし、名門皐月中学、優駿高校なんか受験資格もとれない有様だし。きいいいいいい!劣等生!一族の面汚し!お前なんか産むんじゃなかったわ! 

更に頭に来るのはグルーヴ家専属家庭教師の武ざます。あの男、小さい頃は付きっきりで三男の指導をしていたのに、最近姿を見かけないと思ったら、いつの間にかリーチザクラウンなんて平民の子供に乗り換えてるじゃございませんの。「一体どういう事ざます」と問い詰めると、「いやああ、お宅のお子さんは影が薄いんで、すっかり面倒見るの忘れてました。まぁ、名前がフォゲッタブルなんで、しょうがないか。あはははは。」ですって。。。  きいいいいい!上手いこと言ったつもりざますか!この日和見!背信者!座布団全部取っておしまい!

先生、とにかく、産まれる子供、産まれる子供が皆こんな感じで、名門グルーヴ家存続の危機なんざます。あたくし、悔しくてせつなくて悲しくて気が狂いそうですわ!明日は名門菊花大学の受験日で、三男も受験するざますが、受験資格だってコネを総動員してやっと手に入れたていたらくで、あたくし心配で心配で。。。名家没落を目の当たりにし、恐れおののくあたくしは一体どうしたらよろしいのかしら。  


A:お答え

いやあ、貴女からのご相談も一年半ぶりですか。ずいぶんお久しゅうございます。当コーナーも貴女がいないとずいぶん寂しい感じですし、なんだかんだ言いながら、G1競争にお子様を供給し続ける貴女はやはり大したものだと感心する次第です。

因みにお子様のこれまでの活躍ぶりを簡単に振り返りますと、

長女アドマイヤグルーヴ 21戦8勝(内G1二つを含む重賞勝5) 
次女イントゥザグルーヴ  14戦4勝(1000万条件で引退)
長男サムライハート    5戦3勝 (準オープンで引退)
次男ザサンデーフサイチ  10戦3勝 (準オープンで未だ現役)
三女ポルトフィーノ     6戦3勝 (同上)
三男フォゲッタブル     9戦2勝 (明日菊花賞出走)

という感じで、確かに長女アドマイヤグルーヴさんの華々しいご活躍に比べると、それ以降のお子さんがしょぼい印象となるのは否めません。でもねえ、よく見ると産まれた子供は皆2勝以上挙げてるわけで、競争馬の世界がデビュー前に半数以上淘汰され、デビューした後さらに半数以上の馬が一勝も挙げることが出来ずに食肉処分に付されるという厳しい競争世界であることを考えると、これって本当は凄いことなんですよね。さすが名門は伊達じゃないということにもなるのですが、問題は、貴女のブランド料が馬鹿高すぎて、2つや3つの勝ち星では回収しきれないということに行きついちゃうわけで。

親の才能がそのまま子に引き継がれると言うことが、極めて稀なことであるのは人間の世界を見ても分かります。野球界の長嶋・野村、アニメ界の巨匠宮崎駿、芸能界の松田聖子。どれも皆、あまりにも巨大すぎる親の才能に比べ、子供の出来が(以下略)。考えてみれば政治の世界なんかもそうですね。岸・吉田・鳩山・田中という戦後政治の巨人達と言うのは毀誉褒貶はあれど、皆とてつもなく器の大きな方々だったと思うのですが、その遺伝子を受け継いでいる方々の器の大きさというのは(以下略)。

このように、貴女や人間界の事例を見ると「血」とか「遺伝」とかいうのは、質の最低を保証するものではあっても、最高を保証するものでは全くあり得ないという真理の傍証に事欠かないのですが、これだけの傍証を目にしながら人が「血筋」というものに過大な思い入れを抱き続けているというのも大変興味深いことではあります。競走馬の場合、年間生産される1万頭の内、重賞で勝ち負け出来るレベルの馬というのはせいぜい30頭、G1になると5頭、歴史に残る名馬認定を受ける存在というのは1頭いるかいないかという宝くじに等しい確率なのですが、この確率を少しでも引き上げようとしてとにかく凄いお金が動いているわけですな。

例えば、重賞馬が産まれる平均確率0.3%を0.5%にしようとして高額なサンデー系種牡馬が動員される。一千万の種付料を払っても上昇する確率はわずか0.2%だし、皆が同じような行為に走ればやはり確率は0.3%に近づいていくはずなんですが、それでもサンデー系種牡馬がもてはやされる。馬を生産したり買ったりしている方々の頭の中では、0.2%の確率上昇が20%の確率上昇に変換されている可能性が濃厚なわけで、つくづくこういうブラッドビジネスというのは業が深いと思うわけです。きっと、貴女の子供を生産したり買ったりしている方々の頭の中では、「貴女の子供だからG1馬になる確率は50%以上」なんて関数が働いているのでしょうなあ。そう考えないと、貴女のお子様の取引価格というのは説明できません。

余談ですが、これに似た話が人間界でもあります。アメリカでは、ウイリアム・ショックリーと言う人が財団を作って「ノーベル賞受賞者の精子バンク」なるものを運営しているのだとか。集めた精子をどのように運用しているのか気になるところでありますが、その財団から精子の提供を要請された生化学者ジョージ・ウオールド先生の返答が馬産界の現実を考える意味でも面白い。

「ノーベル賞受賞者を作るために精子が欲しいのなら、貧しい移民の仕立屋だった私の父のような人に連絡を取るべきでしょう。私の精子が世界に何を提供したと思います?二人のギタリストですよ。」

さて、ご相談の件、業の深い馬産業界の象徴たる貴女のお子様フォゲッタブル君が明日菊花賞を走るわけですが、果たして名門復活の可能性ありや否や。

結論から言うと意外と良いところまで行くんじゃないかと思っています。切れる脚はないけどジリジリ伸びる彼の脚質は長距離でこそ活きる気がしますし、人気所がとても長距離向きとは思えないリーチザクラウンだとか、気性にムラがあって当てにならないアンライバルドであることを考えれば、これに十分対抗できるのではないかと。聞けば明日の京都は雨だそうで、そうなると他の有力馬の切れが相殺されるし、ますます期待が高まります。まぁ、騎手が関西馬なのに関東所属でこれが今年初京都となる吉田君と言う貴女にとって「きいいいい」な状況なんで、勝つには運も必要だとは思いますが。

とにかく、統計上の確率とは違う確率で物事を考える生産者や馬主のためにも、「脳内確率」の正しさを証明していただきたくお子様のご健闘をお祈りいたします。頑張ってください。(え、統計と違う確率で物事を考えているのは、平均回収率75%なのに自分だけは10倍の回収が得られると思って馬券を買っているお前も同じだろうって?うーん、鋭い!)

と、言うわけで。


11R 第70回 菊花賞(GI)
3000m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 スリーロールス 57.0kg 浜中 俊
1 2 シェーンヴァルト 57.0kg 秋山 真一郎  
2 3 フォゲッタブル 57.0kg 吉田 隼人
2 4 トライアンフマーチ 57.0kg 武 幸四郎  
3 5 アンライバルド 57.0kg 岩田 康誠
3 6 イグゼキュティヴ 57.0kg 川島 信二  
4 7 ヤマニンウイスカー 57.0kg 和田 竜二
4 8 アントニオバローズ 57.0kg 角田 晃一  
5 9 リーチザクラウン 57.0kg 武 豊
5 10 キングバンブー 57.0kg 小牧 太  
6 11 セイクリッドバレー 57.0kg 松岡 正海  
6 12 セイウンワンダー 57.0kg 福永 祐一  
7 13 キタサンチーフ 57.0kg 藤岡 康太  
7 14 イコピコ 57.0kg 四位 洋文
7 15 ポルカマズルカ 55.0kg 横山 典弘
8 16 ナカヤマフェスタ 57.0kg 蛯名 正義
8 17 アドマイヤメジャー 57.0kg 川田 将雅  
8 18 ブレイクランアウト 57.0kg 藤田 伸二  


最初は神戸新聞杯をレコード勝ちしたイコビコ中心で考えていましたが、あの勝ち方はあまりにも切れがありすぎで長距離・降雨の条件を考えると一段評価を下げます。◎認定はセントライトを勝ったナカヤマフェスタ。超不良馬場のダービーを追い込んで4着までつけたことから、いかなる状況にも対応できる器用さの持ち主と考えます。勝つまで難しいかも知れませんが、人気上位が上述の通り死角ありまくりなんで、3着以内を確保する安定度では一番じゃないかと。

基本的には本命不在の混戦であり、人気薄も手広く買いたいところ。軽量とはいえ古馬相手に2600mを圧勝したスリーロールス、長距離適性という意味ではこれが一番かも知れない、ヤマニンウイスカー、唯一の牝馬ながら鞍上大注意のポルカマズルカ。あと、印はつけませんでしたが、中間の1000mが緩みまくって実質2000mのレースになった場合ブレイクランアウトも怖い存在です。


皆様の相談お待ちします。


人生相談士  上海馬券王



○今日の結果

<菊花賞> @スリーロールス Aフォゲッタブル Bセイウンワンダー




○かんべえのつぶやき


――今日は神戸新聞杯の印象が鮮烈だったイコピコから、ドーンと買ってみました。ダメでした。ダンスインザダーク産駒の@スリーロールスとBフォゲッタブルのワンツーでした。やっぱり競馬は血統でありますな。今年の菊花賞は、「ダンス、ダンス、グラス」でありました。エアグルーヴ・ママも少しは報われたでしょうか。

――うーん、それにしても今年の三歳馬は強いのか、弱いのか。とりあえずスリーロールスとイコピコは強いらしい。アンライバルドやリーチザクラウンはよく分からない。ナカヤマフェスタは、マツリダゴッホのような中山専門家になるかもしれませんな。


――来週は秋の天皇賞です。ウオッカに、ドリームジャーニーに、カンパニーにマツリダゴッホ。ワシはスクリーンヒーローあたりから狙ってみたいかな。





10月18日(日)

うううううう、手首が痛いのです。道を歩いていて、すっころび、その際受け身を取り損ねて不自然な形で手を突いてしまった結果、どうしようもなく手首が痛いのです。ああ、キーをたたく度に右手首に走る鈍き痛みよ。秋の夜長にこれは切ない、切なすぎる。そう言えば2ヶ月前、やはり道を歩いていて、道路のくぼみに足を踏み入れ、強烈に足首をひねって丸一日歩けなくなったという事件もあったっけ。とにかく、上海の夜道は食い詰めた出稼ぎ者による路上ひったくり事件が頻発する等、元々物騒ではあったのですが、最近では道路自体が物騒きわまりないというデンジャラスゾーンとなっているわけだ。ああ、痛い。手首が痛い。

え、お前の場合、どうせ酔っぱらって千鳥足で歩いていた結果の自業自得な自損事故だろうって?

何をおっしゃる、私は悪くないのだ。少なくともこのときは素面だったのだ私は。悪いのは上海万博なのだ。とにかく来年開催される万博を控え、上海は今、土建屋需要の真っ盛りにあり、町の美観を改善せよと言う上海市政府の大号令の下、町中の道路を掘り起こしまくっているのであります。それだけなら路上ひったくりに走る食い詰めた出稼ぎ者に職を提供するという効果もあるし、必ずしも悪いとは言わんのですが、日中ガリガリと道路を掘り起こし、夜になると工事中の標識灯もつけずに現場を放置するとは、これ一体いかなる悪魔の所業なりや。こちらも気をつけて歩いているつもりだったのに2回も転んでしまったではないか。これで町が綺麗になれば少しは慰めになるのだが、工事後の町の外観から劇的な美観改善の印象をなかなか見いだすことが出来ない事実が更に怒りの炎に油を注ぐのである。き、貴様らあ、食い詰めた出稼ぎ者を食わせるためだけにこんな危ない工事をやってんじゃねえ!

と、まぁ、このように、パフォーマンスにやや難があるとは言え、上海市の万博にかける熱意たるや凄まじいものがあります。TVじゃ連日万博報道やってるし、外国人にはずかしい態度はとれないってんで、大衆相手にマナー指導みたいなことまでやってるし(どこまで効果があるかは分からないけど)。とにかく涙ぐましい情熱を傾けているわけです上海市政府は。美観改善だって道路工事だけじゃない。高速道路沿線とか人目につく場所にある古い建物なんかは市政府が金を出して塗装し直しているし、塗装なんかじゃ誤魔化せないくらいしょぼい外観の建物はでかい看板かけて、そのまま隠しちゃうなんてことまでやっている。なにもそこまでやんなくても。

まぁ、つまんない見栄と言えば見栄だし、オリンピックを成功裡に終わらせた北京市に対する対抗意識があるのも疑いようがないし、そもそも思い起こせば2001年APECの時、集まった各国首脳に新生上海を見せようとやはり見栄満載の外観工事を昼夜ぶっ通しで行ったにも関わらず、同時多発テロの影響で、ホテルに籠りっきりになった各国首脳にこれを見せることかなわず思わず涙目という発狂もののトラウマを今回一気に晴らそうって執念も見て取れる訳ですが、一方ではこれくらいの稚気とか気合いとか執念がないところはオリンピックとか万博は主催しちゃいけない気もしてきて、うーん複雑な気持ち。

でも、どうなんでしょうねえ。これだけ威信をかけてやれば、そりゃ中国人は沢山来場するとは思うんですが、海外から人は来るんかいな2010上海万博。北京オリンピックの時は景気がよかったから米英とかロシアとかから一杯人が来たんだけど、今じゃそんな金も気分もないと思うぞ彼らは。そもそも出展する方も各国政府とか大企業とかパビリオンの設営にそんなに金は回らないはずだし、考えてみれば世界的な景気停滞期に行われる国際イベントなんて殆ど一世紀ぶりなわけで、そう言うところではどのような光景が繰り広げられるのでありましょうか。いや、私も成功して欲しいんですよ上海万博。でなきゃ痛む手首が報われないわけだし。


11R 第14回 秋華賞(GI)
2000m 芝・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ホクトグレイン 55.0kg 田中 博康
1 2 パールシャドウ 55.0kg 三浦 皇成  
2 3 ブエナビスタ 55.0kg 安藤 勝己
2 4 ミクロコスモス 55.0kg 武 豊  
3 5 レッドディザイア 55.0kg 四位 洋文
3 6 ヴィーヴァヴォドカ 55.0kg 村田 一誠  
4 7 ダイアナバローズ 55.0kg 角田 晃一  
4 8 ラインドリーム 55.0kg 幸 英明  
5 9 イイデエース 55.0kg 浜中 俊  
5 10 クーデグレイス 55.0kg 川田 将雅
6 11 ワンカラット 55.0kg 藤岡 佑介  
6 12 ブロードストリート 55.0kg 藤田 伸二
7 13 アイアムカミノマゴ 55.0kg 小牧 太  
7 14 ジェルミナル 55.0kg 福永 祐一
7 15 ハシッテホシーノ 55.0kg 松岡 正海
8 16 モルガナイト 55.0kg 秋山 真一郎
8 17 ワイドサファイア 55.0kg 岩田 康誠  
8 18 デリキットピース 55.0kg 柴田 善臣  



いよいよ秋のクラシックなわけです。競走馬として破格の能力を秘めるブエナビスタが能力通り牝馬三冠をゲットできるかというのが、興味の焦点となるわけですが。。。

よりによって内枠を引いてしまいましたな。直線短い京都の内回りは元々不器用な彼女には不向きなコースではあるのですが、更に内枠となるとスパート時点で他の馬が殺到してくる事は必定、追い込み一手の彼女が器用に馬群をさばいて抜け出してくると言うイメージがどうしても浮かんでこないわけで、いやはや困ったもんです。

秋華賞の過去のデータを見ても、1〜4枠の馬の成績は3−2−5−70(複勝率12.5%)、ましてや同枠で最終コーナーの位置取りが7番手以下の馬の成績は0−1−2−24(同11.1%)。如何に内枠引いた差し馬に向かないコースであるかが分かります。もちろんこんな過去データが通用するほど彼女の能力はヤワではないというのも事実でありまして、あっさり勝つ可能性も十分にあり、とは言え脚を余して掲示板にも乗らないなんて事も同じくらいありそうな感じで、ああ、悩ましいったらありゃしない。こんなことなら、府中の天皇賞に出てウオッカとの最強馬決戦というのをやってくれた方がはるかに盛り上がると思うんだけどなあ。ウオッカも今年で引退だろうし、年末は香港で走ると言うから彼女との直接対決の機会は未来永劫なさそうだしで、残念さが自乗なのであります。

ここら辺の事情は当然世間様もよくご存じな訳で、彼女の人気は一番人気とはいえ単勝オッズはなんと2.1倍、彼女の能力を考えると不当に「おいしい」配当となります。皆さんやはり不安なんですな。これならブエナビスタとの対決で惜敗を続けたレッドディザイアに待望の勝機ありやと思えば、彼女もまた差し馬であるにもかかわらず内枠を引いてしまった。ブエナビスタに比べれば器用ではあるんで、余り人気がないようなら彼女から行こうかとも思ったんですが、これで単勝オッズが3倍見当というのもなんかずいぶん見込まれた感じでちょっと躊躇しますな。

これなら、外枠を引いたモルガナイトなんぞ如何でしょう。500万、1000万を連勝した秋の上り馬ですが、勝った500万なぞはレコードだし、能力の高さは疑いようもない。先行できる脚質の上、不利を受けづらい枠を引き、おまけに人気は全然ない。これはっきり言ってお買い得。前が壁になってもがき苦しむブエナビスタを尻目にゴール先着なんてシーンが思わず脳裏ををよぎったりしちゃいます。もちろん、彼女にも色々死角はある。これまで秋華賞に出るために結構きついローテーションで走っているし、連勝時から斤量も3kg増えるし、騎手のクオリティも岩田(リーディング3位)>福永(8位)>秋山(29位)という涙目三段逆スライド方式に劣化しているし、勝つまではつらいかも知れませんが、それでも3着以内なら。



上海馬券王



○今日の結果

<秋華賞> @レッドディザイア Aブロードストリート Bブエナビスタ




○かんべえのつぶやき


――すんません、日本オープンのプレーオフがあまりにすごかったもので、競馬を見てませんでしたあ。石川遼くん、惜しかったですねえ。ゴルフをやらないワシでさえ、思わず力が入ってしまったぞ。

――え、なんですと? 降着があったの? 
レース映像を見ましたが、いまひとつ釈然としませんなあ。前回紹介した小幡さんは、今日は「ブエナ、ディザイア、ストリートの3連単ボックス」で、当てた模様です。4640円ですけど。ようやりますなあ。

――来週は菊花賞ですな。ワシはどちらかというと、牡馬の方が張り合いがあるというタイプです。





10月4日(日)

☆:えー、お久しぶりです。09年も秋のG1のシーズンがやって来たというわけで、これから年末までまたよろしくお願い致します。さっ、先生からもご挨拶。ご挨拶。

上:。。。。。。

☆:。。。。なんです、えらく不機嫌なご様子。どうしたの?

上:。。。。疲れているのだ。とても疲れているのだよ、私は。

☆:疲れてるって、中国は今、国慶節+中秋節の8連休の真っ最中でしょ。かみさんが友達と旅行に出かけて、ただ一人家で羽根を伸ばしまくってる先生が疲れたとは、これ如何に!日本の勤労者が聞いたら怒り出すと思いますぞ。

上:いや、だからさ、生まれついてのインドア野郎である私が、家族サービス義務免除のオプションが付いた長期休暇を得て、狂喜乱舞。読書とゲーム、競馬三昧の遠大な計画を立ち上げて、いざ実行に移した途端、なんとインターネット回線に不具合が発生、さび付いたPC知識を総動員してその復旧にあたるも、応急措置のめどが付くのに半日を要してしまったと、まあ、こう言う訳だ。ああ、疲れた。本当に疲れた。と、気がつきゃ、もう午前3時を回っているではないか。けっ、やってらんないぜ。

☆:。。。。あのう、読書やゲームとインターネットとは直接の関係はないような気がするんですけど。

上:君も、全然わかっとらんね。最近のゲーム機というのは皆無線LAN内蔵で、WEB接続がないとまっとうなプレーなんか出来ないの。それにだ、異国の環境でWEBが使えないというのは、これは即、陸の孤島状態な訳であり、はっきり言って生死に関わる一大事なわけ。大体、競馬も出来なくなるんだぞ。秋のG1第一段であるところのスプリンターズSも買えなくなる危機の瀬戸際にあったわけだ、私は。君は俺に死ねって言うのか!

☆:死になさい。って言うか、これを機会にやめた方がいいんじゃないですか、競馬。全然当たんないじゃないの。なんか、見ていて痛々しいし。

上:やかましいわ!馬券収支はともかく、私には私の競馬レポートを待つ読者に対する責任というものがあるのだ。WEBがなければ、そもそも、この駄文だって、かんべえ先生にメール送信できなくなるわけだしさ、とにかくWEBは文字通りのLIFE LINEなのだ。

☆:誰も待ってないよ、こんな文章。送りつけられる、かんべえ先生だって内心迷惑なんじゃないの?

上:。。。すぐ、そういう実もふたもないことを。くそう、株価は1万円を割り込むし、為替は90円を切っちゃうし、中日は優勝逃しちゃうし、寒すぎるぜ、最近の世間は。

☆:寒いのは、あんたの文章だろが。


11R 第43回スプリンターズステークス(GI)
1200m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ヤマニンエマイユ 55.0kg 田中 勝春  
1 2 アルティマトゥーレ 55.0kg 松岡 正海
2 3 トレノジュビリー 57.0kg 岩田 康誠  
2 4 キンシャサノキセキ 57.0kg 三浦 皇成
3 5 マルカフェニックス 57.0kg 福永 祐一  
3 6 グランプリエンゼル 53.0kg 熊沢 重文
4 7 シーニックブラスト 57.0kg M.ザーラ  
4 8 アイルラヴァゲイン 57.0kg 津村 明秀  
5 9 ビービーガルダン 57.0kg 安藤 勝己
5 10 ソルジャーズソング 57.0kg 内田 博幸  
6 11 プレミアムボックス 57.0kg 鮫島 良太
6 12 カノヤザクラ 55.0kg 小牧 太  
7 13 ローレルゲレイロ 57.0kg 藤田 伸二  
7 14 サンダルフォン 57.0kg 四位 洋文  
8 15 アーバニティ 57.0kg 横山 典弘
8 16 アポロドルチェ 57.0kg 勝浦 正樹


☆:。。。。で、09年秋のG1第一段スプリンターズSの予想な訳ですが、一番人気・二番人気がそのまま◎○なんて、なんか、先生にしてはずいぶん大人しい予想ですな。なんか、若手を排除した民主党の組閣並みの安全運転じゃないですか。最初はやはり当てたいと?

上:あんな経済音痴な政党と一緒にするな!大体、亀井静香なんてトンデモなおっさんを経済閣僚に任命する政権のどこが安全運転なんだ。滅茶苦茶酒気帯びやないかい!

☆:いきなり、何怒り出してるんです。

上:怒るわい!あのおっさんのせいで、株価は総崩れだし、財務大臣が余計なこと言うから今やレートは89円やぞ。売るに売れない自社株抱え、あまつさえ外貨で給料もらってるこっちの身にもなってみろっての!本当にこいつら東大出てるのか?って言うか、かんぽの宿でけったいな「正義」を振りかざした鳩山弟といい、東大法学部というのは経済馬鹿の巨大製造マシーンなのではなかろうか。

☆:恐ろしいことに亀井さんは経済学部ですよ。それに、かんべえ先生は、あれをプロレス的パフォーマンスととらえてるようですが。

上:プロレス馬鹿にすな!ハンセンが聞いたら怒りのラリアットが炸裂するぞ。あれはそう言う文脈で解釈するよりは、どっかの仕手筋とつるんで株価操作やってると言われた方がよっぽどしっくり来るのだ。くそう、ふざけやがって、中日が優勝を逃したのも、きっと、こいつらのせいに違いない。

☆:くだらない八つ当たりはやめて、スプリンターズSの話をしましょうよ。先生の怒りとは裏腹にやはりこの予想は、覇気に乏しいというか、圧倒的な安定感を誇ったスリープレスナイトが突然引退して、本命不在の大荒れ期待に走るかと思ってたんだけど、やっぱりWEB騒動の余波で投げやりになってません?

上:そんなことないよ。そりゃ確かにスリープレスがいればこれは明確な馬券の軸ではあったんだけど、そのスリープレスを圧倒したアルティマトゥーレの前走はこれは本当に凄まじかったわけで、スリープレスの後継者を名乗るにふさわしい逸材ではないかと素直にそう思っているわけです。土曜雨が降ったせいで、当日は良まで回復するにしても高速馬場にはほど遠い可能性が高く、そう言う意味でも内枠を引いた先行馬である彼女が圧倒的に有利なわけだ。まぁ、不安があるとすると、関東馬のくせにこれが中山初出走であることと、騎手の松岡がG1で一番人気の馬に乗るなんてのは初めてな訳で、そのプレッシャーを克服できるかということだね。

☆:で、○指名のビービーガルダンもそう言う先行馬優位の文脈からもたらされた結論であると。

上:君も分かってきたじゃないか。

☆:でも、そういう理屈なら高松宮記念を逃げ勝ったローレルゲレイロだって無視できないでしょうに。

上:ちょっと外枠過ぎるのよ、彼は。確かに怖い存在だけど最近負けすぎだし。来ないと思うぞ。

☆:でもねえ、アルティマトゥーレ◎でビービーガルダン○だと、配当安いですよね。やっぱり覇気に乏しいと言うか何と言うか。。。

上:だから、ひも荒れ狙いでアーバニティーとかプレミアムボックスとかアポロドルチェとかいう差し馬にも印をつけてるでしょ。渋め残りの馬場では勝つまでは難しいとは言え、2着、3着は十分あるよ。特にアーバニティーなんて実力に比べて人気なさ過ぎ。1着アルティマの3連単だってアーバニティー絡みだと全部万馬券だしさ、アポロドルチェまで絡むとなんと4000倍の巨額配当!これさえあれば、円高株安で痛んだ金融資産の含み損を帳消しに出来るわけで、わはははは、嬉しいなあ。出でよ万券!

☆:。。。。。なんか、らしいと言えばらしいんだけど、これはこれで何と言うか。。。。やっぱ駄目だこりゃ。



上海馬券王



○今日の結果

<宝塚記念> @ローレルゲレイロ Aビービーカルダン Bカヤノザクラ




○かんべえのつぶやき


――秋のG1シリーズ、ですなあ。本日の中山もかなりの人出でありましたよ。競馬はアルティマトゥーレとビービーカルダンの二強に人気が集中していましたが、ワシ的にはキンシャサノキセキとアーバニティあたりを狙いたくなるところです。でも、ローレルゲレイロとはねえ・・・。あイタタタタ。

――ところで競馬の予測については、
この人もなかなかでありますぞ。今日は外れてますけどね。

――来週は毎日王冠に京都大章典という渋いところがあります。ここを過ぎるといよいよ秋本番というもの。お互い、心行くまで競馬を楽しみたいものであります。









2009年上半期のレース


2008年上半期のレース  2008年下半期のレース


2007年上半期のレース  2007年下半期のレース


2006年上半期のレース  2006年下半期のレース


2005年秋のG1シリーズ  2005年春のG1シリーズ 2005年冬〜春のレース


2004年秋のG1シリーズ 2004年春のG1シリーズ 2004年冬〜春のレース


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by Tatsuhiko Yoshizaki