●上海馬券王のページ


上海馬券王がJRAのレースに寄せる「情熱と冷静の言葉」


2008年 上半期のレース考






6月29日(日)

☆:これより上半期予想おおはずれの一件に関し詮議を致す。一同の者、面(おもて)を上げい。さて、上海屋馬券衛門、その方、「馬券王」などと分不相応な肩書きを名乗り、本年上半年「ぐれいどわん競争」の予想を行うも、ことごとくこれをはずし、読者に多大な損害を与えたること、まこと相違ないか?  

上:畏れながらお奉行さま。手前には何のことか、全く身に覚えがない始末でございまして。  

☆:ほほう、それでは、「NHKマイル」「東京優駿」において芝競争にもかかわらず、「だーと馬」を本命認定することで衆を惑わし、あまつさえこれらがすべて最下位となったことも知らぬと申すのじゃな。  

上:ほほほ、何をおっしゃいます。NHKマイル、東京優駿とも軸不在、本命不在。混迷する競馬界の現状ゆえ止むに止まれず行った選択でございまして手前などむしろ被害者なのではないかと。  

☆:それでは「ヴィクトリアマイル」において圧倒的一番人気の「うおっか」を◎にしながら、これが二着にヘタレたのはどうじゃ。申し開きの余地もなかろうに。  

上:畏れながら、お奉行様、それはきっと「遊び人の武さん」なるならず者の仕業でございましょう。それが証拠に、ほれ。  


○武豊 背信の系譜

           武豊騎乗馬 勝ち馬
    レース 頭数 馬名 人気  結 果 馬名 人気
フェブラリーS 16 ヴァーミリアン 1 1 ヴァーミリアン 1
高松宮記念 18    -  -  騎乗なし ファイングレイン 4
桜花賞 18 ポルトフィーノ  -  出走取消 レジネッタ 12
皐月賞 18 ブラックシェル 2 6 キャプテントゥーレ 7
天皇賞(春) 14 メイショウサムソン 2 2 アドマイヤジュピタ 3
NHKマイル 18 ファリダット 2 5 ディープスカイ 1
ヴィクトリアマイル 18 ウオッカ 1 2 エイジアンウインズ 4
オークス 18 マイネレーツエル 9 9 トールポピー 4
東京優駿 18 ブラックシェル 6 3 ディープスカイ 1
安田記念 18 スズカフェニックス 4 5 ウオッカ 2

   本年勝率22%、連対率35%、複勝率47%、押しも押されぬトップジョッキーの彼がことG1に関してはこの体たらく。人気を裏切り続けるのみならず内容も最悪で、高松宮をパスしてドバイに行けばヴァーミリアンは惨敗だし、袂を分かったウオッカが岩田に変わって安田記念は圧勝だし、いやあ本当に非道い男でございますなあ、武豊なる遊び人は。  

☆:今度は騎手のせいとな。その「うおっか」にしてもその方が桜花賞で本命にした「とーるぽぴー」なる馬にしても、その方が次走◎をはずした途端激走するのは一体いかなる悪魔の計らいか。その方が◎の印を打つことによってその馬に呪いをかけておる、その方は邪悪極まりない呪術師であると吉崎屋達彦左衛門が申しておるが、申し開き出来るものならやってみよ。  

上:それって手前が教えていただきたいくらいなわけでございまして。一体何なんでしょうねえ。思い起こせば今年からNHKのハイビジョンチャンネルが全G1競争を放映してくれてそれが上海でも自宅観戦できるようになったんで、それはそれで大変結構なんですが、なんか馬券をはずしたレースしか観戦できないというのも、それはそれで大変やりきれないと言うか、これって呪いとしか言いようがないというか。。。あ、そうかこれはNHKの呪いだったのか!そうか、そうに違いない!  

☆:やいやいやい!黙って聞いてりゃ言いたい放題好き勝手なことばかり抜かしやがって!てめえの悪事はなあ、下の表がすべてお見通しよ!目んたまかっぽじってよく見やがれってんだ!  



○上海馬券王 暴虐の系譜

           馬券王◎指名       勝ち馬
レース 頭数 馬名 人気 結果 馬名 人気
フェブラリーS 16 ブルーコンコルド 7 2 ヴァーミリアン 1
高松宮記念 18 スーパーホーネット 3 5 ファイングレイン 4
桜花賞 18 トールポピー 1 8 レジネッタ 12
皐月賞 18 サブジェクト 14 10 キャプテントゥーレ 7
天皇賞(春) 14 トウカイトリック 9 7 アドマイヤジュピタ 3
NHKマイル 18 リーガルスキーム 11 18 ディープスカイ 1
ヴィクトリアマイル 18 ウオッカ 1 2 エイジアンウインズ 4
オークス 18 レッドアゲート 2 6 トールポピー 4
東京優駿 18 サクセスブロッケン 3 18 ディープスカイ 1
安田記念 18 グッドババ 3 17 ウオッカ 2

☆:。。。。。。。  

上:。。。。。。。  

☆:。。。。。。。しかし、本当に当たっておらんな。  

上:。。。。。。。そうっすね。  

☆:当たっておらん。とことん当たっておらん。犯罪的なまでに当たっておらん。悪魔も涙ぐむほど当たっておらん。  

上:あのう、あんまり当たってない、当たってないって言わないでくれません?平場のレースは黒字だし、G1だって一応フェブラリーの馬券は当たってるんだから。  

☆:黙りおろう!上海屋馬券衛門、本命を打った馬をはずしまくるだけでは飽き足らず、その馬の殆どに惨敗をもたらす死神にも等しきその方の所業、不届き千万。よって上海遠島の上、秋口まで馬券予想の禁止を申し付ける。これにて一件落着!  

上:あのう、もうすぐ北京オリンピックあるんすよね。色々面白い話題にも事欠かなさそうで、今年は夏競馬に引っ掛けてレポートなんぞ投書しようかなんて思ってたんすけど。  

☆ええい、そのような投書をしても読む者など、どこにもおらぬわ!引っ立てい!  

♪お江戸の空に春を呼ぶぅ ちょっとやくざな上海ざくらぁ  (チャンカチャンカ)    

 

10R 第49回 宝塚記念(GI)
2200m 芝・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 インティライミ 58.0kg 佐藤 哲三  
2 2 メイショウサムソン 58.0kg 武 豊
3 3 フォルテベリーニ 58.0kg 鮫島 良太  
3 4 アルナスライン 58.0kg 和田 竜二
4 5 サクラメガワンダー 58.0kg 福永 祐一  
4 6 アドマイヤオーラ 58.0kg 安藤 勝己  
5 7 アドマイヤフジ 58.0kg 川田 将雅  
5 8 ロックドゥカンブ 57.0kg 岩田 康誠
6 9 エイシンデピュティ 58.0kg 内田 博幸
6 10 ドリームパスポート 58.0kg 蛯名 正義  
7 11 アサクサキングス 58.0kg 四位 洋文
7 12 カンパニー 58.0kg 横山 典弘  
8 13 アサカディフィート 58.0kg 小牧 太  
8 14 エアシェイディ 58.0kg 後藤 浩輝  

  ウオッカ、ダイワスカーレットと言うJRAの2大看板と、変則2冠のディープスカイ、天皇賞で大物振りを見せ付けたアドマイヤジュピタがそろって回避のグランプリ。見る分には華やかさは欠けますが、それでも中距離の実力どころが勢ぞろいである意味分かり易いレースになりました。(とは言え、これだけはずしまくると、印を打つのも手が震えるんですが。)  

予想は重前提です。上海は金曜から土曜にかけてバケツをひっくり返したような土砂降りになりまして、前線が停滞してるんでこれがどれくらい日本に影響するのかは不明なんですが、それでも相当渋るんじゃないかと。直線の短い阪神の内回りコース、しかも馬場が重となると、これはもう完全な先行優位で、追込み馬は壊滅、差馬も相当な不利は免れず、よって上記の印になるわけです。  

一番人気のメイショウサムソンは今年の天皇賞春で久しぶりに「らしい」レースをしてくれましてこれは完全復調と考えてよいと考えます。格から言っても展開から言ってもこの優位は動かないんじゃないかと思うんですが、問題はG1インケツ状態の武が騎乗し、私が◎をつけたという、ダブル死神憑依状態であると言う事で、うーん、これは我ながら興味深い選択だ。(どれだけ死神に憑依されても3着以内は堅いと思うんだけどね)  

この他の先行馬ではロックドゥカンプ、エイシンデピュティ、アサクサキングスが強力。エイシン、アサクサとも今年の産経大阪杯で牝馬ダイワスカーレットに完敗している(アサクサに至っては去年のダービーで牝馬ウオッカにも惨敗している)ことからロックドゥカンプを○としますが、実際はそんなに差はない印象で騎手の騎乗と展開次第で順番が入れ替わることも十分あり。  

去年の菊花賞二着馬アルナスライン、菊花賞で大儲けさせてもらったことから「心の友」認定している彼が今年に入っても着実に実績を積み重ねていることは本当に喜ばしく、内心では彼を応援してます。ただ、差馬で重の経験がない、あまつさえ騎手が若干軽量級ということから勝つにはちと苦しいというのが、客観的な判断。良馬場なら迷わず◎を打ってたんですが、まぁ、死神の私があまり騒ぐのもよくないでしょう。ここは「注」扱いとして密かに見守ろうかと思います。    

上海馬券王  



〇今日の結果

<宝塚記念> @エイシンデピュティ Aメイショウサムソン Bインティライミ



〇かんべえのつぶやき

――メイショウサムソンはやっぱり届きませんでしたね。2位じゃないかなあ、と思ったとおり。武豊のスランプは深刻でありますな。というより、ここは素直に逃げ残ったエイシンデピュティを褒めるべきかもしれません。

――馬券王先生はだんだん「逆神」になりつつあるようですが、これはこれで予想を読む側からすればありがたい話であります。今週の「遠山の金さん」編も新趣向でよろしいではありませんか。秋のG1レースもこの調子でお願いいたしますよ。それから「北京五輪特別編」も大歓迎ですからね。





6月8日(日)


えー、中国は月曜に新たに制定された端午節休暇があり3連休なわけですが、わたくし、例によって訪問者殺到で土曜と月曜は出勤なわけです。よって今回は簡単に。

 

11R 第58回 安田記念(GI)
1600m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ハイアーゲーム 58.0kg 内田 博幸  
1 2 キストゥヘヴン 56.0kg 勝浦 正樹
2 3 エイシンドーバー 58.0kg 福永 祐一  
2 4 ニシノマナムスメ 56.0kg 吉田 隼人  
3 5 ウオッカ 56.0kg 岩田 康誠
3 6 オーシャンエイプス 58.0kg 吉田 豊  
4 7 グッドババ 58.0kg O.ドゥルーズ
4 8 ジョリーダンス 56.0kg 安藤 勝己  
5 9 アイルラヴァゲイン 58.0kg 松岡 正海  
5 10 コンゴウリキシオー 58.0kg 藤田 伸二  
6 11 スーパーホーネット 58.0kg 藤岡 佑介
6 12 ドラゴンウェルズ 58.0kg 鮫島 良太  
7 13 ピンクカメオ 56.0kg 蛯名 正義  
7 14 エアシェイディ 58.0kg 後藤 浩輝
7 15 ブリッシュラック 58.0kg B.プレブル  
8 16 アルマダ 58.0kg D.ホワイト
8 17 スズカフェニックス 58.0kg 武 豊
8 18 ドリームジャーニー 58.0kg 池添 謙一  

  うううううううう、先週のダービーで敢然と◎指名したサクセスブロッケンが勝つどころか最下位となったわけで、さすがに心がいたいけな状態にあるわけです。  

いや、言い訳をさせてもらえば、今年は全体としてはプラス収支で調子がよいのであります。でもG1に限っては最初のフェブラリーで一発当てて以降は完璧オケラ状態なわけで、NHKマイルで◎にしたリーガルスキームも最下位だし、なんか選ぶ馬、選ぶ馬がすべて不甲斐ない結果しか残していない。ここまで来ると我ながら凄すぎますな。なんか馬が悪いんじゃなくて私が印をつけた時点にさかのぼってその馬の敗北が決定付けられた、そんな印象すらあるわけで、既にこれは神の領域ではありますまいか。神は神でも死神なんですけど。。  

死神である、言う理屈からすると、本日のレースも上記の印をはずして買うのがよいということになるんですが、でも不思議と今日は自信があるんだよね。   まず、◎のグッドババ。ダイワメジャーが引退し、一挙に弱体化した感じがある日本のマイル路線に対し、彼は現在香港で5連勝中(G1を4連勝中)ということで、香港勢の過去の安田記念の実績を加味して考えると、これは今回のメンバーでは完全に格上認定が相当です。それなのに現在4番人気というのは、国際レースゆえの地元びいきが災いしていると言うことで、はっきりお買い得なわけですな。  

ダイワメジャーなきあとの日本のマイル・エースは誰か?最近の実績からスーパーホーネットと皆さん考えているようで、事実彼が1番人気なんですが、私はスズカフェニックスなんじゃないかと思っています。今年に入ってまだ勝ち星がないんですが、負けたレースはいずれも「負けて尚強し」な内容で、騎手変更とか出遅れとか様々な不利を跳ね除けて最後の直線だけで馬券に絡むところまで追込んでいるわけでこれはたいしたものです。問題は騎手の武豊が私同様G1に限ってはフェブラリーS以外泣かず飛ばずの死神状態にあるということで。。。。  

スーパーヒロインのウオッカ。彼女がヴィクトリアマイルを勝てなかったというのは未だに信じられません。これは武が悪いのか、◎にした私が悪いのか。今回国際G1と言うことで条件はぐっと厳しくなりますが、府中で大崩れしたことのない馬だけに馬券に絡む可能性は大変高いと考えます。ただあまりにも強行軍が続いているゆえ馬体重には要注意。  

一番人気スーパーホーネットも去年の秋から急に実力をつけてきてまして、新エース誕生の可能性なきにしも。ただ、基本的にこの馬は1400mの馬じゃないかと思います。府中の1600mでどうか。この他では調教タイムが異常によかったエアシェイディとキストゥヘブンンを穴指名。  

上記はすべて良馬場前提の予想です。上海は昨日バケツをひっくり返したような土砂降りになったのですが東京は大丈夫でしょうかね。天気予報では良確定なんですが、一抹の不安も感じるところ。何と言っても死神状態なわけですから、私。    

上海馬券王      



〇今日の結果

<安田記念> @ウオッカ Aアルマダ Bエイシンドーバー



〇かんべえのつぶやき

――ウオッカ強い。つよい。牡馬を尻目に3馬身半のブッチギリ。この牝馬、恐ろしくつおい。言葉も出ないようなレースでありました。ヴィクトリアマイルでの2位は、やはり騎乗の武豊が悪かったということになるのでしょう。お見事、岩田騎手。

――毎回思うんですが、このレースはもう「アジアマイルカップ」にすべきだと思うんですよね。その方がアジアの頂点という感じになって、香港勢の強いところが毎年、ちゃんと来てくれると思うんです。でも「農林水産省典安田記念」としては、それでは都合が悪いのかな?





6月1日(日)


えー、皆様御存知の通り、上海と言うのは日本と目と鼻の先に位置しておりまして、東京から飛行機で行きは3時間、帰りなどは追い風が作用して2時間で着いてしまうという、とにかく大変な近場にあるわけなのであります。時差の関係で行きは2時間帰りは3時間のカウントになるのが面白いといえば面白いのですが、それはさて置き、このくらい近いと実質国内移動と大差がないということで、大量の人々が日本から上海を訪れるわけですな。日本の航空会社にとっても上海便はドル箱路線で、JALなどこの路線のおかげでかろうじてその業績再建スキームに説得力を持たせる事が出来ているのだとか。  

でもねえ、航空会社にとっては良い事ずくめのこの現象も、上海に暮らす現地駐在員にとっては迷惑この上ないのであります。なまじ近いということで意味もなく多くのお客さんがやってくる、それも結構な役職の方々が波状攻撃で。そりゃ来る方にとっては年に一回とか2回なんでしょうが、とにかく、ありとあらゆるお偉方がなまじ近いと言う理由でこの地を訪問するようになると、受け入れる方は、その業務の80%をこの応対に割かざるを得ないわけで、これは私のような社交性のない人間にとって地獄以外の何者でもありません。  

昔はそれでもよかったのです。片道2時間と言いながら、日本から来訪する時は成田と言う不便この上ない空港を利用せざるをえなかったわけで、国内移動に2時間以上を費やさざるを得ない心理的なプレッシャーがあまたいるエグゼクティヴ達に上海渡航を思いとどまらせていたのです。ああ、それなのに、それなのに去年から羽田上海便というのが就航し、日本から来る方々の心理的呪縛を解き放ってしまったではないか。それ以降訪れる人の増えたこと増えたこと。便利なだけあって羽田便と言うのは料金が高い。成田便より30%程度は割り増しなんですが、そんなこと誰も気にしないですね。だってエグゼクティヴなんだもん。JALの経営再建にますます拍車がかかりそうなこの状況の陰に隠れ、涙を流しているのは決して私だけではないでしょう。  

え、お前は一体さっきから何をわめいているのだって?いや、だから、お客さんが大量に来襲したおかげで私はこの神聖なるダービーウイークの週末を全部潰され、競馬が出来ないのだと言うことを声を大にして申し上げたいわけなのです。よって今回は簡単に。    

10R 第75回 東京優駿(GI)
2400m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 ディープスカイ 57.0kg 四位 洋文  
1 2 サクセスブロッケン 57.0kg 横山 典弘
2 3 ブラックシェル 57.0kg 武 豊  
2 4 タケミカヅチ 57.0kg 柴田 善臣  
3 5 アグネススターチ 57.0kg 赤木 高太郎  
3 6 モンテクリスエス 57.0kg 福永 祐一  
4 7 スマイルジャック 57.0kg 小牧 太  
4 8 アドマイヤコマンド 57.0kg 川田 将雅  
5 9 マイネルチャールズ 57.0kg 松岡 正海  
5 10 レインボーペガサス 57.0kg 安藤 勝己  
6 11 レッツゴーキリシマ 57.0kg 幸 英明  
6 12 サブジェクト 57.0kg 吉田 豊  
7 13 ベンチャーナイン 57.0kg 武士沢 友治  
7 14 エーシンフォワード 57.0kg 和田 竜二  
7 15 フローテーション 57.0kg 藤岡 佑介  
8 16 メイショウクオリア 57.0kg 岩田 康誠  
8 17 ショウナンアルバ 57.0kg 蛯名 正義  
8 18 クリスタルウイング 57.0kg 内田 博幸  

  神聖なるダービーウイークと言いながら、今年の3歳と言うのは結局どんぐりの背比べで、傑出した存在と言うのが見当たらないまま本番を迎えてしまったわけで、馬券を買うモチベーションにも大いに欠ける所でありますが、よく見るとダート路線はとんでもない才能がいるんだな、これが。  

具体的には日本時間の明日、アメリカで最後の3冠レース・ベルモントSを戦うカジノドライヴ、そして明日始めて芝のレースを走るサクセスブロッケンはこれまで他馬につけてきた着差が半端ではなく、勝ちっぷりだけで言うとディープインパクトをしのぐ才能と考えます。この2頭が雌雄を決するにふさわしい舞台が日本にはないと言うのが残念でならないのですが、世界最高峰に挑むカジノも専門外の舞台で日本最高峰に挑むブロッケンも頑張って欲しいですね。  

同じ論法でNHKマイルで一押ししたリーガルスキームが結果は最後着であったように、ダートでいくら強くても芝はその限りではないと言うのは分かってますし、実際惨敗する可能性も大変高いのですが、それでもダービーを勝つ馬と言うのは「抜けた」存在でなくてはならず、今回のメンバーでその資格があるのはサクセスブロッケンだけと考えます。買い目は彼を軸にした馬単及び馬連総流し。驚くべきことにこんな買い方ですべて高配当になります。JRAの特別配当レースと言うのもあるんでしょうが単勝3番人気にもかかわらず、全然信用がないですね。でも、こういう存在が勝てないようだと日本の競馬に未来はないぞ。    

上海馬券王        



〇今日の結果

<東京優駿> @ディープスカイ Aスマイルジャック Bブラックシェル



〇かんべえのつぶやき

――最後の直線、ディープスカイが思い切り駆け抜けていきました。お見事でした。NHKマイルとダービーの連荘は、キングカメハメハ以来の快挙。そして四位騎手はダービー2年連続勝利の快挙です。レースはずっと後方に控えていて、4コーナーでは進路がなくて大外に出したように見えたのですが、それでも十分に届いてしまうのだから大変なものです。

――3番人気に推されたサクセスブロッケンはなんと最下位。馬券王先生、どないしましょ。やっぱりお仕事に没頭されたほうが良かったのではないのかと・・・。





5月25日(日)

上海馬券王の人生相談  

A LAMENT OF AN OJUKEN MAMA  

御存知エアグルーヴさんからのお便り    

Q:親子三代の夢が。。。。。  

先生お久しゅうございます。わたくしエアグルーヴでございますことよ。 え、「お前は誰だ」ですって?きぃいいい!これだからパンピーは!よろしいこと?わたくしの祖父はJRAの大立者ノーザンテースト公爵、母は樫の木の女王ダイナカール、父は凱旋門の英雄トニービン子爵と言う、まさに名門中の名門、華族の中の華族、本来ならあなたのような、なけなしのお金をどぶに捨てまくってる3流馬券士なんか。。。。え?「その前口上は殆どマンネリなんでさっさと本題始めろ」ですって?なによ、それじゃ、あたくしが誰だか存じ上げてらっしゃるって事じゃないの。きぃいいいいいいい!この賎民!ヘタレ馬券士!人を馬鹿にするのも大概にするがよろしいわ!予想するレースと言うレース全部はずしておきながら、そんな無礼な世迷言を垂れ流すのはどの口ざますか!
 

とにかく、話を聞くざます。相談と言うのはあたくしの子供のことでございますの。そもそも長女のアドマイヤグルーヴは名門グルーヴ家の跡継ぎとしてこれまで頑張ってまいりましたの。そりゃあ、「女傑」と言われたあたくしから見ればまだまだ物足りない所はございましたけど、それでも「さすがグルーヴ家の御令嬢」と上流階級の皆様が認めてくださるような成績は収めてはくれましたの。ところがその後がさっぱりで。。。。。。。。え、「次女イントゥザグルーヴ、長男サムライハート、次男ザサンデーフサイチの成績が極めて悲惨で不甲斐なさ過ぎる件については、これまで何度も論述済みである。よって、手っ取り早く本題に入れ」ですって?きぃいいいいいいいい!下手に出てればつけ上がるお前は一体何様ざます!この、禁治産者!三流馬券士!今からでも遅くないから震災で押しつぶされて、おくたばりになるがよろしいわ!  

とにかく相談とは三女ポルトフィーノのことざます。次女以降が不甲斐なかった分、とにかく三女には本当に期待しておりましたの。幼稚園(新馬戦)をダントツでトップ入園し、家庭教師の武豊なぞ「これはアドマイヤグルーヴちゃんを上回る才能です。」なんてもてはやしていたもので、あたくしもすっかりその気になっていたざます。ああ、それなのに、それなのに。この娘もとんでもない根性なしで、筋肉痛だとか熱があるとか色々な理由をつけては半年以上も自宅に引きこもり、今年になってようやく学校に通いだしたと思ったら、今度は足が痛いとか駄々をこねて名門桜花女子中学の受験を直前になって欠席する有様で。。。。きぃいいいいいい!敵前逃亡者!一族の面汚し!お前なんか産むんじゃなかったわ!  

先生、桜花女子高の件はあたくしもあたくしの母も縁がなかったことですしまだ我慢ができますの。でも、母子2代で制覇した名門「樫の木女学院」。これだけは絶対譲れない、ここをトップ合格することはグルーヴ家の厳かにして神聖な義務なんざます。だから三女にも「過去は不問に付すからとにかく樫の木女学院の受験に命を賭けるざます」ときつく言い渡したのでございます。出来がよかった長女でもかなわなかった樫の木女学院のトップ合格を三女ならかなえてくれる、そう信じて疑わなかったざます。ああ、それなのに、それなのに、三女ときたら脚の痛みがひどくなったので受験はしない、秋まで療養するなんて言いだして自宅でゲームばっかりやってる有様で。。。。。  

きぃいいいいいいい!この日和見!敗北主義者!やっぱりおまえなんか産むんじゃなかったわ!  

先生、親子三代の樫の木制覇は一族の悲願なんざます。脚が痛いからって何だと言うのよ!一族に流れる血の重みをグルーヴ家の娘が理解しないなんて、これは一体どういう冗談ざますか!あたくし、悔しくてせつなくて悲しくて気が狂いそうですわ!名家没落を目の当たりにし、おののくあたくしは一体どうしたらよろしいのかしら。    

A:お答え  

いやああ、やってくれますねえ、ポルトフィーノちゃん。ひ弱とは知っていましたが、まさかここまでとは。桜花賞で「脚が痛い、将来のある馬だからここは自重する」なんて言っておきながら、肝心のオークスは骨折で回避ですか。「一体どこが自重やねん」と突っ込みたいところですが、ここまで徹底したひ弱さ加減を目の当たりにすると、ある意味さわやかと言うか、もう突っ込む気すらなくなってきます。今年のオークスのメンバーみても去年ほど強いのはいないし仮に出てれば、それなりにチャンスもあったような気がしてたんですけどね、でも回避ですか、そうですか。  

ここまで出走回避が続くと、これはもう「芸」の領域ともなってまいります。娘さんは立派な芸風を確立されたと言うことで、これはこれで結構なことなのではないでしょうか。そもそも、「愚行も徹底すれば美学足りうる」というのは昔からありまして、例えば70年代にQUEENという伝説のロックバンドがあったのですが、そこのボーカリストのフレディ・マーキュリーさんというのは、これはもう徹底して下品で最悪なゲイファッションとパフォーマンスを繰り広げた挙句、エイズと言う説得力抜群な病気で死んじゃったわけで、勿論彼自身は超一流のボーカリストではあったのですが、このように徹底した下品さがなければQUEENが後世に名を残すロックバンド足りえたかは、はなはだ疑問なわけです。  

同様に柔道の田村亮子さんの結婚式と言うのも凄かったそうですな。残念ながら私は見ていないのですが、見るもの全員が赤面し、目をそらしたくなるような愚劣な演出をこれでもかこれでもかと炸裂させまり、居合わせた人は突っ込みどころのあまりの多さに批判する気も起こらなかったのだそうで、やはり「徹底する」というのは大事なことと言わねばなりません。恥知らずな行為と言うのは、行為の主体が恥らいながらやると最悪ですが、仮にその主体が恥を恥とは全く考えず徹底してこれを繰り返した場合、これは恐るべき武器となるのであります。そう言えば小沢民主党の恥知らずな大衆迎合ぶりと、見るものが赤面したくなるような経済音痴ぶりと言うのも、すでにその領域に入っているような気がしてきましたな。うーん、政権獲得の可能性は高いのだろうか。  

以上の理由により、ポルトフィーノちゃんに付きましては、お楽しみは秋以降となってしまったのですが、ここはいっそステップレースで強いのか弱いのか分からない勝ち方をして、本番はやっぱり回避と言うのが美学の面からは好ましい気が致します。まぁ、貴女のお嘆きも尤もではありますが、仮に彼女がこのままポシャっても、それはそれでいいではないですか。デビューを控えた貴女の下のお子さんって前評判が相当高いみたいですしね。今年デビューするフォゲッタブル君は買い物上手で知られるかのディープインパクトの金子オーナーが2億3千万も投じて手に入れた事を考えれば、これは相当やりそうな気がしますし(どうでも良いが名前の由来がよく分からん、普通はアンフォゲッタブルって付けそうな気がするんだけど)、今年生まれたお子さんは父ディープインパクトでこれもかなり評判になっているし、なんか、新馬戦のシーズンに貴女から自慢高々なお便りが舞い込みそうなそんな予感。まだまだ、このシリーズは貴女が主役ですって。え、「それでもデビュー待ちの2頭は牡馬であるゆえ、親子三代のオークス制覇は当分かなわない」ですって?そうかあ、残念!!  

と、言うわけで。。。。。。      

11R 第69回 優駿牝馬(GI)
2400m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 シャランジュ 55.0kg 横山 典弘  
1 2 ハートオブクィーン 55.0kg 幸 英明  
2 3 アロマキャンドル 55.0kg 田中 勝春
2 4 レッドアゲート 55.0kg 内田 博幸
3 5 ムードインディゴ 55.0kg 福永 祐一
3 6 エフティマイア 55.0kg 蛯名 正義  
4 7 ブラックエンブレム 55.0kg 松岡 正海  
4 8 マイネレーツェル 55.0kg 武 豊  
5 9 ライムキャンディ 55.0kg 四位 洋文  
5 10 レジネッタ 55.0kg 小牧 太
6 11 ジョイフルスマイル 55.0kg 吉田 豊  
6 12 ソーマジック 55.0kg 後藤 浩輝
7 13 スペルバインド 55.0kg 勝浦 正樹
7 14 カレイジャスミン 55.0kg 柴田 善臣
7 15 トールポピー 55.0kg 池添 謙一  
8 16 エアパスカル 55.0kg 藤岡 佑介  
8 17 オディール 55.0kg 安藤 勝己  
8 18 リトルアマポーラ 55.0kg 武 幸四郎

  明確な軸が不在で難解とは言え、それでも次週のダービーよりはまだ予想の取っ掛かりはありそうなそんなメンバー構成。具体的には勝つまでどうかと言うのはあれ、馬場が極度に悪化しない限りレッドアゲートとリトルアマポーラの3着以内はかなり有力なのではないかと考えます。レッドアゲートは前走が鮮やかでこれは相当強い印象。メンバー中唯一2400mを経験しているのも強みですな。リトルアマポーラは桜花賞で人気を裏切りましたが、これはひとえに武幸四郎の騎乗が万死に値するほどひどいものであったことによるもので、あれがなければ馬券には絡んでいたでしょう。さすがに幸四郎君も反省して同じようなことはもうないはずと信じこの2頭を軸にした3連複で勝負。

 
この他では、展開としてスローに流れた直線の決め手勝負というのは大いにありそうで、スイートピーSで凄まじい切れ味を見せ付けたアロマキャンドルとスペルバインドは要注意。馬場が渋りそうなのはマイナスですが、意外と勝つのはこういう馬かもしれません。あと無印にしましたがトールポピーは場体が戻っていれば怖い存在です。    

皆様の相談お待ちします。   

人生相談士  上海馬券王    



〇今日の結果

<オークス> @トールポピー Aエフティマイア Bレジネッタ



〇かんべえのつぶやき

――オークス馬はトールポピーでした。「ふーん」て感じですかね。今日は参戦するとしたら、かんべえの場合はIレジネッタからなんですけど、どっちにしろ大きくは勝てなかったでしょう。まあ、どっちにしろ今日は「買うレース」ではなかったようです。来週のダービーは大丈夫かなあ。

――ところで拙宅では、今頃になって液晶テレビを買ったのです。そしたらスポーツ報道が迫力抜群なのです。いやー、特に競馬の中継は横長画面がよいですな。芝の細かなところまでくっきりと見えるので、「見るレース」の満足度が上がっております。





5月18日(日)

えー、今週は中国海賊版事情の続編をやるなんて予告をしたのですが、皆様御存知の通り今中国中が地震で大騒ぎなわけでして、予定を変更し、上海地震情報など書いてみたいと思います。  

いやー、本当に驚きました。上海が揺れたのであります。震度2なのであります。アースがクエイクなのであります。地震が起きたとき私はオフィスビルの29階で会議をやっていたんですが、なんか眩暈がするな、睡眠不足が祟ったのかな、俺ももう歳だななんて思っていたら、同席のメンバー全員が同じ症状を訴える。はてこれはいかなることか、集団食中毒かなどと思ったら今度は床の方からミシって音がして建物全体が緩やかに振幅を始めたではないか。ひょえー!これはひょっとして。。。。揺れが続いたのは2分くらいでしょうか、結構長かったです。とにかく生きた心地もしないとはこのことです。  

え、「日本人の癖に震度2程度の揺れで何を大騒ぎしておるのだ、この根性なし!」ですって?  

何をおっしゃる。上海と言うのは揚子江が押し流した大量の土砂が固まった地盤の上に立地しており、火山性活動やプレート干渉とはまったく無縁の所なわけで、そういう場所に地震が発生したと言うこと自体があまりにショッキングなのだよ。なんかの書籍で読んだ記憶では過去100年間で震度1以上の揺れが観測された事実はないのだそうだし、実際現地の人は全員地震初体験(後で確認したら一人だけ「28年前に揺れたことがある」と主張している奴がいたな、ってお前まだ31歳だろ、本当に経験したのか?)で、会議室から職場に戻ったら全員恐怖のあまり一目散に逃げ出していてそこは無人状態だったわけだ。くそう、上司を見捨てて逃げ出すとはこの不忠者どもめが!  

え、「それでも震度2は震度2だろ?やっぱり何を大騒ぎしているのだ、この根性なし!」ですって?  

いや、だからですね、私が言いたいのは、このように地震を経験したことのない都市の建築と言うのは、地震を前提としない設計になっているのだと言うことなのです。建築ラッシュに沸く上海ですが、建物の建つのの早いこと早いこと。空き地で測量が始まったなと思っていたらあっという間にビルディングがその姿を形成し始め4ヶ月くらいしたらもう内装工事に取り掛かっているなんてのはざらでして、基礎工事なんか日本の半分以下の期間で終わらせているに違いないのだ。ビルだけじゃないぞ、上海に来た人なら皆が感じることだと思うけど、街を縦横無尽に駆け巡る高速道路の橋梁は日本のそれを見慣れたものからするとあまりにも細すぎて所在無げなのだ。こんな状況で震度3レベルの地震があると都市が半壊、死者数百万レベルの大惨事が起こるのではないか、とかねがね私は思っておったわけで、そこにあの揺れですからもう本当に怖かったのだよ。  

ああ、それにしても過去1世紀も揺れたことがない上海を揺らした四川省の地震エネルギーたるやいかほどのものだったのでしょうか。その後の情勢については日本でも詳しく報じられているようで、私も皆さん以上の情報を持っているわけではないのですが、以下現地で感じた諸事項をいくつか備忘録程度に書いておきたいと思います。  

@政府の対応が驚くほどすばやく適切であること  

今回びっくりしたのは地震発生から2時間程度で、国がこれを国家レベルの大惨事であることを認め、災害対策を最優先とする体制を構築したこと。軍や武装警察を大量に投入するのみなず、航空会社や建機メーカー等、民間会社も使えそうなところにはすべて強権を発動。北京に出張している友人に電話したら、「国内便の大型飛行機が対策で徴用され、小型機しか残っていないので上海に帰る便の出発が大幅に遅れている」とのこと。うーむ、如何にも独裁政権的な強権発動とは言え、やっていることは凄く適切だな。海外からの救援の申し出も極めて礼儀正しく受け入れているし、これって国の大きさや複雑さを考えた場合凄いことなのではないだろうか。サイクロン被害にあったミャンマーの軍事政権と比較するのはもともと失礼な話だし、日本に比べても阪神大震災のときの村山政権の対応なんかひどいもんだったし。    

A情報公開が極めて円滑であること  

政府の方針や対策内容は速やかに国民にアナウンスされています。中央電視台は一日中関連報道を流し続けているし、救助がうまく進まないこととか政府に都合の悪い話も素直に認めてるしで、隠し立てはあまりない感じ。どうしたんだ中共、君らしくないぞ。日本から来たハイパーレスキューのニュースも詳しく報道されていて、人々には極めて好意的に受けてめられています。私自身、何人かからお礼を言われた。いや、別に私が派遣したわけじゃないんですけど。。。まぁ、これを契機に対日感情が好転するのも悪い話ではないんですが、ネットを見るとこの前まで反日で盛り上がってた連中まで好意的なコメントをアップしてるのを見るとなんだかなあ。    

B民間の反応が感動的であること  

今回の震災に関し政府から大企業を中心とした民間に対し寄付の要請が通達されているんですが、一般大衆も個人レベルで積極的にこれに応じています。まぁ、私自身300元ほど寄付したんですが、驚くべきは月収2000〜3000元という人たちまで殆どが100元を寄付しているということ。100元というのは日本円に換算すると1500円程度なんですが、購買力平価で実質一万円くらいの価値はあるのではないでしょうか。東京のOLが阪神大震災のときに一万円寄付したなんて聞いたことないし、すごいなあ。昨日行ったナイトクラブでもホステス達が皆一律100元寄付したと言っていたし、この「100元」と言うのはある意味上海大衆の暗黙の相場であるらしい。寄付のみならず献血の呼びかけにも人々が列を作って応じているらしいし、この草の根レベルでの団結は一体なんなのだ。だって、こちらの人が極めて利己的で公共心が欠如してるっていうこれまでの経験則とは全く相反する現象なんだもん、この「心温まる」風景は。これって先日の聖火リレーのとき世界中を埋め尽くした中国国旗とベクトルを同じくするものなのか、それとも大都市において先進国的な公共心の萌芽が認められるということなのか。今のところ私にもよくわかりません。    

C中国大都市の建築が意外といけてるかもしれないこと  

軽度の地震でも半壊するかと思っていた中国建築なんですが、震度2の上海、震度3の北京ともに無傷。震災の発生地である四川省の首都、成都においても損害は極めて軽微と、中国において相対的に厳しい建築基準を課せられている大都市の損害は思いのほか少なかった。成都など人口が3500万ですからそこが半壊となるとしゃれにならないわけでまずはそのことを喜びたいと思います。意外といけてるのかもしれませんね、この国の建築基準も。    

Dそうは言っても。。。。  

政府の速やかな対応にもかかわらず、救助は遅遅として進んでおらず、不明者の生存がかなり厳しい状況となっています。現時点では政府と国民が一致団結してますが、被害の状況が明らかになるにつれ、国全体に重苦しいものが立ち込めてくるのは避けられないのではないでしょうか。被害復旧にかかる経済的な支出を誰がどのように負担するのか。中国人は大の豚肉好きで、これなしでは生きていけないのですが、それがただでさえ価格上昇して庶民の不満が高まっているいるところに、豚肉の一大供給地であるところの四川省が大きなダメージを受けたというのも近い将来しゃれにならない事態を招くことになるかもしれません。外交面では世界中から加害者として非難されていたこの国が今回の一件で一転被害者として同情を集めることになったわけで「災い転じて福」が期待できますが、内政面ではなんか難しい時期に入ったようで、こちらに暮らすものとしても注意が必要との思いが強くなっております。皆さん無事を祈ってね。

   

11R 第3回 ヴィクトリアマイル(GI)
1600m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 テンイムホウ 55.0kg 柄崎 将寿  
1 2 ブルーメンブラット 55.0kg 後藤 浩輝
2 3 ローブデコルテ 55.0kg 福永 祐一  
2 4 ジョリーダンス 55.0kg 安藤 勝己
3 5 ピンクカメオ 55.0kg 内田 博幸  
3 6 エイジアンウインズ 55.0kg 藤田 伸二  
4 7 タニノハイクレア 55.0kg 的場 勇人  
4 8 パーフェクトジョイ 55.0kg 池添 謙一  
5 9 ウオッカ 55.0kg 武 豊
5 10 アルコセニョーラ 55.0kg 田中 勝春  
6 11 トウカイオスカー 55.0kg 横山 典弘  
6 12 ヤマニンメルベイユ 55.0kg 柴山 雄一
7 13 ニシノマナムスメ 55.0kg 吉田 隼人
7 14 タイキマドレーヌ 55.0kg 北村 友一  
7 15 ベルモントプロテア 55.0kg 小野 次郎  
8 16 マイネカンナ 55.0kg 岩田 康誠
8 17 ベッラレイア 55.0kg 秋山 真一郎
8 18 レインダンス 55.0kg 武 幸四郎  

  いやあ、先週のNHKマイルで入れ込みまくって軸指名したリーガルスキームは連をはずすどころか最後着ということで、まことに面目ない。私は謝罪と反省を表明し、ここに懺悔するものであります。今でもあの馬は只者ではないと思っているのですが、あの日は私の入れ込みが伝染したのか馬自体もチャカつきまくりで、やはりこういうところで力んだ文章を書くとろくなことがないですな。よって今回は淡々と。  

3頭出ているG1馬がどれも一年前にG1勝ってから泣かず飛ばずな状態で波乱の可能性も十分とは言え一番人気ウオッカはやはりこのメンバー構成では負けてはいけない馬なんじゃないかと言う気がどうしてもします。2番人気に推されたニシノマナムスメはG1どころか重賞の勝ちもないわけでそんな馬に同じ斤量で負けるなんて日本の競馬にとっても許されることではないのではないか。もちろん不安材料はたくさんあります。ダービー以降それほどひどいレースをしたわけでもないとは言いながら勝ってないのは事実だし、G1で一番人気になった武は最近やたら期待を裏切る実績を積み重ねているし、なにより海外遠征帰りで体調が戻りきっていない懸念が一番不安。当日馬体が細っていたり、入れ込みがきつかったりしてなければいいのですが。。。  

去年のオークス馬・ローブデコルテ、NHKマイル馬・ピンクカメオが最近悪魔も落涙するような成績なんで、やはり「格」から言うとベッラレイアが2番手でしょうか。何といっても大豊作であった去年の3歳牝馬でダイワスカーレット、ウオッカに次ぐ大物認定を受けていた馬ですし、調子落ちじゃないウオッカに勝つまであるのはこの馬だけじゃないかと言う気もするんですが、問題はこの馬も長期休養明けで万全の信頼が置けないということで、やはりパドックの様子はよく見ておく必要があるでしょう。   結論:パドック次第ですがとりあえず、◎-○▲-○▲△注の三連単9点で    

上海馬券王



〇今日の結果

<ヴィクトリアマイル> @エイジアンウィンズ Aウオッカ Bブルーメンブラッド



〇かんべえのつぶやき

――きちんと見ていないんで、うかつなコメントをするのは避けたいのですが、やっぱり武豊の騎乗に問題があったんじゃないでしょうか。ここでウオッカが勝てないというのはちょっと・・・。去年のコイウタもそうでしたけど、「らしくないG1馬」がまたまた誕生した感があり。歴史の浅いレースだけに、そこは無理も無いところか。

――馬券王先生の地震体験報告を興味深く読みました。現地の受け止め方は、日本での報道とずいぶんちがいますね。中国はこれからどうなっていくのか、気になります。明日から日本も中国も雨だそうですが、かの地での二次災害が少ないことを心から祈りたいと思います。





5月11日(日)

えー、発展著しい中国におきましては様々な電化機器が爆発的に普及しているわけであります。少なくとも都市部ではTV、空調、冷蔵庫、洗濯機など一家に一台は当たり前、液晶プラズマ等の薄型TVの普及率などはひょっとしたら日本などより高いのではないかと思われるくらい、この国の(少なくとも大都市の)人々は大変高い生活水準を獲得するに至っているわけなのであります。ところが、そのような中国において全然普及しないものが二つある。それは何でしょう?  

一つは掃除機。畳やカーペットが主体の日本とは違い、家の構造がフローリング主体であるゆえ、バキューム型の掃除機をガンガン鳴らして掃除しなくても箒とモップがあれば事足りると言うのが大きいわけですね。まぁ、これは中国家庭が家の内装に金をかけるようになると変わってくるのかもしれませんが。

で、もう一つが録画機。中国のホームビデオで売れるのは再生専用機のみで、録画機と言うのが驚くほど普及しません。中国国産のソフトが異常につまらなくわざわざ録画するモチベーションに欠けるというのと、外に出れば海賊版が一枚7元(100円)前後で売っているというのがその理由ですな。  

実際この国の海賊版産業と言うのは、実に広大かつ奥深い。昔から道端や軒先でさまざまな海賊版が売られておったのですが、最近の上海ではちゃんとした店舗を構え営業するまでになっており、そこが大変にぎわっています。そこで扱う物品の数たるやこれはもう半端ではなく、映画、ドラマの類はもちろん、音楽、スポーツ、果てはヨガとかゴルフの教則DVDまでなんでもござれ。  

展示の物量だけでなく内容も凄いぞ。映画なんかだとハリウッドのメジャータイトルはもちろんのこと、タルコフスキーだとかモンティパイソンだとか、ベルイマンだとかのマニア向けアイテムまで揃っているし、音楽なんかだとRy CooderとかPeter GabrielとかSteve Hacketとか日本でも知らない人が圧倒的に多いアーチストの作品が平然と置かれている。一体誰が買うんだまったく、と思ってしばらくしてまた見たら在庫がなくなっているところを見るとちゃんと買う奴がいるんだな、これが。で、スポーツ欄を見ると「感動の奇跡2007〜中日ドラゴンズ日本一記念盤」なんてタイトルが。。。。一体誰が買うんだよ、まったく、って、涙流しながら私が買いました、すいません。  

このような状況を目の当たりにして、「著作権と言うものを完全に踏みにじるこの国の姿勢は許せない」と怒るのは大変尤もなことだとは思います。でもねえ、それで正されるほどこの問題はやわではないのだよ。だって、もともと「著作権」なんて概念がないこの国で、著作権と言うのを踏みにじっているのは政府ではなく国民なんだもん。フォイエルバッハ先生やマルクスおじさんに諭されるはるかに前からこの国の人たちは大変唯物的で、「形のないものにお金を出すのは死ぬより辛いこと」と考えているのだ。  

実際「国際社会」の非難を受け、現地の警察も何度か取締りと言うのをやっているのですが、手入れを受けると3日くらい休業してそれからまた営業再開と言うことの繰り返しで、全然効果が出ていない。まぁ、警察もポーズだけと言うのはあるんですが、事の本質は海賊版を求めているのが中国政府ではなく、あまたいる中国の唯物的な民草であり、唯物的な一般大衆がこれを求める以上、取り締まっても取り締まりきれないし、仮にこれを徹底的に締め上げると娯楽を奪われた庶民が暴発しかねないという事情があるわけです。  

それにねえ、いわゆる「著作権者」には由々しき問題である本件も、政治・外交・安保と言う観点から見たら必ずしも悪いことだけではないとも思うのです。私は。だって、  

@中国国産のソフトがつまらないから面白い海外のソフトを見る。

Aたかが娯楽作品とは言え、そこにはその国の色々な文化的背景が透けて見える。例えば「たかが」日本のアニメにだって日本のファッションや社会規範、恋愛や自由とかに関する中国にはない斬新な考え方を見出すことができ、そのような文化的背景がその作品の面白さと密接不可分な関係にあることを感覚的に理解し、そのような文化に憧れを抱くようになる。

Bそのような文化はしかし、政府の建前とは相反する部分が多い。でもこれって面白い。ひょっとして間違っているのは政府ではなどと考え始める。  

ということで、海賊版は立派な文化大使であり、啓蒙活動なのではないか。ODAで金出して国民に感謝してもらえない空港を建設するよりはるかに御利益があるのではないか。そう私なぞは考えるのです。まぁ、中国の場合行き過ぎているのは確かだし、著作者に一定の収益還元は行う必要はあるとは思いますが、仮に著作料を払うにしても著作の殆どが娯楽物であるところからその値段はその国々の大衆の小遣いでなんとかなる範囲に留めるべきじゃないでしょうかね。  

で、このような海外ソフトが海賊版足りえるには、当然中国語に翻訳した字幕が必要になってくるわけですが、中国における字幕事情と言うのもまた面白い。例えば日本アニメの翻訳においては。。。。と、いつの間にか紙数が尽きたようですな。この続きはまた来週。

   

11R 第13回 NHKマイルカップ(GI)
1600m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 サトノプログレス 57.0kg 横山 典弘
1 2 アンダーカウンター 57.0kg 小林 淳一  
2 3 スプリングソング 57.0kg 池添 謙一
2 4 レッツゴーキリシマ 57.0kg 幸 英明
3 5 ブラックシェル 57.0kg 後藤 浩輝  
3 6 エイムアットビップ 55.0kg 松岡 正海
4 7 ドリームシグナル 57.0kg 吉田 隼人  
4 8 サダムイダテン 57.0kg 岩田 康誠  
5 9 ディープスカイ 57.0kg 四位 洋文
5 10 アポロフェニックス 57.0kg 柴田 善臣
6 11 ゴスホークケン 57.0kg 内田 博幸
6 12 リーガルスキーム 57.0kg 安藤 勝己 ◎ 
7 13 セッカチセージ 57.0kg 田中 勝春  
7 14 ダノンゴーゴー 57.0kg 藤岡 佑介
7 15 ファリダット 57.0kg 武 豊
8 16 エーシンフォワード 57.0kg 福永 祐一  
8 17 アポロドルチェ 57.0kg 勝浦 正樹  
8 18 ダンツキッスイ 57.0kg 藤田 伸二  


  うーん、牡馬も牝馬も混沌としている今年のクラシック戦線なんですが、マイル路線もまたしかり。「はっきり言ってこいつが軸」っていうのがいませんねえ。おまけに降り続ける雨が本日の道悪を約束してまして、ピンクカメオで大波乱となった去年の再現も十分ありそうなそんな感じ。こういうときは思い切って先物買いをしてみようと思うわけです。  

で、本命が10番人気のリーガルスキーム。この馬、今年デビューして新馬・500万を圧勝していますが全然人気がない。いくらダート戦での戦績と言っても、ちょっと人気がなさ過ぎるぞ。レースの映像を見た感じでは相当強い馬だと思うんですけどね。  

@瞬発力と長くスピードを維持できる脚力がまず競走馬として魅力的  

A騎手の指示に即応する利口さも好印象  

Bアサクサダンディの回避で浮いてた安藤勝を捕まえたことも幸運 (どうでもいいけどあれほど持ち上げたサダムイダテンをあっさり袖にする安藤君も武豊並みの人非人ですな)  

C大とびの走り方で府中の芝に向いていそう。 (「芝でこその馬、なんで今までダートを走らせていたの」と安藤が言ったそうです。サダムイダテンを「これまで騎乗した最強の馬」とまで持ち上げた人が言うことなんで話半分とも思いますが、実際に映像を見ると確かにそんな感じ)  

D重馬場が向きそう (ダート馬が必ずしも芝の重に向くと言うもんでもありませんが、この馬の場合、ダートの良でも重でも圧勝してますからまず大丈夫でしょう)  

と、買う理由を見つけるときりがない。心配は距離が1ハロン伸びることだけですが、血統からまずこなせそうと言うことで久しぶりに応援し甲斐のある馬が出てきました。こういうところでダート馬を買っても裏切られることが多いんですが、今回はなんかマイネサマンサの時のような確信に近いものを感じます。3着以内どころかはっきり言って勝つまであると思います。本当に他に抜けた馬があるならまだしも今年のメンバーで何故こんなに人気がないんですかね。  

相手は色々印をつけましたが、重ということならサトノプログレスとレッツゴーキリシマが優位か。まぁ、単勝25倍の馬が軸なんで、ここから馬連総流しでもいいでしょう。どれを買っても万馬券ですし。(因みに馬単で買うほうが現時点では配当が低い。この馬の支持者が「はまれば1着」と考えている証拠ですな)    

上海馬券王  



〇今日の結果

<NHKマイル> @ディープスカイ Aブラックシェル Bダノンゴーゴー



〇かんべえのつぶやき

――「973万円!」という去年の印象が強すぎるのか、『みんなのケイバ』が「嵐のNHKマイル」と紹介しておりましたな。でも、意外と順当な結果でありました。薄いところのボックスで三連単を買った人、いっぱいいただろうなあ。

――馬券王先生も、ちょっくら「欲ふかモード」だったようですが、こういう展開は望んでいなかったでしょう。本当は「強い馬を見ること」が目的のはずなのですが、たまには「荒れて欲しい」レースもあるんですよねえ。





5月4日(日)


えー、中国で働いて感じることは休日があまりに少ないと言うことであります。日本だと正月休み、盆休み、ゴールデンウイークなんてものがあるだけでは飽き足らず、やれ春分だ、やれ勤労感謝だ、やれ敬老だ、やれ天皇誕生日だと祝日旗日を数え上げたらきりがない。大体なんですか、「海の日」というのは。海外暮らしが長いとこんなけったいな祝日があるとは知らなんだわい。  

中国の場合はですね、祝日というのはこれまで春節(旧正月)、労働節(メーデー)、国慶節(建国記念日)の三つしかなく、このときはそれぞれ1週間休めるのですが、それだって通常の土日を出勤日に振り替えての話であって、実際の年間就業日は日本より二週間以上長いのであります。これは通常のイメージとは裏腹に中国人の方が日本人なんかよりはるかに働いている(しかも日本人よりはるかに安い給料で)ことを意味しているわけで、中国の驚異的な経済成長率とか、生産性の高さとか、今までみんなが不思議に思っていた謎は、実はこういう部分で説明可能なのかもしれません。  

で、このような中国の休日事情も今年から異変が。個人消費の下支えを図ることを目的とし、これまで休日認定されなていなかった「清明節」「端午節」「中秋節」を新たに休日として設定するとの国策が発表されたのであります。おお、さすが中国のトップ官僚は優秀じゃ、GJ,GJと喜んだのもつかの間、よく見ると「その代替として従来の労働節は3連休(振り替え休日を入れて最大7連休)から単日休(振り替え休日を入れて最大3連休)とする」とあるではないか。  

なんじゃいこれは!差し引き一日休日を増やしたと政府は胸を張りたいのだろうが、俺は全然嬉しくない!細切れで休暇をもらうよりはまとめてドンともらったほうが嬉しいに決まってるではないか!だいたいこんな短い休暇じゃどこにも行けないし、個人消費が盛り上がるとも思えない。あー!そうか!「個人消費の下支え」なんて言いながら、その実これは景気過熱を冷ます為のインフレ対策だったのか。そうか、そうだったのか!  

まったく、この国の経済政策は最近おかしい。金利を上げるだけならまだしも「総量規制」とか称して銀行貸出を凍結し、企業の投資資金のみならず運転資金まで枯渇させるし、「労働法」なんてものを制定して労働市場の需給バランスは滅茶苦茶にするし、挙句の果てには使いでのある休日をなくして使い道のない休日は増やすし。これでは倒産夜逃げ企業が続出し、街には失業者があふれ、それにカルフール前で気勢を上げてる学生が便乗した結果、暴動焼き討ちが多発、武装警察の治安出動では収まらず、軍が介入、戒厳令布告と言う、この国のトップが最も恐れる状況=中国全土チベット状態が出現することも全くありえない話とは言えなくなってくるではないか。  

え、たかが休日で何を大げさなですと?いや、だってね、皆さんはゴールデンウイークの真っ只中にあるわけですが私は明日から出勤なわけです。競馬以外やることのない連休と言うのも十分たそがれるのですが、その競馬も出来ないというのは、これはもう激しく orz なのです。まぁ、企画していたチベット旅行が流れたと言うのはこういう状況を考えた場合結果オーライであったとは言えますが。。。。

   

11R 第137回 天皇賞(春)(GI)
3200m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 サンバレンティン 58.0kg 佐藤 哲三  
2 2 アドマイヤフジ 58.0kg 川田 将雅  
3 3 アドマイヤモナーク 58.0kg 安藤 勝己
3 4 ホクトスルタン 58.0kg 横山 典弘  
4 5 トウカイエリート 58.0kg 上村 洋行  
4 6 アドマイヤメイン 58.0kg 福永 祐一  
5 7 ドリームパスポート 58.0kg 松岡 正海
5 8 メイショウサムソン 58.0kg 武 豊  
6 9 ドリームパートナー 58.0kg 和田 竜二  
6 10 ポップロック 58.0kg 内田 博幸
7 11 トウカイトリック 58.0kg 幸 英明
7 12 アイポッパー 58.0kg 藤田 伸二
8 13 アサクサキングス 58.0kg 四位 洋文
8 14 アドマイヤジュピタ 58.0kg 岩田 康誠

  それにしても。。。   例年よりましとは言え、天皇の名を冠したレースにしては随分しょぼい顔ぶれです。大スターのダイワスカーレットやウオッカには見向きもされず、去年の有馬記念馬マツリダゴッホ、ひそかに期待していたアルナスラインやロックドゥカンプも回避で、これじゃはっきり言って「天皇特別」。  

G1馬の出走はわずか2頭でこれが格から1番人気と2番人気になっていますが、これだってはっきり言ってあてになりません。 一昨年の年度代表馬メイショウサムソンは去年の年末からあまりにも不甲斐ないレースの連続で、これでよく2番人気に推されたものだと思います。この馬の場合、勝負根性と精神力が持ち味だったのですが、昨年末からその持ち味が全く感じられない。要は「走る気がなくなっている」わけで、このタイプが一度やる気をなくすとモチベーションを取り戻すのは至難の業ではないでしょうか。他がしょぼいので3着くらいならあるかもしれませんが、2番人気じゃ無印にしたいです。  

一番人気のアサクサキングスもどうなんでしょう。牝馬のウオッカにダービーで大差をつけられた張本人であり、過信は出来ません。これならディープインパクトといい勝負をしたドリームパスポートの方が魅力があります。  

3番人気アドマイヤジュピター。阪神大賞典の勝ち馬は必ず天皇賞春では人気になるのですが、問題は21世紀以降このレースを勝って天皇賞春も勝った馬と言うのはかのディープインパクトのみということで、参考レースとして阪神大賞典の信頼性がかなり揺らいでいることを考えれば、人気との兼ね合いでお買い得感が乏しいのもまた事実です。  

結局、メンバーがしょぼく、格上認定馬も色々な死角を背負っているということで、印は「本当の意味でのステイヤー」を中心に選びました。◎指名のトウカイトリックは3000m以上のレースで2−3−3−3と大変高い信頼性があります。勝つまでどうかと思いますが3着以内ならかなり期待できますし、8番人気と言うことでこれを軸にした3連複はかなりの配当が期待できるのではないでしょうか。    

上海馬券王    



〇今日の結果

<春の天皇賞> @アドマイヤジュピタ Aメイショウサムソン Bアサクサキングス



〇かんべえのつぶやき

――終わってみればG1馬の2頭が2位、3位を占めました。メイショウサムソンの怒涛の追い込みは、「復活!」と考えてよいのかもしれません。でも、それをゴール直前で差し返してみせたアドマイヤジュピタが一枚上を行きました。これぞ「盾」にふさわしい好勝負。今年の春天はいいレースだったと思います。(メイショウサムソンは、きっと寒い季節は走らない馬なんですな)。

――ちなみに今日のかんべえは、ホクトスルタンとトウカイトリックから買って見事に玉砕しました。でも、この後もまだまだG1は続きます。5月11日NHKマイル、5月18日ヴィクトリアマイル、6月1日日本ダービー、6月8日安田記念、6月29日宝塚記念。馬券王先生、よろしくね。





4月20日(日)

☆:先生、先週の桜花賞なんですけど。。。  

上:言うな!  

☆:いや、だって、先生一押しのトールポピーは8着だし。。。  

上:聞きたくない!  

☆:トールポピーだけじゃないす。「こいつらが揃って連をはずすなんてありえない。」なんて先生にしては珍しくも断言モードで推奨したオディール、リトルアマポーラも全滅だし。ここまで見事にはずすと、単に予想をはずしたと言うよりは、むしろこれは「先生の呪い」と言う文脈で語るほうがすっきり来るのではないかと。  

上:やかましい!私を呪術師扱いするなら、あの日馬券を買った人間の99%もまた呪術師認定が相当になるのだ。「今年の3歳牝馬戦線が総体的にレベルは低いが、それでも一定の序列が形成されている」と考えたのは私だけではない!それに考えても見ろ、あの上位3頭の惨敗はやれ馬体減だの入れ込みだの騎手の騎乗ミスだのと後付けでいくらでも説明は付くが、じゃあ連に絡んだ馬の勝因を言えと聞かれても、これは後付けでも全然説明不能なのだ。  

☆:まあ、勝ったレジネッタは12番人気、2着のエフティマイヤは15番人気ですからね。これは確かに買いづらいとは思いますが。  

上:「思います」じゃなくて、100%ありえないのだよこんなのは。レジネッタは連に絡むまではあっても勝つまであっちゃいかんし、ましてやエフティマイヤなんて手ごたえ満点、会心の早熟馬がこんなところで2着に食い込むなんてこれは一体何の冗談だ!これを当てた奴は、予想上手なんかじゃなくてマークシートを誤記入した慌て者か、クレージーないかれポンチであるに違いないのだ。  

☆:「100%ありえない」って実際あったんだからしょうがないじゃないですか。  

上:だからこれは超常現象なのだ。3着に入ったのが5番人気のソーマジックであるゆえ三連単は700万馬券で済んだが、4着に来ているのは何と16番人気のハートオブクイーン。こいつがまかり間違って3着に入っていたらこれは100円玉一枚が2000万円以上になるという有史最高、前代未聞の高配当となっていたわけだ。いやしくもG1競争でこのようなことが起こるなんて、きっとあの日の阪神は時空が歪み、我々市井馬券士の認識や思考力では及びも付かない超常的な力学が働いていたに違いない。まったくこんなの見せられると真面目に馬券の予想をするのが馬鹿らしくなってくるよな。  

☆:なんだかんだ言ってるけど、結局今週の皐月賞は自信がない。と、こういうことですな。  

上:どきっ!そ、そんなことないぞ。ある!自信は。。。ある!  

☆:声が裏返ってるんですけど。

   

11R 第68回 皐月賞(GI)
2000m 芝・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 タケミカヅチ 57.0kg 柴田 善臣  
1 2 スマイルジャック 57.0kg 小牧 太  
2 3 フサイチアソート 57.0kg 横山 典弘  
2 4 スズジュピター 57.0kg 後藤 浩輝  
3 5 レインボーペガサス 57.0kg 安藤 勝己  
3 6 キャプテントゥーレ 57.0kg 川田 将雅  
4 7 オリエンタルロック 57.0kg 武 幸四郎  
4 8 ダンツウィニング 57.0kg 池添 謙一  
5 9 マイネルチャールズ 57.0kg 松岡 正海  
5 10 ブラックシェル 57.0kg 武 豊  
6 11 スマートファルコン 57.0kg 福永 祐一  
6 12 ベンチャーナイン 57.0kg 武士沢 友治  
7 13 ドリームシグナル 57.0kg 吉田 隼人  
7 14 ノットアローン 57.0kg 藤岡 佑介  
7 15 サブジェクト 57.0kg 岩田 康誠
8 16 レッツゴーキリシマ 57.0kg 幸 英明  
8 17 フローテーション 57.0kg 内田 博幸  
8 18 ショウナンアルバ 57.0kg 蛯名 正義  

☆:。。。。。。。。。  

上:。。。。。。。。。  

☆:。。。。。。。。。あのう。。。。。  

上:。。。。。。。。。はい、なんでしょう。  

☆:ひょっとして自暴自棄になってませんか?  

上:なってないよ。  

☆:じゃあ、なんなのよ、これ。いつもべたべた印を打つあんたが、たった一頭しか印を打たないなんて。  

上:いや、この馬の単複か、馬連総流しにしようかな、なんて考えたもので。  

☆:サブジェクトを?単勝30倍、15番人気の馬ですよ。あーっ!ひょっとして桜花賞で15番人気のエフティマイヤが来たから二匹目のドジョウを狙ってるとか!  

上:ちがわい!幾つも根拠があるのだ。その一、クラシック戦線の2歳登竜門として最も権威のあるラジオNIKKEI賞の勝ち馬であると言うこと。  

☆:最も権威があるって、過去このレースの勝ち馬で皐月賞勝ったのはアグネスタキオン位しかいないじゃん。それにサブジェクトの場合、勝ったと言っても出遅れたサダムイダテンの追込みをぎりぎりしのいだまぐれ勝ちでしょうに。  

上:あのね、安藤勝があの後サダムイダテンをやたら誉めそやしたせいで、サブジェクトの価値は随分下がったんだけど、サダムイダテンのその後の低迷を考えるとやはりサブジェクトが偉かったということにもなるのです。根拠、その2。明日の中山がサブジェクトが勝ったラジオNIKKEI賞同様、重馬場必至であると言うこと。  

☆:一番人気のマイネルチャールズだって重馬場巧者でしょうに。  

上:それはそうなんだが、他に有力馬がいないため一番人気に押し出された彼の場合なんか、先週のトールポピーとやたら印象がダブるのが不吉なのです。トールポピーは馬体が減って悲惨だったなあ。ウエストがファッションモデル並に細くなっててさ。人間の女の子なら細いウエストと言うのは喜ばしいのだが、競走馬はねえ。まぁ、パドックで好印象なら彼とサブジェクト2頭軸の3連複総流しというのもありでしょう。根拠、その3。騎手が中山で50%の高連対率を誇る岩田に乗り代わりになること。  

☆:高連対率って。。。今年中山で8戦しかしていない関西の騎手の成績じゃないですか。  

上:いや、いや、中山と似た阪神だって30%以上の高連対率なのだ、彼は。京都じゃからっきしだけど。坂のある小回りコースなら相当期待できるぞ。で、究極の根拠その4。どーせ、上位人気の馬だって死角がありまくりなんだから、こういうのを買って憤死するより、不人気馬を買ってはずす方がまだしも納得がいく。  

☆:語るに落ちる。やっぱり、自信ないんだ。自暴自棄なんだ。二匹目のドジョウ狙いなんだ。  

上:君ね、本質を鋭く突いてはいかんよ。それにね、何か上記根拠を列挙しているうちに本当に来る様な気がしてきたわけだ。サブジェクト。うん、来る。絶対来る。出でよ万券!!  

☆:だめだこりゃ。。。。。      

上海馬券王



〇今日の結果

<皐月賞> @キャプテントゥーレ Aタケミカヅチ Bマイネルチャールズ



〇かんべえのつぶやき

――なんとなんと。伏兵、キャプテントゥーレが逃げ切っちゃいました! 単勝1710円、馬連1万260円。スローペースではありましたが、あっと驚く逃げ切り劇でした。今年の皐月賞を制したのは、アグネスタキオンの子でありました。

――そういえば今日の顔ぶれは、馬券王先生と一緒に見に行った弥生賞の4着―3着―1着という順序でしたな。タケミカヅチがいい、という予感は当たっていましたが、今日の馬券は取れなかったでしょう。サブジェクトは来ませんでしたね。これが来ていれば「神認定」でしたが・・・・。

――まだまだ春のG1シリーズは続きます。がんばりましょう。





4月13日(日)

上海馬券王の人生相談

  小学校教員 武豊さんからのお便り  

Q:モンスターペアレントがやってくる。YAH!YAH!YAH!  

馬券王先生初めまして。実は大変ショッキングな出来事があり、御相談のお便りを差し上げました。とにかく涙なくしては聞けない私の話を聞いてください。  

私は名門栗東小学校で教職についている一教育者です。自分で言うのもなんですが私の仕事振りは大変優秀でして、これまでもたくさんの子供を名門中学に送り出してきました。安藤先生とか岩田先生とか、この業界も最近は腕達者な地方の先生が大勢参入し競争が大変激しいものとなっているのですが、そのような環境の中でも私は常にナンバーワンの地位を維持して来ましたし、これまでやってきた仕事は「天才」という呼び名に恥じぬ立派なものであったと自負しております。当然PTA(馬主)や校長先生(調教師)からの信頼も絶大で、私の意向に異を唱える生徒や父兄、上司などあろうはずもなく、皆が私のご機嫌を伺いながら私に指導してもらおうと列をなして集まって来るのがこれまでの常でした。そう、彼女が現れるまでは。。。。  

私の昔の教え子であるエアグルーヴさんが私にその三女であるポルトフィーノちゃんを預けてきたのは1年前のことです。え、「エアグルーヴって誰だ?」ですって?いやだなあ、彼女ですよ、彼女このコーナーの常連じゃないですか。「祖父はJRAの大立者ノーザンテースト公爵、母は樫の木の女王ダイナカール、父は凱旋門の英雄トニービン子爵と言う、まさに名門中の名門、華族の中の華族、本来なら上海馬券王みたいな、なけなしのお金をどぶに捨てまくってる3流馬券士なんか口も利けないような高貴な一族でございますのよ、我がグルーヴ家は。」のエアグルーヴさんですよ。知ってるくせにい。  

とにかくですね、そのような名家の大奥様が御令嬢を私の元に預けてきたと言うことは要するに彼女を桜花中学、樫の木女学院という名門女子高に合格させてくれってことなわけで、当然私も頑張りました。でもねえ、ひ弱と言うか、わがままと言うか、とにかく問題児なんだなあ、あの子は。勉強が大嫌いで、熱が出たとかお尻の筋肉が痛いとか色んな理由つけてはテストをサボるし、自宅に引きこもってゲームばかりやってるし。  

これじゃいかん。このままじゃ、桜花中学の合格どころか受験すらかなわないと言うことで、私は家庭訪問して母親と話し合いました。「もっと、家庭でのしつけをきちんとやってくれ」って、そうお願いしたんです。そうしたらどうなったと思います?逆切れしちゃったんですよ。母親が。「きいいいいい!名門グルーヴ家のしつけに口出すなんて百年早いざます!熱が出るとかお尻が痛いとかみんな学校の教育が間違ってるせいじゃございませんの!娘にキズをつけるようなまねして許せない!責任を追及するざます!校長に言って学校にいられないようにしてやるざます!」だって。む、無茶苦茶やあ!  

教え子の父兄からこんな天動説みたいな言いがかりをつけられたのは初めてで、とにかくショックだったのですが、それでも私は母親の意向に答えるべく頑張りました。おだてすかして、エルフィン模試を受けさせてそれに何とか合格させて、自分でもよく頑張ったもんだと思います。でもねえ、その次に受験させたアーリントン模試の成績が悪魔も落涙するほど悲惨なものになっちゃって、そしたら母親が学校まで乗り込んできて、こう怒鳴り散したのです。  

「きいいい!なんざますか!あの模試は!うちの娘はいつも人の前を走っていないと気がすまない性格ざます。それなのに何故他の生徒を先に行かせたざますか!え、何?『お子さんの今後のためにも控える競馬を覚えさせる必要があった』ですって!きいいいいい!お黙り!役立たず!あれはお前の指導ミスざます!あんなの認めないざます。アーリントン模試をもう一度やり直すざます!」だって。挙句の果てには母親の現役最後の試験の時、私が彼女の指導をしないでマーベラスサンデー君の指導をしたなんて大昔のことまで持ち出して結婚詐欺師扱いまでし始めるし。ほんま、無茶苦茶やあああ!  

私は、それでもめげずに頑張りました。なんとか、桜花中学の願書を取り寄せ、明日は受験と言うところまでこぎつけたのです。ポルトフィーノちゃんは確かに罰当たりですがそれでも見所がないわけじゃないし、明日の受験メンバーを見てもそれほど優秀な生徒も見当たらないし、天才と言われた僕の指導次第では彼女が合格することも夢ではないんじゃないかと、一縷の望みにすがって考えていたわけです。ところが。。。。  

先ほどポルトフィーノちゃんから連絡がありました。足が痛いんだそうです。脚が痛いから明日の受験は回避するのだそうです。自分は将来のある身だから明日は無理したくないんだそうです。。。。。。  

。。。。。   orz   。。。。。。  

。。。。。 o......rz   。。。。。。    

こ、この馬鹿娘ぇえええええ!またやりよったなぁあああ!おんどれ、何考えてけつかんねん!  

先生、はっきり言うて、ボクもうやってられまへんわ。ボクのここまでの苦労は一体なんだったんや。明日になったらあの怪物親がボクんとこやってきて罵倒の嵐を投げかけよることは必定や。校長の角居はんに何とかしてぇなとすがったんやけど、「それは担任の君に一任するから」と責任転嫁して逃げ出しよって、ボクもう目の前真っ暗や。日本の教育現場における不条理と、理不尽な父兄のクレームに苛まれるボクは一体どないしたらええんやろ。      

A:お答え  

いやああ、やってくれましたね、ポルトフィーノちゃん。実は本日は違うネタで考えていたんですが、出走回避なんて釣りとしか思えない話題を振りまかれると、やっぱこれは予定を変更するしかないと言うことで、今週は急遽「人生相談コーナー」となったわけです。このコーナー、実在の人物を相談人にすると話が生臭くなるからこれまであまりやらないでいたんですが、エアグルーヴさんを相談人にするのもマンネリだし、こういう局面じゃ武さんを相談人にする方が面白そうだし、まあ、たまにはいいか。  

で、御相談の件なわけですが、現在日本の教育現場を震撼させている「モンスターペアレント現象」につきましては、現状、これを日本消費社会の発展と結びつけて説明する論説が最も有力なものとして受け入れられているようです。簡単に申し上げれば、  

@消費市場において供給>需要という買手優位な状況が長らく続いた結果

A供給者であるところの生産者、流通業者がやれCSだの顧客至上主義だのと、消費者におもねり媚びへつらう施策を連発

B「お客様は神様」ということで、どんな理不尽なクレーム出しても許容され続けた消費者が次第に増長

Cついには「教育」という公共サービスまでその延長と考えるに至った。  

と言うことですな。なんか、もっともらしすぎて違う気もするんですが、一方でコストが上がっても価格転嫁など一切させてもらえなかったこれまでの日本の消費市場の硬直性と言うのもこれは相当異常であることは間違いなく(異常と思わない人は中国に来るあるよろし)、こういう状況に慣れると大衆の意識構造が変質しちゃうと言うのは確かにありかとも考えます。そういう意味でどうなんですかね、最近になって始まった価格上昇と言うのは。石油や穀物などの国際価格に連動したコストプッシュ型のインフレであるゆえ、ある意味最悪なんですが、それでもこれまで下がり続けていた価格が上がることには、負け犬根性が染み付いた日本の供給者と、増長しまくった日本の消費者の意識改革を促すと言うプラスの効果もあるのかもしれませんな。  

え、「裕福な名家の出であるエアグルーヴさんを日本の大衆消費者の文脈で語ってもしょうがないだろ」ですって?うーん、そう言えばそうか。。  

閑話休題、今回ポルトフィーノちゃんが出走を回避したことは本当に残念です。彼女みたいに来ても全然おかしくないし、来なくてもそれはそれで納得と言う存在は馬券を買うとき非常に悩ましいのですが、彼女に限ってはその家柄から実力以上の人気を背負うことは間違いなく、これを敢然と叩き切れば相当おいしい配当が期待できたわけで、ああ本当に残念だ。相談人の武さんだって今年も絶好調とは言え、大きなレースに限って言えばメイショウサムソン君とかヴァーミリアン君とか生徒の教育に失敗するケースも散見されてますし、出てたらかなりの確率でぼろ負けしてたに違いないという確信に近いものを感じていたのだよ私は。  

と、言うわけで。。。。。。    

11R 第68回 桜花賞(GI)
1600m 芝・右 外
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 デヴェロッペ 55.0kg 吉田 豊
1 2 エーソングフォー 55.0kg 四位 洋文  
2 3 エイムアットビップ 55.0kg 福永 祐一
2 4 マイネレーツェル 55.0kg 内田 博幸  
3 5 オディール 55.0kg 安藤 勝己
3 6 マダムルコント 55.0kg 角田 晃一  
4 7 ポルトフィーノ 55.0kg 武 豊 取消
4 8 ハートオブクィーン 55.0kg 幸 英明  
5 9 リトルアマポーラ 55.0kg 武 幸四郎
5 10 トールポピー 55.0kg 池添 謙一
6 11 エアパスカル 55.0kg 藤岡 佑介  
6 12 ベストオブミー 55.0kg 岩田 康誠  
7 13 ソーマジック 55.0kg 後藤 浩輝
7 14 ルルパンブルー 55.0kg 吉田 隼人  
7 15 レジネッタ 55.0kg 小牧 太  
8 16 ブラックエンブレム 55.0kg 松岡 正海
8 17 シャランジュ 55.0kg 村田 一誠  
8 18 エフティマイア 55.0kg 蛯名 正義  

  抜けた存在がいないとは言え、トールポピー、オディール、リトルアマポーラの3頭が揃って連をはずすと言うこともありえません。どのような馬場でもどのような展開でも対応力のある安定性を買ってトールポピーを◎としますが、勝つまでと言うことなら運も必要で三連単や馬単にはリスクもあるところ。よって、三連複で勝負してみようかと言うのが現時点の見解。最内を引いたデヴェロッペの逃げ残りがあるようだと高配当も。。。  

それにしても、繰り返しになりますが、エアグルーヴさんといい、その母親のダイナカールさんと言い、果ては長女のアドマイヤグルーヴさんといい、本当にグルーヴ一族と言うのはつくづく桜花賞に縁がありませんなあ。殆ど呪われた一族と言うか、横溝正史の世界であります。これでポルトフィーノちゃんはオークスに行くのだろうか。血統に関する周囲の期待値から絶対に行くのだろうなと思いますが、彼女の場合NHKマイルの方が向いていそうな気も。うーん、どうなってもこの人生相談、続編があるような。。    

皆様の相談お待ちします。    

人生相談士 上海馬券王



〇今日の結果

<桜花賞> @レジネッタ Aエフティマイア Bソーマジック



〇かんべえのつぶやき

――ビックリするようなメンバーが上位に並びました。三強はどこへ行ったのでしょうか。レジネッタもエフティマイアも、どー考えても買う理由が見当たりません。でもって三連単は700万円。小牧太はG1初勝利。どちらもおめでとうございます。

――去年のダイワスカーレットとウオッカを見てしまったために、ついつい牝馬に過剰な思い入れをしてしまうのですが、例年の三歳牝馬と考えればこの程度の番狂わせはあって当然。だとすれば、三連複にしたところで、勝率が上がるわけでもないのであります。ね、馬券王先生。

――この調子だと、来週の皐月賞も荒れそうだなあ。幸か不幸か、来週は町内会の総会と重なってしまうのですが。





3月30日(日)


えー、実は今度のゴールデンウイークにチベット旅行を企画していたのですが、よるべなき事情により断念せざるを得ない状況になったわけです。

  。。。。。orz。。。。。  

それにしても、これまでも何度か書いている気はしますが、何ゆえ私が中国旅行を企画すると毎回このような騒乱状態が出現するのでありましょうか。まぁ、知り合いでチベットに行った人からは判で押したように高山病の恐怖を聞かされてますのでほっとしたと言えばほっとしたのですが、それにしてもねええ。標高3600m〜5000m、ちょっと走るだけで脳が酸欠になるような世界の奥地で、争いごとは体によくないと思うぞ。おかげで今度の連休、私は競馬以外やることがなくなったではないか。やる前から凡レース確定の天皇賞春なんて、全然心が躍らないのだ。いったいどうしてくれるのだ。  

いや、しかし、個人的な事情を離れてみれば今回の騒乱の顛末はなかなかに興味深いものがあります。なにせ、騒ぎが始まってからずっと報道規制をしておいて、それがやっと解除されたと思ったら国営放送のヘッドラインがいきなり「人民戦争」ですから。いや、もう中共政権ガチモードです。外に対してソフトイメージを演出しまくってきた中国が久々にその「硬派」な本性を露わにしちゃったわけで、私なんかはある意味感動しちゃいましたな。昔、「ひょうきん族」でタケチャンマンに正体を見抜かれた明石家さんまが「見ぃたぁなああああ!」と叫んでブラックデビルに変身するシーンがあったのですが、あれを観たときの感動が甦ったと言いますか。  

とにかく、「大国が温和な仏教徒で構成された小国をいじめている」という海外の人が考えたがる構図で本件を考える人はこの国には全くいません。この国のマジョリティである漢民族にとってかの地が中国の一部であることは議論する余地の全くない事実であり、よって本件はそこに住む少数民族絡みの内政問題に過ぎず、五輪ボイコットだの海外が聞いた風な口をきくことは無礼千万、そこまで言うなら五輪なんかやんなくてもいい、皆そう考えているのです。まぁ、「いじめられている温和な仏教徒」と言うのも実は全然温和じゃなくて、坊主が率先して漢民族相手に凄まじい蛮行を繰り広げたのは事実であり、海外の同情も少々贔屓の引き倒しみたいな部分があると私なんかも思いますが、とにかく五輪のボイコットなんかでこの国が悔い改めてくれるなんて考えるのはやめたほうがいいですよ。逆効果、逆効果。  

むしろ五輪はきちんと開催した方がよいのです。国の威信をかけているとは言え、必ずどこかでしゃれにならない綻びは出てくるはずで、人目に触れる部分でそういうのが露わになることで、初めてこの国は変わってゆくのだと私なんかは考えます。いや、旅行がふいになったから言うんじゃないけど北京オリンピックくらい楽しませておくれよ。色々な意味で楽しい話題をたっくさん提供してくれるのは絶対間違いないんだから。

   

11R 第38回 高松宮記念(GI)
1200m 芝・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 スズカフェニックス 57.0kg 福永 祐一
1 2 プレミアムボックス 57.0kg 吉田 隼人
2 3 ブラックバースピン 57.0kg 中舘 英二  
2 4 ファイングレイン 57.0kg 幸 英明
3 5 マルカフェニックス 57.0kg 武 幸四郎
3 6 キョウワロアリング 57.0kg 飯田 祐史  
4 7 スーパーホーネット 57.0kg 藤岡 佑介
4 8 リミットレスビッド 57.0kg 内田 博幸  
5 9 フサイチリシャール 57.0kg 川田 将雅
5 10 キンシャサノキセキ 57.0kg 岩田 康誠  
6 11 ペールギュント 57.0kg 上村 洋行
6 12 プリサイスマシーン 57.0kg 松岡 正海  
7 13 マイネルシーガル 57.0kg 柴山 雄一  
7 14 ナカヤマパラダイス 57.0kg 木幡 初広  
7 15 トーセンザオー 57.0kg 赤木 高太郎  
8 16 ローレルゲレイロ 57.0kg 四位 洋文
8 17 エムオーウイナー 57.0kg 熊沢 重文  
8 18 タマモホットプレイ 57.0kg 渡辺 薫彦  

  出馬表を見てのけぞりました。逃げ馬が全部外枠、追込馬が全部内枠図ったように分離されているではないか。当日は雨が降りそうだし、うーん、これは波乱の予感。   馬の格から言えばスズカフェニックスが一番なんですが、差し馬が最内枠でしかも主戦の武が現在ドバイと言うことで福永に乗り代わりというのはどうなんでしょう。中京の1200mと言うのは騎手にとってかなり難しいコースなので割引は必要。同じ意味でローレルゲレイロとかエムオーウイナーとか逃げ馬の有力馬がそろって大外も大外を引いたのは落涙を禁じえず、こちらは大幅な割引が必要です。  

枠順と言う意味ではスーパーホーネットが恵まれました。重に強いのも心強くこれを今回の軸馬とします。久々で1200mが初めて故、勝つまでは難しいかもしれませんが、連に絡む確率は一番ではないでしょうか。当日はこれを軸に◎-○▲-△注の3連複フォーメイションを買うつもりです。やや重前提の予想なんですが、ひどく渋るようだと超不人気馬フサイチリシャールの一発の期待がいや増してきまして、ワクテカなわけであります。  

 

11R 第15回 マーチステークス(GIII)
1800m ダート・右
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 アドマイヤミリオン 54.0kg 菊沢 隆徳  
1 2 カフェオリンポス 57.0kg 勝浦 正樹  
2 3 ピカレスクコート 55.0kg 田中 博康  
2 4 ビッググラス 55.0kg 今野 忠成  
3 5 レオエンペラー 54.0kg 江田 照男
3 6 サイレンスボーイ 54.0kg 小野 次郎  
4 7 アドマイヤスバル 56.0kg 村田 一誠
4 8 ブラックランナー 55.0kg 佐藤 哲三  
5 9 マコトスパルビエロ 56.0kg 北村 宏司  
5 10 フィフティーワナー 58.0kg 横山 典弘
6 11 イブロン 56.0kg 後藤 浩輝
6 12 パレスショットガン 55.0kg 田嶋 翔
7 13 ナナヨーヒマワリ 55.0kg 小原 義之  
7 14 サンツェッペリン 57.0kg 田中 剛
8 15 ドラゴンファイヤー 56.0kg 蛯名 正義
8 16 ボンネビルレコード 58.0kg 田中 勝春

  ついでにマーチSも。こちらは軸がしっかりしてる分、予想はしやすいですね。  

くっ腱炎で長期休養後、不死鳥のように蘇ったフィフティワナーが私のようなひねくれ者にも死角を見つけるのが難しいくらいの不動の一番手。 ドラゴンファイヤーは最近調子を落としていますが、中山では超一流の蛯名が乗るのは心強く、復調を期待。プロ野球も開幕し我がドラゴンズはお約束で胃の痛くなるような試合をやっている(去年終盤の勢いはどこへ行ったのだろう)わけですが、とにかく野球も競馬も燃えよドラゴンズ!    

上海馬券王    

追伸:現在ラジオたんぱ(誰だラジオNIKKEIなんて名前に変更した奴は。ぜんっぜん馴染めん)で、ドバイワールドカップの実況聞きながらこれを書いているわけなんですが、日本勢はイイデケンシンのUAEダービーがブービー、ウオッカ・アドマイヤオーラのドバイデューティーフリーがウオッカ4着とパッとしませんねえ。サッカーのワールドカップもバーレーンに苦杯を喫したと言うことで、今年は中東とは相性が麗しくないのでしょうか。何はともあれ後20分でメインイベントのドバイワールドカップが始まります。今年はカーリンと言う化け物が出ますので勝つまでは苦しいと思いますが、ヴァーミリアン君には是非去年以上の成績を残していただきたいですねえ。  



〇今日の結果

<高松宮杯> @ファイングレイ Aキンシャサノキセキ Bスズカフェニックス


<マーチS> @ナナヨーヒマワリ Aマコトスバルビエロ Bフィフティーワナー



〇かんべえのつぶやき


――今日は中京競馬場唯一のG1レース、となれば馬券王先生も力の入るところ。かんべえは昨日のうちに、子供を連れて花見がてら中山競馬場にお出かけし、Oローレルゲレイロの単複応援馬券を買っておきました。しかし今日のパドックを見ていたら、Cファイングレイの一択でありましたな。それくらい馬体がよく見えました。キンシャサノキセキが初の重賞勝ちを決めかけたところで飛び込んできた。うーん、難しいレースでした。

――ドバイは日本勢が不振。期待のヴァーミリオンは最下位に終わり、武豊も「こんなヴァーミリオンは初めて」とぼやいてました。岡田ジャパンもバーレーンで負けてしまうし、最近の日本勢は、中東は方角が悪いのでしょうか。

――日本はとうとう桜が満開。クラシック戦線の季節はすぐそこに来ています。馬券王先生、頑張りましょうぞ。




2月24日(日)


ううううううう。   明日、いや正確には今日なのですが、今年初めてのG1、フェブラリーSが開催されるというのに、日本から来た出張者の相手で土日が完全につぶされた状態なのであります。今日、いや正確には昨日なのですが、土曜日も深夜まで会議、会議で午前様で帰ってきてようやく出馬表を見ている体たらく。トヨタのカイゼン活動が業務認定されて物議をかもしたというのは最近のことでありますが、私の身内も仕事熱心と言うことでは人後に落ちない。いやあ、本当に日本の人と言うのは仕事熱心ですなあ、と呆れる私は既に体質が中国人化しているのでありましょうか。餃子の類も毎日食べてるし。  

もう午前2時を回っているし、明日も朝から会議なので残念ながら今回は簡単に。    

11R 第25回 フェブラリーS(GI)
1600m ダート・左
馬名 斤量 騎手 予想
1 1 フジノウェーブ 57.0kg 御神本 訓史  
1 2 ノボトゥルー 57.0kg 田中 勝春  
2 3 アンパサンド 57.0kg 戸崎 圭太  
2 4 フィールドルージュ 57.0kg 横山 典弘
3 5 クワイエットデイ 57.0kg 角田 晃一  
3 6 メイショウバトラー 55.0kg 福永 祐一  
4 7 ドラゴンファイヤー 57.0kg 安藤 勝己
4 8 ロングプライド 57.0kg O.ペリエ  
5 9 メイショウトウコン 57.0kg 武 幸四郎
5 10 ブルーコンコルド 57.0kg 幸 英明
6 11 ヴィクトリー 57.0kg 後藤 浩輝  
6 12 リミットレスビッド 57.0kg 蛯名 正義  
7 13 ビッググラス 57.0kg 今野 忠成  
7 14 デアリングハート 55.0kg 藤田 伸二
8 15 ヴァーミリアン 57.0kg 武 豊
8 16 ワイルドワンダー 57.0kg 岩田 康誠

  わはははは、今年のしょっぱなからいきなりかましてしまいました。8番人気単勝20倍のブルーコンコルドを◎指名なのであります。  

まあ、ヴァーミリアンが現在日本ダートの総大将格であることに全く異論はありませんが、2000m主体で活躍してきた馬に1600mは如何なものかという気がどうしてもするのであります。それなら、逆に2000mのレースに出まくって尚且つ負けまくったせいで人気を落としたブルーコンコルド君が適距離に戻ってお買い得ではないですか。  

え、最近こいつが惨敗しているのは距離じゃなくて歳のせいじゃないかって?何を言うか、最近は10歳馬のアサカデフィート君が重賞を勝ったり、今日だって我が心の友シルクフェイマス君が9歳馬でありながら、京都記念で大穴明けたりと、老いてますます盛んなシルバーエイジが競馬界を席巻しておるのだ。シルクフェイマス君なんか、あのウオッカに先着したのだぞ、これはすごいことなのだ。年寄りを馬鹿にしてはいかんのだ。  

というわけで、今年最初のG1は穴狙いで始めることにします。出でよ万券!!    

上海馬券王    



〇今日の結果

<フェブラリーS> @ヴァーミリアン Aブルーコンコルド Bワイルドワンダー



〇かんべえのつぶやき

――おおお、もう今年初めてのG1レースではないか。馬券王先生の予想とは、ちょっと1位と2位が入れ替わって万券とはならなかったようですが、そこはしっかり取っておられるものと存じます。ブルーコンコルドの「ご指名」はお見事でありました。

――それにしてもヴァーミリアンって、ホントに強くなっているのね。ゴール前の余裕の加速は、まことに堂々たるものがありました。「日本の総大将」として、ドバイに行って実力を発揮してもらいたいものです。それでは馬券王先生、今期もよろしく。















2007年上半期のレース  2007年下半期のレース


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by Tatsuhiko Yoshizaki