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上海馬券王がJRAのレースに寄せる「情熱と冷静の言葉」

2003年 春のGIシリーズ論考





6月29日(日)

上海馬券王の人生相談

◎高校生ネオユニヴァース君からのお便り

Q:何で夏休みがないの?

 馬券王先生こんにちは。最近人生相談のコーナーを見かけませんが、お元気ですか。(鬼編集者のかんべえさんに切られたわけじゃないですよね。)

 実は悩ましいことがありお便りしました。僕は栗東の高校に通う受験生です。自分で言うのもなんなのですが、成績は同世代の中ではダントツのトップ、名門皐月大学はもちろん、出るだけで一生が保障されるという超難関・東京優駿大学にも首席の成績で合格しています。後は秋の京都菊花大に合格すれば、歴史に残る3冠特待生と言うことになるのですが、まぁ、最近はこの大学も人気がないし、それまでは夏休みをゆっくり過そうと思っていたんです。ところが。。。

 この前、進路指導の瀬戸口先生に呼ばれて社会人の研修機関である「宝塚政経塾」を受験することを命令されました。「君は優秀だから、大人の世界に行ってもまれてきなさい。」だって。。。。

 先生、年明けから受験勉強ばかりしてきた僕は疲れているんです。僕のような生徒は、夏は休ませてくれるのが普通なんです。この時期社会に出るのは、春場に成績の振るわない劣等生というのが、世間一般の相場なんです。何故同世代ナンバーワンのが暑い季節に汗をかかなくてはならないのでしょう。聞けば、今度の政経塾の最有力と言われるクリスエス先輩は年明けからずーっと、休暇を取まくって、今年の仕事はこれが初めてだと言うではないですか。人気者のファインモーションさんは、夏も休んで、今年の仕事は秋からだと言うではないですか。

 この前、同級生のゼンノロブロイ君に会いました。ただでさえ黒い体を真っ黒に日焼けさせているので、どうしたのかと聞いたら、合コンでクラスのアイドル・スティルインラブちゃんと海に泳ぎに行ったんだと、意味ありげな笑顔を浮かべながら自慢してきます。くそう、海に行った後何をしたんだ。2冠の彼女にはあんな奴より僕の方が似合うのに。。。。。

 先生、受験生の悲しいさがで、いざ試験が始まると頑張ってしまう自分がわかっているだけに、今回の仕打ちは、はっきり言って納得できません。これからもこのように試験漬けのハードな生活が待っているのでしょうか。普通の青春に憧れる僕はどうしたらいいのでしょう。


A:お答え

 いやぁ、久しぶりですね。人生相談。去年の有馬以来ですか。まぁ、最近はいろいろ生活環境も変わってきまして、こちらが相談したい状況ですし、相談に乗ってあげたくなるような強烈なキャラクターの持ち主もあまりいないしで、読者に楽しんでもらうものを書けるのは年3・4回がせいぜいと言うのが正直なところでしょうか。

 それはともあれ、ここ数年は、「宝塚特別」と呼びたくなるようなひどい面子しか集まらなかった「宝塚政経塾」の受験をあなた(というか瀬戸口先生)が決断してくれたのはファンには嬉しい限りで、これで、俄然盛り上がることになりました、今年の宝塚。古馬で強いと思われているところは全員集合だし、新世代からよりによってナンバーワンのあなたが参戦するし。本当に久しぶりに「グランプリ」の名に値する夢の競演で、私も楽しくてしょうがありません。(これで彩りを添えると言うことで紅一点ファインモーションちゃんが出てくれていれば最高だったんですが、まぁ、これはないものねだりですか。)

 確かにあなたの場合、連投で甲子園を優勝した投手がそれから1週間後にメジャー相手に投げろと言われているようなところがあって、いくらハンデをもらっても、そういう意味ではお気の毒です。最近は、藤沢先生とか、伊藤雄二先生とか、本当に見所のある生徒には徹底して無理をさせない、場合によっては春のクラシックも平気で無視しちゃうという、これまで考えられなかった生徒の使い方をする進路指導の先生も増えてきているんですが、あなたの先生はそれとは対極の考えの持ち主のようですね。

 人間勝手なもので、出てくれて嬉しい反面、出たら出たで、怪我とか疲労の蓄積が心配になってきます。出ないで休養して疲労を抜いて欲しかったと言う気分にもなってきます。これだけのリスクをとって参戦する以上はあなたに勝って欲しいのですが、メジャー相手にあなたの力は通用するのかが最大の見所。

 今回の宝塚、あなたの参戦を歓迎しながらも、やはりこの時期に社会人相手はきついのではないかと言うのが、世間一般の認識です。事実、1番人気のクリスエスさんは、去年の冬のレースを見る限り、能力・風格・センスにおいて圧倒的な存在で、私もこれを乗り越えるのは容易ではないと思います。

 ただ、彼もあなたの歳のこの時期はすべりどめの青葉大学を受かっただけで、東京優駿は次席ですしそういう意味ではあなたの方が上、彼が休みボケの可能性もあり、付け入る隙はないとはいえない。あなたの場合、能力で相手をねじ伏せると言うタイプではなく、どのような状況でも必ず図ったように小差で勝ちを収めるというあなたの歳ではこれまでいなかったタイプの存在で、そのレースセンスと、勝負根性は本当に素晴らしく、今回勝ち抜くことができればこれは歴史に残る名馬の誕生だと思います。

 ただねえ、心配もしているのです。あなたのような頑張りやさんって、一度負けると、とたんに勝てなくなることも多いし、今回完全な力負けになる可能性も高いし、この結果があなたの将来に悪い影響を及ぼさなければいいのですが。

 何はともあれ熱狂的という程ではないにしろ私もあなたのファンです。怪我だけには気をつけて頑張ってください。


というわけで。。。。


☆宝塚記念

◎シンボリクリスエス
○タップダンスシチー
▲ネオユニヴァース
△アグネスデジタル
△ツルマルボーイ
△ファストタテヤマ
△バランスオブゲーム
注マイソールサウンド

皆様の相談お待ちします。

人生相談士  上海馬券王



○この日の結果

宝塚記念 @ヒシミラクル、Aツルマルボーイ、Bタップダンスシチー


○かんべえのつぶやき

――がが〜ん、こ、こんなことがあってもいいんでしょうか。ヒシミラクルなんて、半年に1度活躍するだけだと思って、真っ先に切りましたがな。第4コーナー回ったところでシンボリが先頭に来たから、こりゃもうテッパンじゃないかと・・・・

――馬券王先生に人生相談を寄せていたネオユニヴァースは馬群に沈みました。大人たちの重過ぎる期待という「車輪の下」に押しつぶされてしまったのでしょうか。それともネオの覚醒には、秋の「マトリクス3」を待たねばならないのでしょうか。今日のレースのことは早く忘れて、ゆっくり夏休みを取って、秋には元気になって菊花賞に挑戦してほしいと思います。(追記:あとで確認したら、4位ネオユニヴァース、5位シンボリクリスエスだから、結構頑張っていたのね。やっぱり偉いぞ)

――最後にひとこと。フジテレビの27時間テレビはサイテーです。ちゃんと競馬を見せてくれ〜。





6月22日(日)

上海に出張してきました。引越し荷物も全部ほどかないうちに、また舞い戻ったわけなんですが、かの地はSARS騒ぎもどこ吹く風で、活気に満ち溢れておりまして、空港、レストランの職員がマスクをしていること以外は、何ら変わらない「いつもの上海」の景色が復活してます。

航空便も1ヶ月前はがらがらだったのですが、現状はほぼ満席。進出企業の「リスク対策」でとられてきた渡航禁止措置も、最近は背に腹を替えられない各種事情から、なしくずしに撤廃になっているようで、ビジネスマンが結構悲壮な顔でたくさん乗っています。うーん、泣く子と阪神と中国には結局勝てないということなんでしょうか。

ただ、表面上、収束に向かっている感のあるSARS騒ぎですが、夏場の気温上昇がこれに貢献していることは否めないわけで、もともとがインフルエンザの変異種であるこの病気、次の冬季が本当の勝負どころといえましょう。それまでに、ワクチン等予防措置が整えばよいのですが。。。。


☆プロキオンS

◎スターリングローズ
○サンキンヘイロー
▲ダブルハピネス
△タニノゴードン
△ゴールドプルーフ
△レジェンドハンター
△ツルマルファイター

SARS対策には効果のある夏場なのですが、競馬にはつまらない季節となります。強い馬はみんなお休み、文字通りどこの馬の骨とも知れない過去データ不在の新馬戦と、条件戦では昇級・降級、3歳・4歳入り乱れた、力関係不明、かつレベルの低い馬同士の乱戦がこれからしばらく繰り広げられるわけで、予想しづらいことこの上ない。配当も、滅茶苦茶堅く収まるか、滅茶苦茶荒れるかのどちらか。例年この時期に多額の損失をこうむる私としても、しばらくは重賞以外は馬券を買わないことにします。

そんなわけで、来週の宝塚までが最後の頑張りどころ。プロキオンも気合が入ります。

現在圧倒的人気のスターリングローズは確かに今回のメンバーでは1ランク上の存在で、この人気もしょうがないところ。連ははずさないでしょう。ただ、今回59kgというのが難点で、単ではそれなりにリスクもあり、彼を軸にした低人気馬との馬連か、もしくは一発屋的傾向のある低人気馬の単勝がいいのではないかと思います。

そういう意味では2番人気のテンシノキセキはデビュー戦以来のダートにしてはずいぶん人気になりすぎで、強いことは強いのでしょうがここはあえて無視。

サンキンヘイローは近況あまり振るわないのですが、阪神での実績は、かなりのもので、騎手武なら面白い。スターリングローズとの連勝馬券はつまらない配当ですが、単ではいい配当になります。

今回面白いと思うのは、ダブルハピネス。前回がタイムオーバー負けなんで低人気は仕方ないにしても、卑しくも重賞馬が単勝万馬券というのは、評価が低すぎる。まぁ、馬も厩舎も休み明けから数走は全然駄目なんで過度の期待はいけないと思いますが、この配当なら狙い目十分。押さえておきましょう。

この他、地方で圧勝を続けるレジェンドハンター、堅実なタニノゴードン、前回の重賞を1着馬降着の繰り上がりとは言え勝っているのに、低評価ゴールドプルーフがはまれば1着も考えられます。


上海馬券王



○この日の結果

プロキオンS @スターリングローズ、Aツルマルファイター、Bインタータイヨウ


○かんべえのつぶやき

――今日も暑かったですね。かんべえ、今日はタニノゴードンから攻めてみましたが、不発でござんした。先生はたぶん取られたことでしょう。

――いよいよ上半期の競馬シーズンが終わりに近づいています。来週の宝塚記念は、昨年の年度代表場のシンボリクリスエスか、それとも二冠馬のネオユニヴァースか。楽しみです。






6月8日(日)

――いよいよIT環境が整い、競馬予想を本格再開した上海馬券王先生です。ところが昨日はごひいきのビッグウルフが惨敗。傷心の先生、今日のG1はしっかりお願いしますよ!



★安田記念


SARSの影響か、今年は外国招待馬がいない。例年この手の未知数な存在がかく乱要因になることが多いので、そういう意味では予想しやすいはずなのですが、それでも曲者が大集合、やっぱり難しいや。

ポイント1 ローエングリーン
今回逃げで強いレースを続けているローエングリーンをどう考えるかがポイントです。中山・阪神では4コーナーを曲がったところで先頭を走っていれば、安心してみていられたのですが、府中はさすがにそういうわけにはいかない。とはいいながら府中も今回からAコースに切り替わっているので芝のよい部分を独占できるメリットも大きく、仕掛けどころを誤らなければ圧勝も考えられ要は騎手次第と言うことでしょうか。

ポイント2 サンデー産駒
現在G1戦線でサンデー産駒がSARSなみの猛威を振るっています。野球は阪神、競馬はサンデーということで、ここまで来るとまさに神がかり。実力とか格とか以外に何かが取り憑いているとしか思えないわけで、今回5頭出走するサンデー産駒も要注意。正直なところ、さすがに今回は辛いかなとも思うのですが、押さえないと祟りにあいそうなので押さえます。5頭の中ではミレニアムバイオが面白そうです。

ポイント3 府中だったらトニービン
「府中だったらトニービン」と言う格言は真実です。論より証拠、今回唯一のトニービン産駒テレグノシスも府中での連対率は83%、マイルに限れば100%と圧倒的な実績の持ち主であり、今回サンデーストッパーの期待がかかります。ただ「道悪下手のトニービン」と言う格言も悲しいかな有効であり、馬場が渋れば当てにならないことこの上ない。要はお天気次第と言うことでしょうか。

ポイント4 異能のはみだしものアグネスデジタル
格で言えばG1を5つも勝っているアグネスデジタルも無視できません。この馬非常に変わった経歴の持ち主で、どんな距離でも、ダートでも、芝でも、海外でも国内でも、場当たり的としか思えない使われ方をしながら実績をあげてきているのは立派の一言なのですが、今回長期休養明け2戦目ということで、あまり過去の実績で判断しすぎると痛い目にあう可能性も高く悩ましいところ。

ポイント5 藤沢軍団の逆襲

マイル路線ならナンバーワンの藤沢厩舎も侮れません。ここからは今回、ボールドエンペラー、タイキトレジャーの2頭出し。これがそろいもそろってムラッけたっぷりの馬なんで当てにはしづらいんだけど、はまればクラスター爆弾並みの破壊力。特にボールドの方は過去ローエングリーンを負かしたこと(しかも中山で!)末脚が忘れられません。

結論:
以上、騎手次第のローエン、神がかりのサンデー、馬場次第のテレグノシス、勝っても負けても説得力のあるアグネス、はまれば怖い藤沢軍団と不確定要素がてんこもり。ね、難しいでしょ。とても決め打ちなんか出来ないよね。というわけで、今回は馬場状態をキーに下記の通りとします。

*馬場良の場合

◎テレグノシス
○ボールドエンペラー
▲ミレニアムバイオ
△ダンツフレーム
△アグネスデジタル
△ローエングリン
△ウィンブレイズ


*馬場重の場合

◎ローエングリン
○ダンツジャッジ
▲ダンツフレーム
△タイキトレジャー
△ミレニアムバイオ
△アグネスデジタル
△ウインブレイズ



上海馬券王



○この日の結果

安田記念 @アグネスデジタル、Aアドマイヤマックス、Bローエングリン


○かんべえのつぶやき

――難解なレースでした。Gローエングリンが逃げて、Bアグネスデジタルが復活ののろしを上げるというのはともかく、間にOアドマイヤマックスが来るとは・・・・。今日のかんべえはワイドと枠連を当てるという、中途半端な競馬でした。三連複の万場券がちょっと惜しかったかな。


――春の競馬シーズンも終りが近づいています。月末の宝塚記念が楽しみですが、それを過ぎたら寂しくなるなあ。





6月1日(日)

今日はダービー。馬券王先生は「ネオユニヴァースとゼンノロブロイから6点ずつ」という買い方をされるそうです。んまあ、オークスもそうだったけど、そんな精神分裂みたいな買い方を・・・・でも、先生はこのところ当たっていますから、無下にはできません。印は下記の通り。


◎ダービー

◎ネオユニヴァース、
○ゼンノロブロイ
▲スズカドリーム、
△サクラプレジデント、エイシンチャンプ、タカラシャーディー、サイレントディール)


○この日の結果

ダービー @ネオユニヴァース、Aゼンノロブロイ、Bザッツザプレンティ


○かんべえのつぶやき

――馬券王先生の新居には、明日になると電話回線が引かれるとのこと。そうしたらインターネット環境も整うので、その後はちゃんと予想が届くようになると思います。それにしても電話って、今でも加入権を買わなきゃ引いてもらえないなんて、ちょっと変だと思いませんか?






5月25日(日)

せっかく日本に帰って来た上海馬券王ですが、引っ越しがままならず、インターネット環境の整わない状況におかれているらしく、予想も難儀しているようです。東スポが頼りというのではいささか心許ないが、さきほど電話取材した結果は下記の通り。


◎オークス

 アドマイヤグルーブ、メモリーキアヌ (ポップコーンジャズ、スティルインラブ、オースミハルカ)

◎東海S

 ゲイリーエクシード ワンモアマイライン (プリエミネンス アルアラン エフエムファルコン)

ごひいきのマイネサマンサが発熱で出られなくなり、オークスの楽しみも半減のようですが、そういやスズカドリームが皐月賞を回避したのも発熱が原因でした。やはりSARSが原因か??


○この日の結果

オークス @スティルインラブ、Aチューニー、Bシンコールビー


東海S @ゴールドプルーフ、Aプリエミネンス、Bディーエスサンダー



○かんべえのつぶやき

――競馬ファンの夢、アドマイヤグルーブによる親子3代オークス制覇はなりませんでした。スタートに失敗した直後、「あ〜あ」という声が中山競馬場で固唾を飲む観客全体に満ち満ちました。桜花賞に続き、そういう馬なんでしょうか。それとも、こらっ、ユタカ、やっぱお前が悪いんじゃないのか?

――スティルインラブが堂々の二冠。そして2位につけたのはチェイニー、じゃなくてチューニー。結論は万場券。当たらないなあ。もう。考えてみれば今月、1回も馬券を取れてない。春天もNHKマイルもオークスも、連戦連敗。それ以外のレースも(そんなにたくさん買ってるわけじゃないけど)、全部はずしている。がが〜ん。

――落ち込んでいるところへ馬券王先生から電話。「とったあ」。アドマイヤグルーブから馬単で、スティルインラブから馬連で買ったんだそうだ。そんな精神分裂みたいな買い方しても、取れば勝ちだもんなあ。自信喪失気味のかんべえ、来週のダービーはどう戦うか・・・・





5月18日(日)

と、いうわけで、これが上海での最後の馬券予想となります。本当は、けれん味たっぷりに、フィナーレを盛り上げたいところですが、引越しや残務整理等で細かい論評もできるゆとりがなく、今回は馬名指名のみです。

下記事項注意

 @現状登録ベースなので、出走しないときはその馬をはずして、出走する低優先順の馬の順位を繰り上げてください。

 Aはやければ、金曜中に通信環境が整う可能性もあり、そのときは日本からの予想表明第一弾と言う形で再度予想を送信します。

◎京王杯スプリングカップ

 ボールドブライアン タイキトレジャー (ローマンエンパイア マイネアイル)

◎新潟大賞典

 テンジンオーカン タニノエタニティ (アサカデフィート ロサード)

では皆さん、日本で会いましょう。(5月14日記)


上海馬券王



○この日の結果

京王杯SC @テレグノシス、Aキスミーテンダー、Bタイキトレジャー


新潟大賞典 @ダンツフレーム、Aタフネススター、Bアサカディフィート



○かんべえのつぶやき

――先生は無事帰国されました。帰国後の準備をしながら、しっかり馬券も買っておられるようで、おめでたい限りです。

――先生、絶好調のようなんですが、上の予想はちょっと冒険が過ぎると思い、かんべえは「サニングデール、グラスワールド(ミッドタウン)」という予想(その後、グラスワールドは出走回避)を出したわけです。ところが結果を見たら、どちらも連にからまず。駄目ですねえ。

――本番直前になって、「京王杯は外枠有利」という法則を思い出し、11枠のテレグノシスと13枠のタイキトレジャーが来そうな気がしたんですが、どう買えばいいのか思いつきませんでしたね。考えてみたら、最近はちっとも勝てないなあ。





5月11日(日)

機嫌がいい。今、私はとても機嫌がいいのです。

本日の京都9R、コスモラブシックと言う超人気薄の馬から馬券を買ったらこれがなんと1着になり、B連複で97180円の配当がついてしまったのです。買ったときのオッズが1600倍あったので、ちょっと残念ですが、日頃はめったに買わないのですが、買っててよかったB連複。これで今年は累損解消黒字転換、日本に帰った後の生活立上げ費が稼げてしまったわけで、最後の最後で思わぬ幸運が舞い込み、私は今とても幸せです。ケケケケケ。

★NHKマイルC

◎ユートピア
○ウインクリューガー
▲エイシンツルギザン
△ヒューマ
△ワンダフルデイズ
△ゴールデンキャスト
△エコルブレイス
△サクラタイリン
Xギャラントアロー


ちょっと前まではマル外のナンバーワン決定戦だったこのレースなんですが、ここ数年の円安と、日米馬主の購買力の逆転で、最近強い外国産馬が入ってこなくなったところにクラシックレースが内国産以外にも門戸を開放したことがとどめとなり、随分様子が変わってきています。

今回のメンツも随分と薄味、どれが勝ってもそれなりに納得と言う「どんぐりの背比べ」状態で、うーん、悩ましい。

私の心に触れる馬が揃いも揃って逃げ馬で、これは共倒れになる可能性もあるゆえ、府中の1600mということで、差し馬から買おうかと思ったのですが、皆も同じことを考えているのでしょうか、人気は差し馬に集中していて逃げ馬は意外なほどの低人気。むむむ、これなら逃げ馬から買ってみる価値もあるか、と考えて選んだのが上記の馬たち。

ユートピアは、3歳のダートシーンではビッグウルフに次ぐ存在なんですが、芝でも毎日杯を2着するなど、適正は十分、一応逃げ馬ですが何が何でもと言うタイプでもないので道中2・3番手でじっくり様子を見る戦略をとる可能性が高く、騎手アンカツなら恥ずかしいレースはしないと思います。

アーリントンCを勝ったウインクリューガーは、1600mまでなら侮れない存在で、前回の毎日杯の惨敗は距離のせいと考えるべきであり、人気がなければお買い得です。

現在1番人気のゴールデンキャストは確かに府中向きの馬と言う気がするのですが、それにしても随分買い被られているような。騎手武なら無視は出来ませんが、距離はせいぜい1400mまでで、マイルではリスクもあるところ、人気との兼ね合いで同じ差し馬なら、NZTの勝ち方が強かったエイシンツルギザン、ゴールデンキャストと似たもの同士だけど人気薄のワンダフルデイズがいい気がします。

ヒューマは、「競馬界の星一徹」こと、山内先生のところの馬だけに、名前だけで座布団一枚なんですが、これも上がりの競馬になれば不気味な存在。当日「G1馬養成ギブス」を体に巻いて現れれば、座布団10枚なんですが。。。

他、大穴では逃げ馬エコルブレイス、ギャラントアローが何が何でも逃げるはずで、共倒れの可能性も高いのですが、何しろしぶといのが身上で2・3着に粘りこむ可能性高し。


上海馬券王


上海からの通信はこれがラス前です。来週は日本で馬券を買うことになると思いますが、まだ、通信環境が整わない可能性が高く、帰国前日に登録馬ベースで予想を送ります。出でよ万券!



○この日の結果

NHKマイルC @ウィンクリューガー、Aエイシンツルギザン、Bマイネルモルゲン



○かんべえのつぶやき

――先生の2位、3位指名のワンツー・フィニッシュでした。冴えてますねえ。「タテヤマで負けたから、その仇をツルギザンで」、というのは富山県でないと通じない駄洒落なんですが、果たして馬券王先生には通じましたでしょうか。

――先生のご帰国を歓迎いたします。日本にいても「上海馬券王」、オークスやダービーもよろしくね。





5月4日(日)


出馬表を見て目を疑いました。な、なんと、出走頭数が18頭フルゲート!

うーん、こういう長距離G1は寂れる一方と思っていたのだが、どうも今年は様子が違うようで。。。。

ただしこんなに頭数が多いのに中身は随分薄味です。G1馬というのがヒシミラクルとダンツフレームの2頭だけ。G1連対実績があるのもこれにツルマルボーイ、ファストタテヤマ、トーホウシデンを加えた5頭しかいないし、更によく見るとこれがG1初出走と言うのが参加者中半分を占める9頭もいるわけで、これでは、国内G1最高峰の名に偽りありのG2レースと言わずばなりますまい。これも去年のJC・有馬を勝った有力どころが出ないために、皆がチャンスありと群がった結果なのですが、それにしても、盛り上がりませんなぁ。

血統で見ると、G1競争の常連サンデーサイレンス産駒が一頭もいないのがこれまた珍しく、その代わりと言っては何ですが、サンデーの子ダンスインザダークの産駒が4頭いて、これがそれぞれ人気になっています。まぁ、確かにダンスインザダークはサンデーの産駒の中では、サイレンススズカ、アグネスタキオンに次ぐ存在ですし、長距離だけで言えば多分ナンバーワン産駒だとは思うので、この競争の上位をこの産駒が独占すれば、日本の種牡馬勢力図にひとつのステイヤー血脈が誕生することになりかねず、これは興味深いと言わねばなりません。

ダンスインザダーク産駒を中心に見ていきましょう。

まず、ダイタクバートラムですが、これは距離適性が見込まれたのでしょう、土曜の段階で圧倒的といっていい1番人気に指名されています。まぁ、阪神大賞典を勝った馬と言うのは、たいてい天春では一番人気になるのですが、人気どおりに天春もすんなり勝っちゃう馬と、どこの誰とはいいませんが本番で全然振るわない大馬鹿者に2分される傾向にあり、彼が第二のナリタトップロード(あ、言っちゃった!)になる可能性も少なからずあると言う気がします。大体、重賞勝ちが先の阪神大賞典だけで、G1もこれが初参戦と言う馬がこれだけ人気になるのも不思議と言えば不思議。まぁ、前回の勝ち方は着差以上に強いので、連軸向きであることは確かなのですが。。。

ツルマルボーイは母父サッカーボーイが意外なステイヤー血脈であり、血統と言うことではこちらの方に魅力があります。問題は3000mを越える距離が今回初めてで距離未知数と言うことでしょうか。軸にはちょっとと言うのが正直なところ。

現在4連勝中のタガノマイバッハは実績の割には人気がなくお買い得な感じ。おそらくは距離未知数が嫌われたと言う事なのでしょうが、騎手アンカツでこれなら単で勝負する目も十分です。人気上位の中では数少ない先行馬であり、彼とイングランディーレ、アルアランで先行集団を形成する展開になることが予想されますが、この集団のレースの進め方がレース全体の展開を支配することが濃厚でそういう意味でも興味深い存在。(イングランディーレもそういう意味で要注意ですが、これは斤量が58kgというのは過去にしょったことがないので厳しい気がします)

ダンスインザダーク産駒の中では一番人気がないファストタテヤマは、まぁ、確かに当てにならないことではこの上ないので軸ではなんなのですが、やはり距離が伸びたほうがいい馬で京都のコースも向いており、軽視禁物。おそらくは、最後方待機の直線勝負に来るので先行集団のレースの進め方に左右はされますが、こういう人馬とも他力本願の一発賭博屋みたいな存在は、はまればアルカイダ並の破壊力があるので、押さえておいた方がいいでしょう。

この他、基本的には「どんぐりの背比べ」見たいな面子なので人気薄にも付け込む隙はありそう。

菊を勝った後ぱっとしないヒシミラクルは今日との長距離で息を吹き返す可能性がなきにしも。距離適正という意味ではマイネルアンプルが穴の魅力ビンビン(但し井崎脩五郎が推奨と言うかんべえさんの情報あり、なんか急に駄目そうな予感が。考えてみれば斤量にも不安はあるし)。えーい、それなら大穴でサンライズジェガーとイエローボイスも追加指名だあ!

と、いうわけで。。。。

★天皇賞(春)

◎ダイタクバートラム
○タガノマイバッハ
▲ファストタテヤマ
△ヒシミラクル
△サンライズジェガー
△マイネルアンブル
Xイエローボイス

ダイタクは馬連想定で◎です。単で狙うならタガノマイバッハかファストタテヤマのほうが妙味あり。


上海馬券王



○この日の結果

天皇賞 @ヒシミラクル、Aサンライズジェガー、Bダイタクバートラム



○かんべえのつぶやき

――終わってみればG1馬。やっぱり盾が似合うのは、それなりの実績がある馬ということなのでしょうか。それにしてもヒシミラクル、昨年の有馬記念などでは負けまくってましたから、最初に切り捨てておりました。甘かったのう。とほほ。わがファストタテヤマは6着でした。

――来週はこれまたフルゲートになりそうなNHKマイルチャンピオンシップ。好天候のもと、まだまだG1の季節が続きます。





5月3日(土)

中国も日本同様ゴールデンウイークに突入しました。

しかし、皆様ご存知SARS騒動のせいで、盛り上がらないことこの上ない。北京は戒厳令同様の厳しい管制下に置かれてまして、外出もままならない緊張状態にあり、繁華街もゴーストタウン同様の閑散としたありさま。上海はと言いますと、これは北京に比べれば全然ゆとりがあるものの、それでも例年この時期に田舎からやってくるおのぼりさんが完全に締め出され、道行く人たちもマスク姿がちらほらということで、相当静かです。

私の場合、日本帰国が決まり最後に観光なんかを計画したのですが、これはやむなく中止。まぁ、連休と言うと家でごろごろ寝転んで本をむさぼり読むと言うことを常とする私としては、かみさんには申し訳ないけど、むしろこの方がありがたいのではありますが。ああ、幸せだなぁ。これで明日あさっては競馬もあるし、これ以上の幸せが必要でしょうか。


★青葉賞

◎スズカドリーム
○タカラシャーディー
▲マイジョーカー
△クラフトワーク
△ゼンノロブロイ
△スズジャパン
カイシュウコンドル

ダービーに向けたトライアルなんですが、例年このレースの勝ち馬でダービーを勝った馬と言うのはいないわけで(かの年度代表馬シンボリクリスエスもダービーは勝てなかったしね)、今年のメンバーを見渡しても皐月賞組は最下位だったブラックカフェだけだし、相当しょぼいです。

スズカドリームは人気確実の皐月賞を発熱で回避して、こちらに回ってきたわけで、事実上唯一の皐月賞組であり、そういう意味でも負けは許されないところ。格から言っても血筋から言っても、またこれまで応援してきた私の立場からも勝ってもらわなくては困るのですが、今回熱発明けという割り引き材料が気になります。前回の毎日杯の負け(タカラシャーディーに0.8秒差の3着)は休み明けということでこれは確信犯。皐月賞は楽しみだったのですが、発熱明けの今回は再び「確信犯」になる可能性も高いのです。

ただねぇ、皐月賞の上位2頭は相当強いので、ここに食い込もうと言うのなら、これくらいのハンデはあっさりクリアして欲しいよね。大体、このままあの2頭でダービーが決まればいくら18頭のフルゲートでも馬連3〜5倍のデフレ配当になることは必定で、それじゃつまらないじゃないか。ダービーを面白くするためにも、不安だけどここはみんなでスズカドリーム君を応援しましょう。

地方出身の超地味血統タカラシャーディーは上記のしがらみを考慮しなければ一番妙味のある存在です。2歳時は地方でも中央入りしてもぱっとしなかったのですが、今年になってから急にブレイク。スズカドリームとは別の意味で人の思い入れを誘う存在ですが、まだ皆半信半疑なので意外といい配当になるかもしれません。

他では、府中なら押さえておきたいトニービン産駒マイジョーカー、中京を追い込んで勝った脚は本物クラフトワーク(←昔、ドイツのテクノロックグループにこういう名前がありましたっけ)、クリスエスの再現なるか藤沢君ちのゼンノロブロイ、まだまだ底は見せてない唯一のマル外スズジャパン、大穴で狙ってみたいフサイチコンコルドの子カイシュウコンドルなんてところが面白そう。


上海読書王



○この日の結果

青葉賞 @ゼンノロブロイ、Aタカラシャーディー、Bクラフトワーク



○かんべえのつぶやき

――当たり前の結論。馬連でも520円という低い配当。で、もってスズカドリームはどこ? ダービーには賞金が足りてるから、ここは頑張らなくてもいいなんて思ってないでしょうね? まーったく、今日は大敗しちゃったよ。

――その一方で、ダービーでは先の皐月賞組と今日の上位陣が激突するわけですから、ハイレベルな戦いが期待できますね。それから明日は春の天皇賞。当方は@ファストタテヤマとHマイネルアンブルが気になっています。





4月27日(日)

今週の水曜から今日まで日本に帰ってました。5月に本格帰国する前の各種調整が目的だったのですが、非常に時期が悪かった。

僕に会おうと言う奇特な方があまりいなかったわけなのであります。うう。。。

日本の対応も異常と言えば異常なのですが、帰ってきた上海も随分様子が変わってます。まず飛行機に誰も乗っていない。タラップを降りた後リムジンバスに乗り込んだ人数を数えてみたら28名でした。いつも満員でチケットを取るのに苦労した上海便が28名!航空業界はどうなるのでしょう。(まぁ、こんなにすいてると、ビジネス席みたいで、乗り心地は凄くよかったんだけどね) 空港から家に帰る道も土曜の夕方と言うのに、異常に交通量が少なくて、あっという間に着いてしまうし、中国もどうなるのでしょう。

SARSというのは死亡率と言う意味ではAIDS程凶悪ではないのですが、いまのところ、どうやったら感染を防げるかがわからないところが、得体の知れない不気味さを人々にあたえているわけで、このパニックが収まるにはもう少し時間がかかりそう。近いうちに対応方法は発見されるでしょうが、外資と国債に依存しまくってる借金漬けの中国経済は動きつづけなければ倒れてしまう自転車のようなものである故、短期間のハプニングでも修復不能な傷跡が残ることになりかねません。

★フローラS

◎センターアンジェロ
○ミルフィオリ
▲セイレーンズソング
△トーセンリリー
△シロキタガデス

今回は、出張帰りで疲れているので簡単に。
桜花賞の惨敗組と新興勢力の争いですが、見た感じぱっとした馬が見当りません。桜花賞勢ではセンターアンジェロが府中とこの距離に向きそう。新興勢力では連勝中のミルフィオリが底を見せていない感じ。セイレーンズソング・トーセンリリーは桜花賞をすぱっとあきらめて、オークスに的を絞ったそのローテの潔さが好感を呼びます。
穴では、シロキタガデスがそろそろブレイクするような気が。。。


★アンタレスS

◎ゴールドアリュール
○ディーエスサンダー
▲サンライズキング
△タイムパラドックス
△サンエムノヴァ
△スマートボーイ

いくら私でもゴールドアリュールには逆らえません。彼が現時点でのダート中距離ナンバーワンであることは、まず反論の余地のないところでしょう。(ビッグウルフが成長するまでのことだと思うけど)これに勝つ可能性がわずかでもあるのは逃げ馬スマートボーイということなのでしょうが、これはいくらなんでも今回は相手が悪そう。
替りと言っては何ですが、穴っぽいところを惑星で押さえます。


★カブトヤマ記念

◎カナハラドラゴン
○カンファーベスト
▲エーティーダイオー
△テンエイウィング
△イシヤクロマン

はて、カブトヤマ記念というのは確か秋の風物詩ではなかったかしらん。
まぁ、マル父の争いと言うのは、元々華がないのだが、今回もぱっとしたのが少ないね。
明確な軸に出来る馬もいないし、ここはボックスですか。


上海馬券王



○この日の結果

フローラS @シンコールビー、Aタイムウィルテル、Bセンターアンジェロ


アンタレスS @ゴールドアリュール、Aイーグルカフェ、Bディーエスサンダー


カブトヤマ記念 @ストロングブラッド、Aタケハナオペラ、Bカナハラドラゴン



○かんべえのつぶやき

――フローラSはシンコールビーが番狂わせ。すごい配当になりましたなあ。アンタレスSはゴールドアリュールの強さばかりが目立ちました。それにしても、新装なった東京競馬場は実に美しい。いいっすねえ。

――いよいよ馬券王先生の帰国が近づきました。おそらくオークス(G1、5月25日)くらいから本格参戦されるのではないでしょうか。その節はまたご教授願いたく。


――その前に来週の「春天」はどうなんでしょう。ファストタテヤマがそろそろ来てほしいんですが。ゴールデンウィークの日本はG1ラッシュです。





4月20日(日)

★皐月賞

◎ネオユニバース
○エイシンチャンプ
▲ザッツザプレンティ
△サクラプレジデント
△スズノマーチ
△テイエムリキサン
△ブルーコンコルド
ビッグコング

えー、将棋のプロ棋士に羽生善治と言う人がいます。将棋を知らない人も恐らく名前くらいは知っているのではないでしょうか。

何故彼がこれだけ有名になったかと言うと、プロ将棋における7大タイトルを同時期に全て独占すると言う離れ業を成し遂げてしまったからでして、これは競馬で言えば、2つの天皇賞と有馬記念、ジャパンカップ、宝塚記念、安田記念、おまけにフェブラリーSというG1競争を1年間ですべて勝ってしまうということに神業に等しい偉業なわけで、如何に彼が人間離れの強さを持った将棋指しであるか分かると思います。

ところが。
驚異的な勝率で勝ちまくっていたにもかかわらず、デビューしてからの数年の彼を評価する人は玄人筋では殆どいなかったのです。曰く「マナーが悪い」、曰く「劣勢でも見苦しく粘って、怪しげな手を連発して、相手のミスを誘って勝っている」、曰く「あんな汚い勝ち方ではどれだけ勝ってもタイトルを取るような器とはいえない。」要は、どんなに勝ちまくっても「あいつだけは、強いと認めない、認めたくない」とする気分を持つ人がかなりいたわけなのであります。

今のエイシンチャンプはまさにそういう評価の中にいます。実績だけを見れば1番人気になってもおかしくないのですが、この人気の低さはどうしたことか。一般的な気分を代弁すると、「勝ちまくっているけど、それは強力どころが出遅れたり、不利をこうむったりした間隙をついての勝利ばかりで、こういう『汚い』勝ち方をする奴はフロック野郎で強いとは意地でも認めたくない。」というところでしょうか。

しかし、彼は羽生善治である可能性があります。羽生も終わってみれば「タイトルホルダーの器でない」どころか、その才能が大きすぎて常人の理解を超えた天才であったことが証明されたわけで、エイシンチャンプもそうなる可能性は少なからずあると言う気がします。
サニーブライアンとかマンハッタンカフェとか過去このように「意地でも認めたくない」といわれながら、やっぱり認めざるを得なくなった馬と言うのもありますし、人気のないここが最後の買い時と言う気もします。

エイシンチャンプが羽生善治なのかそれとも単なるフロック野郎なのか。それがこのレースで結論付けられる気がします。それがスズカドリームの欠場で意気あがらない私の唯一の興味です。


上海馬券王



○この日の結果

皐月賞 @ネオユニヴァース、Aサクラプレジデント、Bエイシンチャンプ



○かんべえのつぶやき

――最後直線の一騎打ちはさすがに見せました。今年の三才馬はやっぱりレベルが高いんじゃないでしょうか。その分、馬券の配当という面では妙味がない結果に終わりましたが。

――勝ったネオユニヴァースについては、さる人のこんなコメントがよく似合います。「名工は少し鈍い刀を使う。これまで大差勝ちがないのは、決して抜き出た実力がないことを意味しない。あの馬は相当強いぞ」。(かんべえの不規則発言、4月9日分参照)。真の強さというものを感じさせる、堂々の結果でありました。

――来週からは新装なった東京競馬場に戦いの場は移ります。上海馬券王先生の帰国も近づきました。来週も予測してくれるかな?






4月19日(土)

皐月賞の出馬表を見てがっくり。スズカドリームが出ていない。。。何故だぁあ!何故なんじゃああ!
桜花賞のマイネサマンサといい、なぜ私の心の琴線に触れる馬は晴れの舞台に出れないのでしょう。はっきり言ってもうやる気がしません。

(ちなみにマイネサマンサは桜花賞が行われた日の阪神9R忘れな草賞(別名桜花賞落ちこぼれ組やけ酒ステークス)で圧勝しています。これはタイム以上に強い勝ち方で、桜花賞に出ていても好走したことは間違いなく、非常に悔しい。まぁ、今回でさすがに賞金は足りたでしょうから、この無念を是非オークスで晴らしてもらいたい。期待してるよ!)

★マイラーズC

◎テイエムオーシャン
○ローエングリーン
▲キスミーテンダー
△リキアイタイカン
△スカイアンドリュウ
△タイキトレジャー
注サダムブルースカイ

安田記念の前哨戦なんですが、その割に小頭数。また、長期休養明けが多いメンバー構成です。

上昇気流に乗るローエングリーンの一番人気が濃厚。確かにこの馬は安田記念ではどうかと思うんですが、阪神なら優位は動かないところです。でも、ここは、阪神のこの距離を3勝無敗、休み明けでも4−0−0−1のテイエムオーシャンを敢えて取りたい。2000mでも勝っているのですが、彼女の本領は1600mであり、タイキシャトル以降ではもっとも強いマイラーじゃないかと、密かに私は考えているのです。

その他、実績上位ではG1馬ダンツフレーム、アンカツ騎乗テンザンセイザと言うところがいるのですが、これがそろいもそろって凄まじい近況でこれはいくらなんでも無理でしょう。替りと言ってはなんですが、条件戦準オープンを連勝中の遅れてきた上り馬キスミーテンダーが面白い。あと、人気薄のときに限って好走するリキアイタイカンは今回ある程度人気するでしょうが、無視できないところであります。

そして、サダムブルースカイなのですが。。。。。これは名前で人気になりそうな感じ。(実績からすれば単勝万馬券が相当なのですが、ひょっとしたら20倍台くらいになるかもしれません)
実は出馬表にこの名前を見たとき、浅草の場外馬券売場で、人目をしのんで馬券を買う小泉と亀井静香(←この人見るからに競馬親父だよね)にコーチ屋に身を落としたフセインが怪しげな馬券を推奨するというコントがひらめいたのですが、これはまた別の機会に。

(なにせ、スズカドリームのショックでやる気が出ないのだよ。今日の私は)

傷心の 上海馬券王



○この日の結果

マイラーズC @ローエングリン、Aキスミーテンダー、Bテイエムオーシャン



○かんべえのつぶやき

――スズカドリームが出ないのは遺憾であります。それでも今年の皐月賞はいい顔触れが揃ってるじゃありませんか。ひとつしっかり予想してくださいよ、先生。

――マイラーズC、本日は疲労困憊で昼寝。ま、普通の結果でしたね。配当も低かったです。





4月13日(日)

えー、SARS騒ぎは今、日本でしゃれにならないレベルで大きくなっているみたいですね。先日、日本からお客さんが来て上海・北京で1週間過されたのですが、帰国後いただいた挨拶のメールにはこう書かれてありました。

「誰も俺に会ってくれない。近くに寄ろうともしないんだ。仕事でアポを取ろうと思っても、皆一様に、1週間後とか言って引き延ばしてくるし。」

飛行機の日本便も完全に現在片側通行になっているらしく、中国発にはたくさんの人が乗っているけども、中国着の搭乗率は相当低く、やってくる人もビジネスで嫌々来ているらしく、空港で手荷物を引き渡したらそのまま日本行きの便に飛び乗って帰ってしまう人もかなりいるのだそうです。

うーん、気持ちはわかるけど、こういうのって、住んでる人間には不愉快だよね。貴様らぁ、俺たちを病原菌扱いしやがって。地獄に落ちるがいいわぁぁぁぁ!

外資頼りのこちらの政府は今、騒ぎを静めようと躍起になっています。毎朝感染者をテレビに出して、「入院してたけど、もう全快しました。食欲も旺盛、タバコがうまい。」なんてピースサインなんかさせてます。まぁ、今まで変に隠し立てしてきた報いと言えば報いなのですが、この国の場合、隠し立てしてきたというよりは単に問題を軽視してきたというのが本当のところかも知れません。現在のWHOの発表によればこの病気の死亡率は4%強、これは確かに通常のインフルエンザに比べ一桁多い数字なのですが、過去動乱があるたびに10万、100万単位で人が死んできたこの国の感覚では「何騒いでんの」と言うところがあるのは否めないわけで。

でもねぇ、皆さん、私は健康なのです。土日は競馬で引きこもりだし、毎日帰ってきたら手は洗ってるし。私が日本に戻っても冷たくしないでね。(うー、グホ、ゲホ、ゴホ!)


★桜花賞

 ◎ヤマニンスフィア
 ○ヤマカツリリー
 ▲アドマイヤグルーヴ
 △スティルインラヴ
 △オースミハルカ
 △チューニー
 △センターアンジェロ
 △マイネヌーヴェル
 △モンバルナス

 密かに楽しみにしてきたマイネサマンサが出ないので、なんか、ブルーな気分、はっきり言っていたいけです。

 今回、超良血アドマイヤグルーヴがどのようなレースをするかが興味深いところ。
重賞馬ラントゥザフリーズを含む牡馬相手に3戦3勝は確かに立派なのですが、これまでのローテーションがもろオークス想定であり、忙しい1600mでどうなのか、後、前回の若葉Sは超スローを逃げ残ったもので、タイム(阪神2000mを2分3秒)も良馬場では平凡すぎるわけであり、これまでの実績からは飛びぬけて強いと言う印象は受けないしで軸にするには少々勇気のいるところ。ただ、前回ビッグコングの猛追を鼻差振り切ったところから勝負根性はあるようで、どのような展開になっても掲示板ははずさないとも思いますし押さえには欠かせないでしょう。

 騎手アンカツで人気確実ヤマカツリリーは、単では心もとないのですが、安定感から連軸向き。前残りの展開なら彼女とアドマイヤグルーヴの1点でもいいような気がしますが、それでは面白くないのでハイペース想定と言うことで差し馬重視で馬券購入してみたいと思います。

 差し馬ではなんといってもフラワーCで直線他馬をごぼう抜きにした、マイネヌーヴェルに目が行きますが、これはどう見てもオークス向き、府中向きの馬で、阪神1600mなら鋭さ互角のヤマニンスフィアに馬券の妙味ありと考えます。

当日は、ヤマニンスフィアからワイドで8点、押さえにAG・YLの馬連を一点というのが現時点の見解かな。


上海馬券王


○この日の結果

桜花賞 @スティルインラブ、Aシーイズトウショウ、Bアドマイヤグルーヴ



○かんべえのつぶやき

――すごい末足を見せたアドマイヤグルーヴでしたが、序盤の出遅れが響きました。ヤマカツリリーも今一歩ということで、武対アンカツにはなりませんでした。ということで、幸騎手が10年目のG1初勝利という結末に。先生がご推奨のマイネサマンサは、阪神9レースで勝ってましたね。次の機会に頑張ってもらいましょう。

――先生、ご帰国が近いそうですが、来週の皐月賞も超難問ですから、よろしくお願いしますよ。





4月6日(日)

えー、ご存知の通り、現在中国南部では、”SARS”なる感染症が流行っております。

待ち焦がれていたストーンズのコンサート(4月1日)が中止になったときは、「いくらエープリルフールでもやっていい事と悪いことがある」と怒りほとばしったのですが、その後、中国政府が問題を公式に認めるに及び、こちらのメディアも一転危機感を煽る報道を流し始めており、随分まわりの雰囲気が変わってきました。うーん、これって、やっぱ、やばいのかぁ?(でも、どう考えてもストーンズって風邪ひくようなたまじゃないよねぇ。)

香港の家電販社に駐在する知人のメールによりますと、香港全体がパニック状態で大変重苦しい雰囲気にあり、必然的に商売の方も完全にあがったりで、皆がマスクをして家に引きこもってる関係上、テレビだけがそこそこ売れているのだそうです。
返還後、「中国への窓口」というアイデンティティを上海に奪われ、最近地盤沈下の著しい香港なんですが、そこに来てこの騒ぎ。これは、病気騒ぎが落ち着いたとしても長期的な影響が残るやも知れません。

「家族は日本に帰して、現在単身状態、これで死んだら労災認定は降りるんですかね。」というのが、彼の結びの言葉なのですが、なんか、読んでて冗談とは思えない響きを感じるし、リアクションに困るよな。

今のところ上海は、平静です。身の回りで感染だの隔離だのといった騒ぎは全然起きてないし、私自身、ストーンズのコンサートがお流れになった以外、これと言った被害は受けてないし。まぁ、広い中国ゆえ、広東と上海じゃ異国も同然なわけで、そんなに簡単には飛び火はしないのですが、ただ、マスクの売上はこちらでも相当増えているようで、皆、外出後やたら手を洗うようにもなりました。もともと人に会いまくる職種でもないし、土日は競馬漬けで完全に引きこもり状態だしで感染のリスクは低いとは思うんだけど、皆さん、無事を祈ってね。

★ダービー卿チャレンジTR

 ◎マイネアイル ○ユキノサンロイヤル ▲グラスワールド △ミデオンビット △ハッピーパス ×ダンツジャッジ

 ハンデ戦と言うこともあり、結構難解です。 マイネアイルは斤量が魅力。京都牝馬を勝ったハッピーバスと差のない2着であり、今回の斤量を考えるとこちらを取りたい。ユキノサンロイヤルは、得意の中山1600mに戻ることで一発の可能性あり。グラスワールドは安定度ナンバーワンで軸向き。ミデオンビットは鉄砲が得意ではなく今回割引。G1馬テレグノシスは今の中山は辛いと思います。


★産経大阪杯

 ツルマルボーイ マグナーテン タガノマイバッハ マイソールサウンド (アグネススペシャル)

大体、上記の4頭で決まるとは思うんですが、それぞれ下記の強み弱みがあり、今のところ優先順位をつけられません。

・ツルマルボーイ:実績申し分ないし、武騎乗は大いにプラス。ただ、休み明けで追い込み一手の脚質が単では?。
・マグナーテン:最近の実績から言えばナンバーワン。ただ、乗りにくい馬で岡部・ペリエ→横山と言う騎手変更は不安。
・タガノマイバッハ:アンカツ騎乗で人気確実。ただ今回斤量は随分増えるし、逃げ馬ということでマグナーテンと潰し合いになる可能性高し。
・マイソールサウンド:先行馬ということで展開の利が高そう。でも56kg以上の経験がないところに58kgは。。真価が問われる一戦。


まぁ、当日の馬場状態を見て不良ならマイソール、マグナーテン。良ならツルマルから買ってみたいと思います。




上海馬券王


追伸:本日の中山9R「伏竜S」にビッグウルフが出ますが、これは重賞以上に楽しみな一戦。ひょっとしたら皐月賞に出走かとも思ったんですが、どうやらダートに路線を絞ったみたいで、まぁ、それもよいでしょう。勝つのは恐らく確実とは思いますが、問題はどれだけ強いところを見せてくれるかで、クロフネ級のポテンシャルを是非見せてもらいたい。皆で注目しましょう。



○この日の結果

ダービー卿チャレンジトロフィー @ダンツジャッジ、Aマイネアイル、Bグラスワールド


産経大阪杯 @タガノマイバッハ、Aマグナーテン、Bツルマルボーイ



○かんべえのつぶやき

――上海馬券王が今週も冴えまくり。ダービー卿CTは、ご推奨の馬をボックスで買えば、美味しい万馬券にありつけた計算です。産経大阪杯は、今週もアンカツが見事に決めました。9Rのビッグウルフもきっちり来ましたね。先生、笑いが止まらなかったのでは。

――そうそう、10Rの「湾岸ステークス」は@スーパージーンにAタイムレスワールドというきわめて堅いレース結果でした。ここまで来ると、もう荒れ場は期待できないということのようです。

――今日の中山競馬場は桜が満開。先生もSARSに負けず、ご自愛ください。ご一緒に勝負する日をお待ちしておりますぞ。




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by Tatsuhiko Yoshizaki