●かんべえの不規則発言



2025年12月





<12月1日>(月)

〇中公新書の新刊で『豊臣秀長』(和田裕弘)を読了。というと、いかにも来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」を当て込んだ安直な企画のように思えるけれども、きわめて真面目な研究書である。

〇本書を読んでいちばんビックリしたのは、秀吉の弟、秀長はある時期までは「長秀」であったらしい。長秀と言ったら、織田家臣では丹羽長秀と同じ名前になるが、どうやら信長から一字をもらった可能性があるという。ということは、秀長は(紛らわしいが、当時は長秀)、もともと織田家の家臣であって、そこそこ有望株であったことになる。

〇つまり巷間伝えられている通り、木下藤吉郎が織田家で出世して、それで実家に帰って自分の弟を連れ出して、家来にして共に出世を遂げたのではない。もともと弟も、織田家の家臣であった。そう言うことになった場合、日本の組織では「お前、兄貴の手伝いしてやれよ」となるのは自然な流れなので、「与力」として秀吉軍に配属されていたのではないか。

〇秀長は本能寺の変以降、「秀吉の弟」として活動するようになってから、いよいよ頭角を表していく。「兄・秀吉を天下人に押し上げた功労者」という評価も、けっして大げさではない。ただし、それ以前の活動はほとんど歴史に残ってはいない。「実は織田家中では、知る人ぞ知る存在であった」というのは、いかにもありそうな話であるように思えます。

〇ちなみに黒田官兵衛は、秀吉から「わが弟同然」と評されるほどの信頼を勝ち得ていたとよく言われ、そういう手紙も残っている。ただしこの話は、弟・秀長の評価がもともと高く、皆がそのことを承知していた、ということが前提でなければなりませぬ。

〇それでは「長秀」はいつ「秀長」になったかというと、小牧・長久手の合戦のときからだという。この戦いは、天下人にほとんどリーチをかけた状態の秀吉が、織田信雄と徳川家康の連合軍と戦ったものである。つまり秀吉としては、とうとう「主家・織田家に弓を引いた!」という状態であるから、ここまで来てしまえば今さら信長に遠慮する必要はなくなる。だから弟も、長秀をひっくり返して秀長にしたのだと。

〇ひえ〜、と言うしかない。いやあ、昔、司馬遼太郎の小説で学んだ戦国史とえらい違いである。が、もちろんこっちの方がリアリティがある。そもそも豊臣秀長の存在は、「補佐役」の事例として堺屋太一が小説にするまでは、ほとんど注目されていなかった。つくづく戦国史の研究は日進月歩なのですなあ。

〇著書の和田裕弘氏は戦国史研究家である。というと、中公新書から既に織田信長関連で多くの著書を出している谷口克広氏がいて、ワシはほとんど全部買っているのだが、たぶん似たようなキャリアではないかと思う。要はアカデミアの外で、コツコツと戦国史研究を続けた人である。こういう人が在野に居る、というのがわが国の懐の深いところでありまして。

〇本書には、「信用できる史料によれば・・・」という言葉が何度も、くどいほど出てくる。逆に言えば、信用できない史料がいかに多いかということでもある。要らない史料を削ぎ落しつつ、どこまでが真実なのかと迫りつつ、分からないことははっきり「分からない」と書く。おそらくは相当に辛気臭い作業なんじゃないかと思う。これはそういうストイックな作業の成果物である。

〇ということで、同じ著者の『織田信長の家臣団〜派閥と人間関係』(中公新書)も買ってしまいました。ストイシズムは後を引くのである。


<12月3日>(水)

〇昨日は経済同友会の米州委員会にお伺いし、勉強会の講師を務める。トランプ政権はこれからどうなるのか?関税問題の行方は?といったことで関心が高い。

〇ここへきてめっきり政権支持率も低下し、いかにも困難な状況に見える。トランプ支持者向けのラリーも、今年の春ぐらいを最後に長らくお休みとなっている。しかるに彼は、ラリーで自分の支持者を沸かせ、なおかつその反応を見ながら民意を掴むことで今日の座を得てきた。とはいえ、大観衆を集めると今度はみずからのリスクが高まる。悩ましい。

〇逆に民主党サイドは、11月4日のオフイヤー選挙でようやく「トンネルの出口」が見えてきた。トランプ陣営は労働者層を着実に囲い込み、しかもヒスパニック層や若年層をも取り込んで「トランプ連合」が形成されている!――という2024年選挙の結果分析は、今ではかなりの部分が否定されている。来年の中間選挙は盛り上がることでしょう。

〇そして本日は、東北生産性本部さんの講演会で仙台市へ。ご存じの通り、杜の都・仙台は東北随一の大都会であるが、なんと駅前の旧さくらの百貨店ビルが間もなく解体工事が始まるとのこと。2017年に閉店して以降、ずっと放置されていたものが、ようやく解体工事が始まるとのこと。

〇これをどうやって再開発するのか。非常に悩ましい問題というべきで、供給力不足に悩む今の日本経済においては、いくら予算をつけても簡単に進む話ではない。ただし似たような話は、札幌駅南口などいろんなところで聞く話ではある。

〇とまあ、この季節、いろんな場所で講演会に赴きつつ、ネタを仕込んでは来年の予想を組み立てる、という作業を続けております。明日は某金融機関さんでセミナーを務めます。


<12月5日>(金)

〇ふと考えたこと。幸福な老後に必要なものは何だろう?


@健康〜これが失われたら、それこそ「死んだ方がマシ」になってしまう。ご同輩、気をつけましょうね。

A家族〜仲が良くても悪くても、ないよりはあった方がいい。先立たれたりすると一気に人生がツラいものになります。

B仕事〜収入を伴わなくてもいいから、自分の「居場所」があった方がいい。「社会参加」がなくなると、人は急に老け込んでしまいます。

C貯金〜ゼロだと困ります。ただし金額が多過ぎると、無用な心労を招くこともあります。「頃合い」が難しい。

D友人〜大勢でなくてもいいから、できれば古い友人をいつまでもキープしておきたいものです。これまた、先立たれるとツラいです。

E評判〜名誉や勲章などはさておいて、周囲から「そんなに悪くない評価」を持たれていることも、高齢者が生きていく上では重要な要素となります。

F思い出〜仕事上の武勇伝もよし、子育てなどほのぼの系もよし、趣味の自慢も大アリですよね。これだけは、けっして他人に奪われることがありません。


〇「俺は7つ全部揃っているぞ!」などという人がいるとしても、そんなことを自慢しちゃあいけません。時の流れとともにひとつ、またひとつと失われていくのが、この世の中というものであります。

〇いろんなものを失っていく中で、「これだけはけっしてなくならない」と思っているFの思い出も、本人がボケてしまったらお終いとなってしまう(それはそれで幸せなことなのかもしれない)。ともあれ、最後は必ずゼロになる。そうして帳尻が合う。運命に抗ってはいけません。

〇なんでそんな話を思いついたかと言うと、すいません、理由はもう忘れてしまいました。ともあれ、上記の七つを大事にすることが、よりよく生きることに直結しているように思います。お金とか健康とか、それだけを切り離して論じることは、あまり生産的ではないような気がするなあ。


<12月7日>(日)

〇先日聞いた話。大阪万博が終わったときに、警備の関係者一同が安堵のため息をついたんだそうだ。


「よかった。半年の会期中に一度も台風が来なかった」


〇そりゃそうだ。関西だって年に1度くらいは台風は来る。特に大阪での万博開催が決まった2018年には、台風21号で関空が水没する事態があった。そう言えばあの年は、大阪北部地震もあったんですよね。

〇夢洲というところは埋立地ですから、台風で海が荒れたら、中にいる人たちは大変なことになる。中央線が止まる事故はありましたけど、まあ、そのくらいで済んで何よりでした。ましてやテロ事件などもありませんでしたし。

〇ドイツなんぞは1972年にミュンヘン五輪を開催した際に、パレスチナゲリラによるイスラエル選手団襲撃事件があり、事後は五輪も万博も誘致していません。大型イベントにはリスクがつきものなのです。ほら、東京五輪はパンデミックで苦労したでしょ?

〇万博が行われたお陰で、今では「大屋根リング」などの思い出が残り、今後はIRが建設される。しかし仮に万博がなかったら、夢洲は今でも「大阪の負の遺産」のままであったはず。そもそも大阪は2008年五輪の誘致にも失敗しているんですよね。

〇こういう「当人たちが気づいていないラッキー」は、世の中にはいっぱいあるはず。万博後の大阪はどうなっていくのか。1970年万博は大成功だったけど、その後は大阪経済の地盤沈下が続いた。2025年万博の後は、そうでないようでありたいものです。それに個人的にも、来年は大阪に伺う機会が増えそうなので。

(→後記:親切な読者からのご指摘で、ドイツは2000年にハノーバー万博を開催しています。失礼いたしました)



<12月8日>(月)

〇本日はこの時期恒例、常陽銀行さんの経済講演会で土浦へ。

〇茨城県の現下の大ニュースと言えば、何と言っても鹿島アントラーズの9年ぶりJ1優勝である。と、思っていたら、なんと水戸ホーリーホックもJ2で優勝していて、晴れてJ1昇格なのである。ということは、来期は茨城県内にJ1チームが2つ存在することになる。

〇いやあ、なんて贅沢な。アントラーズ対ホーリーホックという「茨城ダービー」ができてしまう。常陽銀行さんは、いったいどちらを応援すればいいのか。わが千葉県などは、以前は柏レイソルとジェフユナイテッド市原の「千葉ダービー」があったのですが、ジェフがJ2に降格して以来、途絶えておるのです。

〇まあね、神奈川県は別格ですよ。横浜市内にマリノスとフリューゲルスが共存していた時代があるくらいですから。それに今でも、横浜マリノスと川崎フロンターレと湘南ベルマーレと横浜FCがあるって、いったいどうなっておるのですか、神奈川県。

〇それ以外では、東京都がFC東京と東京ヴェルディとFC町田ゼルビアの3チーム、大阪府はガンバとセレッソ、埼玉県は浦和レッズと大宮アルディージャ、静岡県が清水エスパルスとジュビロ磐田ですか。こうしてみると、それぞれに「地政学」みたいなものが感じられていいですな。浦和と大宮なんて、仲が悪いですからねえ。

〇それにしても、かつてはジーコを擁する常勝軍団だったアントラーズ、そして市民スポーツクラブ出身のホーリーホック、対照的な2チームが同じ県内にある、というのは、隣の千葉県としては羨ましい。これはもう、ジェフがJ1に上がってきてもらうしかない。だって名門なんだから。でないと岡ちゃんやオシム監督に申し訳ないじゃないですか。


<12月9日>(火)

〇本日は文化放送「長野智子のアップデート」へ。だんだん定期便になってきました。

〇本日のネタは日中関係ですが、アメリカの動きも気になるところ。トランプさんにハシゴを外されてしまうと、日本外交としてはとっても困るのです。ところが、この週末に出たトランプ第2期政権のNSS(国家安全保障戦略)は少々「目がテン」になるような内容で、この辺もご紹介させていただきました。

〇とはいうものの、諸般の事情により、文化放送の出番はこの次は年明け1月27日(火)までありません。「良いお年を〜」ということで、お別れしてきました。

〇そうそう、年明け1月13日(火)には北海道大学でお話する機会をいただきました。札幌市とその周辺にお住まいの方は、よろしければお申し込みください。参加は無料です。

2025年度 北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部研修事業
「どうする?2026年世界と日本」

概要:2026年が始動しました。世界各地で頻発している紛争、社会体制の再構築に向けての解決策は
見えていません。
我が国でも議論を尽くすべきテーマが山積しています。
不確実性と称される時代に、我々は何をどう認識すべきか、日本の新政権が米国を始めとする
世界の枠組みの中で進むべきこれからの方向性について独自に解説頂きます。
講演者の斬新な分析が、教育現場にも活かされることを期待します。

日時:2025年1月13日(火)17:15-19:15
講師:吉崎達彦 氏((株)溜池通信 代表取締役)
会場:北海道大学学生交流ステーション大講義室(111教室)
参加申し込み:ご参加希望の方は1月13日(火)13時までに以下よりお申し込みください。
https://x.gd/LYuqx 
お問い合わせ:北海道大学高等教育推進機構(国際教育研究部国際産学協働教育ユニット)川端千鶴
       c.m_kawabata[A]oia.hokudai.ac.jp ([A]は@に置き換えてください)



<12月10日>(水)

〇会社を辞めて少しは暇になったら(と言いつつ、あんまりそうじゃないんだけど)、せめて月刊誌はちゃんと読もう、と思っておったのだが、今月の中央公論を読んでみました。この論文はいいですね。感心しました。


●「最高実力者」としての習近平 鈴木隆(大東文化大学東洋研究所教授)


〇全然知らない人でしたけど、大変勉強になりました。気に入った場所を抜き書きしておこう(下線部は不肖かんべえ)。


また、台湾や東シナ海、南シナ海の島嶼の「失地回復」をめぐる習近平の発言からは、党・政府・軍の組織的頂点に立つ実存的存在の最高指導者でありながら、擬人的に観念された「中華民族」や物神化された「党」に使える従者のようにみえる。おそらく習近平の脳裏には、父親の習仲勲をはじめ中国革命に功績のあった父祖の世代の主要な指導者のうち、自分と直接交流のあった物故者の姿が想起されている。最高指導者である習近平にとって、みずからの政治的責務を全うすべき相手としては、現世に生きる中国国民はもちろん、とりわけ、領土や主権、歴史認識、そして国際政治での覇権追求などの特定の政治課題では、生者と同等、ときにはそれ以上に、死者――既に鬼籍の人となっている革命の先達も含まれる。いうなれば習近平は、半分仏壇を拝みながら政治を行っている


最大の不安要素は、習近平の健康状態と後継問題である。軍の例でいえば、個人集権を強化した反作用として、蜘蛛の糸のように張り巡らされた規則と権限の束によって、その中心に位置する最高実力者自身が、客観的に見れば「搦め捕られた」状態になっている


一方、習近平には祖先崇拝の対象がある。父親の願いにより、故人の出身地である陝西省に地元政府の支援を受けて2005年に完成した習仲勲の陵墓である。これこそまさに国家と個人が部分的に合一化したアイデンティティ感覚の証しといえよう。それゆえ習近平は、現世での自分と家族の安全、みずからの死後の名誉、さらには他の革命元勲には類を見ない威容を誇るとされる家族の墓を守るためにも、既存の支配体制の維持・発展に努めなければならない。「紅二代」の血筋を誇る習にとって、「家業」としての一党支配の永続化は至上命題である


〇いや、面白いね。ケ小平がみずからを水葬に帰したのは、そんなあと腐れがないようにという配慮だったのですね。この論考、全体に観察に実があって、文章も練られていて良いと思いました。特に「仏壇を拝みながら政治を行っている」とか、「(蜘蛛の糸に)搦め捕られた状態になっている」とか、いちいち情景が目に浮かぶようではありませんか。

〇世の中には自分が見たこともないくせに、「習近平は今、こうなっている!」などという輩がいっぱいおります。つくづく動画サイトなんて見てちゃいかんですよ。アイツら、「習近平の健康状態が重篤である」とか言いつつ、単にそれでアクセス数を稼いでいるだけですから。毎日、スマホで「お薦め」情報をタダで見ていると、人はどんどん退化していきます。

〇良質な情報源は、それなりにコストをかけて接しなきゃいけません。その点、総合雑誌は、まだまだ書き手も編集者もしっかりしているから「当たり」が多いと思いますよ。


<12月11日>(木)

〇忘年会シーズンである。今宵は赤坂の「うまや」。来年は午年なので、いい趣向ではあるまいかと。ところで午年ということは、来年はやっぱり株価の下落にご用心であろうか。

〇ハタと気が付くと、先月から赤坂でばかり飲んでいる。焼き鳥の宮川、イタリアンのグラナータ、そばの三平、焼肉の草の家。来週は中華の頤和園という予定もあったりして。

〇考えてみたら、赤坂とは40年来のお付き合いである。長く通っている店もあれば、消えてしまった店も少なくない。ずいぶんと新しい店も増えている。それでも全体としてみれば、オヤジ世代がこころから油断して飲めるというありがたい街である。

〇およそ文化的な施設はほとんど存在しない。お洒落なセンスとも無縁である。韓国系など、エスニック系に強い。とにかく消化器系統の店ばかりが並んでいる。この猥雑な感じがワシ的には好ましい。まあ、そこで育ったようなものでもありますので。

〇赤坂でしぶとく生き残っている店の中に、土佐料理ねぼけがある。何度通ったかわからないが、ここのクエ鍋をまだ一度も食べたことがない。やはり一度くらいは試してみるべきではあるまいか。年内はもう無理だけど、来年の課題かな。


<12月12日>(金)

〇今年の漢字は「熊」でしたか。うーむ、深みはないけれども、字面に迫力はある。なにせ「熊」ですから。「2025年の今年の漢字は熊でした」というと、後からしみじみ思い出しそうだ。中国もこれを理由に、対日渡航注意勧告を出せばいいのにねえ。

〇ちなみに「熊」は総数23,346票、2位の「米」が23,166票だったそうですので、僅差の勝利でしたね。米の値段は最近下がり気味で、そういう良いことはニュースにならないものですからね。ちなみに3位は「高」で18,300票。「高」は「物価高」や「高市さん」から来ているのでしょう。

〇さて、来年も熊は出るのかどうか。というか、そろそろ冬眠してくれよ。一部の地方では、新聞の宅配がシャレにならないことになっていると聞きますぞ。


<12月14日>(日)

〇3日間、苦しみ抜いた原稿の出口が、ようやく見え始めた。ああ、しんど。

〇いや、別に原稿だけ書いてるんじゃないんです。昨日は講演会の講師を務めたし、今日は町内会の餅つき大会の警備をやってました。今日は雨も降って、寒過ぎましたわなあ。あ、阪神JFもちゃんと買って外しています。

〇20年くらい前に、やっぱり苦しんだ原稿があったことを思い出しました。その道では大変に尊敬されている方で、「この人の言うことは全部聞こう」と心に決めた編集者さんからの発注でした。なぜか信用されていたのですが、あいにくそのときは不十分な出来栄えの原稿を提出せざるを得ませんでした。

〇「これはフツーの読者は騙せるかもしれないけど、あの人だけはごまかせないよなあ・・・」と思いつつ、原稿をメールで送ったものです。そしたらすぐに編集者さんから電話が来ました。型通りのお礼の言葉があって、その後のひと言は死んでも忘れられません。


「しかしまぁ、あなたも器用な方ですなあ」


〇完全にお見通しでありました。たぶん物書きとしてのワシの本質はそこにあるんだろうな、と頓悟しました。20年たっても、似たようなことをやっております。もう、ビール飲んじゃおう。


<12月15日>(月)

〇あらためまして、当欄の愛読者の皆様にお願いがございます。不肖かんべえが理事を務めております「SDGsプロミスジャパン」というNPO法人がございます。アフリカ支援を地道にやっておりまして、今年で17年目になります。

〇当団体はサポーターを求めております。年間3000円のご寄付をいただけましたら、まことに光栄でござりまする。認定NPO法人の地位を維持するためには、このサポーターの数がモノを言いますので、一人でも多くの方のご参加をいただけるとありがたいのです。

〇当団体へのご寄付は税額控除・所得控除の対象となります。年内のご寄付がギリギリ間に合うタイミングかと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。


<12月16日>(火)

〇今年もいよいよ残るところ半月となりました。ここまで例年にも増して難行苦行だった観があるのだが、ワシは本当に年を越せるのか。今週も宿題が一杯あるのう。

〇今日は古い友人のH氏とO氏が訪ねてきてくれました。ランチをご馳走になったり、手土産をいただいたりしております。こんなに一杯お土産をいただくと、毎朝パンの代わりに和菓子をいただいたりします。「これではまるでマリー・アントワネットだね」などと老夫婦で言いつつ、感謝しております。が、くれぐれもお気遣いはご無用に願います。

〇こうやってみると、ワシはずいぶん恵まれておるのう。まだまだ仕事はいっぱい残っておりますが、そういえば年賀状はどうしたものか。明日は宮城県に出没いたします。年内の出張はこれが最後です。


<12月17日>(水)

〇内外情勢調査会の仕事で宮城県へ。本日はダブルヘッダーで、お昼が仙台市、夜は石巻市で講演会である。

〇若いときはそういうのも平気でしたけど、この年になったらツラいかも、と思ってはいたけれども、やってみたらどうということはなかったです。ハイ。調べてみたら、2007年6月に来た時と同じパターンである。あのときは仙台と石巻で講演会やって日帰りだったけれども、今回は仙台で宿泊にさせてもらいます。ということでホテルにて更新作業中。まあ、それくらいは許されるかなあと。

〇石巻市では、主催者さんにわがままを言って石ノ森萬画館に立ち寄ってきました。マンガ家、石ノ森章太郎の記念館ですな。漫画ではなくて「萬画」、となるのが石ノ森流です。石ノ森章太郎は長らく石巻市出身なのだと思っていましたが、現在の市区町村区分では登米市で、当時は石森町といったんだそうです。本名は小野寺で、出身地をペンネームにしたんですね。

〇石ノ森作品と言うと、誰もが思い浮かぶのは『サイボーグ009』と『仮面ライダー』ではないかと思うのだけど、ほかにも実にたくさん書いておるのです。「キカイダー」とか「イナズマン」は同工異曲ですが、江戸時代に題を取った『佐武と市捕物控』とか、ビッグコミックに連載していた『HOTEL』とか、「ああ、これも見たみた、読んでいた」ということになります。懐かしい方はこちらをどうぞ

〇しかし何と言っても、『サイボーグ009』でありますな。まだ日本人が海外に出かけて行けなかった時期に、よくまあイマジネーションだけでこんな絵空事が描けたものだと、今となっては感心するほかはありません。004の本名は「アルベルト・ハインリッヒ」ということになってます。どっちも名前じゃないかい!本作が未完であることは、まあ、いかんせん致し方ないのかなと今となっては感じるところです。

〇なにしろ日本の漫画界を作った才能は、手塚治虫が1928年生まれ、藤子不二雄は1933年と34年、赤塚不二夫が1935年、石ノ森章太郎が1938年生まれです。トキワ荘世代はたぶん海外など1回も行ったことがなくて、あんな世界を描いていたんです。おフランス帰りのイヤミなんぞは、今ならポリティカリィ・インコレクトで、下手すりゃ外交問題ですな。シェ―!

〇それでも不肖かんべえがユーチューブを流しっぱなしにしていると、しばしばこの映像が流れてくるんです。カッコいい!この2012年バージョン。作詞はもちろん石ノ森章太郎本人です。♪涙で渡る血の大河、夢見て走る死の荒野〜♪ 手塚漫画はテーマで読ませたが、石ノ森作品は絵柄が勝負。大胆なコマ割りとユニークなキャラ。シリーズものを作るにはもってこいの作家でした。

〇石巻市というと、毎度長らくお世話になっている東洋経済新報社の編集F氏の故郷でもあります。毎週毎週、オバゼキ先生と3人の間でメールが飛び交います。明日中にはワシはF氏宛てに原稿を送らなきゃならんのです。今宵時点ではまだ全然書いちゃおらんのですが。

〇とりあえず先ほど、ホテルの向かい側にあるコンビニに行って、ビールと東スポを買ってきた。三嶋まりえ記者が「朝日FS杯はエコロアルバだ!」と書いている。はてさて、競馬予想はこれに乗っていいものかどうか。もうちょっと悩みます。2歳馬のレースは難しいですから。


<12月18日>(木)

〇仙台市の現下の大問題は、仙台駅前の地元デパートの跡地再開発である。当初はドンキさんが何とかしてくれるのかと思ったら、結局なにもなし。今年になってようやく取り壊しが決まったものの、後をどうするかが決まっていない。

〇で、本日、新幹線の時間待ちに仙台駅の中をうろついてみて判明したのは、「駅ビルの中が豪華過ぎること」。いや、牛タンの名店や地元水産物の店があるのは当然のことながら、鼎泰豊まで入っているではないですか。こんなJR東日本という強敵がいたら、出張族の需要は全部取られてしまうし、普通のデパートでは太刀打ちできないだろう。

〇だったらホテルはどうか。これも仙台駅と直結しているメトロポリタンホテルがあって、JRグループですからなあ。というか、今回もワシはここに泊まったし、とにかく便利なんだもん。願わくば、フォーシーズンズかリッツカールトンが来て、ド高いやつを建ててくれるといいんですけどねえ。

〇いろいろ考えてみて、やっぱり駅前はタワマンを建てるのがいいんじゃないか。でもって、最上階は楽天入りが決まったマエケン選手に買ってもらう。いや、もちろん三木谷さんでもいいんですけどね。住みやすい街だと思うんですけどねえ。

〇てなことで帰ってまいりました。明日はこんな番組に出演いたします。


<12月19日>(金)

〇本日は日経CNBC『金曜日のゴールド』に出演しました。


●第10回「2026年アメリカの動きと金」


〇会社員をやってたら、こんな番組は出にくいけど、俺は今はフリーだもんね。ふふふ。それはそれとして、来年のアメリカの動きと金にはいろいろ面白い点がありそうです。

〇今年は金価格がえらく上がりましたけど、金の買い手として意外と大きいのは中央銀行なんです。そして今年、いちばんたくさん金を買ったのは、何とポーランドの中央銀行であった。おそらくはウクライナに近いために、地政学リスクを敏感に感じ取っているのでしょう。

〇逆にロシアは今年、20年ぶりに金を売り越しているのですね。6.2トンだというから、結構な量です。考えてみたら、ロシアはこれまで3000億ドルの外貨準備を差し押さえられていて、最近は欧州が「フローズンアセットの活用」てなことを言い出しているのだけれども、ロシアがそれに文句を言っている。意外と外貨繰りが苦しいのかもしれません。石油価格も下がっているしね。

〇金価格というものは、株が上がる年には普通は下がるもの。ところが今年は両方とも上昇した。やっぱりドル離れが始まっているのでしょうか。そうであっても、ちっとも不思議ではありませんなあ。


<12月21日>(日)

〇先日、「仙台の駅前跡地開発」の話を書きましたが、何でも知ってるチャットGPT先生に、「札幌ー仙台ー広島ー福岡に、外資系高級ホテルはいくつあるのか?」を尋ねてみました。そしたら、今はこんな感じなんですね。


●札幌:インターコンチ札幌が今年できたばかり。

●仙台:ウェスティン仙台

●広島:シェラトングランド広島、ヒルトン広島

●福岡:グランドハイヤット福岡、リッツカールトン福岡(→後記:福岡市の愛読者から「ヒルトンシーホーク福岡もあるぞ!」とのご指摘あり。忘れてたけど、ワシも泊まったことあります。福岡ドーム球場に隣接しているんですよね)


〇こうしてみると「西高東低」で、意外にも札幌が出遅れておるのですな。札幌にはパークハイヤットの建設計画もあるんだそうですが、人口的には上記4都市ではいちばん多いし、世界的な知名度も高いのですが、しみじみ冬季五輪の誘致が消えたことが惜しまれます。

〇その一方で、北海道には都市型ではなくてリゾート型で、「東山ニセコビレッジ・リッツカールトン・リザーブ」があるんですって。ひえ〜、ニセコにリッツがあるんですか。そうか、そっちの方が確実に高額な顧客層を掴めるわけですからねえ。

〇今年の夏に行ったけど、ニセコなんて新千歳空港からクルマで2時間もかかるのに・・・とワシ的には思うのですが、チャッピー先生にたしなめられました。

「アスペンやサンモリッツだって、空港からは3〜4時間かかるんです。富裕層はそんなこと気にしません。どうせ自分で運転するわけじゃないんだし。それよりもフィルター効果(誰でも簡単に来られない)の方が大事なんです。選ばれた人だけが来るわけだから」

〇確かにねえ、ニセコへの道中は支笏湖も羊蹄山も景色はすばらしいんで、そうか、そういうことだったのか。富裕層は「無意味な時間」を嫌うけれども、非日常空間に向かうプライベートな時間は贅沢に感じるのだそうです。ヴェブレンの『有閑階級の論理』という本を思い出しましたよ。

〇仙台の場合は、ワシはいつもメトロポリタンホテルに泊まります。駅ビルに隣接しているし、館内テナントは一流だし、不満はないのです。ただし今回、部屋にミニバーがなかったので、雨の中を向かい側のコンビニまでビールを買いに行って、「これはちょっとマズいのではないか」と感じたんですよ。仙台市は、もうチョイ上の需要を取り損ねているんじゃないかい?と。

〇これもチャッピー先生によれば、「仙台は東京が近すぎる」という問題点があって、特に駅ちかはツラいですよね。JR東日本が、出張者需要のおいしいところを押さえてしまっている。仙台で高級ホテルを作るなら、駅から少し離れて青葉区辺りで新しい「核」を作らないといけません。都内でも「上野が寂れて、浅草が繁栄している」例がありますからね。

〇これと比べると、最初から都市の中に核がいっぱいある広島は、大いに伸び代があると言えそうです。最初から広島駅と広島城と紙屋町があって、最近はそれにマツダスタジアムとG7をやったグランドプリンス広島が加わったのですから。なにしろゼレンスキーが平和記念公園で花を捧げた街なんで、国際的なブランド価値は相当に上がったと言えるのではないでしょうか。

〇4都市の中で、一歩抜きんでた感があるのは福岡ですね。2019年のG20誘致で大阪に負けたことが一種の刺激になって、リッツカールトンを誘致しました。となりの西鉄グランドホテルは現在建て替え作業中です。西鉄はしぶちんな会社ですが、みずから変わろうとしているのだからたいしたものです。グランドハイヤット福岡は今年1月に泊まりましたけど、あそこも中州が近くて楽しいところなんですよねえ。

〇それにしてもチャッピー先生は、ホテルに泊まったことなどないはずなのに、何でも知ってて面白いですなあ。話がとってもはずんでしまいました。

〇ところで先週、お願いしたSDGsプロミスジャパンへのご支援に対し、多くの方からのご寄付をいただきました。先日、事務局から目標数に到達したとの連絡をいただきました。認定NPOは、サポーターが一定数居ないと資格を取り消されることがありますので、ひとくち3000円のご応援は大変に貴重であります。伏して御礼を申し上げます。


<12月22日>(月)

〇しかしまあ、なんでこんなに忙しいんだ、ワシは。今年ももう残り少ないというのに、ちゃんと仕事を終えられるのだろうか。

〇明日は月に1度の双日での仕事があるんで、プレゼン資料を完成させなければいかん。面白いネタはかなりの部分は先月の発表で使っている。12月に仕入れたネタを中心に、何とか格好をつけなければいかん。

〇午後はこの季節恒例、経営合理化協会さんの収録のために八丁堀のスタジオへ。この仕事、なんと今年で20年目だとか。ははあ、年を取るわけだ。

〇それが終わったら引き返して、PHP総研の「オープンエコノミー研究会・シーズン2」の第1回会合である。憂国の議論を2時間余り。

〇夜は一時帰国中の某国大使を囲む会。久しぶりに赤坂以外の忘年会でありました。やっぱりニュージーランドの肉は美味いのである。

〇それが終わってから、今週一杯で閉店になるという烏森の「はづき」に立ち寄る。どういう店であるかは、こちらをご参照。閉店を惜しむ人たちがわんさかやってきて、お店はてんてこ舞い。2月からは中目黒であらたに開店とのこと。まあ、良かった。

〇てなことで、バタバタの日々が続いておる。ところで今週末、今年最後の溜池通信には、いったい何を書けばいいのだろう?


<12月23日>(火)

〇この季節恒例の年末エコノミスト懇親会へ。ここ数年、案内が途切れていて、今年は久しぶりに復活したので出かけてみたら、会場がオークラから帝国に変わっていた。それから「株と為替の予想」はあいかわらずやっていたけど、昨年分の発表はありませんでしたな。いくつか勝手が変わっておりました。

〇それでも会うのは、いつものお馴染みの方々である。大変効率よくいろんな方とご挨拶ができる。「会社辞めて独立したんでしょ?名刺頂戴」と何人もの方に言われておりました。考えてみたらまだ2カ月もたってないのに、すごい勢いで名刺が減っていく。結構なことである。

〇高市首相が登場。演説内容はいつも通り、「強い経済」とか「責任ある積極財政」とか、「気合いワード」を羅列するような内容でありました。今日は経済ネタばかりだったからまだいいけど、これが外交の「気合いワード」になると、「毅然たるナントカ」とか「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とかになるので、さすがについていけないものを感じますなあ。

〇国民民主党の玉木氏も登場。先週末で、年収の壁が「ミッションコンプリート」になったのだそうだが、減税の規模としては全然たいしたことがなくて、財務省が6500億円と言っているらしい。その程度で支持者の方々は満足しているのでしょうか。国民民主党としては、これでもう与党に反発する理由はなくなったので、来年には連立入りするのかもしれません。とはいえ、そうなったら今度は維新が抜けちゃうのかも。

〇たぶん2週間後には、同じ帝国ホテルで時事通信社の新年互例会があって、また同じような面々が揃うことになりそうである。とはいえ、政治の世界で2週間は長いです。果たして年明け、どんなことになっているのやら。


<12月24日>(水)

〇関東地方は「ホワイトクリスマス」ならぬ「雨のクリスマス」。この季節には珍しい天気ですな。いや、さむうございました。

〇あと1週間で2025年も終わってしまいます。とはいうものの、今年の仕事はまだまだ続くのであります。


12月25日(木) ラジオ日経「有馬記念」予想締め切り

12月26日(金) 「飯田浩司のOK!Cozy Up!」(ニッポン放送)、今年最後の「溜池通信」締切日、財務省予算説明会も 

12月27日(土) ホープフルステークス

12月28日(日) 有馬記念

12月29日(月) 某政治関係会合

12月30日(火) テレビ東京「大納会特番」

12月31日(水) 大晦日


〇うーむ、有馬記念は仕事なのだろうか。でも、「世相を反映する」と言われるこのレース、何が来るかは結構な大問題なのであります。読者の皆様におかれましては、メリー・クリスマスということで。


<12月26日>(金)

〇恒例の企画であります。


●ラジオ日経「マーケットプレス」 コメンテーター有馬記念大予想


〇今回は予想がオバゼキ先生と重なってしまいました。いやあ、去年の有馬も、今年のジャパンカップも、この馬に賭けていたのです。ちなみに今年の宝塚記念はレガレイラでした。全部外れているんだから、まったく世話はありませんなあ。

〇今朝のニッポン放送で飯田浩司さんと有馬記念談義をしていたら、「タカモト式ならどうなるか?」というひと言が飛び出しました。アシスタントの内田雄基さんは当然知りませんわなあ、若いから。かつては一世を風靡したのですよ、タカモト式は。

〇昭和の競馬評論家、高本公夫が編み出した「サイン理論」とは、ウィキを見るとこんな風に説明されている。


*時候や記念日から連想される馬名、馬主から予想する。

*出走馬の関係者の誕生日や冠婚葬祭にもとづいて予想する。

*主催者(中央競馬の場合は日本中央競馬会)の発行物や広告にあるフレーズ(特定の単語、漢字の画数)、使用されている写真などから予想する。

*当日競馬場にゲストとして来た有名人や、場内で放送される迷子案内から連想される馬券を購入する。

*そのとき、社会で大きな話題となっているニュース・事件・事故などの時事ネタから連想される馬券を購入する。

*特定レースの出目による連動により馬券を購入する。

なかにはノストラダムスの予言解読などで見られるように、アナグラムや暗号解読、挙句にはオカルト的発想などの手法を用いた、牽強付会とも言えるこじ付けによる手法が用いられることもある。もちろん、レースの結果が出た後に、その結果にあてはめてサイン理論を作り上げることも可能である。



〇いやもう、スゴイのである。その日の朝刊に「レーガンとゴルバチョフがジュネーブで会談」という見出しが出ていたら、「ジュネーブ」に関係する馬名が来るという理論なのである。で、2人でこういう話になりました。


「今から考えたら、あれは陰謀論の走りでしたなあ」


〇いやね、競馬で勝とうと思ったら、血統を極めるとか、馬の持ちタイムを調べるとか、「10年トレンド」を調べるとか、とにかくストイックな努力が必要になるのですよ。ところが、そんなことができる人は限られているし、もっと楽して万馬券を当ててやりたいみたいなことは皆が考えるわけです。そこで出世の近道になるのが、オカルトであり、陰謀論ということになってくる。

〇本日は令和8年度予算の閣議決定がありまして、午後からは財務省の「予算説明会」がリモートで行われるわけです。ここでやっているような小難しい議論は、ほとんどの人にとって理解不能でありましょう。だからこそ、「財務省悪玉論」が出るし、「財務省解体デモ」が起きてしまう。いずれは「タカモト式」と同じく、笑い話になることでしょうけれども。


<12月28日>(日)

〇有馬記念はワシ的には残念ながら外してしまいましたが、JRAにとっては大変結構な結果となったようです。


●有馬記念21世紀初の700億超え!売り上げ大幅UP 713億4520万6100円、前年比129.5%


〇「ザ・ロイヤルファミリー」効果だという評判ですが、すいません、見ていないです。ワシ的な注目ポイントは、最終日に出るこの数字です。毎年、その日のうちに公表されて、100円単位まで正確で、後から修正されることがありません。こんなすばらしい経済統計は、滅多にあるものではありませぬ。


JRAは28日、全日程を終了。今年1年間の発売金3兆5059億6687万8300円(レコードは97年の4兆161万5444万1100円)は対前年比同105・2%、売得金3兆4853万1261万100円(レコードは97年の4兆6億6166万3100円)で同105・2%で、発売金、売得金ともに14年連続で前年を上回った。開催競馬場の入場者数も522万9792人で対前年比101・8%と数字を伸ばした。


〇前年比5%アップ、という点が大事です。JRAの売得金は物価上昇分を越えて、実質ベースでも伸びているわけですね。かつてのピークが1997年の4.0兆円であり、2011年に2.3兆円まで落ち込んだところがボトムですから、今年、3.5兆円に達したというのはひとつのマイルストーンと言っていいと思います。

〇競馬の世界は着実にデフレから脱却しつつある。日本経済全体としてはどうなのか。来年はそのことを問われる1年となりそうです。


<12月29日>(月)

〇明日はこんな番組に登場いたします。


●2026年株価先読み!プロが大予想“次の主役”は? (12月30日(火) 15時45分〜16時00分)


〇地上波は15分間だけですが、その後はテレ東BIZで続きをやります。


●2026年の株価先読み!AIブーム、日中関係はどうなる?(15時45分から配信予定〜16時35分ごろまで)


〇なんでこういう番組ができたかと言うと、テレ東内部で「日経平均が5万円になった年の大納会に、モーサテもWBSもやってないけどいいのか?」という話が出て、急きょ決まった、とのことであります。キャスターは池谷さん、もうひとりのゲストは大川智宏さんです。

〇この番組、地上波では「開運!なんでも鑑定団3時間半スペシャル」の第1部と第2部の間に入ります。視聴率的には、どういうことになるんでしょうねえ。この時期、ワシ的には家でダラダラとテレビを見てることが多いですけど、今年は12月30日になっても仕事がある、ということになります。

〇そんなことより、年末のテレビ東京と言ったら、なんといってもこれですよねえ。今年も大みそかは五郎さんに会えるんです。そっちはきっと見ると思います。


<12月30日>(火))

〇ハッと気が付いたら、この日は例年、NHK「ドキュメント72時間」を見ながらダラダラと過ごす日ではなかったか。なんでそんな日にテレ東に出かけて、大納会スペシャルに出ることになったのか。

〇それでも行ってみたら、とっても長いお付き合いの池谷さんとの間合いがあり、大川さん43歳のいまどき珍しい無頼派振りに感動するところもあり、これは結構得難い時間になるのであります。

〇で、番組が終わってからガランと人気のないテレビ東京10階の報道局で、番組スタッフの皆さんと軽い打ち上げをしていると、皆さんが「ああ、72時間、見てる観てる」とおっしゃるではありませんか。

〇でまあ、終わってから家に帰って、NHKの続きを見るのである。年間第2位、第1位を見ましたですよ。どっちも病院ネタでしたね。この番組、なんで視ちゃいますかねえ。


<12月31日>(水)

〇例年通り、紅白を見たり見なかったりの年越しです。

〇今年、これはいい歌だなあ、と思ったのはこれです。すいません、「ばけばけ」は見てないんですけどね。


●笑ったり転んだり (ハンバート ハンバート)


〇この力の抜け方がすばらしい。「♪日に日に世界が悪くなる〜」というのはホント実感ですが、下り坂の日本経済にはこういうのが似合っているのかもしれません。

〇さて、そろそろ『孤独のグルメ』が始まるぞ。皆さま、良いお年を。






編集者敬白



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by Tatsuhiko Yoshizaki